紅葉といえばたいてい山へ行きますが、東京のど真ん中は意外に緑が多く、紅葉もそれなりに見応えがあります。というわけで、今日は都心で紅葉狩りです。
集合場所は東京の表玄関、東京駅。
この駅舎は辰野金吾の設計で、第一次世界大戦開戦の年である1914年の開業。鉄筋レンガ造の3階建で長さは330mという、当時としては巨大な建物です。屋根は鉄骨造の天然スレート葺で、これは第二次世界大戦終戦の年の1945年に空襲で焼け落ちてしまい、その後3階部分の壁を撤去、2階建に変更され、三つのドームのうち南北の二つは台形に変更されて長く使われていました。しかし近年、創建当時の形態に復元する工事があり、これは昨年完成しました。ですから今見ている東京駅はこの駅ができた当初の形というわけです。
東京駅の丸の内中央口から西に延びるのは、皇居前の和田倉門交差点まで続く広い行幸通りで、左手に超高層となった丸ビル、右手にこちらも超高層となった新丸ビルが建っています。
この行幸通りを進めば、左右はだいぶ葉を落としてはいるものの、黄色のイチョウ並木。
日比谷通りを過ぎれば、並木の間隔が狭くなったのかそれとも木が大きいのか、黄色のボリュームが大きくなります。
道の左右は建物がなくなりお堀となり、空が開け、陽が当たるようになるので、ここのイチョウはきれい。
和田倉門の交差点に出ると皇居には様々な色が重なり合います。
この皇居の森を左手に見ながら、内堀通りでその周りを廻ります。
皇居の反対側の和田倉噴水公園にはケヤキの赤がまだ少し残っています。
そうそう、今日は日曜日。皇居前のこの道は、日曜日には車を止めて自転車専用として解放しているので、たくさんのサイクリストで賑わっています。
お堀沿いはサクラの木が多いようですがこれはほぼ散っていて、僅かに残った葉っぱがかろうじてほのかな赤みを残しています。
竹橋で内堀通りを離れ、国立近代美術館の前を過ぎ、北詰橋の前から北の丸公園へ入ります。
ここはまずイチョウの黄色。東京駅前のイチョウはほぼ終わりでしたが、ここは全盛期のものが多く、まだ緑のものもあります。
科学技術館が見え出すと、左手の林は微妙な色あいになっています。
その林の中に入ってみればケヤキやイチョウがいい感じで、ハゼの仲間なのか真っ赤なものも。
横を見て、上を見て、
わ~、ここはきれい~
そして小さな流れを越えると、カエデがまるで燃えているよう。
ここはとてもいい感じです。
そのカエデ林の前の面々。左より、はるばる栃木の山奥から出てきたコンタ、久々に登場のミワプッチ、お初にお目にかかりますのキーちゃん、こわ~いあねご風はジーナ、カメラはいつものサイダーでした。
カエデ林の中には小川が流れ、ここは渓谷風でちょっとした風情があります。
真っ赤なカエデの林と渓谷を楽しんで、ゆっくり進んで日本武道館の前に出ると、そこではイチョウ並木が黄色に輝いています。
そして武道館のエントランス付近には巨大なイチョウが。これはなかなか立派。
北の丸公園を出て千鳥ヶ淵沿いを行けば、ここのサクラはほぼ落葉ですが、それはそれでいい感じです。
落ち葉の中を進むと、かさこそと小さな音をたてます。もう秋も終わりですね。
半蔵壕、桜田壕沿いと下って行きます。
ここは大きなユリノキの並木。
桜田門の手前で国会議事堂に向かえば、その前は見事なイチョウ並木。
まだ青いのもあるけれど、
多くはこんなふうに黄金色です。
その下を快調に行く、あねごジーナとナイト役のコンタ。
国会議事堂の正面まで進んだらその北を廻り、平川町の交差点まで進みます。ここまで国会議事堂前と同様のきれいなイチョウ並木が続きます。
平川町の交差点からは首都高速に沿って赤坂見附の交差点まで下ります。ここは首都高速を挟むけれど、両側ともやはりイチョウ並木が続きます。
赤坂見附の交差点からはホテルニューオータニの脇を通って四谷に抜けます。
その途中には清水谷公園があり、ここの紅葉もぎりぎり残っていました。
紀尾井町から外堀に沿って四谷の上智大学の横に抜ける道は、一方通行で車が少なく、自転車で走るにはとても気持ちのいい道です。
ここは桜並木で、もう少し早ければきれいな赤が見られたでしょう。
四谷駅前から外堀通りに出ます。外堀通りは交通量が多く自転車に適した道とはいい難いのですが、並木はきれい。
市ヶ谷側は桜並木ですが、迎賓館側はユリノキ並木になります。
そのユリノキ並木の下を行けば、
