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不忍池バードウォッチング

開催日 2021年12月25日(土)晴れ 暖か
参加者 ルビオ/ペタッチ/ユッキー/サリーナ/サイダー
宴会参加者 サンダリアス/シンチェンゾー/マージコ/シロスキー/アンドレ
総合評価 ★★
難易度
走行距離 3km
地域 首都圏
東京都

キンクロハジロ
キンクロハジロ

コース紹介

上野の不忍池でバードウォッチングを。東京都の鳥ユリカモメ、尾羽が長くてかっこいいオナガガモ、目付きが悪い金目のキンクロハジロ、頭と顔が赤褐色のホシハジロ、凶暴ものオオバン、緑色の頭のマガモ、そして宝石のようなカワセミを。

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
不忍池 START 発10:00
発12:15
一般道 池の北の畔
播磨坂 3km 着12:30 -

本日の参加メンバー本日の参加メンバー

今回はサイクリングではなくバードウォッチングです。サイダーとサリーナのデイリーコースに上野の不忍池(しのばずのいけ)があります。そこにはたくさん水鳥が来ていて楽しいので、野鳥博士のルビオを招いて鳥の解説をしてもらうことにしました。

本日の参加メンバーは左から、いつものサリーナとサイダー、本日の講師・野鳥博士のルビオ、不忍池は始めてというユッキー、そしてカメラは遠方から遥々やってきたペタッチ。

ボートとユリカモメボートとユリカモメ

今日は朝方まで雨が降っており天気がちょっと危ぶまれましたが、8時ごろから青空が見え始め集合時刻の10時には雲はなくなり、すっかり暖かくなっていました。

そんなんで湖面には手漕ぎボートや足漕ぎボートが出ていました。こんな日はボートに揺られるのも悪くないですね。

望遠鏡を覗くサリーナ望遠鏡を覗くサリーナ

リュックを背負ってやって来たルビオがその中から取り出したのは大きな望遠鏡とそれを固定する三脚。さすがに野鳥博士だけあり、装備はばっちり。

『どれどれ、何が見えるかな〜』 と、セットされた望遠鏡を覗き込むサリーナ。

ユリカモメ、キンクロハジロ、オオバン、ホシハジロユリカモメ、キンクロハジロ、オオバン、ホシハジロ

並んだポールに停まっているのは東京都の鳥になっているユリカモメです。

その手前で湖面に浮かんでいるのは向こう側から、キンクロハジロ、オオバン、ホシハジロ。

水に浮かぶユリカモメ水に浮かぶユリカモメ

ユリカモメはその名に見られるようにカモメの仲間ですが、全長は約40cmと普通のカモメよりやや小ぶりです。渡り鳥で日本には10月から11月ごろに飛来し、越冬して4月中旬ごろに去って行きます。

冬羽と夏羽があり、今の時期は頭が白く、目のうしろに黒い斑点が見られます。遠目にはほとんど真っ白に見えます。これが春先になると頭が黒褐色になります。この夏の姿から英名はBlack-headed Gullとなっています。

冬羽のユリカモメ冬羽のユリカモメ

この鳥、やっぱりカモメの血なのかその性格はあまりよろしくなく、餌を確保したものがあるとこぞってそれを追い回し、奪い取ろうとします。

しかしユリカモメを漢字で書くと百合鴎で、これはなかなか洒落ていると思いませんか。この名のユリは水に浮かぶ姿が百合の花に似ているからとも、入江(いりえ)のカモメ→イリエカモメがユリカモメに転じたとも言われています。

夏羽のユリカモメ夏羽のユリカモメ

この写真は夏羽の時のもので頭が茶色です。上の鳥と同じとはちょっと思えません。

ユリカモメは古くは都鳥(みやこどり)と呼ばれていたようで、歌などにしばしば登場しています。

名にしおはばいざ言問はむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと --在原業平

塩にしても いざことづてん 都鳥 --芭蕉

しかし今日ミヤコドリと言うとこのユリカモメとはまったく別のものを指しますから間違わないようにしないとね。

キンクロハジロ軍団キンクロハジロ軍団

不忍池の主は一年を通してここにいることを考えると一つがいのカイツブリではないかと思うのですが、これは身体が小さいことに加え、ほとんど池の中央部にいて写真に納まってくれません。

