カイワリ(貝割)
カイワリの刺身
カイワリの焼霜造り
- スズキ目アジ科
- 名の由来は尾の形が二枚貝を開いたように見えるから
- 一見ではまっ黒だが、良く見れば青緑色を帯びた濃灰色といったところか
- 産卵期は秋、9月から11月 --ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
- 旬は春から初夏。ただし年間を通して美味 --同上
- 鱗は鱗は薄くて取りやすい。皮は薄く弱い。骨は軟らかい
- 身は透明感のある白身で血合いは薄い。熱を通すとやや硬く締まる
- 全長20cmほどのものをいただいた。アジ科だがマアジよりも白身魚に近く、きめ細かく透明感のある身質で、口に入れると濃厚な旨味が広がる
- 脂がしっかり乗っていて脂の甘みや身本来の甘みが強く感じられにもかかわらず、意外とあっさりとしていてしつこさが感じられない
- 超美味〜!
- 焼霜造りは皮が剥がれてしまったり、この個体は身が薄く生の部分が少なくなってしまったので単純に評価はできないが、刺身に軍配が上がる。冷やさず炙ったままの方が良いかもしれない
メジナ(グレ、メヂナ、目近魚、眼仁奈、目品)
メジナの刺身
メジナ
- スズキ目メジナ科
- 名の由来ははっきりしないが、漢字には目や眼の文字が見えるので、目の特徴からきている可能性はありそう
- 一見ではまっ黒だが、良く見れば青緑色を帯びた濃灰色といったところか
- 産卵期は2月から8月と長い
- 旬は秋〜春(相模湾など) --ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
- 鱗はやや硬い。皮は厚くしっかりしていて引きやすい
- 身は透明感のある白身。血合いは赤く美しい。熱を通してもあまり硬く締まらない
- 白子、卵巣は非常に美味
- 全長35cmほどのものを旬にいただいた。包丁を入れた瞬間に脂を感じるほどで、口溶けがとても良く、甘い。美味い!
- 鍋にしても美味いという
ウツボ(鱓)
ウツボの刺身
ウツボ
- ウナギ目ウツボ科
- 名の由来:長い体が矢を入れる容器「靫」(うつぼ)に似ているから。岩穴に潜む習性から空洞を意味する古語「うつほら」が転用され「うつほ」を経て「うつぼ」となった --wikipedia
- 食用としては、千葉県(塩漬け天日干し)、三重県(開き干し)、和歌山県(揚げ煮、小明石煮)、高知県(たたき)など
- 皮は非常に厚く切りにくい。中骨は逆三角形。非常に硬い小骨が無数にある。下ろすには技術が必要
- 身は締まった上品な白身。脂が混在しており白濁している。血合いはない。皮下にゼラチン質の層がある
- 小骨を除去する技術がないので刺身は小骨を残して薄く削いだ
- 淡白で上品。ねっとりした食感で甘みがあり、かなり美味!
- →ウツボのたたき
クロダイ(黒鯛)
クロダイの刺身
クロダイ
- スズキ目タイ科
- 関西での呼び名はチヌ
- 純粋な海水魚ではなく河口域や汽水域に多く見られ、時に川にも生息する。能登半島では『川鯛』と呼ばれる
- 一般的にタイと言えば赤い真鯛を指すが、一見すれば形はほとんどそれそのもので色が黒っぽいだけのように見える。口は少し前に突き出ている。不明瞭な縦縞があるものも多い
- 産卵期は春から夏 --ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
- 旬は晩秋から春 --ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
- 養殖が盛んであり、もっともよく目にする魚種のひとつと言える。天然のものは鼻の穴が前後に並んで2つ開いているが、養殖ものはこれが繋がって一つになっているものが多い
- 赤い色が鮮やかで青い斑紋がはっきりしているものが良いとされる
- 鱗はあまり硬くなく取りやすい。皮は厚くやや硬いが引きやすい。骨はあまり硬くなく、真鯛同様、素直な形状で下ろしやすい
- 身は透明感がある白身。血合いは赤い。熱を通しても硬く締まらない
- 写真は30cm強のもの。真鯛に比べると身は柔らかめで、色は脂で白濁しており、血合いは少なめできれいな赤
- 味は真鯛と遜色なく、上品で旨味があり美味!
