三島駅の伊豆箱根鉄道駿豆線
2006年の走り初めは伊豆半島。数年ぶりに東京で新春を迎えたサイダーとサリーナはここのところの寒さにぶるぶるの毎日。12月の平均気温は戦後最低だったんだって。
『伊豆なら東京よりあったかいよね。』とサリーナ。『明日(4日)は晴れだって。あれ、5日は曇り一時雨または雪…』
あさってのことはあさってにならなきゃわからないし… というわけで急遽伊豆へ出発。早朝の東京駅から『こだま』に乗り1時間、三島駅で伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換えです。駅付近からは富士山が見えます。そして伊豆半島方面を見ればそこにも山々が。この景色を見ると伊豆半島というのは『やっぱり山なんだな~』と思います。
修善寺駅付近の狩野川
伊豆箱根鉄道駿豆線は思ったよりりっぱな車輌でした。その車輌に30分ほど揺られると終点の『修善寺駅』です。
寒い! 天気予報では晴れのはずなのですが、どう見ても曇り空。気温は上がらないとの予報でしたが晴れなら輻射で体感温度は期待出来るかなとやってきたのですが…
修善寺駅から r349 修善寺天城湯ケ島線を走り出すと右手に狩野川が、そして正面にはこれから向かう山々が現れます。この県道は川向こうに国道が走っているためかあまり車が通らず快適です。のんびりとした風景の中、道は穏やかなアップダウンを繰り返して10kmほどのR414との交差点まで続きます。
湯ケ島温泉の持越川
R414を渡りr59 伊東西伊豆線へ入るとほどなく湯ケ島温泉で狩野川の支流持越川が流れています。
ここでヨロヨロとサイダーがストップ。『あれ~、また休憩するの~』とサリーナ。いつになく休憩が多いサイダーなのですが実は、
『さっきから膝がちょっと…』寒さのためでしょうか、どおやら持病と化してきた膝痛が出たようです。今日は峠越えがあるというのにいったいどおなるのでしょう?
穏やかな上り
しかも道はこのあたりから緩やかなもののず~と上りになります。寒いけれど良い感じと絶好調のサリーナが行く。
山を行くヨタヨタのサイダー
徐々に山深くなってきて『山』という雰囲気が漂い出します。こちらは、まだ本格的な上りの前なのにもうヨタヨタ、片足走行状態のサイダーです。
この r59 は仁科峠までの約15kmがほとんど上りっぱなしなのですが、最後の3kmほどを除けば勾配は5~6%のところが多く、さほど難易度は高くありません。
激坂をゆくサリーナ
道幅が狭くなりいよいよ本格的な上りになってきました。これまで穏やかだった勾配は8%ほどになり、時に10%くらいになります。
ようやく天城牧場の看板が見えました。ここまでくれば仁科峠の手前の風早峠までは1kmほどです。
風早峠
視界がパ~ッと開け広い道に出ました。西伊豆スカイラインの延長に出来た新しい道 r411との合流点です。
道を渡るとそこからは駿河湾方面への眺望が開けていました。ここは『風早峠』の名の通り風の通り道になっているようで、ものすごい風で吹き飛ばされそうです。
後ろに富士山
風早峠を早々に退散し仁科峠へと向かいます。路肩には雪が積もり路面の一部は凍結していてスリップします。ちょっと怖かった!
ふと振り返ると後ろには富士山が雄大な姿を見せていました。
仁科峠より箱根方面を望む
1kmほどで仁科峠に到着しました。もっとも高いところは道路から1.3kmほど離れたところにあり散策に最適なのですが、この日は寒い上にこのあたりは強風でとても散策どころではありません。
ちょうどお昼なので持ってきたおむすびを広げるとなんと固まっている! そしてボトルの水は… 凍っているではないか!! ひょえ~
凍えそうな下り
冷気の突き抜ける仁科峠を後にし、広い r411 から再び r59 に入ると一気に下りになります。普段なら豪快に下るところですが路面の凍結に注意しながら慎重に下ります。ゆっくり下るものの手が凍傷になるのではないかというくらいにかじかんで感覚が無くなってきます。
下りで休憩なんてあまりしませんね。でもこの日は休憩に次ぐ休憩。とにかく止まらないといられないくらいに手が凍りそうなのです。
お天気だったら、寒くなかったら素晴らしいだろう林を抜けると突然車がたくさん止まっているところに出ました。『深層水』と大きな看板が掛かっている櫓があり、大勢水を汲んでいます。隣には『わさびの駅』というこじんまりしたお店があります。とにかく身体を暖めたい私たちはここに飛び込みました。うどんと蕎麦でとにかくホッと一息です。
荒れた海と沢田公園露天風呂
その後も下りが続き堂ケ島まではあっという間です。途中『せせらぎの湯』という町営の温泉に寄ろうとしましたが残念ながら休館で、堂ケ島仁科漁港の宿に直行しました。へろへろしながらサイダーも無事到着です。
あまりに早く宿に着いてしまったのでお風呂はまだ沸いていません。しかしすぐ近くに沢田公園露天風呂があります。宿で割り引き券(500円→300円)を買い、吹きすさぶ冷たい風のなかを海岸に向かいました。
この露天風呂が凄かった。前回みんなで来たのは2002年、穏やかな夕暮れのなか、みんなでワイワイガヤガヤでした。ところが今回は誰もいません。冷たい強風が高いところにある着替えの小屋を吹き飛ばしそう。温泉は外の海と同じように波が立っています。凄まじい風音と共に海水が飛沫となって降り注いできます。お湯に浸かってもなにか恐ろし気で、のんびりという感じになりません。
ごちそうと激痛サイダー
しかし温泉はやっぱり偉大です。冷えきった身体はポッカポカになって宿に帰りました。まだ夕食までは時間があると横になったサイダー、しばらくして起き上がろうとすると足が動きません。… 『どう、どうなったんだ~』と焦るサイダーですがほんのちょっと足を動かそうとすると激痛が走るのでした。
しかしまあなんとか起き上がるとそこには豪華な夕食が並んでいました。ここは『海女民宿』と謳うだけあり海の幸はどれも素晴らしく美味しい。てんこ盛りの刺身は4種、甘エビやさざえも。そしてなまこ酢、さざえのつぼ焼き、かさごの唐揚げ、煮魚、カニ、茶わん蒸し、そしてカニ鍋と量がこれまた凄い!
寒い時期に900mの峠はヤバイ、との教訓を得た1日でした。でも温泉とおいしい海の幸で『来たかいがあったね~!』と大満足。翌朝も、朝食にはところ天がついてこれがまたおいしいのだ!
天窓洞付近からの眺め
翌日は雨。サイダーの足も復調せずで自転車は断念、堂ケ島を観光することにしました。まずは天窓洞。この洞窟は侵食により天井に穴が開いていて日の光が差し込む珍しいもので観光船で巡ることが出来るのですが、荒波の影響でしばらく様子見とのこと。しかししばらくすると出発できることになりました。まずまず楽しいです。
寒いので近くのホテルで温泉に浸かったあと、13時半の三島駅行きのバスに乗りました。
真っ白な峠
さて、バスからの眺めはこんな感じ。土肥から修善寺へ向かう間の峠の風景です。峠にはなんと雪が! 寒かったはずですね~。