小川町駅
春がそろそろ終わり、梅雨入りはいつになるかな、と心配する季節になりました。
この季節の花はひなげし。ひなげしはポピーとも虞美人草とも呼ばれますが、最近ポピュラーな呼び名はポピーのようです。去年は鴻巣の荒川河川敷にそのポピーを見に出かけましたが、今年は秩父の高原です。
小川町駅付近から見る笠山
小川町駅前に降り立つと、暑い! 今日は快晴で、日中の気温は32°Cを超えるようです。
今回のコースは、ポピーの群生がある丘の周りで上ったり下ったりを繰り返す、アップダウンの多い少々難易度の高いものなので、走り出す前から本当にこの暑さで走り切れるだろうかと不安が漂います。
小川町の郊外
小川町駅前を出発するとすぐに、前方に笠山(837m)が見え出します。
今日はまずあの笠山の中腹まで上ります。
ちょっと地道
しばらくすると、道はちょっとの間だけ地道に。
まあ、こんなところもそれなりに楽しいものです。
山に入って行く
このあたりは関東平野が終わり、秩父山地が始まるところです。その山の一つがぐっと近くなってきました。
そのうち右からも左からも山が迫ってくるようになります。
笠山が近づく
そうした山の一部が退き、前方の視界が再び開くと、あの笠山がぐっと近づいていました。
館川のホタル生息地
道脇に細い館川が現れるようになります。このあたりには『ホタル生息地』の標識が何箇所か立っています。
あと一月もすれば、夜空にホタルが舞うのでしょう。
館川沿いを行く
その館川に沿って、どんどん山奥へ進んで行きます。
シロスキーとヨンチェス
小さな橋を渡ると、道脇のスペースがぐっと狭まり、いよいよ両側から山が。
二十二夜塔
右手に二十二夜塔という小さな石碑が現れました。
これはおそらく月待塔(つきまちとう)というものでしょう。月待塔は特定の月齢に講(こう)を行う民間信仰の一つで、二十三夜が良く知られていますが、このあたりでは二十二夜に行われたのですね。
赤城からの林道栗山線
このあたりは地図によれば赤城という集落のようです。二十二夜塔からさらに進むとすぐ、左手の館川沿いに馬頭観音と書かれた三基の石碑が現れます。
ここから右手に上っていくのが林道栗山線で、この道は笠山の北の栗山川に沿って上っていきます。いよいよ本日最初の上りが始まりました。
林道栗山線から南を見る
この上りは序盤から10%超えときつい。
道端にはピンクのツツジが咲いているのですが、苦しくてこれはほとんど目に入らず。
下を向いて上るクッキーとシロスキー
上り口では上を向いていた顔も次第に下がってきて、1m先を見つめながら走るようになってきます。
谷側には栗山川があるはずなのですが、これは深いところにあるのか、その流れは見えません。
咲き始めのアジサイ
道端には咲き始めのアジサイもちらほら。しかし、これもほとんど目に留まりません。ピンクのリボンが付いたツツジを見て、GWに済州島で過ごしたサイダーが『ここはオルレ道だったのね~』と振るも、それに同行したキルピコンナもクッキーも、『・・・』と反応がない。それくらいここはきつかったのです。
斜度はその後もほとんど変わらず、アセアセと上り続けます。
上るキルピコンナ
ヘアピンカーブを過ぎると、木々の合間から谷向こうの山が顔を出すようになります。
『眺めはいいけれど・・・』 とキルピコンナ。
