まだまだ残暑ですね~。こんな時には山に行って涼もう! 天気予報では曇りとちょうど良い。都心から電車で1時間、比企丘陵のはずれの小川町駅に降りると、暑い暑い。曇りとは言っても薄曇りで、日が射しています。
『カビロ~、今日は曇りじゃあなかったの、暑いぜ!』 と、暑さが苦手なサイダー。
『上に行ったら涼しくなるでしょう。』 と企て人カビロ。ほんとうかな~ ?
ともかくカビロを先頭にスタートした私たちです。左手には槻川、正面には秩父の先の山々が見えてきました。
槻川に沿う県道11号の熊谷小川秩父線をまっすぐ行けば定峯峠までたどり着きますが、なるべく裏道を進みます。すると両側杉林のこんなところに入りました。
『お~、ここはひんやりしてきもちいい~』 と今回はマウンテンバイクで参加のムカエル。
10kmほど走ると槻川に大内沢が合流するところに出ます。熊谷小川秩父線が南に折れるところで、ここが落合橋。寄居からアクセスすると向かい側からここに出ます。
ここまで、車は極めて少ないとは言えないもののそこそこで、歩道も整備されているので不安感はありません。
落合橋を渡り南下し始めると、周辺の雰囲気が変わって、山という感じに。右手に槻川、正面に見え始めたのが白石峠がある山でしょうか?
少し前にちょっとだけ雨が降ったので、このあたりは蒸し蒸し、太陽もギンギンになってきて暑いのなんの!
落合橋から上りが始まります。2~3%と何気なくはじまり、徐々に4~5%ほどになります。マウンテンバイクのムカエルが飛ばし、企て人カビロと続き、デュエルンはマイペースで後から。
どんどん上ると、槻川は徐々に細くなりあちこちで小川と合流するようになります。正面の山がぐっと近づくと勾配は7~8%に。西小学校白石分校の先の枝道を左に入れば笠山峠ですが、さらに5~600m上ると白石車庫に到着します。
白石車庫には車庫はなく、単なるバスの折り返し点で、東屋とうどん屋と飲み物の自動販売機があり、川を渡ったところにトイレがあります。ここまで上りがきついというより暑さがきつくて、へろへろ!
川を渡れば舗装路の熊谷小川秩父線で定峯峠まで行き着きますが、川を渡らずに直進すればほどなくダートになり、まっすぐ白石峠へ向かえます。
『ムカエル、せっっかくマウンテンバイクで来たんだから、ここをまっすぐ白石峠へ向かいなよ!』
『あ~、そうだよね~。えへへぇ~。。』 と結局そちらには行かない、なんちゃって体育会系のムカエルでした。
白石峠へ上るにはいくつかのルートがありますが、今回取ったコースはその中でも難易度の低いほうです。県道11号の熊谷小川秩父線で定峯(峰)峠を経るコースは落合橋側から上っても、反対の秩父側から上ってもそこそこきついものの、でもそこそこでおしまい。すごーくきついというところはほとんどありません。
しかしそうは言ってもやっぱり白石車庫からは7~8%が続き、所によっては10%を超えます。心を据えて、しばらくえっちらおっちらしましょう。企て人カビロはこのあたりでトレーニングを積んでいるらしく、一人ガシガシと上って行きます。
上り詰めた県道の頂上が定峯峠で、そこから枝道に入るとすぐに茶屋に到着します。『みね』は峰なのか峯なのか両方の表記があってどちらが正しいのかはっきりしませんが、茶屋の看板は峰ですね。
茶屋で十分休憩したあとはもう一踏ん張り。白石峠までは距離にして2kmほどでしょうか。しかしここからが上りの本番という感じです。
勾配は10%を超えているでしょうか、路面にはスリップ止めの溝が刻まれています。カビロとデュエルンが先行し、ムカエルが続き、サイダーはもうここでアヘアヘです。
白石峠には実はあまり眺望がありません。アプローチ上にもこれは絶景と言えるようなスポットはないのですが、小さな眺めなら数カ所あります。定峯峠の茶屋からほんのちょっと行くと、寄居方面に視界が開けた場所に到達しました。景色を眺めつつちょっと一息。
