栗橋駅付近の桜
今年の桜は近年の中ではちょっと遅めのようです。今回の花見ポタリングはいつもの比企丘陵ではなく、江戸川の近くにある桜の名所を繋いでみました。
JR東北本線の車窓からはちょうど見ごろの桜がぽつぽつと見え、期待が膨らんで行きます。栗橋駅から東武日光線の線路沿いを走り出すと、
『お~、咲いとる、咲いとる。』
広島落川沿いを行くケロガメ
畑の中を通り、住宅地を通り抜け、東北新幹線の高架の下をくくり抜けると桜並木になります。南栗橋駅からほど近いここには小さな用水のような川が流れ、その両岸に1kmほどの桜並木が続きます。この川にはどうやら名がないようで、『大落とし』とか『広島落』とか呼ばれるようなので、ここでは広島落川と呼ぶことにします。広島はこの川の上流の地名のようです。
広島落川沿いの桜並木
ここの桜はまだ若木であまり大きくはありませんが、それでも川が見えなくなるくらい、ぎっしりと花をつけていました。
桜の花
木が小さいので花までの距離も近く、アップで写真を撮ることができました。満開です。
続・広島落川沿いの桜並木
少し進むと道路と川の間に遊歩道が作られています。そこを進むとまるで桜のトンネルを抜けるような雰囲気です。
中川を行くサリーナ
桜並木が終わると広島落川は中川に合流します。中川沿いには黄色い菜の花が。
R4から権現堂堤を望む
この道はすぐにR4にぶつかります。そのR4の橋の向こう側に見えるのが今回の花見ポタリングの前半のハイライト、権現堂堤です。この堤は江戸時代に利根川の支流、権現堂川の堤防として造られたものだそうで、権現堂というからにはかつてはこのへんにお寺でもあったのでしょうか。
権現堂堤内部
堤の中に一歩入ればそこは桜のトンネルでした。この日、堤は大変な人出で大賑わいです。自転車を押しながら、人の波に乗って堤の内部をゆっくり進みます。
菜の花畑と権現堂堤
堤の下に黄金色が見えたと思ったら、それは一面の菜の花! 桜もすごいけれど、この菜の花畑も見事。
菜の花の中の木道
菜の花畑の中に設えられている木道を、あたりに充満している香しい匂いをかぎながら進みます。菜の花の向こうには霞のようにどこまでも続く桜!
宇和田公園へ向かう
権現堂堤でたっぷり桜と菜の花を味わったあとは、宇和田公園へと向かいます。この日は桜並木がある車道を進みましたが、上吉羽からは道に沿って緑道が設えられているし、小さな川の反対側には小径もあるので、桜のない季節ならそういったところをのんびり通ってもいいでしょう。
宇和田公園のユキヤナギ
その緑道の突き当りにあるのが宇和田公園で、真っ白なユキヤナギが咲き、桜も少しあります。ユキヤナギを眺めながら行くのはビジターのカズちゃん。
中川沿いを行く
中川はこの公園の先で分岐し、一方は江戸川に排水され、もう一方は江戸川に平行して流れて行きます。私たちは後者の流れに沿って進みます。この道、ほとんど車が通らず、レーサー指向の自転車も通らない快適な道で、まさにジオポタ向き。
うっすらと日が射してきて、菜の花の咲く気持ちのいい道を進むのはビジターのサナちゃんとクミちゃん。このお二人、センチュリー・ライドを楽しむ強者だとか。まったりジオポタ走行もOK?
中庄内排水路沿いの桜並木
中川の快適な道を離れ、次に向かったのは中庄内排水路。R4を隔て、中川のちょうど反対あたりの位置を流れています。ここには田んぼの中に3kmほど続く桜並木があり、周辺が開けているので結構目立ちます。この水路は農業用の設備だと思われますが、この時期は水の流れがなくどんよりとしていて、あまり綺麗ではなかったのが残念。南の方には桜の足下に水仙が咲いていました。
途中でちょっと立ち止まって休憩していると、この先にある道の駅が休憩するのにいいと教えてくださった方がおられたので、その道の駅庄和で一服。
江戸川自転車道
道の駅庄和のあとはR16で江戸川を渡り、千葉県側の江戸川サイクリングロードを南下します。この江戸川沿いも菜の花満開!