木陰に助けられつつ上る
この道は狭く両側が木立に覆われているので、比較的木陰が多い。気温はすでに30°Cになろとしており、日向はかなり暑いのですが、木陰はスーとして気持ちいい。
笠山
ゆっくりゆっくりペダルを回し、徐々に高度を上げていくと、出発地ではかなり高く見えた笠山の山頂がぐっと近づいてきました。
上るクッキー
左手の谷が開け、笠山から続く山が良く見えるようになります。
『この坂、どこまで続くんですか・・・』 とよろよろ上るクッキー。
林道栗山支線
勾配が急に増すと、右手に分岐する道が現れます。林道栗山線の本線は左手に進み、笠山へ向かいますが、私たちはここから右手の林道栗山支線に入ります。
この上り口の勾配はメッチャきつく、半数は押しに。しかしすぐにピークを迎えるので、そこで小休止です。
萩平への下り
その後栗山支線はひんやりとした針葉樹林の中を進み、途中から林道萩帯線と名称を変え、萩平の集落に下って行きます。
ここは涼しくて快適。
萩平の花見堂薬師より
萩平は小さな集落ですが、ここはあちこちへの分岐点になっていて、r11方面も二本の道があります。私たちは『皆野→』と書かれた方へ進みます。
この分岐からわずかに進むと簡単なトイレと東屋があるので、ここで小休止。東屋の中には花見堂薬師と書かれた板が掛けられていました。
新田に下る
萩平でひと息付いたあと、『皆野→』の道で新田に下ります。
この道は萩平までの道と少し様子が違い、ちらほらと民家もあって、人の生活の場が近い感じがします。
r11熊谷小川秩父線
上りにはすごく時間がかかったのに、この下りはたったの5分。なんか損した気がしなくもない・・・
下った先のr11熊谷小川秩父線をわずかに北に進むと、そこから本日第二の上りが始まります。
秩父高原牧場への上り
この道が本日のメインイベントである、ポピーが咲く秩父高原牧場に至る道です。
r11熊谷小川秩父線に沿って流れる槻川を渡ると、すぐに上り出します。
谷向こうの山
ここの勾配はまず8~9%で、さっきの林道栗山線よりは緩いものの、なかなか手強い。
この道は大霧山(767m)の尾根を目指して上っています。
笠山と堂平山
うしろには先ほどまですぐ近くを走っていた笠山と、その向こうの堂平山が見えています。勾配は一瞬緩むものの、その後は10%超えであへあへ。
しかも、暑い! GPSの気温は35°Cを表示しています。林道は木陰があって助かりましたが、この道にそれはなく、休むにも休めず、ひたすら上り続けます。
ヨンチェスはこのあたりで、チカチカと星が見え出し、そのうちそれが集まって天の川になり、やがてそれは天の川ではなくて三途の川じゃあないかと思うようになったとさ。
八幡神社
ようやく出てきた木陰でひと息付き、さらに上って行くと、八幡神社が現れます。このあたりの周囲には、まだ民家がぱらぱらと建っているのです。
この八幡様を過ぎると、道は細くなり、森の中へ入って行きます。
森が開ける
そして『これより牧場』の小さな標識が現れます。この標識を横目にさらに上って行くと、
寄居方面の眺望
森が途切れ、北への眺望が開きました。小高い山の向こうの街は、きっと寄居でしょう。
道はこの先でピークを迎え、一旦下りますが、さらに森の中を上り返します。
最後の上り
この最後の上りがきつい。平均斜度はなんと13%超え!
