ここ二三日、各地で春一番が吹いています。この週末は伊豆に河津桜を観に行く予定でしたが、雨と強風のための取りやめ、急遽、曽我梅林の観梅としました。
秦野駅前に集まったのは、ビジターのマコちゃん、いつものマージコ、お久しぶりのムカエル、サリーナ、カメラのサイダーの5人。あれれ、一人足りないね。某は寝坊のため欠席だって。
曽我梅林は午後一番とし、午前中は渋沢丘陵を廻ります。渋沢丘陵は秦野盆地の南側に位置する標高200mほどの低い丘です。駅前から南を望むと、立ち並ぶ住宅の屋根の上にちょっとだけ渋沢丘陵が見えています。
その渋沢丘陵に向かうとすぐ、今泉名水桜公園があります。このあたりは湧水が多く、秦野盆地湧水群として全国名水百選に選定されています。公園の中心を成す今泉湧水池は日量約2,500t の湧水量を誇り、それらの中でも最大級のものだそうです。
ここは桜公園とあるように池の周りには桜の木が植えられています。
その種類は18種に及び、かなり長い期間花が楽しめそうです。この日は早咲きのものがすでに咲いていました。
今泉名水桜公園から住宅地の中を進むと、風格ある一軒の民家の庭先に白梅が咲いていました。
なかなかいい感じ。
住宅地がなくなると、いよいよ渋沢丘陵に入ります。
この上り出しはちょっときつめですが、すぐになだらかになり、そのうち下には秦野の街、その向こうに表丹沢の山々が見えてきます。
そして丘の上には濃いピンクの花。これは私たちが行くはずだった伊豆に咲いている河津桜でしょう。満開ですね。
えっちらおっちらと坂を上り詰め丘の上に出ると、ジャジャーン。おお〜、目の前に富士山が、バーン!(TOP写真) 感動の瞬間。
今日は2月23日で富士山の日なんだそうです。この日が富士山の日になったのはたぶん語呂合わせでしょうね。ま、それはともかく、この日は快晴で富士山、ばっちりです。
素晴らしい富士山を眺めたら、震生湖に向かいます。
震生湖は大正時代に起こった関東大震災によって川が塞き止められてできた湖だそうです。この日は釣り人が何人も湖畔で糸を垂らしていました。しかし、ここで出会った釣り人によると、冬は魚の活動が活発ではないため、あまり釣れないとのこと。
震生湖からは丘の東側を回り込むようにして、そのすぐ南にある蜜柑畑に向かいます。
うしろにはあの富士山がくっきり見えています、
このあたりには様々な畑がありますが、梅の木の畑もあります。
この畑の梅は、シュッと伸びた枝がとても梅らしいです。
その枝に付く花は満開!
南の東名高速道が近づき、それに沿って西へ向かうと、例によってまた富士山が現れます。
360°どこからでも眺められる富士山は、まさに日本のシンボルですね。
東名高速道から離れ北へ向かい出すと、道は激坂!
渋沢丘陵は前に言ったように僅か200mほどの丘ですが、なかなかにきついところが多いです。箱根の山々をうしろに見ながら蜜柑畑の中を上って行きます。
この頂部からは富士山の頭が見えます。
確かここからは相模湾に浮かぶ伊豆大島も見えたはずなのですが、どうしたわけかこれはこの日は見えず。
蜜柑畑からは震生湖の南側を通って、小さな集落を抜けて行きます。栃窪に入ったところの一軒の民家の庭先に枝垂梅が咲いていました。ピンク色でほんわかいい感じ。
さて、ここからは渋沢峠へ向かうのですが、八国見山(やくにみやま)を越えていく極細道を使うか、いったん渋沢に下って上り返すか迷います。今回は安全策を取り、ここは後者を選択。
ちょっとだけ下ってr708に出て、八国見山に続く細道に入れば再び激坂上りが始まります。ここは押してもきついくらいの斜度で、即全員押し。
道が折り返して、なんとか乗れる勾配になったところで自転車に股がります。標識によると、この道は矢倉沢往還だったようです。今日からすると昔の道は幹線でも驚くほど狭いものが多いですね。
ほどなく上の道に出ます。するととたんに森が開けて明るい平場に出ます。
このすぐ先で渋沢峠を越えます。渋沢峠の名は一般的な地図には記載されていないことが多いですが、登山地図などには載っています。この峠まで来ると、そこからはもうほとんど平らです。
渋沢峠の真下にはr708の峠トンネルが通っています。峠トンネルって凄い名前だなと思ったのですが、トンネルの南にある集落の名が『峠』でした。おそらく渋沢峠が峠というこのあたりの地名になったのでしょう。
気持ちのいい道をのんびり進んで行くと、こんな梅林がありました。
香しい匂いが充満しています。春爛漫!