江戸川から清水公園へ
東武野田線の線路が自転車道と交わるところでビジターのウッディーさんが合流。ウッディーさんの案内で、清水公園近くのお弁当の買い出しポイントへ向かいます。
その一帯は清水公園のすぐ近くに最近開発された区画で、戸建て住宅団地とそれを補完する商業施設などがあり、清水公園まで続く立派な道が整備されていました。
清水公園
お弁当を仕入れ、清水公園に到着するともの凄い人出。園内はまっすぐ歩くのもままならないほどです。ここでなんとかミュウ&ヒデッチ一家と合流。
清水公園でお弁当タイム
ミュウ&ヒデッチ一家が確保してくれていた場所でのんびりお昼にしました。
園内には大きなシダレザクラや劫初の桜という有名な桜があるようですが、この日は身動きできないほどの人出だったので、桜巡りはあきらめてまったり過ごします。
黒板塀のキノエネ醤油
清水公園からは利根運河の運河水辺公園へ向かいます。ミュウ&ヒデッチは子供3人を引き連れて先行して向かい、残りの面々は野田の街中の見どころをウッディーさんの案内でさらっと巡ってから、彼らを追い掛けることにしました。
野田といえば醤油。野田の醤油では全国区のキッコーマンが有名ですが、こちらの黒い板塀の建物は一時代前の醤油業の姿を今に残すキノエネ醤油です。天保元年(1830年)創業だとか。
興風会館
先ほどまでいた清水公園の持ち主、千秋社の所有となっている旧野田商誘銀行(商誘の名は出資者が醤油業の人々だったことから)を経て、興風会館(国文化財)にやってきました。ここは野田醤油(現キッコーマン)が、その利益を地域社会に還元すべく設立した財団の建物で、昭和初期のものだそうです。この日は選挙の投票所として使われていました。その前には立派な桜が。
高梨本家
こちらは江戸時代の名主で醤油醸造業を営んでいた高梨本家(国名勝)。この日は時間の関係で内部は見られませんでしたが、立派な構えからも想像できるように、内部も見応えがありそうです。キッコーマンの元の野田醤油を設立した家の一つだそうです。青シャツにハンチングは案内役のウッディーさん。
キッコーマンの煉瓦蔵
高梨本家の斜め向かいにはキッコーマンの煉瓦蔵があります。この昭和初期の建物は今日も現役の醤油醸造施設で普段は見学もできるのですが、この時は震災のためか見学は中止になっているようでした。
煉瓦蔵の庭にある杉の大桶
煉瓦蔵の庭にはこんなものが置かれています。ここで作られる醤油は巨大な杉桶で熟成され、数量限定品れんが蔵製『杉桶仕込みのしょうゆ』として販売されています。
醤油工場の脇を行く
野田の醤油関連の名所を一巡りしたあとは再び江戸川サイクリングロードへ戻ります。土手の下に見えるのはキッコーマンの工場。
ミュウ&ヒデッチ一家を追ってスピードを上げるも、向かい風でなかなか進まずちょっとアヘアヘ。
運河水辺公園
なかなか追いつかないな~、と思っているうちに利根運河に辿り着いてしまいました。ミュウ&ヒデッチ一家は先に運河水辺公園に着いちゃったかな、と思いつつ、利根運河沿いに入ると、その入口付近にも桜。さらに進んで前方に橋が見えるようになると土手の上にも桜並木が現れます。どうやらあそこが運河水辺公園らしい。
カノン、サヤ、ミュウ
ミュウ&ヒデッチ一家は対岸にいるかもしれないと思い連絡してみると、なんとまだ江戸川沿いを走っているといいます。いったいいつ追い越したんだろうと思いながら、土手上の桜を眺めつつ一家の到着を待ちます。しばらくしてやってきたミュウ&ヒデッチ一家、
『ごめ~ん、遅くなっちゃった~』
運河水辺公園にて
一家は清水公園から江戸川自転車道に出るまでに時間がかかり、野田観光隊が江戸川に出たときにはこちらがすでに先行する状態になっていたようです。
ともかく運河水辺公園に全員集合、しばしのんびり過ごします。
江戸川自転車道を疾走するサヤ
運河水辺公園からはそのまま利根運河を東へ進み、利根川自転車道を南下して我孫子のあけぼの山農業公園(桜とチューリップ)を楽しむか、江戸川自転車道へ戻り金町近くの三郷公園(桜400本)と水元公園(桜1300本)を楽しむかを考えていましたが、運河水辺公園で少し時間を費やしすぎたので、江戸川自転車道を南下し南流山を終着地にしました。
江戸川自転車道の菜の花の中を行く
向かい風の中、小学二年生になった先頭カノンは時々ダンシングを交えながらスイスイ行きます。
菜の花の中をまだまだ行く
Vサインは六年生サヤ。さすがにお姉さんだけありカノンを気遣いながらその後方を走ります。続くヒデッチは後ろにケーゴを乗せてアセアセ。パパは大変なのだ。一家の最後尾ミュウは久々のサイクリングにヨタヨタ。それでもみんなで走るサイクリングはとっても楽しい!
江戸川
菜の花満開の江戸川自転車道をどんどこと進みます。しかしちょっと風が強く、後ろの方では、
『サヤとカノンがいてよかったね。この風の中を飛ばしたらすぐにヘタっちゃうからね。』 などと囁いているものあり。
川幅が広くなり、ずっと先にスカイツリーが見え、武蔵野線の橋が見え出すと終着地の南流山まではもうすぐです。
南流山付近の桜
江戸川自転車道を離れ、市街地に入ればここにも桜並木が。桜と菜の花を満喫した一日となりました。それにしても二年生のカノン、30km以上も良く走ったね。