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加須の大こいのぼり

開催日 2023年05月03日(水)晴れ一時曇り
参加者 マコリン/レイナ/コテッチャン/ユッキー/
サンダリアス/コンタ/サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度
走行距離 48km
地域 首都圏

加須の巨大こいのぼり
加須の巨大こいのぼり

コース紹介

日本一巨大なジャンボこいのぼりを観に! 埼玉県の栗橋から山々を眺めつつ利根川自転車道をどんどこ行き、加須で全長100mのこいのぼりの遊泳を眺めます。権現堂川、中川と繋ぎ、田植えの景色を眺めながら鄙びた土手道を春日部まで。

動画(05'20" 音声:一部にあり)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS


発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
栗橋駅 START 発10:35 一般道
自転車道
上野09:10→10:04栗橋/990円
池袋09:15→10:10栗橋/860円
利根川河川敷緑地公園 10km 着11:20
発11:45
一般道 ジャンボこいのぼり遊泳11:30-/13:30-
加須 19km 着12:35
発14:45
一般道
自転車道
昼食:はぎの
権現堂堤 27km 着15:20
発15:25
一般道 権現堂川、中川
宇和田公園 32km 着15:45
発16:00
中川沿い
一般道
WC、自販機
春日部駅 48km 着17:05
すし忠
東武アーバンパークライン/東武伊勢崎線
日の入り18:28/

栗橋駅栗橋駅

5月5日のこどもの日が近づいてきました。こどもの日と言えばこいのぼり! というわけで、加須(かぞ)の大こいのぼりを観に行くことにしました。

やってきたのは利根川がすぐ北を流れる埼玉県久喜市の栗橋駅。天気はご覧の通り上々で、暑いくらいです。

利根川自転車道利根川自転車道

栗橋駅から北へ1kmほど行くと利根川の土手に出ます。

この土手は強化工事が行なわれており、土手上の自転車道には真新しい舗装が施されていました。

利根川自転車道を行くコテッチャン利根川自転車道を行くコテッチャン

先頭を行くコテッチャンは、今日は集合時刻が遅いので、自宅からここまですでに40kmも走ってきたそうです。ん〜、今日は100kmオーバーになりそうです。パワフル〜!

正面に赤城山正面に赤城山

ここは空が広くたくさん山が見えます。まず右手の北には日光連山。その中でもごろっとした男体山は一際目を引きます。左に目を移していくと日光白根山。

そしてほぼ正面に赤城山と浅間山。

左手の南西には富士山!

マコリンマコリン

東京を挟んだ遠方からやってきた山女のマコリンは、ぐるりと周囲を見渡し、

『ここはすご〜くたくさんの山が見えるんですね〜』 とちょっと感激しています。

自転車道から河川敷へ自転車道から河川敷へ

栗橋駅付近の利根川自転車道は、新幹線の橋梁、国道4号線の利根川橋、東北本線と東武線の橋梁に阻まれて連続性が失われています。今回の土手の工事で改善されるのかどうか、今のところその気配は感じられませんが、現在進行形なのでこのあと何らかの工事が行なわれるかも知れません。今回は東武線の鉄橋のところでいったん河川敷に下って上り返しましたが、適切な案内がないのでここでうろうろしているサイクリストはとても多いです。

水が張られた田んぼ水が張られた田んぼ

下りた先の河川敷には車の大行列ができていました。何かなと思ったら、こいのぼりを観にやってきた人々が駐車場へ向かうものでした。ここからこいのぼりの会場まではまだだいぶ離れているので、これにはちょっとびっくり。

流域面積日本一の大河である利根川の流域はかなりの程度が田んぼになっています。この土手から見る田んぼは水が張られたばかりで、代掻きや田植えがされています。

サンダリアス、マコリン、コテッチャンサンダリアス、マコリン、コテッチャン

この日、この自転車道を走るサイクリストはあまりいません。今日は大こいのぼりが揚げられるからか、あるいはまだ正式には開通していないからか? ともかくここはジオポタ独占道路!

