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都幾川桜堤と花桃の郷

開催日 2022年04月10日(日)晴れ/暑い
参加者 シンチェンゾー/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 45km
累積高度 600m
地域 首都圏
埼玉県

遠山を行く
遠山を行く

コース紹介

春の花巡り。武蔵嵐山の都幾川で菜の花と2km連なる桜を眺め、遠山ではひっそりとした十本桜の下を行きます。槻川の嵐山渓谷で甌穴を発見し、小川町でニリンソウを眺めたら吉田家住宅に立ち寄り、東秩父村で花桃の郷と虎山の千本桜を。

動画(04'41" 音声:BGMのみ)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
武蔵嵐山駅
65m
START 発09:30 一般道 東武東上線/池袋08:00→08:56武蔵嵐山 /740円
西口
都幾川桜堤
50m
2km
4km
着09:40
発09:55
一般道 2km続く桜の堤/菜の花/WC
日枝神社
60m
7km 着10:10
発10:10
一般道 しだれ桜/染井吉野より早くこの時期はおしまい
遠山
70m
8km 着10:15
発10:25
一般道 十本桜
甌穴:最大深さ1.8m長径1.6m/結晶片岩の岩畳/槻川
旧下里分校
70m
12km 着10:50
発11:10
一般道 カフェ・モザート
カタクリと
ニリンソウの里
13km 着11:15
発11:15
山道 開花情報
カタクリは3月中、ニリンソウはそのあとでちょうど見頃
吉田家住宅
150m
21km 着12:00
発13:15
梨子ノ木林道
一般道
国重文
昼食
折原駅
135m
27km 着13:40
発13:45
r294 JR八高線
小谷野田峠
260m
30km 着14:10
発14:10
一般道 寄居町と東秩父村の境付近
花桃の郷
300m
31km 着14:25
発15:25
一般道 花桃(見頃過ぎ)
菜の花とつつじは満開
虎山の千本桜
300m
34km 着15:40
発16:15
r11 2km/1,700本
小川町駅
95m
45km 着16:50
醸し家ダイニング
東武東上線
日の入り18:13/寄居桜マップ

武蔵嵐山駅武蔵嵐山駅

都心の桜はほとんどおしまいですが郊外ではまだいくらか残っていそうと、埼玉県の比企丘陵にやってきました。

比企丘陵と聞いてNHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を思い出された方がいらっしゃるでしょうか。そうなのです。ここは、それに出てくる比企尼の夫であった比企 掃部允 遠宗(ひき かもんのじょう とおむね)が、源頼朝の伊豆配流に伴い、郡司職となって妻と共に都から下向した地なのです。比企氏は元は藤原姓でしたが、この地にちなんで比企氏と称したのです。

都幾川と桜堤都幾川と桜堤

武蔵嵐山駅から南へ1kmほどのところに菅谷館跡があります。ここも『鎌倉殿の13人』の登場人物と関係があります。源頼朝の挙兵に際して当初は敵対したものの、のちに幕府創業の功臣として重きをなした、畠山 重忠(はたけやま しげただ)の館跡です。

その菅谷館跡のすぐ南を流れるのが都幾川で、右岸には2kmにわたって続く桜の堤があります。

都幾川桜堤都幾川桜堤

近づいてみると桜は予想の通りかなり散っていましたが、足下がまっ黄色!

