2220

栃本と大血川林道

開催日 2022年11月06日(日)晴れ
参加者 サンダリアス/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 70km
累積高度 1,400m
地域 関東
埼玉県

栃本
栃本

コース紹介

秩父の三峰口から荒川の上流へ向かい、甲州へ続く谷の奥にあり、かつて秩父往還の関所があった気持ちのよい南斜面にある栃本の集落を訪ねます。戻って、三峯神社まで続く林道大血川線を渓流と紅葉を楽しみつつ上り、大陽寺まで。

動画(06'07" 音声:BGMのみ)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
三峰口駅
320m
START 発08:50 一般道
池袋05:39→08:18三峰口/1,210円
紅葉まつり会場
355m
3km 着09:05
発09:05
R140
金蔵落としの渓流
355m
4km 着09:10
発09:10
R140 もみじ
道の駅大滝温泉
400m
13km 着09:25
発09:35
R140 ファミリーマート
二瀬ダム
555m
19km 着10:05
発10:05
R140
栃本
750m
20km 着10:40
発11:00
R140 WC
栃本関所跡
770m
21km 着11:05
発11:30
R140
大血川林道入口
350m
36km 着12:35
発12:35
大血川林道
大陽寺
840m
44km 着13:45
発14:05
大血川林道
R140,R299

寺坂棚田
240m
69km 着15:15
発15:30
一般道
横瀬駅
250m
70km 着15:35
西武秩父線
観光案内所/食堂兼売店
日の入り17:06/林道通行規制:埼玉県

三峰口駅三峰口駅

ここに来て都心の木々も少し色付いてきました。関東地方の紅葉はそろそろ良い頃合いのところも増えています。ということで、やってきたのは秩父です。

私サイダーは朝一番の電車で都心から西武鉄道と秩父鉄道を乗り継いで三峰口駅までやって来ましたが、この乗り換えは西武秩父駅から御花畑駅まで歩かなければならず、さらに待ち時間が30分もあるのが難です。もっとも御花畑駅には最近では珍しくなった駅蕎麦があるので、これををいただいて時間つぶしをしました。

転車台転車台

サンダリアスは横瀬で下車し寺坂棚田に立ち寄ったあと、ミューズパークのイチョウ並木を見て来たといいますが、このイチョウはなんとすでに見頃のピークを過ぎていたそうです。

秩父鉄道には蒸気機関車が走っており、ここ三峰口駅には転車台があります。転車台は先日行った鬼怒川温泉駅でも見ましたが、一時はほとんどなくなった蒸気機関車が最近あちこちで走るようになっていますね。

御岳山御岳山

三峰口駅のすぐ西には御岳山が鎮座しています。ここの紅葉はまだ少し早く色鮮やかとはいきませんが、ボチボチ始まっています。

荒川南岸より御岳山を望む荒川南岸より御岳山を望む

予定では今日は中津川を遡り、『女郎もみじ』を眺め八丁トンネルへ向かうつもりでしたが、9月に起こった崩落による県道の通行止めがまだ解除されないので、栃本の集落と三峯神社にしました。

栃本は荒川上流の狭い谷の南斜面にある集落で、日当りがよくて気持ちのよいところです。三峯神社は三峰山の標高1,100mに位置し眺望が良く、この時期は紅葉が素晴らしいです。

荒川南岸を行くサンダリアス荒川南岸を行くサンダリアス

サンダリアスは栃本を午前中の光で見たいとの希望なので、まず栃本を目指します。

今、道脇を流れているのは荒川。この荒川は、あの東京湾に流れ込んでいる荒川です。ここの荒川の左岸を走るR140は交通量が多いので、右岸の静かな道をどんどこ南西へ向かいます。

