上野公園
みなさま、あけましておめでとうございます。
2016年の新春ポタリングは、昨年に倣って七福神巡り×2の14福神巡りです。東京の下町、台東区の下谷(したや)七福神と墨田区の隅田川七福神を。
穏やかな晴れの日、上野公園に集まったのは8名。みんなが集まり、ごにょごにょしているところへ、これから湯島天神にお詣りに行くのだというユキちゃんがやってきて、集合写真を撮ってくれました。
鴬谷駅付近
上野公園からまず向かうは下谷七福神の元三島神社。
上野公園から国立博物館の横を通り、鴬谷駅の上で山手線と常磐線の線路を跨ぎ、怪しげなホテル街を抜けて線路沿いを行きます。
元三島神社
鴬谷駅の北口で折り返し、横町に入ると、呑み屋街のようなところに。なんと元三島神社はこの呑み屋の上に立っているのでした。なんとも鴬谷という土地柄を象徴しているような神社です。
その路地が少し広がったところに元三島神社の入口はあります。こちらから見ると、お正月の装いをした立派な神社に見えます。
茅の輪
入口を入ると正面に茅の輪があります。これ、八の字を描くようにして三度廻るのが作法だって。
で、ぐるぐるぐる。
お詣りするベネデッタとミルミル
茅の輪の先は階段で、これを上ると拝殿ですが、この下は例の呑み屋・・・
まあ、それはともかくと、二礼二拍一礼の作法でお詣りをするベネデッタ。あっ、この奥には寿老神がおられるのですが、それは暗くてよく見えませんでした。
法昌寺
元三島神社から言問通りを渡って東にちょっと行くと、法昌寺です。
毘沙門天
ここにおられるのは毘沙門天。
この神様は元はインドのヒンドゥー教のクベーラという財宝の神だったようですが、仏教に取り入れられてから、四天王の一尊の武神となったようです。
下町の味が残る街並み
法昌寺からはすぐそばにある英信寺に向かいます。特別変わったものではありませんが、このあたりにはまだ下町の味が残る民家が立ち並んでいます。
そんなところをタッちゃんに牽かれてゾロゾロ。
英信寺
英信寺にはちょっと変わったものがありました。神社やお寺にはよく鈴がぶら下がっていますが、ここはそれではなく、上に滑車が付いていて、数珠つなぎになった玉を引っぱるとガラガラと音がし、滑車のところから玉が落っこちてパンパンパンと音がするものが付いています。
ガラガラガラ、パンパンパンのミルミルでした。
大黒天
ガラガラパンパンの横におられるのは大黒様。ここの大黒様はちょっと変わっていて、三つ顔がある三面大黒天です。
しかも横にある顔は毘沙門天と弁財天というから驚きです。財宝の神様が三人おられてトリプル蓄財パワー全快というわけでしょうか。
羽根つき
英信寺の門の前には駒と羽子板が並んでいました。で、羽根つきに何十年かぶりで挑戦するエーちゃんとサリーナですが、あれれ、うまく飛ばないよ〜
羽根つきは意外とむずかしかったのだ。
言問通りから見るスカイツリー
言問通りに出、東へ向かうと、そこには今や下町ばかりでなく東京のシンボルとなったスカイツリーが聳えています。
入谷鬼子母神
さて、次は入谷鬼子母神ですが、ここは真源寺といいます。大田南畝(おおた なんぽ)の狂歌に由来するという『恐れ入りやの鬼子母神』で有名なここは、また七夕の朝顔市でも有名です。
まあそんなことはともかくとお参りする、鬼母二人。
福禄寿
このお寺の入口の横にひっそりと祀られているのは福禄寿さまです。
福禄寿は中国の道教の神様で、福(幸福)・禄(財産)・寿(長寿)の神様だそうです。
弁天院
入谷鬼子母神から昭和通りに沿って北上していくと、弁天院です。
このお寺は児童公園の奥に立っています。
弁財天
ここにはずばり、お寺の名になっている弁財天が祀られています。
弁財天は元はヒンドゥー教の女神さまでしたが、仏教に取り入れられた際に漢字表記の『弁才天』となり、才が財と同音であるため、弁財天とも書かれるようになったとか。要するにいつの間にか言語の神様が財宝の神様のようになったということでしょう。
