今年の梅雨はとても短く6月27日に明けてしまい、その後は異例の暑さとなり、猛暑日が9日も続きました。それもちょっと一段落しましたが、それでも真夏日が続いています。
今日は予報では最高気温が33°Cなので、場所を選べばなんとか走れるでしょう。ということで、今回は真夏恒例の奥武蔵で滝巡りをして涼もうという企画です。コースは2017年と同じで西武池袋線の武蔵横手駅が起点。
このあたりは外秩父山地の入口で、すぐ上には首都圏のサイクリストにはおなじみの奥武蔵グリーンラインが通っています。
その奥武蔵グリーンラインを目指して林道関の入線を上って行きます。
林道関の入線の入口はご覧の通りで左手は樹木に覆われていますが、右手には民家がありその前は畑で開けています。
勾配はまだ緩く、前にはトレイルランの女性集団が見えます。
本日の参加者は数年前からこのコースを走りたいと思っていたというコムランと、このあたりはすでになじみになったシュンシュン。
武蔵横手駅のプラットフォームに降り立ったときは思ったほど涼しくなく暑く感じたのですが、この林道に入ったとたんにスーっとした空気に変わりました。
樹木が多く木蔭で、道の横に『関の入沢』が流れているからでしょう。
2kmほど薄暗い針葉樹林の中を上って行くと、本日最初の滝である『五常の滝』の入口に到着。
『五常の滝』は、入口の門とその手前の受付、そして駐車場が新しく整備されていました。ここは以前は無料でしたがこの整備にともない有料になりました。200円也。この時はたたたまかもしれませんが、受付のおじさんが茄子を2つお土産にくださいましたよ。
さっそく新しくできた門をくぐって中へ入ります。
するとまず、朱色の橋が目に飛び込んできます。
その下を流れるのは、ここまでずっと林道の横を流れていた関の入沢。
ここはひんやりしていい気持ち。わざわざ都心からやってきた甲斐がありました。
奥へ向かうと小さな社がいくつか並んでいます。これは『五常』の教えの始祖やそれを広めた人々を祀ったものです。五常とは五徳とも言い、儒教で説く5つの徳目、仁・義・礼・智・信のことです。
この横にはかの二宮金次郎の銅像が立っています。金次郎は五常の教えを少し形を変え『五常講』として金融制度を作り上げた人でもあるそうです。
この社と同じ形をした儒教の始祖である孔子の廟があり、さらに奥へ進むと左に不動尊を祀る簡素なお堂、右手に見晴台があります。
その奥に五常の滝は落ちています。落差12m。
二手に分かれた流れが黒い岩肌を滑るように落ちています。
ここでボチャしたのはサイダー只一人。コムランは足だけ浸かり、水が苦手だというシュンシュンは写真班。
五常の滝で十分に涼んだら、奥武蔵グリーンライン方面へ上ります。五常の滝の入口から先は路面がノンスリップ仕様のコンクリート舗装に変わります。というわけで、ここからは激坂登り!
えっさこらさと上って、切り通しを越えます。この切り通しが日高市と毛呂山町の境界で、この先、道は林道中野線と名称を変えます。切り通しはピークであることも多いのですがここはそうではなく、この先も上りが続きます。
ペアピンカーブの先で民家が現れるとそこは中野の集落。その先で左に林道土山線を分けますが、私たちは中野線を上って行きます。このあたりも結構きつい!
