2010年の走り初めは埼玉県の小川町、仙元山の『見晴らしの丘公園』から。
都心の池袋から一時間の小川町駅が近づくと、車窓からは最初に登る仙元山がよく見えます。快晴のこの日、その仙元山はもう春の準備を始めているようで、薄いピンクに見えます。
小川町の街中を通り抜け、槻川を渡り、仙元山に向かいます。
小川和紙資料館前にある、『見晴らしの丘公園』の看板を入ると、いきなり道が壁になっている。
『ぎゃー、いきなりこれ~』と上りに激弱のレナールが騒ぐ。
確かに、まだ5分も走っていない。体が暖まらないうちからの上りは辛い。5%、10%、ひゃ~、最大斜度は15%越えだよ~
2010年は最初からアヘアヘ、ヨタヨタのジオポタなのでした。
『見晴らしの丘公園』は標高200m強のところにあり、小川町駅からは高度差100mほどなので、きつければ押し登ってもたいしたことはありません。蛇行走行をするムカエルとサリーナ、押しに入るサイダー、もちろんレナールはもうとっくに押し押し! そんな中、ビジターのフクちゃんだけが、ガシガシと上って行きます。
強烈な上り勾配がやや穏やかになると道はUターンし、視界が開け、仙元山の西にある山が見えてきました。広葉樹と針葉樹が入り交じっていて、こちらも広葉樹はピンクに染まりつつあるように見えます。
この山が見えるとすぐに『見晴らしの丘公園』に到着です。公園の北の端には展望台があるので上ってみました。
展望台に上る階段では、ここまでのきつ~い上りに悲鳴を上げていた膝がカクカクと笑っています。笑いを堪えてのっし、のっしと重い体を担ぎ上げると、頂部にはすばらしい展望が待っていました。
東には関東の雄・筑波山、北には男体山と赤城山、西には榛名山と浅間山。これはまさに『見晴らしの丘』の名にふさわしい展望です。下には走り始めた小川町の街並も見えています。
『見晴らしの丘公園』の展望台でたっぷり関東の名山を眺めたあとは、いよいよ本日のメインイベント、シングルトラックの山道へ向かいます。
『ダートって、こんくらいなら楽勝だね~』 と先頭のムカエルが砂利道を進みます。
『見晴らしの丘公園』から東に進んだ砂利道の終点からちょっとだけ引き返したところで立ち止まったサイダー。
『ムカエルが砂利道じゃあ飽き足らないようだから、ここからシングルトラックに入りま~す。下りだから押しても行けるよ。』 と宣います。しかしどこにも道らしきものは見当たりません。サイダーが指指す先を良く見れば、下草の間がちょっと開いているところがあります。
そこに自転車を突っ込むサイダーに、さすがのムカエルも唖然。
『え~、ここに本当に道、あんの~』
全員、疑いの眼差しをサイダーに向けます。しかしかまわずどんどこ進むサイダーに、皆付いて行くしかないと諦めて進みます。
少し進むとちょっと道らしくなってきました。なんとか自転車に乗れそうな広さと路面と勾配になり、恐る恐るまずムカエルが乗って下り出します。
しかしフクちゃん、サリーナ、レナールはしょっぱなから押し。
ごろっとした石ころが転がっていたり、両側から笹が覆い被さっていたりと、ちょっと走りにくいところもありますが、なんとか通れる道です。
夏には下草が伸び、木々も鬱蒼と茂り薄暗いだろうこんな山道も、冬の盛りには自転車でもなんとか走れるフィールドになるんですね。見上げれば、繊細な雑木の枝が青い空に微妙な模様を描いています。
誰もいない山道を、落ち葉を踏みしめながら下るのは最高の気分です。
いかにも上から、『降りてきました~』という感じのサリーナですが、実は10m手前で乗りました。(笑)
押したり乗ったりしながらなんとか皆、下の八宮神社まで降りてきました。しかしそこでサイダーが停止。ガシガシ進んだサイダーの自転車は何かを巻き込んだようで、フロントディレーラーを破損。やっぱりね~。
山の東面、きれいに陽の光を受けた仙元山。風がなくほの暖かく気持ちがいい。
ここからは槻川に沿って東へ向かいます。
この道は良く舗装されていて広いわりには車の通りが少ない、快適な道でした。
道の脇には槻川が流れ、その向こうにはかつて小倉城が建っていた小高い山が現れました。この山は物見山というらしい。
ムカエル先頭にビジターのフクちゃんと続く。気持ちいいカントリーロードですね〜
物見山をぐるっと廻り込むようにして、槻川に沿って嵐山渓谷方面へ向かいます。大きくうねり返す槻川を離れ、枝道の小倉林道(もう林道ではない?)に入るといきなり上り。またまた、わっせ、わっせ、と上り始めます。
