浮間公園
早咲き桜を巡るこのコースは春の定番。
いつもと違うのは浮間舟渡駅の前が大勢の人で埋め尽くされていたことで、何があるのかと思ったら板橋Cityマラソンだそうです。
シンチェンゾー、サイダー、ミッチー
今日は快晴で風もなくいいお天気なのですが、参加者は野郎ばかりが5人で、第一集合地点の浮間公園にやってきたのは、シンチェンゾー、企て人サイダー、そして最近ジオポタネイムが与えられたミッチーの3人。
浮間公園を行く
浮間公園の池の畔を廻って行くと、
浮間公園の桜
さっそく染井吉野が咲いていました。
今年の桜の開花は最速で、都心は3月14日に開花宣言が出されましたが、ここは5-6分咲きといったところでしょうか。
荒川サイクリングロード
浮間公園を出て荒川の右岸のサイクリングロードに入りました。
青い空が広〜いです。
荒川と川口
荒川は河川敷が広く土手から川面が見えるところは少ないのですが、ここからは僅かですがゆったりした流れが見えます。
その向こうの超高層ビル群が立つエリアは川口です。第二集合地点の足立区都市農業公園はあの少し向こうになります。
シバザクラ
JR東北線の線路で土手上から河川敷に下ると、そこにピンク色のシバザクラが咲いています。
ここのシバザクラまだ咲き始めで、ピークはまだ大分先になりそうです。
マラソン大会の補給所
この河川敷にはマラソン大会の補給所が準備されつつありました。
板橋Cityマラソンは参加者1万人で、9時に浮間公園の少し上流にある戸田橋付近を出発し、荒川に沿って下り、荒川大橋付近で折り返すそうです。
旧岩渕水門
先に赤い水門が見えてきました。これは荒川と隅田川の分流点にある旧岩渕水門です。赤いので通称赤水門と呼ばれています。この水門は旧と付くように、すでに本来の役割を終えていますが、東京都選定歴史的建造物に選定されており、その上を通って中の島に渡ることができます。
左:荒川、右:隅田川
赤水門の先には新しい青水門があり、これを渡ると左手に荒川が、右手に隅田川が見えるようになります。
そして正面に東京スカイツリー。
荒川区都市農業公園前
鹿浜橋を渡って荒川の左岸にある都市農業公園の前に到着。ここでコムランとユッキーが合流です。
この写真の左奥に見えるのが先ほど横を通った岩渕水門の青水門で、右手に見えるのが荒川と芝川とを仕切る芝川水門です。
こぶし
都市農業公園は桜はまだですがこぶしが満開です。
江戸時代建築の民家
こぶしの奥には江戸時代に建築された茅葺きの民家が移築保存されています。この建物は以前は中に入れたのですが、現在は入れないようです。
芝川サイクリングロード
都市農業公園を出て芝川沿いに入ります。この芝川沿いにもサイクリングロードが整備されていて、車に煩わされずに快適に走ることができます。
そして頭の上は染井吉野ですが、ここはまだ2分咲きといったところ。
芝川マリーナ横の安行桜
芝川のサイクリングロードをしばらく行くと芝川マリーナの横に赤味が強い桜が咲いていました。
これが今日の第一の目当ての安行桜です。
安行桜
安行桜を始めて見るシンチェンゾーはこれ、本当に桜なのとびっくりな様子です。
確かに、良く知られている染井吉野からすればかなり赤い色が強く、ひょっとして桃?と思えるほどなのです。
八重桜
これはその隣に咲いていた白い八重桜。安行桜と比べてみると花の色の違いがはっきりわかりますね。
安行桜アップ
安行桜は花びらの色が赤いのですが、雄しべはそれ以上に赤いです。
八重桜アップ
一方、この八重桜は花の付け根がうっすらと赤みがかっていますが、雄しべはそれほど赤くありません。
川口市朝日環境センター
芝川マリーナからさらに芝川を遡って行くと、朝日環境センターの横ではこぶしが満開です。
川口市前野宿
芝川を白鷺橋まで遡ったら、本日のメインイベント会場の密蔵院へ向かいます。
沖田園
密蔵院は川口市安行原にあり、その参道に植えられた桜がこの地区の安行桜としてはもっとも古いものの一つとされています。
