
子午線最北端の塔より
コース紹介
丹後半島の海岸沿いを時計廻りに廻り、芽吹いたばかりの新緑と日本海の澄み切ったエメラルドグリーンの海を楽しみます。海岸沿いはアップダウンはあるものの、それに見合った以上の変化のある景色が楽しめます。コース上には多くの見所がちりばめられていて、ゆっくりのんびりとポタリングしながらこれらを巡ります。健脚派なら1日か2日もあれば廻れるコースですが、春うららかなこんな時期にはのんびりポタリングがお薦めです。
スライドショウ(06'49" 音声:BGMのみ)

地図ベース:国土地理院20万分の1ベース 山旅倶楽部提供
概要

網野から山の中を行く
網野から山側のルートで久美浜湾へ。山は新緑が芽吹いたばかりの初々しさで、桜も残っています。すこしだけきつい上りがありますがごくわずかな距離なので押しても大丈夫。車はほとんど通らない、美しい快適なコースです。

海岸線を行く
久美浜から海岸沿いを経ヶ岬方面へ北上します。夕日が浦、五色浜、七龍峠、子午線最北の塔、鳴き砂の琴引浜、城島、丹後松島と見所がたくさん。海岸線には起伏があり、美しい景色とともにちょっとした上りも楽しめます。

伊根の舟屋
経ヶ岬を廻り『伊根の舟屋』へ。袖志の美しい棚田を眺め、経ヶ岬では灯台までハイキングを楽しみ、浦嶋太郎の浦嶋神社を経て、めずらしい造りの民家が並んでいる伊根で舟屋を眺めます。伊根湾クルーズを楽しんで、一路『天橋立』へ。

天橋立を後ろに
丹後半島は、天橋立から内陸の大江まで。傘松公園で上から松林が並ぶ天橋立を眺め、その松林と磯清水、小天橋、智恩寺を散策したら、栗田半島に入り対岸から天橋立を眺めます。半島を横断して、栗田湾からのんびりした由良川沿いに、大江まで。
2、3年前に「丹後半島100キロ・マラソン」の本を読んで、ぜひジオ・ポタの企画にしたいと思いつづけていた。「100キロ・マラソン」を読みながら、アップ・ダウンの多いルートと走者の荒々しい息づかい、そして沿道の人たちの走者への労わりの心に感動したが、何よりも、走者が山すそを曲がるたびに目に飛び込む景色の描写に感銘した。私も目を瞑るとその景色の中にいるような気分におちいったのを記憶している。
ということで、アップ・ダウンは覚悟していたが、走行中はそんなでもなかったような気がした。でも、2日目の午後から右膝が少しおかしく(今まで経験したことがない鈍痛)、3日目になると右アキレス腱が少し痛くなってきた。アキレス腱は切れる時「プチッ」と音がして切れると聞いたことがあるので、右足を労わり労わり走った。テーピングして押さえれば気持ちがいいだろうなと感じるようになって、4日目はハンカチで縛っていたが、午後からギブアップした。4日目は向かい風がきつく、ジーク以外の関西組は揃ってギブアップし、小さな駅でひと休み、ふた休みして、福知山駅でサリーナ・サイダー・ジークと合流した。
海に沿って、海を鳥瞰しながらのアップ・ダウンのルートは登りの辛さを和らげてくれる。春の海は日本海といえども穏やかで、海の色が多様なエメラルドグリーンを織りなしているのを発見した。下りはスピードが出て景色が飛んでいくのが勿体無いと感じていた。だのに、ジークとサリーナは猛スピードで一気にくだっていく。幾度となく、ふたりは豆粒ほどになって、姿が見えなくなった。
海の幸と黄金の液、3泊の宿のそれぞれの面白さ。日没を愛でながらの露天風呂と新鮮な空気に包まれた朝の大露天風呂、見事な棚田に出あい、経ヶ岬へのちょっと登山もして、念願の丼いっぱいの若芽も食し、満足づくしの4日間でした。
京都からの列車の窓の外は、山奥に進むにつれて里にはもうない桜が咲きだし、木々は新緑が芽吹いたばかりの初々しさに変わってゆきました。飛ぶように過ぎ去る民家の屋根は急勾配の茅葺きになり、天橋立に着くころには、気分はいつもの日常からすっかり離れているようです。ここから1両しかないタンゴ鉄道でゴトゴトとゆられてゆくと、まさに異次元へ飛んだようです。
日本海は灰色のイメージしかなかったのに、今回目にしたのはまったく違うエメラルド。ほんとうに吸い込まれそうな青でした。変化に富んだ海岸線にはやっぱりアップダウンはあるけれど、それと引き換えは目の前の景色の見事な移り変わり。山には山の美しさがあり、里には里の、そしてなんといってもこの時期は足元の可憐な野花かな。真っ白な小さな花を付けた野草が海岸縁に広がる姿がとても印象的でした。