ムツ( 鯥)
ムツの刺身と焼霜造り
ムツ
- スズキ目ムツ科
- 大型の深海魚で50cm以上になる
- 脂が多い様を表す「むつっこい」「むっちり」などの言葉が転じて「ムツ」という名前がついたともいわれる --wikipedia
- 旬は晩春から冬 --ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
- 深海魚らしく、見た目はぷっくらしており、柔らかそうな印象で、実際柔らかい
- 鱗は薄くて取りやすいが、皮はやや厚く、硬め。骨は柔らかい
- 身は透明感のある白身で、脂が乗ると白濁する。熱を通しても硬く縮まない
- 20cmほどの小型のものをいただいた。脂はあまりなさそうだったので刺身では淡白かと思い、片身は焼霜造りにした
- 刺身は意外と脂を感じることができて美味だったのに対し、焼霜造りは氷水に浸け過ぎたのか少し水っぽく感じた
マダイ(真鯛)
マダイの刺身/薄造り
マダイの焼霜造り/木の芽塩和え
マダイ
- スズキ目タイ科
- 一般的にタイと言えばこれ。チダイやキダイなど他の鯛とつく魚と区別するために『真』がつけられたものと考えられる。『本鯛』と呼ぶ地域もある
- 名の由来はいくつも説があるが、『タイ』は『平らたい』の『たい』とも言われる
- 産卵期は地域により異なるが、関東は5-6月ごろか
- 旬は春と秋と言われている。産卵前の春に水揚げされるものは体が美しいピンク色となることから『桜鯛』とも呼ばれる。秋はもっとも味が良く『紅葉鯛』とも呼ばれるという。 晩春から初夏は産卵後であるためおいしくないという意味で『麦藁鯛』とも呼ばれるという
- 養殖が盛んであり、もっともよく目にする魚種のひとつと言える。天然のものは鼻の穴が前後に並んで2つ開いているが、養殖ものはこれが繋がって一つになっているものが多い
- 赤い色が鮮やかで青い斑紋がはっきりしているものが良いとされる
- 鱗はやや硬いが取りやすい。皮はしっかりして厚みがあり、引きやすい。骨はやや硬く、素直な形状で下ろしやすい
- 身は透明感がある白身で血合いは赤い。熱を通しても硬く締まらない
- どんな料理にも合う万能選手
- 刺身は、まず色が美しい。中型以上の脂がのったものは食感がよく甘味がある。引いた皮は湯引きしてポン酢でいただくと良い
- 小型のものは冬場以外は脂ののりが悪いものが多いので、霜皮造りや焼霜造りにして皮ごといただくと旨い
キビナゴ(黍女子、黍魚子、吉備女子、吉備奈仔、𩸕)
キビナゴの刺身
キビナゴ
- ニシン目キビナゴ科キビナゴ属
- 名の由来についてはいくつかの説があるようだ。有力なのは次の二つか。鹿児島県南部の方言で、帯のことを「きび」、小魚のことを「なご」と呼ぶことから。吉備地方(現在の岡山県の一部)でよく獲れていたことから。
- 九州地方では「キビナ」、沖縄地方では「スルル」、西日本では「コオナゴ」と呼ばれることがある
- 旬は早春から初夏
- 成魚は全長10cmほど。鱗は剥がれ易く漁獲後にはほとんど脱落してしまうため気にしなくて良い。皮は薄く剥きやすく残っていても気にならない。骨は柔らかい
- 刺身にするには、頭を取って手開きにし、塩水でさっと洗ってザルに取る
- 刺身は一般的には酢味噌(白みそ1、酢1、出汁1、砂糖1、練り辛子少々)でいただく
- キビナゴの刺身
ナガニシ(長螺、長辛螺)/ヨナキガイ(夜泣き貝)
ナガニシの刺身
ナガニシ
- イトマキボラ科ナガニシ亜科ナガニシ属
- 名前の由来:漢字表記からもわかるように長細い巻き貝であることから。広島県では夜泣きの薬としたため夜泣き貝と呼ばれるという
- 全国に生息しているが食用とするのは広島市周辺のみのよう
- 殻は薄いが非常に硬い。蓋は薄い
- 旬は秋から春らしい
- ワタ(内蔵)はとても苦いので調理前に取り除く必要がある。可食部は筋肉部(蓋付近の赤いところとその周囲)のみ