学校橋付近の都幾川桜堤学校橋付近の都幾川桜堤

学校橋を渡って右岸に出るとそこは菜の花畑で、見事としか言いようのない咲きっぷりです。

『ギャ=、これは凄い〜っ』と喚起の雄叫びを上げるシンチェンゾー。

桜堤を行くシンチェンゾー桜堤を行くシンチェンゾー

香しい菜の花の匂いを嗅ぎながら、桜の下を行きます。

続く桜続く桜

みなさんもう桜は見飽きたのか、この日ここにはほとんど人はいませんでした。自転車の方は私たち以外にはたった一人だけでした。

続く桜その2続く桜その2

ここの桜は周囲の畑、そして西にある山との調和が素晴らしいです。

続く桜その3続く桜その3

どこまでも続く桜です。

八幡橋付近の桜八幡橋付近の桜

桜堤が終わって八幡橋の袂に着くと、そこに一本だけ満開の桜が立っていました。これはソメイヨシノではなく花がもう少し小さい桜です。

この桜の先に見える杉の木立があるところは鎌形八幡神社で、実はそこも『鎌倉殿』と縁のある場所です。鎌形八幡神社は源氏の氏神として仰がれたところで、源義賢(みなもと の よしかた)が小枝御前(さえごぜん)と結婚した際に下屋敷を設けたところです。その小枝御前が産んだ子がのちの木曽義仲で、義仲の産湯の清水と呼ばれる湧水が今日も神社の境内に湧いています。

小倉小倉

鎌形八幡神社の横を通り、薄暗い小山を越えて小倉に下ると、ぱっと明るくなり視界が一気に広がります。

そこには春うららかな景色が広がっています。

大平山大平山

右手には新緑が眩しい大平山。

桃

民家の庭先には三色の桃。

大福寺大福寺

大福寺の周囲には桜がたくさん。

大福寺その2大福寺その2

山があると桜がとても映えますね。

日枝神社日枝神社

日枝神社の枝垂桜はとっくに散ってしまっていますが、桃がいい感じ。

槻川の谷川橋槻川の谷川橋

槻川の谷川橋を渡ると遠山です。

遠山遠山

遠山は周囲をぐるりと山に囲まれた鄙びた集落で、その中に十本桜と呼ばれる桜があります。

遠山の桜遠山の桜

ここの桜はピークは少し過ぎていますが、まだ十分にきれいです。

遠山十本桜遠山十本桜

静か〜

遠山十本桜その2遠山十本桜その2

ピークを外すのも悪くありませんね。

遠山十本桜とサイダー遠山十本桜とサイダー

遠山をゆっくり流す、最近ほとんど自転車に乗れていないサイダー。

嵐山渓谷の甌穴嵐山渓谷の甌穴

遠山の桜を満喫したらを近くの槻川を覗いてみます。

このあたりの槻川は京都の嵐山に似ているとかで嵐山渓谷と呼ばれており、甌穴(おうけつ=ポットホール)が見られます。

下里下里

遠山の西は下里で、新緑の山がいい感じ。

旧小川町小学校下里分校旧小川町小学校下里分校

旧小川町小学校下里分校で休憩をし、

カタクリとニリンソウの里カタクリとニリンソウの里

『カタクリとニリンソウの里』へ。

ジオポタの花ニリンソウジオポタの花ニリンソウ

カタクリはもうおしまいですが、私たちジオポタの花であるニリンソウが満開です。

シバザクラシバザクラ

ニリンソウを眺めたら、東武東上線の線路をくぐり抜けて勝呂(すぐろ)の吉田家住宅へ向かいます。

道端ではシバザクラが満開。

道端の桃道端の桃

桃も。

煙出しがある民家煙出しがある民家

棟に煙出しがある民家の庭先には真っ赤な桃。

堂平山と笠山堂平山と笠山

南に、なだらかな堂平山ととんがった笠山が見えてきました。

今日は最後にあの笠山の向こう側をぐるりと廻り、堂平山との間にある笠山峠を越えるつもりです。

角山の桜角山の桜

角山に入り、赤浜小川線を渡って小径を進むと突然、かつての畑の向こう側に大きな桜が現れます。この桜は一本立ちではなく二本なのですが、それが一体となってかなり立派に見えます。

原川原川

その先は小川町原川という地名で、そこを流れる川も原川という名なのでしょうか。この川は道路側の護岸がコンクリートなのであまり雰囲気は良くありませんが、対岸の赤い桃と遠景の山の取り合わせが良いです。