R140の紅葉R140の紅葉

しかしこの道は1kmほどしか続かず、万年橋を渡ってR140に合流。するとさっそく、真っ赤なもみじに出会いました。

逆光で眩しい。

荒川荒川

大洞第二発電所の入口を過ぎるとほどなく紅葉まつりと書かれた駐車場が出てきます。ここは光岩園地というところのようで、時々イベントが行われているようです。

ここで荒川を覗くと、遥か下を流れています。このすぐ上流にダムがあるせいで水量はかなり少なくちょっと寂しい流れですが、対岸の紅葉はいい感じ。

『金蔵落としの渓流』のもみじ『金蔵落としの渓流』のもみじ

光岩園地を出るとすぐ、真っ赤な紅葉が。

ここには『金蔵落としの渓流』と描かれた看板が立っていますが、金蔵落としが何なのかの解説はありません。

『金蔵落としの渓流』のもみじその2『金蔵落としの渓流』のもみじその2

まあ金蔵落としが何なのかはともかく、ここのもみじはきれいです。

『金蔵落としの渓流』のもみじその3『金蔵落としの渓流』のもみじその3

最盛期の少し前ですが、このように緑の葉っぱが残っていると、絵に深みが出るので私は好きです。

三峯神社の鳥居三峯神社の鳥居

『金蔵落としの渓流』を出るとすぐに三峯神社の鳥居が立っています。

今はこの鳥居のところから三峯神社へ向かう人は少ないですが、実はここを入って行くのが本来の表参道です。かなりの山道登り!

私たちが走っているR140も、勾配は緩いもののずっと上りですよ。

道の駅大滝温泉道の駅大滝温泉

三峰口駅を出て30分ほどで道の駅大滝温泉に到着。この先はほとんどお店がないので、ここに入っているファミリーマートで弁当を購入。

ついでにスタッフの方に中津川の通行止めの様子を伺いましたが、やはりまったく通れないとのことでした。ということで、ここからは迷うことなく栃本へ向かいます。

大滝橋付近大滝橋付近

道の駅を出て大滝橋を過ぎるとほどなくR140は二手に別れます。右は大峰トンネルを抜けて甲府方面、そして左は私たちが向かう三峯神社・栃本方面です。

この分岐では川も合わさっていて、右から中津川、左から荒川が流れて来ています。

かえで並木かえで並木

生コン工場を過ぎて道がヘアピンを描くと、その先はかえで並木で真っ赤。

南へ延びる谷南へ延びる谷

もう一つヘアピンカーブを廻ると、その先で南へ延びる荒川の谷が見え出します。

折り重なる山々が変化に富んだ景色を作り出しています。

二瀬ダム二瀬ダム

緩く上り続けて二瀬ダム(ふたせダム)に到着。

二瀬ダムの上は三峯神社へ向かう道路になっています。この時期は三峯神社の紅葉を観に行く方が多いのでここまで交通量が多かったのですが、この先それはぐっと減って走りやすくなると思います。

二瀬ダム付近の紅葉二瀬ダム付近の紅葉

二瀬ダムによってでできた人造湖は秩父湖と呼ばれています。その横のもみじも真っ赤です。

秩父湖秩父湖

これが秩父湖ですが、サンダリアスは、この日の水量はいつもより少ないようだと言います。

二瀬ダムを出るとすぐに、秩父湖沿いを行く道と上へ上って行く道が分かれます。実はここから栃本へ向かうには3つルートがあります。

麻生麻生

低い方から紹介すると、まず、秩父湖に沿って川又へ抜ける道。これは雁坂トンネルまでの近道なのでモーターバイクが比較的多く、湖沿いなのにそれはあまり見えず視界が広くありません。次は私たちがこれから行くかつての秩父往還。三番目は秩父往還の麻生から別れる林道麻生線を上り、さらに森林帯の中を行く道。これは高度はあるもののあまり視界が開かず、暗い針葉樹林の中を通っています。

ここから麻生を経て寺井までの上りはかなりきついのですが、サンダリアスはそんなところもガシガシ行きます。

寺井寺井

このあたりの集落の家々は伝統的で開放的なものが多く、南斜面に立っているため、陽の光をいっぱい浴びて気持ち良さそうです。

上中尾より荒川の谷を望む上中尾より荒川の谷を望む

寺井の先は少し勾配が落ち着きますが、それでも依然道は上り続けます。

左手に西へ延びる谷が見えてきました。

上中尾の紅葉上中尾の紅葉

そして右手には赤と黄色の紅葉。

栃本へ向かうサンダリアス栃本へ向かうサンダリアス

こんな景色の中を栃本を目指してゆっくり進んで行きます。

もみじ並木もみじ並木

釣り場の案内看板があるあたりはもみじ並木で賑やかです。

白石山白石山

荒川の対岸の山は白石山というようですが、山ひだが多くてピークがわかりません。距離が近いのでもしかするとピークは見えていない可能性もありますが。

道端の楓道端の楓

もうちょっとで栃本です。ここの標高は740m。楓が良い色になっています。

栃本の楓その1栃本の楓その1

針葉樹によって左側の視界が閉ざされると突然、先にオレンジ色の塊が見え出します。

栃本に到着しました。ここには真っ赤に染まった楓が10本ほど並んでいます。

栃本の楓その2栃本の楓その2

ここがトイレの横というのがちょっと難なのですが、そのトイレも品よく造られているので良しとしましょう。

栃本の楓その3栃本の楓その3

ちょうど良い頃合いです。

栃本の楓その4栃本の楓その4

gooooooooood!