- 刺身とするのが一般的だが煮付けにすることもあるようだ
- 殻からは容易には外れないので殻をトンカチで割って取り出し、ワタを取り除いて十分に洗ってからいただく
- 味は赤貝に近く、磯の香りが強い。食感はよりコリコリしている
- 塩茹でして食べてもよいかもしれない
ホウボウ(竹麦魚、魴鮄)
ホウボウの刺身
ホウボウ
ホウボウ上からの図
- スズキ目カサゴ亜目ホウボウ科
- 名前の由来:ホーボーと鳴くような音を発するため。頭が方形だから。の二説が有力。『這ふ』が転じたという説もある。『竹麦魚』という漢字表記の由来については分かっていない
- 頭と胸鰭が大きく特徴的な形をしている。脚のように変化した胸びれの軟条3対で砂泥底を歩くように移動する
- 旬は冬から春
- 鱗は細かく柔らかで取りやすい。皮はしっかりして引きやすい。骨は外見からは想像できないほど素直で、下ろすのは難しくない
- 身は透明感がある白身。熱を加えると締まる
- 薄造りにしていただいたが、上品な味で、旨味、甘み、食感とも申し分ない。脂もほどよく乗っている。柑橘類との相性も良い
- 料理法を選ばない万能選手で、何にしても旨い。浮き袋、肝、心臓も美味。あらからは良い出汁が取れる。煮付けやアクアパッツァなど、丸ごと調理すると歩留まりが良い
ダツ(駄津)
ダツの刺身
ダツ
- ダツ科ダツ属、サンマやサヨリの仲間
- 名前の由来:新釈魚名考/栄川省造 著/青銅企画出版/1982年9月/p326)によれば、
ダツの語源は、『駄簀(ダス)』。口が大きく開いた袋のこと。駄簀は蒲の葉で編んだ簀をいうが、多くは、米藁製の大型の袋で、塩・石炭・雑穀などを入れる。(中略)口の大きく開いていることからの呼名
とある。しかし、どうもピンと来ない - 一般市場ではほとんど流通がない
- 旬は寒くなってから初夏、あるいは春から夏だそうだ
- 鱗は細かく簡単に取れる。皮は薄いがしっかりしている。骨は硬く小骨が多い
- 身は透明感がある白身。血合いは強い。熱を加えると硬く締まる
- 全長65cm。1月に食した。水揚げされた翌日に下処理し、1日寝かせたもの。小骨が少ない尾の方を刺身にした
- 身は締まっていて程よいねっとり感が出ている。香りや味に癖はほとんどなくそれなりにおいしくいただけるが、これといった特徴もまたあまり感じらず、『旨い!』というまでには至らない。より大きな個体や時期が異なるとまた違った評価になるかもしれない
- 刺身では脂があまり乗っていないように感じたが、頭側を塩焼きにしてみると十分で、サンマには及ばないが旨い
イシダイ(石鯛)
イシダイの刺身
イシダイ
イシダイのカルパッチョ
- イシダイ科イシダイ属
- 名前の由来:延喜式では「ヒサウオ」、「ヒサ」は古い漁業用語で「磯・岩礁」→「磯魚・岩礁魚」と解釈できるが、ヒサと同義語のイサは斑のことで斑魚(イサウオ)=「斑入りの魚・縞鯛」 以上新釈魚名考/栄川省造 著/青銅企画出版/1982年9月/p108) 「石」は「磯」を指す言葉で、磯にいる鯛に似た魚というあたりが素直に感じる
- 地方ではシマダイ(縞鯛)と呼ぶところが多いようで、サンバソウ(三番叟)とも呼ばれる。老成したオスはクチグロ(口黒)とも
- 旬は春から初夏、秋と意見が別れるようだ。これは地域による違いかもしれない。いずれにしても味が落ちる期間は短く、ほぼ一年を通して美味
- 全長40cm程度までが美味とされる。大型のものは味が落ちてシガテラ中毒の危険もあるので食用には向かない
- 鱗は細かく簡単に取れる。皮は厚みがあり強く、やや引きにくい
- 身は透明感があり締まっていて、血合いはピンク色できれい
- 今回いただいたのは幼魚で、脂の乗りはあまりないが、コリッとした食感が良く、噛むほどに旨味が増す
- スダチ、柚子酢、塩のコンビネーションも○
- カルパッチョもgood!