飛不動正宝院
弁天院から東へちょっと行くと飛不動正宝院です。
ここは古くから旅人の守り本尊だったそうですが、飛から航空関係者や海外旅行者の参拝が多くなり、飛行護なるものまで出しているとのこと。
で、さっそくその飛行護を手に入れたのは、空飛ぶエーちゃんでした。
恵比寿天
この飛不動正宝院には恵比寿さまがおられます。
恵比寿は言わずと知れた大漁の神様で、今では商売繁盛や五穀豊穣の神様として捉えられていますね。七福神中、唯一の日本の神様だそうです。
ぐるぐる
入口には面白いものがありました。ぐるぐる、ぐるぐる。
これはチベット密教のマニ車のようなもの。ぐるぐる回すとそれだけお参りしたことになるとか、なんかそんなものだと思います。
寿永寺
飛不動からズズイと北に行けば、下谷七福神最後の寿永寺です。
布袋尊
ここにおられるのは布袋さま。あら、二人いらっしゃる。
布袋は中国の唐時代に実在したとされるお坊さんだそうです。おなじみの太鼓腹と大きな袋がトレードマークのこの神様は、商売繁盛を始め、ほぼ万能の神様ですね。
泪橋付近
下谷の七福神巡りが終わったところで、寿永寺の近くでお昼にしてから、午後の部の隅田川七福神巡りに出発。
隅田川に出るまでの南千住には『あしたのジョー』の丹下ジムがある泪橋がありましたが、現在その川は暗渠化されていて、実際には川はありません。その周辺には簡易宿泊施設や大衆食堂が並び、いまにも酔っぱらった丹下段平が現れそうな雰囲気です。
清川
ちょっと広い通りに出ると、昭和の匂いのする二階建の民家の上に、あのスカイツリーがのっかっています。
白髭橋
隅田川までやってきました。明治通りに架かる橋はちょっとレトロで立派な白髭橋です。
隅田川の土手を行く
隅田川のこちらは台東区で向こう側は墨田区です。これから向かう隅田川七福神は、川向こうの墨田区にあります。
台東区側には土手上に歩行者と自転車のための道が整備されているので、白髭橋を渡らずにその一つ上流の橋まで、この自転車道を行きます。
隅田川とスカイツリー
日中の気温が16°Cまで上がるというこの日はポカポカでいい気分。
隅田川とその向こうに立つスカイツリーがよく見えるところで、しばしまったりします。
水神大橋とユリカモメ
そんなところにはユリカモメものんびりひなたぼっこ。
都営白髭東アパート
隅田川を渡ると正面には都営白髭東アパート群がバ〜ンと立ちはだかります。
この団地は昭和40年代から防災団地として建てられたものです。ここでいう防災とは、木造密集地のこのあたりに火災が発生した場合に、このアパートで延焼を食い止めるというもので、住棟の隙間などを含め、ありとあらゆるところに防火扉が設置され、建物全体を水幕で覆う装置もあるとか。
多聞寺の門
さて、そうした現代の要塞のような団地の足元を通って辿り着いたのは、隅田川七福神の多聞寺です。
このお寺の入口には立派な茅葺きの門があります。
多聞寺
その門をくぐって中に入れば、赤い頭巾を被ったお地蔵さまが並んだ並んだ。
先に見えるお堂の中には毘沙門天がおられるのですが、これは暗くてよく見えませんでした。
銅板の看板建築
多聞寺から南へ移動していると、銅板葺きの洒落た看板を持つ民家がありました。
昭和の始め頃によく見られたこうした看板建築は、今ではほとんど姿を消しているので、これはちょっと貴重なものと言えるかもしれません。
向島百花園
向島百花園は三が日は休園とあったのですが、来てみるとなんと開いている。それも入園無料で。
ここには福禄寿が祀られているので、そのお堂までをオープンにしているということのようです。
ろうばい
百花園とは言っても、冬のこの時期に咲く花は少ない。
しかし、黄色いろうばいや水仙、そして侘助が咲いていました。
向島百花園の福禄寿
庭園の端っこにひっそりと祀られている福禄寿は、こんなお顔をされています。ちょっとヨーダっぽい?