里の桜里の桜

堂平山と笠山の稜線は重なり合ってはっきりしなくなり、官ノ倉山あたりが見えてきました。

古民家の酒屋古民家の酒屋

東武竹沢駅のすぐ南までやってくると、古い民家を改修した酒屋がありました。

写真では黒く潰れてしまっていて判然としませんが、木造の構造が表しになっていて素敵です。

酒屋の隣の家酒屋の隣の家

その隣もちょっと古そうです。こちらは現役の住宅です。

桜と桃桜と桃

JR八高線の竹沢駅を過ぎるとそろそろお昼です。

勝呂のシバザクラ勝呂のシバザクラ

ここで昼食をとらないと今日のコース上にはしばらく食堂がないので、勝呂のいつもの蕎麦屋に向かいます。

勝呂の石碑と桜勝呂の石碑と桜

JR八高線の線路を渡り、『吉田家住宅←』の標識がある信号機から左へ入るとすぐに、目的地の蕎麦屋に到着するのですが、そこにはなんと臨時休業の看板が。がび〜ん!

吉田家住宅吉田家住宅

しかしその隣の、立ち寄るつもりにしていた吉田家住宅でも蕎麦が食べられます。

この吉田家住宅は1721年(享保6年)の建築ですから、300年も生き存えていることになります。すばらしい!

吉田家住宅のいろり吉田家住宅のいろり

広い土間の東半分は厩だったところで、現在はそこに囲炉裏が設けられており、蕎麦はこの周辺か土間の横の板の間でいただきます。

この時は座敷で春芸展が行われており、そのためかお客が多くて蕎麦は売り切れ! これから打ちますから時間が掛かりますがいいですか、とのこと。ここでいただかないとお昼を食いはぐれるので、お茶をいただきながらのんびりとした時間を過ごしました。

吉田家住宅付近吉田家住宅付近

打ち立ての蕎麦はとてもおいしかったです。野菜天ぷらは超大盛りでした〜

吉田家住宅の周囲にものどかな風景が広がります。

小川町と寄居町の間の小さな峠小川町と寄居町の間の小さな峠

吉田家住宅からは小高い丘を越えてその北へ廻り込みます。ここはきつかった!

それから八高線の線路を渡って寄居町へ入るのですが、ここにも小さな峠があります。この二つのピークを越すだけで、私サイダーはへろへろ。ここのところアクシデント続きで身体を動かせなかったので、体力が相当に落ちているようです。後半の笠山峠が心配になってきます。

小さな峠の先小さな峠の先

それに比べて、最近はテニスとロードバイクのトレーニングに励んでいるシンチェンゾーは絶好調!

寄居町西ノ入五ノ坪寄居町西ノ入五ノ坪

寄居町西ノ入五ノ坪に下ると、先に色鮮やかな花が見えます。

白は桜、黄色はレンギョウ、薄紫色はミツバツツジ。

寄居町西ノ入五ノ坪のツツジ寄居町西ノ入五ノ坪のツツジ

特にミツバツツジが見事な色に輝いています。

ミツバツツジミツバツツジ

眼に眩しい!

JR八高線折原駅JR八高線折原駅

午後の部の最初の目的地は東秩父村の『花桃の郷』ですが、その入口となるところに八高線の折原駅があるので覗いてみました。

すると運良く寄居方面から列車がやってきました。国鉄がJRになってからローカル線はどんどんなくなりましたが、この八高線はなんとか残ってもらいたいものです。

外秩父の山々外秩父の山々

折原駅から西へ向かうと外秩父の山々が見えてきます。

左端の山は登谷山(とやさん)でしょう。

小谷野田峠小谷野田峠

r294坂本寄居線に合流すると、そこから本格的な上りが始まります。

えっこらよっこらとゆっくり上っていきますが、サイダーはここでもへろへろ。この日は気温がとても高く、25°Cを越える夏日でしたから、これも応えたようです。

寄居町から東秩父村に入ると写真の大きな標識が立っており、ピークに達します。ここには峠の表示がないなと思っていると、この先のカーブミラーに小さな木の板がくくり付けられていて、そこに小谷野田峠と書かれていました。

