01月30日は関東地方に初積雪、3cmほど積もったところが多いようです。
ん~、今回の企画は中止だね。と言っていたら、午後には雪が雨に変わり、積もった雪はあらかた融けたので決行しようと言う者あり、いややっぱり中止という者ありで、てんやわんや。結局一番環境が悪いところに住んでいるものもなんとかなりそうというので、一転、決行と相成りました。
西武池袋線の飯能駅に集まったのは一人足りない五名。あれ、ムカエルは? と言っていたら、そのムカエルから連絡で、途中でコケたので、昼から参加とのこと。お~、あぶない、あぶない。
今日は安全を取り、大通りはできるだけ避けつつも、日影の極細道は通らないことに決定。まずは小畔川の水源だという宮沢湖へ向かいます。雪でなければ、中居の信号から北へ向かい、ゴルフ場の間の散策路のような道を進むつもりでしたが、これは断念。あたりまえの道路を進んで行くと、そこにはほとんど雪は残っておらず、問題なく宮沢湖に到着。
しかし、宮沢湖の周りを巡る道は雪で覆われていて、到底廻ることはできそうにありません。
唯一進めそうな宮沢湖温泉の前の道を行き、北東の堰の上までやってきました。
この堰の上にはほとんど雪は残っておらず、なんとか進んで行きます。
堰の北西の端までやってくると、そこから細道が急な斜面を下っています。
その横には小さな用水路のような川が流れています。これが小畔川(こあぜがわ)のようで、今日の前半はこの川に沿って走ります。
急斜面の細道を自転車を押して下ると、ほどなく舗装路に出ます。この道路の雪はすでにあらかた融けていますが、日影の一部にはまだ残っているところも。こうしたところはもちろん、自転車を降りて慎重に進みます。
ところで先ほどの小畔川ですが、その上流部分には川に沿う形では道がないので、ここからしばらくの間、お別れします。
少し広い道に出ればもうその路面に雪はなく、周囲の畑の雪を見ながら気持ち良く走れます。
『わ~、雪を見ながら走るの、初めて~。きれいですね~』 と、初雪走りに感動するエリン。
このあたりは狭山茶の産地であり、茶畑も見られます。
お茶の木に積もった雪はすでに融けていますが、隣の平場の畑は一面の雪で真っ白。
頭上の木から固まった雪が落ちてきたり、やっぱりちょっと雪が残っているところもあったのですが、日高で田んぼの中に入れば、風もなくポカポカでいい気分。
この季節、田んぼにはなんにもありませんが、畑には少し作物があるところもあります。
ネギもさすがに雪の中で、ちょっと寒そう。
田んぼの中をどんどこ進んで行くと、森やせせらぎに加え、サッカーグラウンドなどのスポーツ施設が整備されている日高総合公園に到着。
雪を纏ったグラウンドはちょっと寒々しく、ここにはほとんど人はいませんでした。
日高総合公園の北を流れているのは小畔川の支流の南小畔川です。
南小畔川はこのすぐ先の、関越自動車道とJR川越線が交わるあたりで小畔川と合流します。
JR川越線の北側の田舎道をしばらく走ると、霞ヶ関西小学校のところで再び小畔川を横切り、川の南側へ。
川沿いに走れる道はなかなかありませんが、田園風景の中をのんびり走るのもいいものですね。西に広がっているのは奥多摩あたりの山々でしょうか。
どんどん走っていくと、四方に田んぼが広がる見晴らしのよいエリアに出ました。
スズメの鳴き声を聞きながら、まっすぐな道路を快走するエリン、シロスキー、ヨンチェス。
田んぼから川沿いをしばらく走ると、「おいせ橋通り」と交差するあたりで舗装された小畔川の自転車道が始まります。
このすぐ北には「小畔水鳥の郷公園」、南には「御伊勢塚公園」がありますが、本日は立ち寄らず自転車道を進みます。
堤防は桜並木となっており、『春は壮観だろうね~』など話しながら走っていると、川辺の休憩スペースに着きました。
階段を水辺に下りると、飛び石で渡れるところがあり対岸までミニ散策。きらきら水面が光ってまぶしい。
意外に水の流れが速いですね。おっとっと…おっこちないようにね!