メアジ(目鰺、眼鰺)
メアジの刺身
メアジ
- アジ科メアジ属
- 名前の由来:目が大きいことから
- 旬は関東では秋から冬とされるが、夏も美味だという
- ゼイゴがあるがマアジより小さく薄い。鱗は薄く細かい。皮は薄いが手で剥げる
- 身は透明感があり、血合いは大きいが色はマアジより薄く、脂は少ない
- 青魚特有の風味はあるがきつくはない
- 小さめの個体を三枚に下して刺身に切らずにそのままいただいた
- 刺身は普通に旨いが、マアジと比べると柔らかで脂が少なく淡白。どうしてもマアジと比べられてしまうところが、この魚のウィークポイントだろう。刺身よりタタキやマリネなど、少々手を加えたものの方が旨く感じる
- 評判のとおりフライなど油を使った料理に向いている
イトヒキアジ(糸引鰺)
イトヒキアジの刺身
イトヒキアジ
- アジ科イトヒキアジ属
- 名前の由来:幼魚の背ビレ、尻ビレが糸を引いたように伸びていることから
- 旬は春から初夏だそうだが幼魚は秋とされる。成魚幼魚とも味が良い
- 鱗はほとんどない。皮は薄く骨は柔らかい
- 身は透明感があり血合いは非常に薄い
- 熱を通しても硬く締まらず、煮ても揚げても美味
- 幼魚を下ろす場合は鰭を切り落とし、頭の後ろから斜め袈裟懸けにズバッと切って内臓を掻き出すと簡単
- 今回用いたのは手のひらサイズで皮を引くとあまり身が残らない上に淡白過ぎるため、銀皮造りにして細めに切った。こうすると皮を引いた刺身より旨味が感じられる。アジのたたきのように薬味を混ぜて醤油を掛けて食べても旨いと思う
- 皮をさっと炙るとさらに美味
ホウセキキントキ(宝石金時)
ホウセキキントキの刺身
ホウセキキントキ
- キントキダイ科キントキダイ属
- 名前の由来:宝石のルビーのような赤い色から。泳いでいる時は本当に宝石のように輝いているという。『金時』は金太郎こと坂田金時が赤ら顔であったことや赤い衣装を身に着けていたことから赤色を指す言葉となった
- 年間を通して味が良く、小さい個体でも味が良い
- 鱗は硬く、特に腹ひれ付近は非常に取りにくいため、取らずに調理されることが多い
- 刺身は鱗を取らずに皮を引く
- この皮は鱗が付いたまま揚げると美味。素揚げでも良い
- 身は透明感のあるほんのりピンク色をした白身で、血合いもとてもきれい
- 熱を通しても硬く締まらず、煮る、焼く、揚げると万能で、外見からは想像が付かないほど何にしても美味
- 今回は小さな個体であったので腹と背とに切り分けずに刺身にした。ほんのり甘く脂が感じられ、旨味がありとても美味しい
イナダ(鰍、居灘)
イナダの刺身
イナダ
- アジ科ブリ属
- 出世魚であるブリの若魚で主に関東地方で40cm付近のものをいう。関西では『ハマチ』と呼ぶが、最近は養殖ものを『ハマチ』、天然ものを『イナダ』と呼び分ける傾向がある
- 名前の由来:語源は『稲田』。 田んぼに稲が生える時期にだいたいそのサイズになることから。また『居灘』とも書き、潮流の速い灘に居る習性に由来する
- ブリに比べて脂分が少なくあっさりとした味わい
- ブリは『鰤』と書き師走の食べ物であることがわかる。イナダは『鰍』と書き、秋に出回る
- 上の写真は全長50cmの個体の背身で、脂の乗りは良い
- 下の写真の個体は全長40cmであまり太っておらず、脂の乗りは今ひとつだった
- ブリはくどく感じることがあるので、逆にさっぱり食べたい時にはイナダが良いと思うこともある
- 脂の乗りがあまり良くないものはカルパッチョにした方が美味い
- 柑橘類でマリネしたセビチェも○
- 刺身であれば単に少し塩を振っていただいてもよい。それにすだちを絞れば爽やかな香りが素晴らしい。わさび醤油とはまた違った味わいが楽しめる
イサキ(伊佐木、伊佐幾、鶏魚)
イサキの刺身
イサキ
イサキの焼霜造り
- スズキ目イサキ科
- イサギと呼ぶ地域も多い
- 名前の由来:磯に生息することから『磯魚(イソキ)』、幼魚の縞模様から『班魚(イサキ)』、 背中の縞模様が5つに分かれることから『五裂(イサキ)』、背びれの棘条が鶏冠に似ていることから『鶏魚』
- 産卵期は6-9月
- 旬は春~夏で、脂が乗り『梅雨イサキ』『麦わらイサキ』と呼ばれ麦飯で食べると旨いそうだ
- 黄色の縞模様がある若魚(ウリボウ)の旬は秋か。小さくても脂が乗っており旨味も豊か
- 身は白身で柔らかく、脂肪が多い
- 焼くと脂がにじみ出て皮目に独特の風味が生まれるため、塩焼きの人気が高い
- 皮目に独特の風味があるため皮霜造りや焼霜造りも美味
- 刺身はほどよい軟らかさで脂は甘く、舌にからみつくような独特の旨味がある。旨し!
クロサギ(黒鷺)
クロサギの刺身
クロサギ
クロサギの焼霜造り
- スズキ目クロサギ科
- 名前の由来:腹腔膜が黒く、口が伸びる姿を嘴が長い鷺に見立てたのではないか
- 産卵期は夏
- 旬は春〜夏
- 白身。血合いは赤いが彩度が低く、身に細い黒い筋が入っていることがある
- 刺身は柔らかくしっとりとした食感で、皮下に若干の癖が感じられるが、まったりとした脂があり甘さを感じる。意外と旨い!
