梅雨! 今年はまともなそれで毎日雨ばかり。空梅雨は困りますが、こう雨が続くのもかないません。蓮を眺める会も恒例のなんちゃってキャンプも流れ、もう一月以上走れていないのです。この日もダメかと思っていましたが、関東地方南部の天気予報から傘マークが消えました。これは走らなければなりますまい。
前日に緊急企画の発動。軽く流して走れ、雨が降り出しても上がりやすい所ということで、相模川下りを。
さすがに案内が前日ということもあり、相模湖駅前にやってきたのは、待ってましたのシュンシュン、昨日深夜までかかって何とか仕事を終わらせたシロスキー、そしてカメラのサイダーのたった三人。
まあこの天気では、さあ走ろう〜 って気になかなかならないかもしれませんね。しかし橋本近くの小倉橋からマージコとサリーナが参加するとのことなので、のんびりそこへ向かいます。
まずは相模湖駅前から下って相模湖公園に入ります。
相模湖はダムによって相模川が塞き止められてできた湖なので、ほとんど流れがなく湖面は穏やかそのものです。そこに浮かぶのはバス釣りのボートと細長い競技用のボート。
陸の上にはそのレガッタ用のボートがところ狭しとずら〜り。ここは相模湖漕艇場なのです。
大学のボート部らしき人々がせっせと船の準備をしていました。
相模湖とボートを眺めたら、相模湖公園から相模ダムに向かいます。
相模湖は神奈川県の重要な水がめの一つで、この相模ダムによって塞き止められています。
相模ダムから相模湖側を見ると、R412に相模湖大橋が架かっているのが見えます。
そして反対側には、30mほど下に相模川。白い建物は相模発電所です。
相模ダムからは相模発電所の横の坂を上って行きます。
ここは鬱蒼とした木々に覆われていて、山を感じます。
山間の静かなカントリーロードの横には白い紫陽花が咲いていました。
津久井養護学校までやってくると『弁天橋→』の小さな標識があったので、ちょっと覗いて行くことにしました。
あまり使われていなさそうな激坂下りの先に、小さな弁天橋は架かっています。実は先ほど通った相模発電所の脇には相模川に下る細道があり、その道がこの弁天橋まで通じているのではないかと思ったのですが、どうやら繋がってはいないようです。
弁天橋から戻って先に進めば、そこは奥畑の集落です。
この集落はどこにでもあるようなそれですが、
ある民家の軒先に玉葱がずらりと吊り下げられていました。最近こうした風景を見ることはめっきり減りましたね。
奥畑の集落を出ると周囲は再び木々に覆われるようになり、坂道を下ると桂橋に到着。
この橋の上からは静かな相模川とその周囲に連なる山々の眺めが素晴らしいのですが、残念ながらこの日の空は、その魅力を半減させています。
相模川の対岸には赤馬(あこう)の集落があり、その中をかつてはr515三井相模湖線が通り東光寺に抜けていたのですが、この道はずいぶん昔に通行止めになり、どうやら廃道になったようです。
これが通じているとサイクリストにとっては素敵な道のはずなのですが、残念。
阿津でR412に合流するととたんに交通量が増えますが、これはごく短い区間でなのでちょっとがまん。
道志橋を渡ってすぐに左折すれば、こんないい感じの細道になります。
この先では真っ黒な畑を赤い小さな耕耘機が耕しています。
今日のコースの序盤はちょっとしたアップダウンが続きます。細道からr515三井相模湖線に出ると、そこは僅かに上り。
道端には草の土手が築かれています。かつてはちょっとした段差はこんなふうに土と草が擁壁になっていましたが、最近はみんなコンクリートで覆われるようになってしまいました。
相模原市緑区又野の尾崎咢堂記念館にやってきました。
その前では村人が大勢集まって夏祭りの準備をしています。大小二基の神輿の飾り付けが行われていました。明日が祭りだそうですが、雨じゃあないといいですね。
尾崎咢堂記念館から下ると、津久井湖にひっそりと架かる名手橋です。津久井湖は相模湖のすぐ下流にある湖で、城山ダムによって塞き止められてできた人造湖です。
ここは車の通りが少なく、湖面も山も近いので、楽しくのんびり走ることができます。
名手橋から北を見ると、こんもりした木々の間に名手の集落が見えます。
ここからあそこまはちょっとした上りです。
名手橋の西詰で北に進路を変えた道は、かなりの勾配で集落に向かって上っています。
この写真の奥で道はカーブし出しますが、そこから先はさらに激坂となるのでした。
しかしこの激坂は東光寺の下までで距離は短いので、がんばって上らなくても問題なし。
東光寺の上り口にはこんな二十三夜塔が立っています。この二十三夜塔まで上ればあとは平らです。
だいぶ高いところまで上って来ました。この東光寺の下からは眺めはいいのですが、津久井湖はほとんど見えません。
向こうに見えるまちは津久井湖の対岸にある中野あたりでしょう。
さて、ここから先、道はかなり細くなり山道風になります。この道は赤馬の先で通行止めになっていたr515三井相模湖線の続きです。
このあたりからは南に丹沢の山々がきれいに見えるのですが、この日はちょっと残念。
右手の下を見れば、先ほど渡った名手橋が見えます。この高度差、ちょっとしたものです。
さて、山道に突入!