冬晴れの日差しは柔らかいものの、休憩していると風が冷たく感じられます。
まだ11時半ですが、早々にお昼処へ向かいました。
小畔川からほど近い田畑の広がるエリアにぽつんとあった一軒家「たっさい」が、本日のお昼処。
外観はオシャレなカフェのようで、おそば屋さんですがランチセットは野菜たっぷりの前菜プレート付き。嬉しい驚きです。
『コケてバックミラーが割れちゃったよ~』と言いながら、ムカエルがお昼処に無事登場。
さて食事のあとは東武東上線の線路を越えて、再び小畔川沿いの自転車道へ。この土手上の自転車道は東武東上線でバッサリと終わっていて、こちら側はここが起点。
ともかく土手上の自転車道は快適で、その左岸をどんどこ走っていきます。
小畔川は緩やかなカーブを描きつつ次第に北上していきます。先頭を引くのはシロスキー。
『ワシも橋の上が凍ってて、コケたんだよ~』とはシロスキーですが、ここまで快調な走りを見せています。
小畔川は小さい流れですが、田園の中をカーブを描きながら流れる雰囲気はまさに里の川。
広大な青空の下をるんるん走ります。
真新しいヘルメットで颯爽と走るシロスキー、追うヨンチェス。
北上を続け、ついに川の合流地点がやってきました。
小畔川はまず北から流れる越辺川(おっぺがわ)と合流。その越辺川の右岸を300mほど走ると、
国道254号の落合橋にぶつかります。左折して越辺川をまたぐ落合橋を渡ると川島町に入りました。
この落合橋、実は、越辺川・小畔川・入間川の3つの川をまたいでいます。小畔川はこの少し東で越辺川と合流し、越辺川はそのまた少し東で入間川と合流するのです。
越辺川の左岸をちょっとだけ走った後、川から離れて北に向かいます。
川島町の田園地帯の真ん中を北上するジオポタですが、午後に入って北風が強まってきました。
つまり強烈な向かい風で、さえぎるものなし!
まったくの平地なのに、強風のため激坂上りのようにヨロヨロと進む面々です。
西には秩父の山々が美しく広がっていますが、眺める余裕はほとんどありません。
遮るものはない広大な景色の中、ゴウゴウと吹く風にあおられてへろへろ走るメンバー。
ようやく「平成の森公園」にたどり着き、小休止です。
ここは川島町のほぼ中央にあり、水と緑豊かな公園ですが、寒い時期のせいかほとんど人がいませんね。
春から夏にかけては花いっぱいの公園で、平成18年に完成した「バラの小径」は、何と日本一長いバラのトンネルだといいます。全長330.5m。花の季節に訪れたいものです。
平成の森公園からほどなく、遠山記念館に着きました。
遠山記念館は、川島町出身で日興證券(現SMBC日興証券)の創立者・遠山元一が母の住まいにと建てた邸宅です。表の蓮池から長屋門をくぐると、庭木の間から昭和11年竣工の邸宅が姿を見せます。
この邸宅は趣きの異なる3つの棟が連なっています。
表玄関のある東棟は茅葺きで、生家を再興したことを象徴する「豪農風」の建物。
中棟には格式ある書院造りの大広間があり、来客の接待用だといいます。三方に広がるガラス越しに美しい庭を眺めることができます。
中棟は2階建てで、2階の応接室はアールデコなど和洋折衷の意匠だとか。2階は春夏の設定日のみの限定公開のため、残念ながら見学はできず。
中棟前の庭からは、東棟の迫力ある「豪農風」の屋根が目を引きます。
庭の梅がほころび始めていました。
東棟の「囲炉裏の間」は、囲炉裏と高い網代天井、斜めにはめ込まれた畳、内玄関の研ぎ出し土間など、伝統的な「和」とは少々異なるデザインがまた楽しい。
この遠山記念館には美術工芸品の展示館があって、陶器や彫刻、布などの展示も楽しめます。
庭の梅の木は、丸いふっくらとしたつぼみがいくつかほころび、ふんわりとした香りが漂っていました。
再び田園を走り始めたジオポタですが、ここからは南下です。つまり、何と追い風100%!
少し雲が出てきて気温は低くマスク姿が怪しげですが、さっきとは全く違いハイスピードで走っていきます。
先頭サイダーに引かれ、広い田んぼの中を駆け抜ける面々。
入間川を渡ると、川島町から再び川越市になります。
『追い風になると、全く風を感じなくなるのは不思議だね~』など言いつつ、快調に飛ばすはムカエル、サイダーとエリン。
そのうち、西陽に輝く水面が見えてきました。伊佐沼です。
伊佐沼は自然の沼としては関東でも印旛沼に次ぐ広さだとか。
東西方向の幅は200~300m、沼の西側に伊佐沼公園があります。
まぶしい西に目をやると、遠くに富士山の姿がくっきりと。
時計回りに沼の西側に回ってみると、道路の両側には桜並木が続いています。
沼にはカモやウなど水鳥がたくさん休んでいました。
伊佐沼を眺める休憩スポットで、ポーズ! ここから上福岡まではもう一息です。
陽もずいぶん傾いてきました。伊佐沼から続く用水路の脇を飛ばすムカエル、エリン。
続いて新河岸川を渡ると住宅地に入ってきました。
新河岸川は荒川の支流で、江戸時代には川越と江戸を結ぶ船が行き交う重要な河川交通だったそうです。
という歴史からか、立派な蔵のあるおうちも見かけました。
前日の雪でどうなるかと思われましたが、広大な関東平野を全身で感じ、建築や美術工芸にも触れることができて、冬の晴れ間のナイスなポタでした。