その他でいえばこれは季節によって変わるのですが、この時期はユリカモメと並んでキンクロハジロでしょう。キンクロハジロはユリカモメと同じくらい個体数が多いのです。しかしこの時間帯、キンクロちゃんは寝ているのか寒いのかあまり活動的ではなく、ほとんどじっとしています。

ホシハジロとキンクロハジロホシハジロとキンクロハジロ

キンクロハジロはカモの仲間で、その名は金色の目、黒い身体、翼に現れる白い帯から付けられたようです。全長はユリカモメと同じくらいでしょうか。

これとそっくりなスズガモという近縁種がいますが、キンクロハジロには頭の後ろに冠羽があります。また背中の色がほとんど黒ですが、スズガモは白から灰色に見え、黒い細い線がたくさん入っています。

ヤンキーなキンクロハジロヤンキーなキンクロハジロ

カモの仲間には水面に逆立ちしてエサを採るものと、水中に潜ってエサを採るものがいます。キンクロハジロは潜る方で貝類を主食にしているそうです。

キンクロちゃんの目が金色であることは先に述べましたが、その目付きがなんだかジロっとこっちを睨んでいるように見えるのと、頭から飛び出た冠羽が髪の毛が突っ立っているように見え、ちょっとヤンキーっぽいです。しかし性格はいたっておとなしいです、たぶん。

野鳥図鑑野鳥図鑑

野鳥のことをまったく知らない私たちのためにルビオが持ってきてくれたのがこの野鳥図鑑。ポケッタブルなので持って出かけるのに都合が良い大きさです。不忍池にいる野鳥は全部これに載っているようでした。

そうそう、数枚前の写真にちらっと写っているホシハジロもカモの仲間で、目は赤、頭と顔が赤褐色で身体は灰色です。ただしこれはオスだそうで、メスは頭から胸にかけてが褐色と地味です。

オナガガモカルガモ

カモの仲間ではここにはカルガモもいるのですが最近は見掛けません。どこかに移動してしまったのでしょうか。

カルガモは皇居のお濠で子どもを連れ歩く姿が人気になりましたから、ご存知の方も多いでしょう。この写真は5月に撮影したものです。

オナガガモオナガガモ

カルガモの代わりといってはなんですが、最近はオナガガモがたくさんいます。

オナガガモのつがいオナガガモのつがい

オナガガモはたいていつがいで行動するようで、オスとメスの違いが一目瞭然です。右がオス、左がメス。全長はオスが70cm程度、メスが55cm程度でマガモより少し大きいです。

オナガガモの色はオスもメスも地味ですが、一般的な鳥の例に違わずここでもメスの方がより地味です。こうして見るとこの地味さは補色だろうと思われます。

オナガガモのオスオナガガモのオス

オナガガモの特徴はその名に見られるようにオスの尾羽が長いこと。メスはこんなふうに長くはありません。

わずかに模様が見られる羽根を望遠鏡で見ると、より細かい線がたくさん入っていて、遠目で見るよりずっと複雑できれいなことがわかります。

キンクロハジロとオナガガモキンクロハジロとオナガガモ

キンクロちゃんとオナガガモが並ぶとその大きさの違いが良くわかります。

ハシビロガモのオスハシビロガモのオス

ここにはカモの仲間としては他にハシビロガモがいます。

ハシビロガモはその名の通りに嘴が長くへら状で平べったいのが特徴で、体長はオスが50cmほど、メスはそれより一回り小さいです。

ハシビロガモのオス その2ハシビロガモのオス その2

その嘴の側面には歯のような櫛状のものがあり、これを水面に付けて水を吸い込み、水とともに入ってくる植物プランクトンなどを濾し取って食べているそうです。

マガモマガモ

草の茂みに隠れじっとしているものがあります。よく見るとそれはマガモでした。マガモのオスは青首と称されるように頭は緑色、胸は栗褐色、くちばしは黄色でとてもきれいです。写真の左にいるのがメスで、これは全身が褐色で目立たない色彩をしています。