その密蔵院の近くに沖田園という造園屋さんがあります。その庭にも立派な安行桜が咲いています。実は安行桜は密蔵院の檀家でもあった沖田氏により、この近くの慈林にあった木を接ぎ木して広められたものだそうで、沖田桜とも呼ばれるとか。
安行原の蛇造りがある大木
沖田園のすぐ近くには『安行原の蛇造り』があります。
安行原の蛇造り
安行原の蛇造りはこの地区に長く伝わる行事で、五穀豊穣、天下泰平、無病息災などを祈願して、全長10mの蛇を藁で作り、欅の木に掛けて百万遍を行なうというもので、毎年5月24日に行なわれているそうです。
大蛇はビニールに覆われていて見難いですが、この近くの道の駅に本物と同じと言える藁で作られた原寸大のモデルが展示されています。
安行原自然の森付近
安行原の蛇の次はいよいよ密蔵院です。
密蔵院の入口脇の『安行原自然の森』の前に出ると、ここも安行桜が満開。
密蔵院参道入口
密蔵院の入口です。
今年の密蔵院の安行桜は3月10日には満開だったので、散ってしまっていないか心配でしたがなんとかぎりぎり間に合ったようです。
密蔵院の安行桜見上げ
天から降り注ぐ桃色の花。
密蔵院の安行桜アップ
これは安行桜にしては色が薄い方ですね。光の当たり具合で見え方が異なるのでしょうか。
密蔵院山門
参道を進んで行くと山門があります。
枝垂桜
その山門の手前にはしだれ桜が咲いています。
密蔵院の桜いろいろ
そして奥には染井吉野も。ここは三色揃って、ちょっと面白いですね。
r103吉場安行東京線
密蔵院の安行桜を満喫したらその近くにある興禅院へ向かいます。
興禅院入口
興禅院の入口ではかわいらしいお地蔵様が私たちを出迎えてくれます。
興禅院の二色桜
このお寺は夏のあじさいや秋の紅葉で有名だそうですが、桜も何種類があってこの季節も楽しめます。
右側は安行桜で、左は品種はわかりませんが花が小さい桜。
石仏群
二色桜の足下には石仏がたくさん並べて置かれています。
抱かれ地蔵
ここは奥のスザジイの大木に面白いものがあります。『抱かれ地蔵』です。
このお地蔵様は全長は30cmほどあるようですが、見えるのは20cmほどで、その周囲を木が取り囲んでいます。30年ほど前に石屋さんがお地蔵様をここに動かしたら、木が生長してそれを取り囲んでしまったとのこと。タイのアユタヤのワット・マハタートに菩提樹の根に取り囲まれた仏頭がありますが、それと同じようなものですね。
この抱かれ地蔵は、すぐ上に案内の紙切れがぶら下げられていたのですが、それがあるにもかかわらず木の周りをぐるりと一廻りしてしまうほど、本当に目立ちません
ふるさとの森へ
興禅院のうしろは『ふるさとの森』になっています。
興禅院は台地の上にあり、その北東側は低地で見沼代用水の支線である赤堀用水が流れています。その間の斜面がふるさとの森です。
弁天さまと蛇
ふるさとの森の中には放生池があり弁天さまが祀られています。
この弁天さまの前には狛犬のように蛇がとぐろを巻いているのがちょっとおかしいです。
新緑のふるさとの森
この周囲の木々は、ぼちぼち新緑が始まってきています。
川口市安行の裏道
興禅院からは西福寺へ向かいます。
西福寺三重塔
西福寺には江戸時代に建立された三重塔が立っています。
この塔は徳川三代将軍家光の長女千代姫が願主となって建立されたようで、塔内には釈迦三尊と千代姫の位牌が安置されているそうです。
西福寺三重塔北面
塔の南側と北側に染井吉野が植えられていて、あと一週間もすれば最高の写真スポットになりそうです。
オリーブとパルミジャーノ・レッジャーノのぶっかけ蕎麦
西福寺三重塔で本日の前半は終了にして、昼飯処へ向かいます。
今日は暑いくらいなので蕎麦です。皆さんは親子丼と蕎麦のセットなどを注文していましたがアタシはちょっと変わり種を。オリーブとパルミジャーノ・レッジャーノのぶっかけってどうよ、と思いましてやってみました。家でよくやるソバ・サラダと同じようなものですね。旨かったっす。
ユキヤナギ
さて、午後の部は見沼通船堀からです。
道端のユキヤナギが眩しい!