そうそう、この福禄寿の横の赤い実はお正月飾りに欠かせない千両だと思いますが、同じような真っ赤な実を付ける万両も有名ですね。しかし百両や十両、一両といったものもあるのを知る人は少ないでしょう。この庭園の入口付近には、一両から万両までの五種類がそろって植えられていました。
白髭神社
白髭神社は向島百花園のすぐ近くです。
お囃子
境内に入るとすぐ、篠笛と太鼓の活気のあるいい音が聴こえてきます。能舞台でお囃子が演奏されているのです。
演奏が終わってから聞いたところ、この人々は墨田区の無形民俗文化財である箕輪囃子の保存会の方々だそうです。
白鬚神社にお詣りするサリーナ
ここには延命長寿の神、寿老神が祀られていますが、残念ながらこれもほとんど見えません。
御神輿
下町といえば祭り、祭りといえば神輿でしょう。ここでは白髭神社例大祭で使われるものか、神輿が二基と巨大な獅子頭二つが見られます。
小さな神輿の重さは300kg、そして大きい方はなんと1tを超えます。これは、びっくりポンや。
向島から見るスカイツリー
白髭神社から南へ向かえば、ほぼ正面にスカイツリーを見ながら走ることになります。
長命寺
隅田川七福神の四番目は長命寺。
このお寺、幼稚園の中にある!
長命寺の弁財天
ここでは弁財天にお会いすることができました。
しかし、ちっちゃい〜
弘福寺
長命寺の隣に立つのは弘福寺。
このお寺、聞いたことのない宗派なのですが、立派な構えで瓦は葺き替えられたばかりでピッカピカ。
弘福寺の布袋尊
そこにおられる布袋さまもピッカピカで、いかにもお金が溜まりそうです。
首都高速下を行く
この近くには二つの有名な和菓子があります。一つは言問団子でもう一つは長命寺桜もち。両方とも長命寺付近の首都高速の下にあります。
ここは長命寺桜もちをいただくことにしました。桜もちは関西と関東では異なりますが、関東のそれはこの長命寺桜もちが発祥だそうです。
三囲神社
隅田川七福神の六番目は三囲神社で、これで隅田川七福神はおしまいです。
なぜ六つでおしまいかというと、ここには恵比寿さまと大黒さまの両方が祀られているからです。
叩き売り?で賑わう境内
この境内は参拝の人々で大賑わい。入口付近では大道芸なのか叩き売りなのか、なにやら観客を盛り上げてなにかやっているところに人だかりが。
ここにはちょっと変わったものや面白いものがあります。その一つは三角形に組まれた三柱鳥居で、その手前には三本柱に支えられた屋根を持つ手水鉢が置かれています。さらに三つの穴の開いた石灯籠も。ここでは三にこだわりがあるようです。
もう一つは三越から奉納されたライオン像。これは池袋の三越に設置されていたもので、同店の閉店に際し、神社の希望もあって奉納されたようです。この神社は財閥三井家の守護社でもあるのです。
桜橋から見るスカイツリー
さて、以上で隅田川七福神巡りも終了。下谷七福神と合わせて14福神巡り達成です。
隅田川の歩行者と自転車のための桜橋を渡って浅草へ向かいます。
浅草東参道交差点
浅草寺の東参道に出ると、そこには人力車に乗りお正月を楽しむ人の姿がありました。
浅草の人力車、すっかりおなじみの風景になりました。
浅草寺
浅草といえばの浅草寺はいつも混雑していますが、もちろん三が日のこの日は普段以上に大混雑。
二天門から巨大な鏡餅を眺めて、ここは迂回します。
花やしき
浅草寺の隣にあるのは下町遊園地の『花やしき』。
ここの規模はちょっとしたお祭りの移動遊園地ほどですが、超高密度なレイアウトが面白さを倍増させていて、地上60mから落下する絶叫マシンもあり、楽しい。
上野駅
常磐線や山手線が行き交う上野駅を上から眺め、出発地の上野公園へ。
その南の端に立つ西郷さんに挨拶をしたら、新年会場に向かいます。
ベルギービールで乾杯
今朝写真を撮ってくれたユキちゃんも合流し、各自思い思いのベルギービールで乾杯です。
今年も楽しく、安全に、たくさん走りましょう。