栃本の楓その5栃本の楓その5

beautufulllllllllllllllllll!

栃本の楓とサンダリアス栃本の楓とサンダリアス

よ、いい男!

サンダリアスの横にある標識の『不動滝』ですが、これは遥か下を流れる荒川の対岸にあるもので、下ったらもうここには戻ってこられませんから行きません。(笑)

斜面に立つ栃本の家々斜面に立つ栃本の家々

これらの楓の木から西に栃本の集落は広がっています。

栃本もここまで連なってきた集落同様に急な南斜面で、そこに家々がへばりつくようにして立っています。

関所跡関所跡

トイレから500mほど進むと関所跡があります。これまで私たちが通ってきた道は甲府と熊谷とを結ぶ秩父往還(甲州裏街道)で、ここはかつてその往来を監視する目的で武田信玄によって設けられたものだそうです。

関所の役宅は江戸時代に焼失しましたが、現在残るこの建物はその時に再建されたものだそうです。元は平屋でその後2階の建て増しや改築がされていますが、関所の面影を留めているとされています。

栃本関所跡より荒川の谷を望む栃本関所跡より荒川の谷を望む

かつて人々はあの山を越えて甲州とここを行き来していたわけですが、現在は雁坂トンネルができたのであっという間です。もっともこのトンネルは自転車は通れないので、自転車乗りにとっては、ここ埼玉県と山梨県は相変わらず遠いです。

栃本の民家その1栃本の民家その1

この集落の中には人が棲んでいない家屋がいくつかあるようです。世の中は便利になったとは言え、今日、ここで現代的な生活するのは難しいのかもしれません。

栃本の民家その2栃本の民家その2

そういった家屋の多くが伝統的な造りで味わい深いものだけに、残念です。

栃本より荒川下流方向を望む栃本より荒川下流方向を望む

ここは陽当りが良くて本当に気持ちのよいところですが、冬は雪に埋もれることもあるでしょう。学校や病院はどうしているのかな、買いものはどこでするのかな。現実の生活を考えると、様々な困難が浮かんできそうです。

栃本をあとにするサンダリアス栃本をあとにするサンダリアス

気持ちのよい眺めを楽しんだら、栃本から引き返して三峯神社へ向かいます。

大血川付近の紅葉大血川付近の紅葉

三峯神社へは一般的には二瀬ダムからr247を行くと思いますが、今日は車がとても多いのでこれは止め、大血川林道を行ってみることにしました。

大血川林道入口大血川林道入口

大血川林道は、R140から荒川の支流の大血川に沿って上り、東京都の最高峰雲取山から北へ伸びる尾根にある霧藻ヶ峰を廻って、最終的には三峯神社まで続きます。

この途中にある大陽寺から三峯神社までは数年前から通行止めなので、とりあえず大陽寺まで行ってみることにします。

大血川橋より荒川上流を望む大血川橋より荒川上流を望む

まずは荒川を大血川橋で渡ります。

大達原の手掘り隧道付近大達原の手掘り隧道付近

この先で荒川の北岸に目をやると、ごつごつした岩場が見えます。石灰岩です。

かつて秩父往還は山の上の尾根を通っていましたが、明治時代に馬車を通すためにあの岩の上のあたりにトンネルが掘られました。それが大達原(おおだはら)の手掘り隧道で、これは今日でも通ることができます。

大血川沿いの紅葉大血川沿いの紅葉

カーブを廻ると荒川が離れ、道脇を流れるのは大血川になります。最初から勾配きつし!