正面に赤坂離宮こと迎賓館が見えてきます。外堀通りを通ったのはこの迎賓館の正面にアプローチするためで、車道はその正面軸に対し左右対称に分れますが、その真ん中に国賓が来た時のみ使われる道があります。ここは大きなユリノキの並木がすばらしい。
かつて紀州徳川家の中屋敷だったここに、明治時代の終わり頃、宮廷建築家の片山東熊の設計で東宮御所がネオバロック様式で建設されます。しかしそれは住居としては使い勝手が悪かったらしく、あまり使用されず、その後迎賓館として整備されます。これは明治時代以降の文化財としては初めて国宝に指定されました。
迎賓館横の安鎮坂を下って、そしてひと上りします。
この上の方はユリノキですが、途中からトチノキの並木になります。
安鎮坂の上は権田原(ごんだわら)の交差点。
大きなケヤキの先にイチョウ並木が続きます。
権田原から外苑東通りに入ると、御所側はユリノキ並木で反対側はサクラの並木になります。この写真のところにはイチョウも見えます。
青山一丁目の青山通り付近は大きなビルで埋め尽くされています。赤坂離宮の引力から解放された商業地区に突入ということでしょう。
その先には僅かな区間ですが自転車レーンが整備されています。ここは両側ともユリノキ並木のよう。
外苑東通りからVターンして青山霊園に入ります。
ここはサクラ並木で、これは残念ながらほぼ落葉していますが、ケヤキやカエデなども少し見られます。足元に続くのはドウダンツツジの赤。
青山霊園の先は神宮外苑です。
絵画館に向かって延びるここのイチョウ並木は、日本一有名なイチョウ並木かもしれません。ドラマなどに度々登場しますし、紅葉のこの時期にはかならず話題になる場所です。
さすがに有名なだけあり、このイチョウ並木はきれい。
ところがこの日は国立競技場でラグビーの早明戦があり、秩父宮ラグビー場でも同様の対抗戦が行われているとあって、もの凄い人出。イチョウも見事だけれどこの人出も見事!
絵画館の前から国立競技場の横を通り、千駄ヶ谷駅の前に出ます。
このイチョウ並木もいいです。
この道沿いは片側は首都高速で味気ないのですが、それをイチョウ並木が隠し、また一方にしか街がないため、ざわざわしていないのも魅力です。
首都高速に沿って進み、明治通りを過ぎると明治神宮の北参道です。
イチョウ並木の参道から中に入れば、そこは鬱蒼とした森。
こんなところに紅葉あるの? と疑問のコンタですが、
ほ~ら、こんなのや、
こんなすばらしいのがあるでしょ。
風もなく暖かなこの日は日だまりでちょっと昼寝でも。
やってきたのは宝物館の前です。明治神宮はあらかたが鬱蒼とした森ですが、この宝物館の前は開けた芝生なのです。
ここでごろっとすると、とても気持ちいいですよ。
明治神宮からは代々木公園に向かいます。原宿駅前は黄色のイチョウ並木。
そこを通り抜け、神宮橋を渡って代々木公園と代々木競技場の間のr413を行けば、ここは大きなケヤキの並木です。
代々木公園に入れば、そこにはケヤキを始めとし、様々な木々がいい色になっています。
赤いバラも。
こちらはカエデ。
この園内には短いながらも自転車コースがあるので、これを行ってみます。
きれいな紅葉に自転車コースもあって、ここはいいですね~ と初参加のキーちゃんもどんどこ。
代々木公園は広大で、中央広場では若者が太鼓を叩いたり踊ったりと賑やかですが、周辺は森といった雰囲気でとても落ち着いています。
この公園はこの対比がいいですね。
このカエデは透き通るようで美しい。
雑木もいい感じです。
代々木公園からは原宿駅前に戻り、表参道に入ります。
銀座と同じくらい有名なこの商店街はケヤキが美しいことでも有名です。この並木、確か昨日から夜にはイルミネーションが灯っているはず。
表参道から再び青山霊園を抜け六本木に入れば、そこには比較的新しい大規模再開発地域の東京ミッドタウンがあります。
その足下には緑地帯があり、サクラやケヤキが植えられています。
こうした都心の大規模な再開発の中でもここの緑地は面積が広くて、なかなかいいです。
東京ミッドタウンからは終着地の日比谷公園に向かいます。
ちょっとした裏道のマンションの木々にも紅葉が見られます。
国会議事堂の横から霞ヶ関に下りてきました。ここはイチョウとケヤキの並木。
そして終着地の日比谷公園です。
ここの木々は、緑、黄色、オレンジ、赤と様々な色が混じり合います。
最後は松本楼のテラスでちょっと遅めのランチを。その前には巨大なイチョウが立ち、向こう側では、イチョウとモミジが陽の光を受けて輝いていました。
ピークはちょっと過ぎていましたが、都心ならではの紅葉が楽しめた一日でした。