この梅林の先で北を望めば、渋沢の街と表丹沢の山々が見えます。
春先の素晴らしい景色!
峠の集落を廻るようにしてその西を南下して行くと、ここはなかなかに良い道。
うしろには表丹沢の東の端にある大山が見えます。
篠窪に下る直前、再び西に富士山が見えました。
今日は少し風が強く、ここからも山腹で雪が舞っているのがはっきり見えます。このあたりは丘陵地なので風の影響は少ないのですが、曽我に下ってからは少し心配です。
絶景の富士山を眺めたら篠窪へ下ります。
その道は日影のダートでぬかるんでおり、全員ここは押して進みます。
ダートの先の篠窪にはこんな景色がありました。
満開の紅梅に白梅。とってものどかです。
篠窪からは柳に抜けるのですが、ここはちょっとしたアップダウンがあります。
しかし途中でこんな満開の菜の花を見ることができました。
この道は標高200mほどの小山の合間を縫って進んで行きます。
うしろに見えるのもそうしたピークの一つで、このあたりにはこうした山がいくつも連なっています。
ある小山を廻り込むようにして進めば、突然南の視界が開き、きらきらと輝く相模湾が見え出します。
手前は梅林ですが、ここの梅はすでにピークを過ぎていました。今年の冬はとても暖かかったので梅の花もいつもよりだいぶ早く咲き出しました。有名な水戸の偕楽園は例年より2週間も早いというので、曽我梅林の梅が残っているか、ちょっと心配です。
柳に下っていると、道脇にまた菜の花が。
この花も絶好調です。
そしてまたまた富士山が顔を出し、早咲きの桜も。
東名高速道をくぐると、柳の『四季の里』の前で里山花まつりをやっていました。ちょうどこの日はいろいろなイベントがあり、ピザ焼き体験や竹筒バウムクーヘン作りが行われていました。
四季の里の前は小高い丘で、その上では早咲きの桜が満開。
その丘に上ってみると、またまた富士山〜
しばし四季の里で休憩したら、曽我丘陵の浅間山(せんげんやま、317m)に向かいます。曽我丘陵は渋沢丘陵から南に続く丘で、おそらく東名高速道あたりがそれらの境界だと思います。
富士山を横目に坂道を上り出します。
この道は序盤はほどほどの勾配で、気持ちのいい雑木林を抜けて行きます。
雑木林を抜けると周囲は小さな畑になります。
この畑からも富士山がきれいに見えます。
前方の視界が閉じ周囲が森になると、そこからは激坂です。いえいえ、これは超激坂で全員押しに。
前回ここに来た時には雪が残っていて自転車を押し上げるのに苦労しましたが、これは雪がなくとも同じでした。(笑)
ひーこら言いながらなんとか自転車を押し上げて、浅間山のピーク付近に到着。
浅間山の頂部には電波塔が立っていて、その下は小さな梅林になっています。しかし残念ながらここの梅はすでにほとんど散っていました。
梅を眺めながら一息付いたら、曽我に下ります。このピーク付近から曽我に下る道は二本ありますが、今回は北側の道を使ってみました。
まず序盤は超が付く激坂下りです。そして・・・ まさかの上り返しが! あちゃー。。。
また自転車を押し上げて、もう一本の道との合流点まで下ると先の視界が開け、眩しいほどに輝いている相模湾が現れます。
そしてさらにほんの僅かに下ったところからは、伊豆大島がうっすらと見えました。
この眺めにハイになったムカエルは、ハイ! すーぱーじゃんぷだぜ。
小田原の街と富士山もよく見えます。ここは絶景ヴューポイントです
写真を撮りまくったら、下曽我へ下ります。
この下りもまた激坂で、ブレーキレバーを握る手が痛くなっちゃうよ。油圧ディスクブレーキがほしい!