サンダリアスはあっという間に見えなくなってしまいました。

大血川沿いの紅葉その2大血川沿いの紅葉その2

道は南へ向かっています。

時は12時45分。西側の山は日陰になっていて暗く沈んでいますが、東側の山は陽の光に照らされた紅葉がきれいです。

大血川大血川

横を流れている大血川の流れです。

この少し上流はもっと素敵な渓流の様相をしているのですが、勾配がきつくて立ち止まれなく写真は撮れませんでした。

大陽寺入口大陽寺入口

大血川橋から4kmほど行くと大陽寺の入口らしきところに辿り着きます。そこには写真のような小さな石仏が置かれています。

大血川と楓大血川と楓

小さな橋で大血川を渡ると、

巨大灯籠巨大灯籠

大陽寺への上り口でしょうか、巨大な灯籠が石段の両側に立っています。

この向かいは観光釣り場でうどん屋もあります。

観光釣り場の先の紅葉観光釣り場の先の紅葉

その先には見事な楓の紅葉。

観光釣り場の駐車場を過ぎると道が分かれます。ここで大血川は西谷と東谷に分かれているのです。大陽寺は西谷の奥にあり、南西方向へ進みます。

西谷西谷

この少し先に車の折り返し地点という案内があるガードがありましたしたが、自転車は止めていないようなのでもう少し進んでみます。

西谷はまだ13時を少し過ぎたばかりなのに陽の光が届かず、ちょっと薄暗く感じます。

西谷の沢西谷の沢

西谷は谷の名なのか沢の名なのかよくわかりませんが、国土地理院の地形図では沢の名のように見えます。

逆光のもみじ逆光のもみじ

道の角度が少し変わって、逆光に照らされたもみじが現れました。背後の黄緑色との柔らかな対比がいいです。

大陽寺付近のもみじ並木大陽寺付近のもみじ並木

道がカーブして日差しを受けるようになるともみじ並木になります。

ここは寒暖差があまりないのかビビッドな赤ではなく、すこしくぐもったような色合い。

大陽寺付近のもみじ並木その2大陽寺付近のもみじ並木その2

背後の山は日影になっていて沈んだ色。

日が当たっているところとそうでないところのコントラストが面白いです。

大陽寺付近の黄葉大陽寺付近の黄葉

このもみじ並木を過ぎると、周囲は黄葉が多くなります。

赤いかえでは華やかですが、黄色の木々もデリケートなグラデーションで味わいがあります。

大陽寺前のかえで大陽寺前のかえで

沢に近づいたところでヘアピンカーブを廻ってさらに上って行くと、少し勾配が緩んできました。その先にサンダリアスが待っていました。

大陽寺前のかえで並木大陽寺前のかえで並木

大陽寺の入口です。

ここもかえでが並木になっていて、うしろには山が見えます。栃本のようなのびやかな広がりはありませんが、まずまずの景色です。

大陽寺と熊倉山大陽寺と熊倉山

大陽寺はどこかなと思って見回すと、なんとここから下に続く道がありその奥にありました。お寺の向こうに見えるのは熊倉山でしょう。

大陽寺から続く大血川林道大陽寺から続く大血川林道

大血川林道は大陽寺に下る道の脇にゲートがあり、そこからさらに先へ延びており、標高1,200mまで上ります。

この先は路面不良のため通行止めのようですが、このあたりは清掃されていないため少し小石などが見られるものの、あまり問題がないように見えます。実際に行けるかどうかは別にしても、この先はピークまでさらに高度で300m以上のぼらなければならない上、そこまでのほとんどは日影なので紅葉は期待できないとあり、ここから引き返すことにしました。

大陽寺から下るサンダリアス大陽寺から下るサンダリアス

再び大血川林道の紅葉を眺めながら、ビューンと下るサンダリアス。

寺坂棚田と武甲山寺坂棚田と武甲山

西武秩父駅から帰ろうかと思いましたがまだ時間があるので、サンダリアスが朝行った寺坂棚田に寄ってみることにしました。秩父のシンボル武甲山はこの時刻は切り崩された部分が光の加減であまり見えずに、それほど見にくくは感じません。

秩父までずっと下ってきたので、横瀬から寺坂棚田までの上りはきついです。この棚田は夏に行われる『ホタルかがり火まつり』が有名で、つい先日まで彼岸花がきれいに咲いていたはずですが、この時期は農作業をする人もおらず、ひっそりしています。

横瀬駅横瀬駅

上がりは横瀬駅。ここは木造のきれいな駅舎で、階段を上り下りせずに電車に乗り込めるのがいいところ。このすぐ横の観光案内所は食堂兼売店でもあり、ここでビールを購入し、渇いた喉に黄金の液体を流し込みました。

栃本は久しぶりでしたが、相変わらず素敵なところでした。大血川林道は午後になってしまったので陽の光があまり届かなかったのが残念ですが、ここは交通量が少なく、静かで良い雰囲気でした。

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