通船堀の染井吉野
見沼代用水の東縁をかすめて通船堀に入ると、そこは染井吉野の並木です。
見沼代用水は東縁も西縁も、そしてそれらを繋ぐ通船堀も染井吉野の並木で、その全長は20kmを越えるそうです。
見沼通船堀
見沼通船堀はその名の通りに船を通すための堀です。通すのはどこからどこまでかと言うと、見沼代用水の東縁と西縁からそれらの真ん中を流れる芝川までです。
ところが芝川と見沼代用水とは水位差が3mほどあるため、この通船堀の中にエレベーターを設けたのです。見沼通船堀はこの仕組みを持つ運河としては日本最古とされています。その仕組みというのが写真の中ほどに写っている閘門です。
芝川
話が前後しますが、このあたりはかつては見沼田んぼと呼ばれる地域で、江戸時代に利根川の水を引いて干拓されました。その用水路が東縁と西縁で、芝川は田んぼの落ち水を拾って流す排水路の役目を負っていました。また芝川は江戸と見沼田んぼを繋ぐ通船路としても用いられていました。
鈴木家住宅
芝川を横切るr103吉場安行東京線のこのあたりは、江戸時代は長さ870mほど(東縁から西縁まで)の八丁堤と呼ばれる堤でした。そこに立派な鈴木家住宅が立っています。
鈴木家は、見沼通船堀の完成(1731年)と同時に幕府から通船業務をつかさどる差配役に任じられ、各舟に対する積荷や船頭の割り振りなどを行っていたそうです。
ひらた舟
鈴木家には通船堀を通っていた『ひらた舟』の1/2縮小モデルがあるので見学させてもらいました。
これが1/2縮小モデルで、実際はこの倍の大きさがあったとするとそれはかなりのもので、本当に通船堀を通れたのかと思うほどの大きさになります。ひらた舟を実際に見沼通船堀を通す実演は毎年8月に行われています。
ひらた舟では米を始めとする農作物に加え、味噌、醤油、薪、柿渋などが江戸へ、逆に江戸からは肥料、油、塩その他の日用品などが見沼へ運ばれたようです。
通船堀の桜
鈴木家でひらた舟を眺めたら、通船堀を西縁へ向かいます。
見沼通船堀公園
通船堀が西縁に出会うところには竹林の見沼通船堀公園があります。
見沼代用水西縁
その見沼通船堀公園を抜けると見沼代用水の西縁で、ここも染井吉野の並木。
西縁の染井吉野は木によっては5分咲き程度のものもありますが、全体としては3分咲きといったところでしょうか。
うしろに桜の畑
用水から少し離れたところがピンク色に染まっていたので行ってみると、そこは桜畑でした。
川口から大宮にかけては植木で有名な地で、桜も畑で作られています。このあたりは見沼田んぼだったのですが、田んぼの作り手がなくなり、畑に転用されたのです。
桜畑の桜
少し前まで桜と言えば染井吉野でしたが、最近はその寿命の問題などから他の品種も見直されてきています。日本の桜で名前が付けられているものは800ほどあるそうですから、それら全部で並木を作ったら面白いかもしれません。
見沼氷川公園の案山子
見沼代用水西縁に戻って進めば見沼氷川公園に到着。ここには『唱歌「案山子」発祥の地』像が立っています。
山田の中の一本足の案山子 天気のよいのに蓑笠着けて 朝から晩までただ立ちどおし 歩けないのか山田の案山子 山田の中の一本足の案山子 弓矢で威して力んで居れど 山では烏がかあかと笑う 耳が無いのか山田の案山子 -- 唱歌「案山子」 作詞:武笠三 作曲:不明 --