景色を堪能したあとは全員、アヘアヘともがきます。10%超えの激坂がやってきました。しかしこの区間は最後の300mほどなので、もがき切っても大丈夫。小さな東屋が見えたら、白石峠に到着です。
東屋の脇にはダートの小径があります。白石車庫を直進するとここへ出てきます。勾配と路面の状況を見たムカエル、
『やっぱり、このダートを来なくてよかった! ほとんど押しになっちゃいそう~』
とそこへ反対側からオレンジのジャージの青年が上ってきました。
『きっついですね~、ぜーぜー、ここが白石峠ですか?』 青年
『そうだよ、都幾川方面から上って来たの?』 カビロ
『え~、そうです。きつかったですぅ~』 青年
『そら~えらいわ~。そっちからのコース、オレは途中でいやになって引き返しちゃったくらいなんだよ。』 カビロ
この青年、聞けば今朝、上野を出発して国道をどんどん飛ばして、1時間ほど前に都幾川から上り出したのだそうです。すご~~い。
白石峠からもう少し上ると剣ケ峰展望台ですが、私たちは足が売り切れなので今回はここで上りはおしまいに。東屋で青年と自転車談義などをしつつ、しばらく休憩です。
峠からは青年が上って来た道を都幾川方面にただひたすら下ります。しかし下りだしてすぐのところにこんな風景が。
パラグライダーの滑空場です。色とりどりのパラシュートが風をつかまえてフッーと膨らむのを待って丘をかけ下ります。わずか数歩のステップでふわ~と体は空中に。気持ちよさそ~。だけどちょっと怖いかも。。
今頃の季節は風の具合が丁度いいそうで、上の剣ケ峰展望台にも滑空場があり、そこからもたくさんのグライダーが飛んできます。
さて、パラグライダーの飛行を楽しんだ後も下りは続きます。ほとんどが10%超えの激坂の連続です。カビロが言う通り、こちら側から上るのはとても大変そうです。
道幅が狭く車の往来があるので慎重に下ります。
慎重にゆっくり下るも、やっぱり下りは速く、わずか15分ほどで下の道に合流しました。ごく僅かの高度差とはいえ、上の方と下ではやはり空気が違います。下るに付けねっとりとした空気に変わるのがはっきりわかるのが、峠の下りの面白いところでもあります。
ここからは都幾川を横目に見ながら都幾川の街を目指します。10分ほど走るとどうやら街に着いたようです。カビロご推奨の蕎麦屋は満員でしたが、じりじりと照りつける午後の日差しが強くて他に移動する気にならず、30分ほど待ってようやく遅い昼飯にありつきました。この店、天ざるで1,400円とかなり良い値段ですが味もまずまず、お値段相当といったところかな。
越辺川
昼食の後は適当な切り上げ所を探しつつ走ります。しかし空に雲がなくなったせいもあり、太陽がジリジリと背中を照りつけます。鉄道の駅なら木造の素敵な駅舎がある八高線の明覚駅が一番近いのですが、ここで終わっては昼飯の腹ごなしにもならないとさらに先へ進みます。
都幾川を離れ鳩川に出るころには、周囲はもう刈り取りを待つばかりという田んぼに変わりました。丘陵地帯なので田んぼも豪快に広がるというわけではありませんが、そんな田んぼでも、見るとなぜかほっとし心が和みます。
鳩川が越辺川(おっぺがわ)と合流すると東武東上線の線路はもうすぐです。高麗川と合流する直前に北に進路を取り、高坂駅を終点にしました。
残暑に涼むのに峠は、少しは成功しましたが、いっぱい失敗です。(笑) 上りだせば苦しく暑い! 下りは爽やかなもののあっという間。下ってからはジリジリと太陽に痛めつけられてひどい有様でした。しかしこの季節、どこへ行っても走るにはまだまだ暑いので、行くならやっぱり峠しかないでしょうか。(笑)