するとほどなく右手の視界が開け、小さな谷が見えるようになります。奥に見える低い山は日和田山でしょう。ここで一息つくもまだ上りは終わりません。しかし300mほど行くと中野線は林道権現堂線に合流して終わります。そこは奥武蔵グリーンラインの末端部で、上り側の少し先には北向地蔵があります。
今回は北向地蔵へは行かずに鎌北湖側へ下って行きます。鎌北湖はあとで立ち寄ることにして、少し先で分岐している林道宿谷権現堂線に入ります。
これを豪快に下ると『宿谷の滝』に到着。
この入口は道端に小さな表示があるだけで目立たないので、うっかりすると通り過ぎてしまいますが、カーブのところに若干膨らみを持たせて、車が1〜2台程度駐車できるスペースが設けられています。
この時はモーターバイクの先客がありました。
上の写真の標識から続く階段を下るとすぐに宿谷の滝があります。
階段を下りて行く途中、キャーキャー、ワーワーと子供の声がするなと思ったのですが、下りてみるとそれはどうやらあのトレイルランの女性たちのようでした。こんな暑い日は誰でも水浴びしたくなるし、水浴びすれば楽しいので、つい子供のようにはしゃいでしまいますね。
この滝はたいていは静かでひっそりしており、他に人がいても1組くらいのことがほとんどだったのですが、この日は大盛況でした。
トレイルラン軍団が立ち去るのを待って、私たちも水浴びを。
ワオ〜、っとコムラン。やるぅ〜〜
宿谷の滝からは宿谷川沿いをちょっと下って、ゴルフ場の間を抜けて鎌北湖へ向かいます。
ゴルフ場に入るすぐ手前には山根六角塔婆と宿谷のお地蔵様が立っているところがあります。
ここには古い道が残っていて、これがなかなかいい感じです。
ゴルフ場の間を抜けて鎌北湖から流れ出る大谷木川沿いに出ました。
ここは宿谷の谷より空間が開けていて気持ちいい。
この南の山裾にはいい感じの小径が続いています。
その小径はいつしか森林の中を行くようになり、横に細い大谷木川が流れるようになります。
あ〜涼しい〜〜
この大谷木川沿いの道は最後は階段となって鎌北湖へ上るのですが、この担ぎはちょっときついです。
鎌北湖では日傘を差して釣りをする人々の姿がありました。暑そう〜〜〜
今日は暑くて飲料水の消費が激しいので、この畔にある自動販売機で飲み物を補給。
冷たい飲み物で喉を潤したら、今日三番目の滝となる『獅子ヶ滝』を目指します。
鎌北湖の北岸を西へ進むと鎌北の集落が出てきますが、ここにあった茅葺き屋根の民家は健在でしょうか。
このお宅はもう数年前から人は住んでいないようでしたが、建物はまだ残っていました。
棟に煙出しがあるちょっと変わった形の屋根をしています。この地域ではかなり貴重な茅葺きの民家ですから、できるなら残ってほしいですね。
この茅葺き屋根から先は林道阿諏訪線の激坂上り!
きついです〜
このピークから先は前回来た時は砂利道で泣きが入りましたが、これはすでに舗装されていました。
ということでここは一気に下ります。
阿諏訪川に流れ込む小川を渡ったすぐ先に、半分薮に隠れてこんな道祖神と獅子ヶ滝の石碑が立っています。
ここを入るとす〜っと涼しい風が吹いてきて、すぐに小さな獅子ヶ滝が現れます。
獅子ヶ滝という名がどこから来たのかはわかりませんが、獅子というと勇ましいもの強いものから大きい滝を想像しますが、この滝は落差わずかに3mしかありません。
しかし雰囲気はとてもいいです。
獅子ヶ滝で涼んだら、阿諏訪川に沿って毛呂本郷方面へ下ります。
阿諏訪川から毛呂川沿いに入ってこれを遡り、昼飯処へ向かいます。
昼食は滝ノ入のうどん屋さん。
このあたりは柚子の産地なので、柚子を練り込んである盛りうどんと木耳の天ぷら、そしてかやくご飯と冷や奴という組み合わせ。このうどんは埼玉県で一般的なあの腰の強い武蔵野うどんではなく、もっとやわらかい、どちらかというと腰の弱いタイプのものです。
シュンシュンとコムランは大盛り!