ヘアピンカーブを二つ過ぎると勾配が若干緩くなり、小倉城跡の入口になるところに到着しました。この入口には小倉城跡の小さな看板が建っているのでわかりやすい。下の道からここまでは500mほどなので、ちょっときつい上りですが大したことはありません。
松や杉などの針葉樹林の中へ細い道が延びています。この道は仙元山のハイキング道より広く、薮がないのでちょっとは走りやすいのですが、進行右手に落ち込んでいるのがちょっと怖い。
この道を150mほど進むと、再び小さな看板が現れ、小倉城跡に辿り着いたことがわかります。
小倉城跡には一見してそれとわかるようなものは何も残っていないのですが、城自体がとても小さく、ぐるっと廻ってもさほど時間は掛からないようなので、上まで行ってみることにしました。
地形が壇状になっていて、かろうじてそれらしく見えるところなどを通り、2~3分歩くとちょっとした平場に出ました。奥には小倉城跡を示す石碑が建っています。ここは標高100mを少し越えるだけのところですが、かつてどんなお城が建っていたのかちょっと興味をそそられました。
小倉城跡から山道を北へ150mほど進むと、槻川に下りました。静かな山を背景にさらさらという水の音が気持ちいい。
物見山を後ろにして、次の山、大平山に向かいます。風もなく、柔らかな日差しが心地いい日です。大平山の北側を廻り込むように走る道はちょっとした急坂で、ちょっとえっちらおっちらします。
その坂道がちょうど頂上を迎えると、まず大平山の山頂に向かうハイキングコースが現れ、その少し先の右手に配水場が現れます。そこから大平山の中腹をぐるっと廻るように続くハイキングコースに入ります。
雑木林の中を落ち葉を踏みしめながら、ゆっくり進みます。
最初は広めでほぼ平坦だった道も、途中からは細く急な下り斜面になります。落ち葉が滑って乗車しては下れません。こんなところは全員押し、って最初から最後まで押しの人もいるけどね。
そんなわけで予定より大幅に遅れて大平山のハイキングコースを抜け出た私たちは、もうハラペコ。近くのそば屋でエネルギー補給となりました。
午後の部はまず、蝶の里公園を通り菅谷館跡がある園内の遊歩道を抜けますが、ここはちょっとうろうろ。気持ちのいい雑木林の中、本日最後のダートを堪能しました。
菅谷館跡からは荒川へ向かいます。八丁湖までの10km少々は繋ぎ区間なので、面白いものはまったくありません。なるべく車の少なそうな道を選んで進みます。
八丁湖の周りにはいい雰囲気の散策路があるのですが、自転車は進入禁止で、時間が押していたので今回はパスして、荒川のサイクリングロードに入りました。
『いや~、やっぱりサイクリングロードはいいよね~。ダートは今日一日で一年分走った~』 とダートと上りが大嫌いなレナールが飛ばす。おいおい、ダート走った、って押しただけやろが。(笑)
春の桜の季節にはとても走れない桜堤も、この季節はす~いスイ。
荒川のサイクリングロードは、午後は大抵北風。ということで、この日も巡航速度30km/hでどんどこ行きます。
荒川のサイクリングロードでたっぷり快走を楽しんだあとは、入間大橋から川越を目指します。入間大橋から続く県道51号は交通量が多いので要注意ですが、それから南に一本入った道は、さほどの交通量ではないので、まずまず快適です。
川越は小江戸と称される蔵の街で、ここ25年ほどに渡る街の再生計画が実り、昔のいい雰囲気を取り戻しつつあります。そんなわけでこの日は、川越のメインストリートである一番街は北の端にあたる札の辻から、観光客でごったがえしていました。
川越のシンボル『時の鐘』、かつては近くの刃物やのおじいさんがこの鐘を鳴らしていたのですが、今は電動になったとか。
川越のお寺で一番有名なのはここでしょう。川越大師喜多院。日頃は閑散としている境内ですが、この日はお正月の三連休とあって、こちらも大混雑。そんな中みんなで、本年のジオポタ交通安全を祈願しました。
喜多院からは川越駅に向かい、駅前でキエフからやってきたデュエルン、ダンシングガール・マリーにバードウォチングをしながらやってきたルビオが合流し、新年会に突入となりました。
今回のコースは前半のダートがメインでした。ちょっと山に踏み入れば意外と楽しいコースがあるものです。押し歩きのつもりで無理のない計画をすれば、こんなダートもまた楽し? もういらない! という方もいますが。(笑)