そして短いものの、20%近くあるんじゃあなかろうかと思うような超々激坂を上ると、粥新田峠からの道に合流します。
ピーク到着
ようやく尾根道に出たのです。しかしこの道、そこからも上るのでした。
よろよろ~と辿り着いたのはこんなところ。そこは東西に視界が開けた、素晴らしいところでした。
ポピー群生地へ
さて、本日のメインイベントのポピー祭りの会場は、このピークから高度で100m近く下ったところにあります。
ここまででへろへろの私たちは、このピークに自転車を置いて、徒歩で下ることにしました。
ポピー群生地
坂道には車があとからあとから押し寄せていて、渋滞。私たちはその車の横を下って行きます。
山間のわずかに平たくなったところが真っ赤になっています。あれがポピーの群生地でしょう。一見規模が小さいように見えますが、車道から見えているのはほぼ半分で、残りの半分は斜面で隠れて見えていないのです。
ポピー
アプローチした上側のポピーはほぼ終わりです。
ポピーのアップ
でも中にはこんなふうに満開のものも。
満開のポピー畑
道路を隔てた下側の畑は、今まさに満開。
でもここまでの上りでへろへろな私たちは、だれもその下まで行こうと言い出さないのでした。
ポピー畑の前で
ポピー畑を前にした木陰で昼食後、午後の部のルートを検討します。
予定ではこのポピー畑の横を下り、二本木峠とその先の二本の上りをこなすつもりでしたが、気温は33°C。この暑さではそれは無理と判断し、もう上りは止して、ここからあっさり下り、温泉に浸かることに決定。いつも軟弱なジオポタなのでした。
尾根道からの眺め
さて、そうと決まれば自転車のところまで引き返し、尾根道を行くのみです。
彩の国ふれあい牧場
この尾根道には『彩の国ふれあい牧場』があります。
もう上りはないので、時間はたっぷりできたということで、ここでアイスクリーム休憩を。
モーモーハウスより
『彩の国ふれあい牧場』は南側にアイスクリームや軽食がある売店ゾーンがあり、その北100mほどのところに『モーモーハウス』があります。
モーモーハウスは酪農関係の展示館で、バターやチーズなどの手づくり体験もできます。この奥は展望デッキになっていて、その下にはヤギさんや牛さんがいる動物広場が広がります。
二本木峠から
アイスクリーム休憩のあとも尾根道を行きます。
この尾根道は二本木峠付近までは眺望がありますが、それより北は森の中。そしてちょっとだけ上りです。
登谷山付近
普段ならほとんど車の通りがないこの尾根道も、ポピーの季節の週末のみはそれなりに交通があります。
そこであまり尾根を行かずに、登谷山の南から東に下ることにしました。
上ノ貝戸付近
ようやく楽しい下りです。この道の上部はうねうねとした山道で、ブレーキレバーをギュギュッと握りしめて下ります。
上ノ貝戸の集落が現れ出すと、勾配はやや穏やかになり、ここはビューン。
r294
大内沢川が流れるr294に下ってきました。この道をまっすぐ進むと、小川町です。
流れ橋
落合橋で槻川が合流し、道もr11になると、やや交通量が増えてきます。そこでこんな板切れを渡しただけの流れ橋を渡って、カントリーロードに入ります。
槻川沿いを行く
道は快適な槻川沿いを行きます。
田んぼの中を行く
やがてその道は田んぼの中に。
もうすっかり終わっていると思っていた田植えですが、ここでは今その真っ最中。もともと関東地方の田植えは6月ごろに行われていたそうですが、兼業農家が増えたため、最近はゴールデンウィークごろに行われることが多くなったようです。
この木なんの木
田んぼから安戸の旧道に入れば、そこにおいしそうな和菓子屋があったので、ここのきんつばや水ようかんで一服。
そこから槻川に戻ると、こんな木が。キルピコンナがこの木○○の木と言っていたけれど、なんだっけな。ふかふかで気持ち良さそう。
小川町へ
さて、本日も最終盤、ゴールの小川町に向かいます。
小川町駅方面の山々
細い槻川の畔を進めば、先に仙元山あたりか、いくつかの山が見えてきます。
小川町の八幡神社
その山をうしろにし北へ向かえば、こんもりした森が。これも八幡様でした。
小川町駅付近
さて、いったん小川町駅前に出、一杯やる前にひと風呂浴びようと温泉に向かいます
花和楽の湯
駅の北にある『花和楽の湯』は、露天風呂も岩盤浴もあるきれいな施設。ここで本日の汗を流し、さっぱり。いや~、サイクリングのあとの温泉は最高ですわ。
今日は距離こそ短いものの、まだ慣れぬ暑さと強烈な上りとで、へとへとでした。
このあと、駅の南にあるオーナーご夫妻がサイクリストである『わらしべ』で、地ビールをグビッ。いや~、サイクリングのあとのビール、こちらも最高ですわ。