写真は入口付近の明るいところですが、この先は両側木々に覆われたかなり薄暗い道になります。進行左手は岩壁、右手は深く落ち込んだ谷です。このあたりには時々猿が出没するので、用心しながら進んでいきます。
山道風のところを抜けると三井の集落に入ります。
西端にある三井寺の庭先には、いい感じの紫陽花が咲いていました。
このオレンジ色の花はヒメヒオウギズイセンでしょうか。
三井の集落に入ると津久井湖が見えるようになります。この集落は南側が開けているので気持ち良さそうです。
津久井湖は湖とも川ともつかぬ姿で、大きなうねりを見せています。
三井の集落を抜けると道はr513に合流します。この道はこれまでの細道と違って普通の二車線で、そこそこ交通量があります。
峯の薬師の真下にあるトンネル付近からは、r513に架かる赤い三井大橋が見えます。
中沢に出たらどこかでR468の圏央道を越えなければなりません。
なるべく早めにr513を離脱した方が車が少なくなるので、最初の橋でこれを越えます。
さて、ここから相模川に架かる小倉橋に向かうにはr508下の久保沢南公園に出なければならないのですが、このあたりはちょっと走りにくいところです。今回は新たに、谷ヶ原浄水場の南に細道があるのを発見したので、これを行ってみることにします。
この道はなかなか正解で、最後に浄水場の東にある川尻石器時代遺跡を通り、久保沢南公園の前に出ることが出来ました。
久保沢南公園から南に下ると相模川に架かる小倉橋です。この橋は相模川に架かる橋梁としては最も古いものだそうで、そのうしろにはr510の新小倉橋が見えます。
津久井湖の水は城山ダムから落ち、再び相模川となって流れて来ています。
小倉橋でマージコとサリーナが合流。集合写真を撮って(TOP写真)小倉橋から相模川を下り出します。
このあたりの相模川は河川敷が広がり、伸びやかな表情。基本的にはここからは大きなアップダウンはなくほとんど平坦になります。
これまで相模川の川辺には道がありませんでしたが、ここからは歩行者と自転車のための道が続くようになります。
このあたりの川の中には長い竿を持ち、鮎釣りを楽しんでいる人々が大勢います。
この川辺の道はしばらく行くと行き止まりになってしまいます。その先には河岸段丘が立ちはだかり、上れないのです。
河岸段丘の上に上る道は一本だけで、これは『相模川清流の里』の前を通っているので、この公共施設でトイレ休憩を。
さて、この先は上りです。小倉橋から下流はほぼ平坦と言いましたが例外が僅かにあり、その一つがここなのです。
えっこらよっこらして何とか段丘の上に出ました。
段丘の上は相模原市緑区の大島地区で、その住宅地の中を進んでいくと、『大島中ノ郷のヤツボ』の標識が。
ヤツボとは湧水を溜めた場所のことだそうで、飲料として取水したり洗い場として利用されたとのこと。
この語源は、泉が八つあったことから八ツ壺となりヤツボになったとの説や、谷+壺などの説があるようです。
ということでこのあたりにはたくさんヤツボがあります。大島水場のヤツボは周辺がきれいに石積みで整備されていて、その縁に水神や石造倶利伽羅不動が祀られています。
ここは気持ちのいいところなのですが、この日は湿度が高く、蚊がわんさか寄ってくるので早々に退散。もう一つの大島古清水上組のヤツボはパスしました。
ここは段丘の端っこで、道のすぐ向こう側は急激に相模川に向かって落ち込んでいます。
木々が生い茂っていて川面はあまり見えませんが、その段差はこんなものです。
民家がなくなり畑が現れました。おそらくこのゾーンは都市計画で農業用のものしかできないようになっているのでしょう。
この畑の先で木々が生い茂るゾーンに突入すると、道は急激に下って行きます。
これは河岸段丘です。下った先は水郷田名(すいごうたな)。ここは大島や田名より一段低いところなのです。
水郷田名のいい感じのカフェでお昼にしたあとは高田橋に向かいます。
ここからは土手上に道が整備されていて快適です。桜並木の土手上から河川敷の中に下り、
高田橋をくぐってどんどこ行きます。
高田橋のあとはちょっと道がわかりにくいところが二カ所ありますが、とにかくまっすぐに突き進めばいいです。
相模川に小川が流れ込んだ先は弁天釣り場といい、ここではよくヘラブナ釣りをしている人々を見かけるのですが、どうしたわけかこの日は誰もいませんでした。
弁天釣り場のすぐ先には望地弁天(もうちべんてん)があり、さらにその先で望地水田が開けます。今時分の水田は稲が伸び始め、青々としていてとてもきれいです。