- 皮を炙って冷水で冷やす焼霜造りにすると、皮目に香ばしさが出てとても美味
カンパチ(間八、勘八)
カンパチの刺身
カンパチ
カンパチのカルパッチョ
- アジ科ブリ属
- アジ科ではヒラマサに次ぐ大型種で80kgほどにまでなる。同じブリ属のブリは40kg
- 名前の由来:目から背に掛けて斜めの太い暗褐色の線があり、これが『八』の字に見えることから
- 出世魚で、ショッコ(35cmまで)→シオゴ(60cmまで)→アカハナ(80cmまで)→ カンパチ(80cm以上)と呼ばれることが多い
- 産卵期は3-8月
- 関東での旬は小ぶりのものがとれる秋で、春から夏に掛けては大型になる。小ぶりでも味が良いため旬はないとも言える
- 白身で血合いはやや大きく赤い
- 身は滑らかで酸味は控えめ。食べやすく味わい深い
- 刺身も美味いがカルパッチョにもよく合う
コロダイ(胡廬鯛)
コロダイの刺身
小型のコロダイ
- スズキ目イサキ科
- タイという名だがイサキの仲間
- 名前の由来:稚魚にある斑紋がコロ(和歌山県の呼び名で猪の子供)に似ているためだそう
- 旬は本州では晩秋から冬か
- 身は外見からは想像できない透明感のある白身で、わずかにピンク色がかっている
- 味はあっさりしているが上品な甘みがあり、引き締まった食感が味わい深さを増す
- 2〜3日寝かすとより旨味が増す
クロホシフエダイ(黒星笛鯛)
クロホシフエダイの刺身
クロホシフエダイ
クロホシフエダイのカルパッチョ風サラダ
- スズキ目フエダイ科
- 名前の由来:体側後方にある黒い斑紋から
- 旬は関東では秋とされるが、産卵後以外はあまり味の変化がないとも
- 身は白身で透明感があり、血合いは美しい赤
- マダイに比べるとねっとりしており、脂が全体にまんべんなく行き渡っている。ほんのりと甘く上品な旨味がある
- 刺身、カルパッチョともに美味
スマガツオ(縞鰹鰹、須満鰹、須万鰹)/スマ、ヤイト
スマガツオの刺身
スマガツオ
スマガツオのタタキ
- スズキ目サバ科マグロ族
- 見た目はカツオに似ているが模様は縦縞ではなく背中に斜めの縞模様があり、胸ビレの下には黒い斑点がある。体の色も若干異なり背中が青黒く、腹が白い
- カツオより大きくなり、全長1mほどになる
- 名前の由来:背中の斜めの縞模様から『シマカツオ』と呼ばれていたものが転じて『スマガツオ』になったという説
- 産卵期は初秋から秋
- 旬は春〜夏とも秋から春とも言われ、産卵後以外はあまり味の変化がない。大型の方が美味
- 味はカツオの中で最も美味しいとも言われ、カツオとマグロの間くらいで、マグロのトロに近く複雑で奥深い
- 身質はカツオより柔らかくねっとりとした食感で、脂の乗りが良い
- 刺身、タタキともに美味で、生姜、わさび共に合う
ヘダイ(平鯛)
ヘダイの刺身
ヘダイ
- スズキ目タイ科
- 見た目はクロダイに似ているが白銀色をしている
- 名前の由来:平鯛から連想できるように、身体が平たく側扁しているからとも、口がへの字に見えるからとも言われる
- 雄性先熟。総てが雄として生まれ、両生期を経てその後雄と雌とに分かれる
- 産卵期は晩春から初夏
- 旬は晩夏から晩春
- くせがない上質の透明感のある白身で血合いは赤い
- 7月中旬、締めて三日目となる30cmほどの個体をいただいたが、時期的な味の低下は感じられなかった
- 身はかなり柔らかく、この点は好みが分かれそうだ。個人的にはもう少し硬い方が良い
- 薄切りにはしにくいので平造りにしたが、脂が乗っていて問題なく旨い
イシガキダイ(石垣鯛)
イシガキダイの刺身
イシガキダイ
イシガキダイの焼き霜造り
- スズキ目イシダイ科
- 見た目は、『えっ、これが鯛?』というものだが、イシガキダイはマダイではなくイシダイの仲間
- 名前の由来:石垣のような模様からか。成長とともに模様が薄くなり、石垣というよりヒョウ柄に近くなる
- 産卵期は春から初夏
- 生魚の旬は秋から春といわれており、味が落ちる時期は短かい。若魚には旬がなく周年味が良い
- 大きいものほど良いということはなく、35〜40cmあたりが美味