オスの頭を望遠鏡で見てみると構造色なのか、角度によって青く見えたり紫色に見えたりします。

カモのメスとオオバンカモのメスとオオバン

そうそう、鴨といえば鴨肉です。青首も旨いです。しかし今日一般的に鴨肉といえば合鴨の肉です。アイガモはマガモとアヒルを交配させたものです。そしてアヒルはマガモを食肉用に改良して家畜化した家禽なのです。もっともアヒルの歴史は相当に古くすでに3000年にも及ぶそうですが。

ここ不忍池の畔には明治時代まで鴨の仲間では大型の雁という鳥を食わせる雁鍋(がんなべ)という料理屋がありました。森鴎外の『雁』の主人公が不忍池で石を投げて殺してしまう鳥がその雁でした。かつてはここにも雁がやってきていたのだと思いますが、現在は数が少なくなってしまっていて保護鳥に指定されており、このあたりでは見られなくなっていると思います。

メスのカモはオナガガモかマガモかそれともハシビロガモか私には見分けが付きませんが、ルビオによれば写真はオナガガモだろうと。それらの間にいるのはオオバンです。

オオバンはクイナの仲間で全長は35cmほど。バンより大きいことから名付けられたようです。黒い身体におでこと嘴が白、そして赤目です。

オオバンオオバン

こうやって写真で見るとその羽毛はほとんど真っ黒に見えますが、望遠鏡でじっくり見るとこちらも構造色なのか、輝いて僅かに青や緑色に見えます。そして嘴も白ではなくピンク色なのがわかります。写真には撮れませんでしたが足に特徴があり、弁足という木の葉形状の水かきがあります。

こいつの性格はかなり凶暴で、ほかの鳥を蹴散らして進みます。鳴き声も独特でキュイッ・キュイッとちょっと耳障りに鳴きます。

ニホンスイセンニホンスイセン

湖岸にきれいな花が咲いていました。野鳥博士のルビオは鳥には詳しいけれど花はそれほどではないようで、この花なんていうのと言います。これは日本古来の水仙です。

ルビオは水仙といえばお花屋さんで売っているラッパスイセンをイメージしていたようです。水仙は西ヨーロッパが原産で、ニホンスイセンはそれが中国経由で渡来したものと考えられています。

カワウカワウ

ここには大型の鳥もいます。この真っ黒クロスケはカワウ。

ここの横にある上野動物園の中の鵜の池にはもの凄い数のカワウが住み着いています。それが時々こちらのボート池や蓮池までやってきて、巣作りのためか水草や木の枝のようなものをくわえて帰って行きます。

コサギコサギ

白鷺には数種類ありますがこれはコサギでしょう。

コサギはその名のとおりにサギの仲間の中では小柄で、全長は60cmほどです。

コサギ その2コサギ その2

コサギの特徴は冠羽なのですがこれは夏のもので冬には見られません。

写真は7月に撮影した冠羽があるコサギです。

アオサギアオサギ

白鷺はどこでも人気者なのに同じサギの仲間でもアオサギはなぜかあまり人気がありませんね。その全長は90cmほどと大柄で、身体は灰色です。

この写真を見るとサギがペリカン目なのがわかるような気がしませんか。

カワセミカワセミ

ボート池の周囲をぐるりと一周しているとルビオ博士がいなくなってしまいました。実は蓮池の側で何かを発見したようで、望遠鏡をセットして覗いていたのです。その中に現れたのはなんとカワセミでした!

サイダーとサリーナはしばしばここを通るのですが、カワセミは一度も見掛けたことがありません。さすが野鳥博士のルビオですね。

カワセミ その2カワセミ その2

カワセミは誰でも知っている人気者ですから詳細は省きましょう。ここにはこの日カワセミが二羽いたのですが、ルビオによればそれらはつがいで、この写真はメスだそうです。

オスはクチバシの色が黒く、メスは下側のそれが赤いのですぐに見分けられるんだって。

2021年忘年会2021年忘年会

こうして不忍池でルビオの解説とともにバードウォッチングを楽しんだ私たちは昼過ぎにそこを出て忘年会の会場に移動。バードウォッチングに参加しなかったメンバーも続々と集まり、賑やかに今年のポタリングを振り返ったのでした。来年はもっとたくさん楽しく走れますように!

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