さて、ここからは午後の部です。
午前中に五常の滝、宿谷の滝、獅子ケ滝と三つの滝を巡ったので、残す滝は黒山の三滝です。これは一ヶ所に纏まってあるのでそこへ向かうのですが、その前に桂木観音へ寄りましょう。
桂木観音へは毛呂川の支流の桂木川に沿って上って行きます。
この道の勾配は序盤は緩かったものの徐々にきつくなってきて、ヘアピンカーブが現れるとそこから一気に上昇。
ここはアヘアヘものです。
上の写真とこの写真の白いガードレールを見てください。
なんとなくここのきつさが分かるでしょうか。
激坂を上ってさらにその上の激坂を上ると桂木観音に到着。
ここは紫陽花がきれいなのですが、この時それはもうほとんど終わっていました。今年はここまで暑かったですからね。
ここの売りはそれよりこの眺望です。
空気が澄んでいれば東京スカイツリーも見えるのですが、この日は確認できませんでした。それでも新宿だか池袋だかの超高層ビル群がうっすらと見えているのはわかります。
ここは関東平野の末端で、それが終わっていよいよ山が始まるというところなのです。
桂木観音からは山を下って黒山三滝へ向かうのですが、いつものサイダールートは桂木峠から沢沿いを下るハイキングコース。
しかし今回これはシュンシュンの反対に合い、ちょっと戻って林道桂木線で下ることにしました。
下った先は越生町大満で、ここには越辺川が流れています。
道がr61越生長沢線に合流するとそこには大木が二本立つ熊野神社があります。
この熊野神社を過ぎると黒山三滝の入口に到着。
このゲートをくぐって進めば、横を流れるのは越辺川の支流の三滝川です。
黒山三滝はこれまでの滝とは違ってアプローチが長く、ゲートから1km近く行かねばなりません。
三滝川の流れは徐々に細くなり、時々小さな滝が落ちるようになります。
黒い岩壁が現れるようになり、土産物屋の横を通り抜けて行くと、
黒山三滝の女滝と男滝が現れます。
下にあるのが女滝で上が男滝。
女滝にボチャ。
女滝の落差が5mなのに対し、男滝は10mあり水量も豊かなのでこちらはボチャできませんでした。
黒山三滝はその名のとおりに三つの滝が落ちています。最後の一つは天狗滝で、これは女滝と男滝より少し手前にあります。
メインのアプローチ道から横に入るとちょっと険しい石段が続いています。この石段はかなり滑るので要注意。
この石段を登った先の突き当たりの岩の割れ目から天狗滝は落ちています。この日は水量が少なく、光の具合もあってあまりぱっとしませんが、ここはなかなか雰囲気があるところです。
さて、この天狗滝で本日の滝巡りは終了。このあとは越生へ向かい温泉に浸かります。
越生までは越生長沢線を下ればすぐなのですが、まだ時間はたっぷりあるので、龍ヶ谷の龍隠寺に寄ることにしました。
今日は暑いのであまり無理はせずに龍ヶ谷川まで下って龍隠寺へ向かうつもりでしたが、頭がぼーっとしていたのか、なぜか足が勝手に梅ノ久保へ向かってしまったので、そのままこれを行きます。(笑)
この道は奥武蔵グリーンラインへ上る林道猿岩線へ続く道なので、それが頭にインプットされていたからかもしれませんが、これがそもそも間違いの元。まずは激坂であへあへ、押しに入るサイダーでした。
そしてなんとかピークに辿り着くも、その先はダートが1kmほど続くのでした。
もっともこのダートは下りなので、まあ自転車に股がってさえいればだいたい転がってくれますが。
龍ヶ谷川沿いに入り、龍穏寺に到着。
この寺は室町幕府6代将軍足利義教により開かれ、太田道灌とその父の道真により中興されました。杉林の中に苔むした石畳があり、その先に立派な山門が立っています。静かなこの佇まいはなかなか風情があります。
龍ヶ谷からは戸神へ抜けます。この道もまた坂マニアが鳴いて喜びそうな激坂上り。当然アタシは押しですバイ。あへあへ。。
そしてなんとかピークに達すると、その先はかつてはあっと驚くダートだったのですが、ここも最近整備されたようで、ノンスリップ仕様のコンクリート舗装になっていました。
麦原川沿いから日向で越辺川沿いに入り、越生梅林をかすめて『梅の湯』へ向かいます。
梅の湯は『ニューサンピア埼玉おごせ』の敷地内に2020îNにオープンした日帰り温泉で、強アルカリ性の所謂美人の湯。
ニューサンピア埼玉おごせはこの日帰り温泉の他に、ホテル、プール、テニス場、体育館、キャンプ場、大衆演劇専用劇場などを備えた総合施設です。
越生で唯一の温泉でさっぱりしたら、越生駅へ向かいます。
越生駅付近には蕎麦屋と鰻屋しか見つからなかったので、隣の武州唐沢駅まで足を延ばして豪華懐石料理の反省会へ。
ん〜〜ん、この絵はなんだか変だ!(笑)
そして終着地の武州唐沢駅は、どこに駅があるのかわからないほどの鄙びたところでした。
さて今日は、まず天気がピーカンでなく程よく雲が掛かっていたのが幸いでした。また、予定の通りに木蔭と沢や川のお蔭で涼しく過ごせたので、大正解です。滝はみんな小振りではありますがそれぞれに良さがあり、どれも素敵です。暑いこの時期にお薦めのコースですが、みなさんに聞いてもやはりちょっときついとのことです。以前よりダートは大分少なくなったのですが。