- 鱗は小さくて取りにくい。皮はしっかりしていて硬い
- 身は透明感のある白身で硬く引き締まっており、少し時間を置いた方が適度な硬さになり味も良くなる。薄造りにしても美味
- 血合いは鮮烈な赤で脂は身に混在。旨味は濃厚。食感は強く、脂は口の中でとろけて甘い。とても美味
- 季節外れの8月にいただいたが時期的な味の低下は感じられなかった
- 刺身にすると見掛けは真鯛とあまり違わないが、食べてみると硬いしっかりとした歯ごたえがあり、また磯の香りを感じる。その違いは明らか
- 皮はさっと湯引きすると旨い。茹で過ぎると歯ざわりを楽しめないので、丸まったら氷水に落とす
- 皮と皮下の旨味が強いので焼き霜造りにしても美味い
- 塩とすだちでいただいても美味
タチウオ(太刀魚、立魚)
タチウオの刺身
タチウオ
タチウオの焼霜造り(炙り)
- スズキ目タチウオ科
- 名前の由来:細長く銀色に輝く姿が刀を思わせるからとも、また頭を上にして立っているようにして泳ぐためともいわれる
- 非常によく似たものにテンジクタチがある
- かつては関東ではあまり見かけなかったが最近はスーパーマーケットでも普通に見かけるようになった
- 産卵期は場所によって異なるが、基本的に夏
- 旬はしいていえば夏だが、産卵期でも味が落ちない
- 体表を銀色のグアニン質が覆っており鱗はない。グアニン質は無味無臭で擦ると落ちてしまうほど柔らかいが、皮そのものはやや硬い。骨は軟らか
- 身は白身
- 銀色の皮がきれいなのと皮が引きにくいため、皮付きのまま料理することが多い。この皮がやや硬いため刺身は薄造りや糸造りにされることが多い
- 刺身の場合は皮を残すようにして身だけを削ぎ切りにする方法もある
- 皮の長手方向に包丁を入れてから刺身に切ると、皮の当たりが和らぎ食べやすくなる
- 皮直下の脂が旨いので、刺身より焼霜造りや霜皮造りの方が好み。塩焼きも旨い
ギンガメアジ(銀紙鰺)
ギンガメアジの刺身
ギンガメアジ
- スズキ目アジ科
- 姿はアジにはあまり似ていないがアジ科
- 名前の由来:銀紙を張ったように輝くことからだそう
- 産卵期は4~7月。ただし産卵期と味の関係についてはよくわからない
- 鱗は軟らかで薄く、アジ同様にゼイゴがある。皮はやや厚い
- 身の色はほんのり赤く、身質はシマアジに似ている。血合いは赤い
- 本種は小さくても旨いという。小ぶりのものをいただいたが、確かに旨い
シイラ(粃、鱪、鱰、鬼頭魚)/マヒマヒ
シイラの刺身
シイラ
- スズキ目シイラ科
- 名前の由来:皮が硬く、身が薄いことから粃(しいな、しいで)(実がない稲の籾のこと)を思わせるため。マヒマヒ(Mahi-mahi)はハワイでの名称。mahiは『強い』という意味で、釣った際の引きが『非常に強い』魚ということだろう
- 暖かい海域にいる大型魚で、ハワイではマヒマヒと呼ぶ。私が最初に食べたのは海外で、日本でもシイラよりマヒマヒの方が通りが良いかもしれない
- 温暖化の影響でか、北海道の魚屋に並んでいたのにはびっくりした
- 産卵期は夏。旬は産卵前の晩春から初夏と産卵後の秋から冬
- 本来は赤身だが、見た目は白身に近く薄いピンク色をしており、柔らかい
- うま味、甘味が強く、酸味は少ない。ブリを優しくしたような味だ
- サバのようにヒスチジンの含有量が多く、鮮度管理が悪いと食中毒の原因となる化学物質ヒスタミンを生成する
- 鮮度落ちが早いので刺身が残ったらハワイの郷土料理である醤油漬けのポキにすると美味しい
ヒラメ(鮃、平目)
ヒラメの刺身
ヒラメ
- カレイ目ヒラメ科
- 名前の由来:平べったいことから
- 天然ものと養殖・栽培ものとがある。天然は裏面が真っ白で養殖・栽培はまだら模様になる
- 産卵期は本州では2月〜6月。産卵間近になると水っぽくなる
- 旬は天然物は12月〜2月。養殖は時期による味の変化は少ない
- 春は『そげ』と呼ばれる40cm未満の小振りのものが美味
- 鱗は非常に小さく小振りのものはタワシなどで擦ると取れる。大型のものは包丁ですき引きする。皮は厚くて丈夫。骨はやや硬く小骨はない