見沼氷川公園でゴロゴロする面々
なぜここに山田の案山子が立っているのかというと、この歌の作詞をした方が、この公園のすぐ横にある氷川女體神社の神官の長男だったからだそうです。
今日はポカポカ陽気でいい気持ちになってきたので、ここでちょっと昼寝を。
見沼氷川公園の池と染井吉野
ゴロゴロしているところの桜は河津桜でこれは満開。池の畔の染井吉野は4分咲きといったところでしょうか。
氷川女體神社
案山子を眺めたら、氷川女體神社にお詣りを。氷川女體神社はその名の通りに女で、これに対する男は氷川神社です。
そしてそれらの子の位置付けにあるのが中山神社で、これら三社は一直線に並んでいるそうです。
芝川の土手を行く
氷川女體神社を出たら、見沼代用水西縁を離れて芝川の土手に上ります。
芝川の土手上はサイクリングロードのようになっているのですが、これは芝川を横断する橋のところで切れていて、今一つ連続性に欠けます。
しかし土手には黄色い菜の花がちらほら咲いていて、きれいです。
芝川とさいたま新都心・大宮あたり
先に超高層ビルが立っているのが見えます。あそこはさいたま新都心あたりでしょう。今日の終着地の大宮はあの少し右手になるはずです。
円蔵院入口の桜の大木
芝川を離れて円蔵院に立ち寄ってみました。
門をくぐるとまず桜の大木が出迎えてくれます。この桜の木は、これが本当に桜かと思えるほど大きくてびっくりします。ところがこの円蔵院でもっとも有名な桜はこの木ではないようです。
円蔵院のしだれ桜
それは奥にあるしだれ桜で、染井吉野より少し早く咲くため、『彼岸枝垂』『糸しだれ』とも呼ばれるそうです。今年はここ40年で最も早い開花だったようで、すでに満開です。
樹齢250年とも400年とも言われるこのしだれ桜は1966年の台風で倒れてしまい、枝を切り詰めて植え直したため、かなり小振りになってしまったそうですが、今年も優雅な姿を見せてくれています。
円蔵院のしだれ桜アップ
例年このコースは密蔵院の安行桜に合わせるので、これまでなかなかこのしだれ桜が咲いている姿を見ることができなかったのですが、今日は見事な満開の姿を楽しむことができました。
本堂横のしだれ桜
円蔵院には4本のしだれ桜があり、これは本堂横のもの。みんな少しづつ表情が違って面白いです。
大宮第二公園
円蔵院のしだれ桜を満喫したら、本日の終着地の大宮へ向かいます。大宮の周辺には桜の見どころがたくさんあります。
まず大宮第二公園に入ってみました。ここは木によってだいぶ咲き方に差があり、ほとんど咲いていないものから8分咲き程度のものまであります。
見沼代用水西縁
見沼代用水西縁を渡り、
大宮公園
大宮公園に入れば、おっと、ここの桜はポカポカ陽気だった今日、一気に開花が進んだようで、満開!
氷川神社
大宮公園をぐるりと廻って、男体社の氷川神社の前を通って大宮駅へ。
今年の桜は早かったので、安行桜はピークを過ぎていましたがぎりぎり間に合いましたし、染井吉野も思っていたよりだいぶ咲いていて、なかなか良い花見になりました。