花桃の郷その1花桃の郷その1

小谷野田峠からちょっと下ると今度は『花桃の郷』への上り。

花桃の郷その2花桃の郷その2

『花桃の郷』は東秩父村の大内沢周辺の荒廃した農地に、地域の人々が景観形成のために桃や桜の木などを植えたもので、複雑な地形の中でこれらの花が楽しめます。

花桃の郷の展望台花桃の郷の展望台

大内沢のピークにちょっとした駐車場があり、その上に展望台があったので登ってみることにしました。

コブシの巨木コブシの巨木

この展望台までは強烈な階段が続いており、その途中に巨大なコブシが真っ白な花を付けていました。

花桃の郷の展望台よりその1花桃の郷の展望台よりその1

向かいの集落は上ノ貝戸。

こうして見ると桃の木が少ないですが、畑単位で根元から伐採された木が見えます。病気かなにかで伐採する必要があったのでしょうか。

花桃の郷の展望台よりその2花桃の郷の展望台よりその2

まあそれはともかく、この複雑な斜面地は見ていて飽きません。

これで、あの桃が伐採された畑にピンク色があったら、どんなにきれいだったでしょう。

桃の木の間を下る桃の木の間を下る

展望台で少しゆっくりしたら、花桃の郷から下ります。

桃の花はこの時すでに最終盤で、日当りの良いところはかなり散ってしまっていました。

白石のミツバツツジ白石のミツバツツジ

大内沢の下の集落は白石で、そこにはこんなミツバツツジが。

虎山の千本桜入口付近虎山の千本桜入口付近

r294坂本寄居線に出てこれを南下すると、ほどなく『虎山の千本桜』です。

ここは山一面に桜が植えられています。

虎山の千本桜入口付近見返り虎山の千本桜入口付近見返り

山一面が桜というのはかなり珍しいですが、どうしてそんなことになったのかというと、ここは元は採石場だったそうですが、それが行われなくなるとあまりみっともよくない姿になったため、これをなんとかしようと人々が桜を植えることにしたのだそうです。

虎山の千本桜中腹部その1虎山の千本桜中腹部その1

通称は千本桜で通っているようですが、現地の案内では2kmに1,700本の桜があるとのことで、途中が雛壇状になっており、これも含めると5kmに及ぶそうです。

虎山の千本桜中腹部その2虎山の千本桜中腹部その2

驚いたことにこの日はここでコスプレ撮影会が行われており、もの凄い数のプレイヤーとそのお付きのカメラマンで一杯でした。あとで調べたら、ここでは桜の時期にいつもコスプレ撮影会が行われているようです。

中腹まで行って帰るころには皆さん引き上げたので、写真にその姿はありませんが。

矢岸歩道橋矢岸歩道橋

さて、このあとは笠山峠の予定でしたが、私サイダーはもうバテバテで上れそうにないので、ここで本日終了、小川町へ向かうことにしました。

そう決めたら、脇目を振らず槻川沿いを下って行きます。その槻川のうねりに合わせるようにしてr11熊谷小川秩父線が大きくカーブした先で、ワーレントラス橋の矢岸歩道橋があったことを思い出したので、これを渡ることにしました。その欄干には大正12年とありますから、これは1923年で、今からほぼ100年前にできたものです。

小川町から見た笠山小川町から見た笠山

小川町に戻ってきたところで後ろを振り向けば、上る予定だったあのとんがり帽子の笠山がくっきり見えています。

今日は爽やかな気候でしたが、今年はじめての夏日となり気温が高かったこともあり、この3ヶ月間ほとんど身体を動かしていない私にはきつかったです。しかし、やはり春のこの季節の花々は眼を楽しませてくれ、来た甲斐がありました。


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uploaded:2022-04-09