ここからは、水田のすぐ横に河岸段丘の崖が延びているのがよく分かります。
さて、この望地水田からは見えていた河岸段丘の崖を上らなければなりません。例の、例外の一つがここにあります。
この崖はかつて石切り場だったそうで、巨大な岩が顔を見せています。この崖には観葉植物のアジアンタムの仲間のホウライシダが生えているのですが、どうしたわけかこの時は発見できず。
崖の上の田名塩田に出たら相模川に沿ってしばらく下流に下ります。相模原愛川ICから来る相模川渡架橋が見えると、この先の相模川沿いのr48は芳しくなかったことを思い出し、インターチェンジの北側を廻る道にシフトすることにします。
しかしあとで航空写真を見ると、この先の河川敷に通れそうな道を発見。今度来た時はこの道を使ってみましょう。
それはともかく、今回は相模原愛川ICの北側を通って当麻(たいま)の田んぼの中を行きます。
この田んぼもなかなかきれい。
田んぼの端はこれまた河岸段丘で、その境を流れる八瀬川の水は驚くほどきれいです。
この川は八景あたりに湧き水があるのですが、そのあたりをぐるぐるしているうちに何だか道がわからなくなってしまいました。夏のこの時期は草がかなり伸びているのです。
八景の先の鳩川には『三段の滝』があります。
この滝は鳩川が段丘上から急激に相模川に落ちるのを防ぐために造られた人工のもので、まったく面白いものではありませんが、その前で大きく向きを変える相模川越し見る大山の眺めはなかなかです。
しかしここでもその大山の姿はなし。見えるのはその手前に横たわる低い山々です。
『三段の滝』のところで向きを変えた相模川は、そのあとはほぼまっすぐ南に向かって流れて行きます。
ここで空から冷たいものが落ちてきました。天気予報では今日は夜に雨マークが付いていたのですが、これが少し早まったのかもしれません。まあこの季節はいつ何時雨が降ってもおかしくありませんから、特に驚くに値しません。
このあたりの相模川は場所によってひどく表情が異なります。
ここはたっぷりと水をたたえた大河の風情ですが、
こちらは河川敷は広いものの、流れがいくつかに分かれていてそれほど大きな川という感じがしません。
前の写真は堰で川が塞き止められて水量がたっぷりのところ。この写真はそのすぐ下流であまり水量がないところなのです。
先にr42の座架依橋(ざかえばし)が見えてきました。
天からの贈り物はまだパラパラですが止む気配を見せません。このあたりには相模の大凧センターがあり、河川敷は大凧まつりの会場になるので、時々大凧が揚がっているのが見られるのですが、この空模様では凧を揚げる人もいませんね。
座架依橋の先の新田宿の土手の上は、最近調査はしていないのですが砂利道だったはずです。雨が気になり出したのでここは舗装路に迂回します。
この迂回路は畑の中を行き、工場の横をかすめて河川敷に出ます。
その河川敷は相模三川公園(さがみさんせんこうえん)です。この公園の名はここで相模川に長津川と鳩川が合流することから来ているのでしょう。
河川敷にはスポーツグラウンドの類いがずらりと並び、土手の外側にはイベントなどが行われるパークセンターと名の付いた管理棟が立っています。
パークセンターの前は夕焼けの丘として整備されており、草花がきれいに手入れされています。どうも雨が止みそうにないのでここでちょっと様子を見ることにしました。
パークセンターには売店やレストランはありませんが、アイスクリームの自販機があったのでこれを頬張り、ちょっと休憩です。この時はみなさん雨宿りにここに避難してきており、このアイスクリーム屋さんは大繁盛です。
さてさて、今後はどうなのか。雨雲レーダーによると、これからあとはますます雨がひどくなる予想です。時は十五時。上がるには早すぎる時間ですが、この天気の中を走ってもあまり楽しめないと判断し、ここで上がることに決定。
運良く最寄りの海老名駅まではすぐです。万が一の場合に備えてと思ってこのコースに決めたのが、ここで幸いしました。ということでこのあとは海老名駅にまっしぐら。駅前では昼飲みできる居酒屋が見つかり、これがまた地酒の『いづみ橋』を扱っていて大満足。とんぼ9号、おいしかったです〜
いや〜〜〜、最後はやっぱり雨になっちゃいましたね。でもまあ、週末サイクリストにとっては久しぶりに走れる日であり、この日を逃すともうしばらく走れそうにないので、ちょっとでも走れて良かったということにしましょう。