下曽我の瑞雲寺にやってきました。
ここは入口にある枝垂梅がいい感じ。
どうやらこのあたりの枝垂梅にはなんとか間に合ったようです。
宗我神社は1028年創建とされ、古くは曽我郷六ヶ村と呼ばれた地域の総鎮守だったそうです。
また小田原城の鬼門にあたるため、小田原城の守り神として崇敬されたとか。
宗我神社から下ってコンビニでお弁当を仕入れたら、曽我梅林の梅まつり会場に向かいます。
曽我梅林は別所、中河原、原の三地区からなり、全部で三万五千本の梅が植えられている関東でも有数の梅林です。
r72を渡るとその中の原地区に到着。
曽我梅林は庭園や公園ではなく、梅の実を採るための畑を公開したもので、周囲には梅の畑が整然と並んでいます。
原地区は流鏑馬が行われるところで、今年のそれは2月11日に行われたようです。
私たちはこの入口に近い畑の中でお弁当を広げました。
香しい梅の香りとお弁当を楽しんだ後は、梅祭りのメイン会場である別所地区に入ります。
早咲きの十郎はかなり散ってしまっていますが、遅咲きの白加賀はいい調子です。
野外ステージが設けられた会場の中心部に近づくと、かなりの人出です。
ここからは富士山がばっちり!
梅林の上の方では枝垂桜がいい感じ。
そして梅林の外の民家の大枝垂も満開です。
ここには白梅と紅梅の二本が枝垂れています。
見事!
曽我梅林の梅に満足したら、やまゆりラインへ向かいます。
この道は曽我丘陵のくびれたところを廻っていくのですが、結構きつい。心配された風ですが、これは思ったほどではなく、風向きも北西方向からなので、なんとか進んで行きます。
しばらくえっこらよっこらしてピークに辿り着くと、そこからは二宮方面の真っ青な相模湾が見えます。
やまゆりラインの下りは壮快なのですが、今回は途中で枝道に入り、細道で中村川に落っこちました。
中村川の東に連なる集落を抜けて北へ進みます。
遠藤で宇塔坂に入り五輪塔を横目に坂道を上って行くと、土手の上に水神と書かれた古そうな石碑があり、早咲きの桜が咲いていました。
このさらに上には弘法大師堂もあり、この道がかなり古くからのものであることを感じさせます。実はこの道は大山阿夫利神社に向かう大山道なのです。
その大山道はこんな感じの上りで、ちょっときつい。
えっこらよっこらが続きます。
勾配が穏やかになると左手の視界が開き、富士山が見えるようになります。
だいぶ日が下がってきており、山陰のこちら側の色はすでにグレー基調になっています。
一本松峠に辿り着きました。正面に見える細道が大山阿夫利神社に向かう大山道で、ここには石の道標が二基残っています。
カーブミラーのうしろのちょっと高いところに見えるのがそれですが、これらはおそらく、かつてはもっと低いところにあったのでしょう。案内板が立っていて、それには道標に書かれている内容が示されているのですが、道標そのものはすでに大分風化していて、文字はかなり読み取り難くなっています。
一本松峠からは井ノ口の葛川に下って、その東にある丘を上ります。
このあたりはどこも丘陵だらけですね。
この丘陵の上の平らな開けたところは遠藤原といい、平塚八景や『関東の富士見百景』に選定されています。
ここはたまに地元の方が散歩しているくらいで、ほとんど人がおらず、ばっちりジオポタ向きのところです。
のんびりと遠藤原を抜けたら、金目川に下ります。
富士山をうしろに金目川沿いを下り、東海大学の構内を行きます。
このあたりは鶴巻温泉があるように、いくつか温泉があります。予定時刻をだいぶ過ぎていて、のんびり温泉に浸かるにはちょっと時間が足りないのですが、やっぱりサイクリングのあとは温泉と、東海大学前駅近くの温泉にザバッと浸かりました。
そのあとは、千葉まではるばるマンホールカードを集めに行っていたシロスキーが待つ居酒屋に飛び込んで、本日の反省会に突入。
いや〜、今日の坂はみんなきつかったね〜、とか、富士山は最高だったね〜、とか、曽我梅林の梅は残っていてよかった〜、だとか、とにかく取り留めのない話で盛り上がるのでした。