- 透明感のある白身で上品な味わい。縁側は脂ののりが強く、味わいの奥行きもある
- 締めたばかりは硬くコリコリした歯ごたえだが、時間を置くとしっとりモチモチとした食感に変化する。旨味も徐々に強くなる
- 大型のものは刺身が旨い。小型のものは昆布締めにした方が美味
トビウオ(飛魚)
トビウオの刺身
トビウオ
- ダツ目トビウオ科
- 名前の由来:翼状の胸鰭を持ち、水上に飛び出し滑空することから
- 世界で50種ほど、日本近海でも30種ほどが知られるが、食用にされるのは4種。しかしそれも区別して認識されないためすべてトビウオとして扱われている
- 産卵期:9月〜10月
- 旬:秋
- 鱗は薄く取りやすい。皮は薄いが強い。熱を通すと硬く締まる。骨はやや硬いが素直な構造で下ろしやすいが、血合い骨が多くこれを抜くのは大変なので、骨切りした方がよい
- 透明感のある白身で血合いは大きい
- 脂肪分が少なくあっさりとした上品な味わいで、旨みが強く、もちっとした食感。イワシやサンマのような青魚特有の匂いは感じない
- →トビウオの刺身
カワハギ(皮剥)
カワハギの刺身
カワハギ
カワハギの霜皮造り
- フグ目カワハギ科
- 名前の由来:皮を剥いで料理するため
- 産卵期:5月〜8月
- 旬:身が旨いのは夏。肝臓(キモ)も美味で珍重されるため、それが肥大する秋から冬も旬とされる
- 鱗は表皮と一体化している。皮は厚くて食べられないが簡単に剥き取ることができる。薄皮がありこれは引きにくいが、炙ったり湯引きすると食べられる。骨はやや硬いが素直な構造で下ろしやすい
- 透明感がある白身で、淡白ながら上品な甘味と旨味がある。酒の友にもってこいだ
- →カワハギの刺身と肝醤油
アカイカ(赤烏賊)
アカイカの刺身
アカイカ
- ツツイカ目アカイカ科
- 名前の由来:体が赤っぽいことからか。大型になると紫色に近くムラサキイカとも呼ばれる
- 外套長は雌60cm前後、雄45cm前後までなりかなり大型
- 旬:不明
- 今回は外套長10cmほどのチビを食した。非常に柔らかく甘味がある。厚みがないので弾力に欠けるが旨味は感じられる
- →ちびイカの刺身
シラス(白子)
シラスの刺身
- シラスは色素が乏しい白っぽい体の仔稚魚の総称で、イカナゴ、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシなど魚種は様々
- 名前の由来:体が白いことから
- 旬:春から夏にかけてとされることが多いが、地域により異なる
- 非常にデリケートな味わいで、ほのかな甘味と旨味が口の中に広がる
- →しらすの刺身
アオリイカ(障泥烏賊)
アオリイカの刺身
アオリイカ
- ツツイカ目ヤリイカ科
- 名前の由来:馬具の障泥(あおり)に形が似ているところから
- 産卵期:4月〜9月
- 旬:春から夏にかけてとされることが多いが、地域により異なる
- 外側の皮は剥きにくい
- 身は肉厚で弾力性に富み食感が良い。甘味、旨味とも他のイカを圧倒している
- 切り方で印象がだいぶ変わるので、色々な切り方で楽しみたい
- →アオリイカの刺身
ソウダガツオ(宗太鰹、騒多鰹)/ヒラソウダ(平宗太、平騒多)
ソウダガツオの刺身
ヒラソウダ
- スズキ目サバ科
- 名前の由来:
味鰹に似たれば「鰹だそうだ」といいしを・・・ (廣辭林 新訂版 金沢庄三郎 編 三省堂, 昭和9 160版/P1172)
常に群集して、水面にしぶきを立てながら小魚を捕食する
様子から「 騒々しく騒ぐ鰹」(新釈魚名考/栄川省造 著/青銅企画出版/1982年9月/p313)
- 旬:秋から冬
- 鱗は頭の後方背側だけにある。皮は薄く剥ぎやすい。骨は柔らかく、素直な構造で下ろしやすい
- 赤身。血合いは大きく濃い。熱を通すと硬く締まる
- 血液中にヒスチジンが多いため鮮度低下が早くヒスタミン中毒のリスクがあるので、新鮮で温度管理されたもの以外は手を出さないこと。ヒスタミンは一度生成されると加熱しても除去されない
- 皮は背側の剥いだ方が良い。腹側は柔らかいので付けたままでOK
