染井吉野桜記念公園
今年の桜の開花は例年より12日も早いそうです。お花見を予定していた来週末までもたないかもしれない、ということで、急遽お花見ポタを企画。
日曜日のお天気はずっと雨の予報でしたが、なんと前日に曇りに好転、無事開催の運びとなりました。
『染井吉野櫻発祥之里駒込』の碑
JR山手線の駒込駅のすぐ北側には染井吉野桜記念公園があり、そこには『染井吉野櫻発祥之里駒込』の碑が建ちます。この解説書きによれば、江戸時代このあたりは染井と呼ばれ、草木や植木の産地であり、染井吉野はここの地名から名付けられたとあります。その隣には植木屋・伊藤伊兵衛の庭で大勢の人々が花を愛でている姿が描かれています。
ソメイヨシノの起源についてはいくつかの説があるようですが、このあたりでエドヒガンザクラとオオシマザクラの交配で生まれたとする説が有力で、この伊藤伊兵衛が人工交配し育成したとの説もあるようです。
そんなわけでかこの公園には、ソメイヨシノの他にエドヒガンザクラとオオシマザクラが植えられています。
旧羽生家腕木門と桜
染井吉野桜記念公園から住宅地の中を進むと、駒込小学校の校庭の桜は満開です。かつては学校の校庭にはかならず桜の木が植えられていたものですが、最近はあまり見かけないような気がするので、ここは今ではめずらしいかもしれません。
その小学校の角を曲がると比較的最近整備されたらしい公園があり、そこに旧羽生家の腕木門が建っています。ここにも桜が。
染井霊園を行く
腕木門から西に向かうと、染井の名が現在も残るところの一つ、染井霊園に入ります。
染井はソメイヨシノ発祥の地とされるだけあり、この霊園内にも満開のソメイヨシノがたくさん。
飛鳥山公園
染井霊園でかなり古そうなソメイヨシノを堪能したあとは、王子駅の南にある飛鳥山公園に上ります。ここはお花見の人々でいっぱい。
明治時代の初期に日本最初の公園に指定されたここをサクラの名所に仕立て上げたのは、なんと八代将軍徳川吉宗だそうです。吉宗は享保の改革の一つとして江戸の人々に行楽の地を与えるため、ここをサクラの名所とし、他では禁止されていた酒宴や仮装を容認したのだそうです。現在はやはりソメイヨシノが多く植えられていますが、吉宗のころは何が植えられたのでしょうか。
音無親水公園
飛鳥山を下り、王子駅前から音無親水公園に入ります。
昭和時代に石神井川の流路が変更になった際、その旧流路を整備して作られたのがこの親水公園で、このあたりでは石神井川はかつて音無川と呼ばれていたようです。
下には渓谷風の流れがあり、その上にはご覧の通り、立派な桜の木が並んでいます。この桜並木はここから中板橋まで5kmに渡って続きます。
石神井川沿いを行く
音無親水公園から、続く石神井川に出ます。
ここも頭の上にはずっと桜の花。
滝野川付近
石神井川は、川としては目も当てられない有様ですが、その岸に咲く桜は見事。
埼京線付近の橋より
本日前半のクライマックスがはじまりました。
石神井川の両岸にびっしりと咲く桜。
桜のアップ
ちょっとアップで撮ってみました。
加賀付近を行く
たくさんの花見客の横をすり抜けるようにして、細い遊歩道を進んで行きます。
椿もきれい
ゆっくりのんびり進んでもうすぐR17ですが、その少し手前では、赤、ピンク、そして白の椿が咲いていました。こちらも満開ですね。
板橋にて
R17の手前の旧中山道には板橋という名の橋が架かっています。
板橋は区名にもなっており、地名だとばかり思っていたので、同名の橋を発見してちょっと驚き。板橋の名はおそらくこの橋が元なのでしょうね。しかしこの橋、区名になるくらいですから、かつてはよほど重要な橋だったに違いありません。あるいは、日本橋の次に架かる最初の橋だったとか。
ここには、『距日本橋二里二十五町三十三間』の表示があります。
板橋から石神井川の桜を望む
この橋から桜までは距離が近くて、なかなかいい感じです。
中板橋付近
『板橋』にちょっと感慨を抱きつつ先に進めば、現中山道R17により石神井川沿いの快適な道は一旦途切れ、横断歩道まで迂回して戻って来ざるをえません。これにはちょっと興ざめです。
しかしその後も川沿いの桜並木は続いていきます。
おっと、あんまりのんびり走っていたから、待ち合わせの時刻に遅れてしまいそう、とあわてて、花粉症のデュエルンを先頭にどんどこ。
城北中央公園
この桜並木は中板橋駅を過ぎたあたりでおしまいとなり、石神井川沿いの道は殺風景なものとなります。しかもr318(環七)はR17同様またしても真っすぐに渡れずで、迂回を余儀なくされます。
しかしなんとか城北中央公園に到着です。
城北中央公園の脇を行く
ここで新人のちかちゃんといっちゃんが合流。お二人は二週間前にバイクを入手したばかりで、この日が初ツーリングです。
公園の桜を横目に、ちかちゃんは重いギアを踏んでガシガシ進んで行きます。