- 大型のものほど脂が乗り、旨い。小型のものでも身には旨味が感じられる
- たたきも美味 →ソウダガツオのたたきと刺身
ゴマサバ(胡麻鯖)
ゴマサバの刺身
ゴマサバ
- スズキ目サバ科
- 名前の由来: 胡麻を散らしたような模様があるため
- 産卵期:12月〜6月、最盛期は3月〜4月
- 旬:一年中出回っており。地域による差があるため特定するのはむずかしい
- 鱗は細かく取りやすい。皮は非常に薄いが剥ぎ取りやすい。骨は柔らかく素直で下ろすのはむずかしくない。
- 身は赤みがかっているがマグロよりも白身に近い。血合いはやや大きく強い。脂が乗っているものは熱を通しても身が縮まない
- 小型のものでも脂が乗っているものが多いような気がする。鮮度が良ければ非常に旨い。
- タタキの温かいバージョン →ゴマサバの焼き切り
マダコ(真蛸)/タコ
奥:生蛸の刺身、手前:茹で蛸の刺身
マダコ
- タコ目マダコ科
- 名前の由来: 『た』は手、『こ』は数が多いことで、手がたくさんの意味。足が多いことから『多股』。その他多数あり
- 水揚げは夏に多いが、冬が美味
- マダコは生の刺身にすることは少なく、茹でたものを刺身と呼ぶことが多い
- 生の刺身はコリコリとした食感を楽しむもので、弾力があり歯ごたえがあるため薄く削ぎ造りにする。噛むほどに甘みが増し、海の香りが強く感じられる
- 茹で蛸は繊維が柔らかくなり、生にくらべるとずっと食べやすくなる。また旨みが凝縮されており味わい深い
- 炙って半生にしたものも美味
- 蛸の刺身の作り方 →生タコの下処理
ヒゲナガエビ(鬚長蝦、鬚長海老)
ヒゲナガエビの刺身
ヒゲナガエビ
- クダヒゲエビ科
- 名前の由来:触角が長く鬚のように見えることから
- 深海生
- 旬:秋から春
- 殻は柔らかく額角も硬くない。身は柔らかめで熱を通すと少し縮む
- 身に張りがあり食感が良い。甘エビほどではないが心地よい甘さがある
- 唐揚げやフリットなどの揚げ物にすると甘みが増す
- ヒゲナガエビの料理 →小エビの刺身・カルパッチョ・炊き込みご飯
コチ(鯒、牛尾魚、鮲)/マゴチ
コチの刺身
コチ
- カサゴ目コチ科
- 名前の由来:骨張っていることから『骨』→『こつ』→『こち』。鯒は敵に遭うと『踊る』ようにして逃げることから。牛尾魚は牛の尾っぽの形に似ているから
- 産卵期:4月〜7月
- 旬:春〜夏、産卵期に一致
- 鱗は小さく取りにくい。皮はしっかりしていて厚い。血合骨は身に深く食い込んでいる『巻き骨』で、下ろすのがむずかしい
- 透明感のある白身だが、細く黒い網が入ることが多い。火を通しても硬く締まらない
- 弾力があり歯ごたえがあるため薄造りが◯ →コチの薄造り
- 上品な甘味があり、噛むほどに旨味を感じる。柑橘類との相性も良い。Delicious!
カツオ(鰹、堅魚、堅木魚、勝魚)
カツオの刺身
カツオ
カツオのタタキ
- スズキ目サバ科
- 名前の由来:
鰹 俗以堅魚 二字為鰹 蓋鰹乃胴大 者非是也此 魚脯極堅硬 可削用故俗 呼日堅魚 和漢三才図会 巻五/寺島良安 編/内藤書屋/1890年
つまり、干物(鰹節)にすると非常に堅硬で削って用いらるため、世間では『堅魚』と呼んでいるという。別の説では鱗が硬いためというものもある - 回遊魚であり、春先に初めて水揚げされるものを『初鰹』、秋に獲れるものを『下り鰹』あるいは『戻り鰹』と呼ぶが、市中にはほぼ通年出回っている
- 脂は初鰹は少なく、下り鰹は多い
- 鱗は頭の後ろから体の真ん中辺りまでの背中側にあるが、腹側にはない。皮は厚くコラーゲンが多い。骨は素直で下ろすのはむずかしくない
- 赤身の代表的な魚で、血合いは濃い
- 大型のものほど旨い
- 初鰹と下り鰹とでは丸で違う魚で、あっさりした初鰹の刺身も悪くないが、やはりたっぷり脂が乗った下り鰹が旨い。上りから下りに転じる三陸沖で水揚げされたものは、初鰹と下り鰹の両方の良さを併せ持ち、絶品!
- 皮目に旨味があるので、腹や若魚の銀皮造りも旨い。定番のタタキは言うに及ばず、タタキを温かいままいただく焼き切りも美味