ちかちゃん、そんなに重いギアを踏んでいるとすぐに疲れちゃうよ。
氷川台三丁目の橋にて
中板橋から城北中央公園までは石神井川沿いに桜はありませんでしたが、ここに来て桜並木が復活です。
早宮一丁目付近
このあたりの桜は川の片側だけですが、それでも見事に先競っています。
ここはプロちゃん先頭に、ガシガシ。
練馬総合運動場脇を行く
桜の下を走るべきか、はたまた対岸から桜を眺めながら走るべきか。
はるばる栃木からやってきたコンタは桜を眺めながら走る方を選択。ガシガシガシ。
豊島園入口
石神井川に沿ってはほぼその両岸に道があるので、基本的には川沿いを進むことが出来ますが、唯一それができないのが豊島園周辺です。ここは川の両岸を広大な遊園地である豊島園が占めているので、道がないのです。ちょっと残念。
その豊島園の入口の桜も満開のよう。
富士見台四丁目の橋より
豊島園の南側を廻って川岸に復帰。
再び満開の桜並木に出会います。
富士見台四丁目の桜の下を行く
どこまでも続くサクラ。
ピンクの枝垂れ桜
その中に、周囲のソメイヨシノより赤みが強いピンクの枝垂れ桜がありました。
枝垂れ桜アップ
これははんなりしていて、かわいらしい。
このあたりには、こうした枝垂れ桜が続いています。
石神井町一丁目の平成みあい橋より
午前の部の終わりが近づいてきました。
西部池袋線の線路を渡り、笹目通りを越えると、その先の平成みあい橋の先には、広い遊歩道がある気持ちのいい空間が広がります。土手上は両岸ともびっしりとサクラが。
石神井公園
この下の広い遊歩道には階段でないと下りられないようなので、私たちは上の桜の木の下の遊歩道を進みます。
その先で出たのが石神井川の北にある石神井公園の石神井池です。石神井川はこの先、小平市の花小金井まで続きますが、本日午前の部はここを終着地として、近くのそば屋さんでお昼に。
石神井池を廻る
昼食のあとは石神井池の北岸を進みます。
この周辺は高級住宅街で、家々の庭先には立派な木々が植えられ、石神井池と相まって良好な環境を作り出しています。
三宝寺池
石神井池の隣にあるのは三宝寺池。
石神井池は周囲が開放的でボート遊びなどができるので、家族連れで賑わっていますが、こちらは森に囲まれ、ひっそりとしています。
三宝寺池を廻る
この静かな空気を楽しみながら、ゆっくり池の周りを廻るは埼玉からやってきたネコちゃん。
三宝寺池の森を行く
森の中をどんどこ行くは、はるばる栃木からやってきたペピーノ。
ん~ん、ここは栃木の山の中みたいだな~
善福寺池
石神井公園をあとにし、ひっそりとした市街地を南下してやってきたのは善福寺公園の善福寺池です。
ここは石神井公園よりこじんまりしていて、そこに集う人々もなんとなくのんびりした感じ。子供たちが並んでブランコ遊びをする姿は、昭和時代を思い起こさせるものがあります。
善福寺池の畔にて
池の北の広場でちょっと休憩したのち、南岸を廻り出します。
善福寺池は上下の二つに分れており、上の池と下の池を繋ぐ水路の脇は桜並木です。
善福寺池の畔の桜
水面に映る桜もきれい。
善福寺池の下の池
下の池の周りをどんどこ。
真っ白なコブシも満開。
善福寺川を下る
善福寺公園からは、池から流れ出す善福寺川沿いを下ります。
この川沿いの道は、はじめは車も通れる普通の道でしたが、そのうち
善福寺川沿いの細い通路
こんな、道路というか、通路のような細道になってしまうのでした。
ここはまだ広い方で、やっとこさっとこすり抜けられるほどの、狭いところも出てきます。この細さ・狭さが楽しい!
善福寺川沿いの桜
善福寺川の上流に桜はありませんが、荻窪一丁目あたりになると現れ始めます。
今日のお天気は午前中は曇りでしたが、午後になると空が青みを帯びてきて、日が照り出しました。風もなく、花見日和となりました。
荻窪一丁目付近
ここは初ツーリングにウキウキのいっちゃんがどんどこ。
お日様も出てきて最高ですね~
善福寺川緑地を行く
空が開け、両側の民家が遠ざかると、どうやら善福寺川緑地に入ったようです。
ここから和田堀公園までが、午後の部のハイライトです。(TOP写真参照)
善福寺川緑地
こんなふうな桜のトンネルをくぐり抜けて進みます。
快調ちかちゃんが行く
車いすのおばあちゃんもこの桜ににっこり。
ちかちゃんはあのあとすぐにクルクルとペダルを回すことができるようになり、ガッシガッシではなくスイスイと進んで行きます。でも人ごみの中の走行にはまだ慣れておらず、ここはちょっと緊張気味ですが、どうやらここまで快調のよう。
善福寺川緑地から和田堀公園にかけての桜
こんな桜並木がしばらく続いていきますが、それも和田堀公園でおしまいとなります。
高円寺駅前
和田堀公園の北で善福寺川を離脱し、高円寺駅に辿り着きました。
花見にお酒は付きもの、というわけで、駅前で宴会に突入。あとからムカエルとムッチーもやってきて、今年のお花見は無事、盛大に幕を閉じたのでした。