埼玉大橋埼玉大橋

r46加須北川辺線の埼玉大橋が見えてきました。日本の橋は鉄骨造のものが多いと思いますが、この橋はコンクリート造でスレンダーな印象を受けます。しかし設計が古いためか、歩道の幅が1mほどしかなく、歩行者や自転車の通行には適当とは言えないのが残念。

いつの間にか空から青い色が消えて、真っ白になってしまいました。天気予報では11時頃から曇りだったので当たりですが、こいのぼりを見るまで青空でいてほしかった。

こいのぼり会場に立つクレーンと加須未来館こいのぼり会場に立つクレーンと加須未来館

埼玉大橋をくぐり抜け加須未来館が近づくと、先に大きなクレーンが見えてきました。あそこがジャンボこいのぼりが揚げられる利根川河川敷緑地公園です。

その周囲にはもの凄い人が集まってきています。私はこのジャンボこいのぼりを30年以上前の確か第2回目に見たのですが、その時とは比べ物にならない人出でびっくり。コンタによるとこの人出は、あるテレビ番組で大々的に紹介された影響ではないかと。

こいのぼり会場付近の利根川の土手こいのぼり会場付近の利根川の土手

ともかくこいのぼり会場の利根川河川敷緑地公園の上に到着しました。

河川敷には下りられそうにないので、土手上から見学することに。

クレーンで吊り揚げられる巨大こいのぼりクレーンで吊り揚げられる巨大こいのぼり

加須市はこいのぼりの生産が盛んなところでした。しかし時代とともにその需要が減り、市内で手描きのこいのぼりを作る生産者がいなくなったことなどから危機感を覚え、加須市をPRするために日本一大きな全長100mのこいのぼりを作ることにしたのだそうです。

このジャンボこいのぼりの歴史は1988年(昭和63年)まで遡ります。最初は泳がせるどころか、吊り下げただけでビリビリに破れてしまったそうですが、外部の協力者を得て1989年(平成元年)に初遊泳に成功しました。

離陸離陸

今日揚げられるジャンボこいのぼりは聞けば4代目だそうで、歴史を感じさせます。

会場のアナウンスでは『ただいまの風速は0m』とのこと。このジャンボこいのぼりは風速が4mほどないと泳ぎません。そして確か6mより強い風だと危険なのでこれも揚げられなかったと思います。つまり風速が4m〜6mでないとダメってことです。かなりデリケートですね。

泳ぐこいのぼり泳ぐこいのぼり

天気予報ではこの時刻の風速は2m。4mに届かないか・・・ ドキドキしながらこいのぼりが揚げられるのを見守ります。

こいのぼりがクレーンで吊られてゆっくり揚げられ始めました。そして尻尾が地上を離れます。しかしこいのぼりはだら〜んとしたままで泳ぐ気配なし。クレーンの頂部まで吊り上げられると、なんと今度はゆっくり下ろされ始めるではないですか。あ〜、やっぱり今日はダメなのか・・・

泳ぐこいのぼりその2泳ぐこいのぼりその2

そう思った瞬間、ジャンボこいのぼりは少し傾いて口から風を吸い込み、ふわ〜っと宙を舞ったのです。

『あがった、あがった! うわ〜、ジャンボこいのぼり、泳いだ〜』 と、そこら中から歓声があがりました。

クレーンから下ろしていると見えたのはおそらく、クレーンの操縦者がこいのぼりを傾けて、口が斜めになるようにしたのでしょう。こいのぼりは口から風が入らなければ泳ぎませんからね。

泳ぐこいのぼりその3泳ぐこいのぼりその3

ジャンボこいのぼりの下にメダカのように寄り添っているのが一般的な大きさのこいのぼりです。通常のものは大きなものでも10mほどだと思いますが、ジャンボこいのぼりは長さにしてその10倍、体積は1000倍にもなります。

このジャンボこいのぼりが泳ぐ様はとてもゆったりしていて、一般的なものがパタパタと忙しなく泳ぐのに対し、ウワ〜ンウワ〜ンととてもゆっくり泳ぎます。

残念ながらその後風はやはり思うようには吹かずに、このあとこいのぼりはゆっくりと下げられました。

引き返すマコリンとレイナ引き返すマコリンとレイナ

『ちょっとでもジャンボこいのぼりが泳ぐのが見られてよかったね〜』 というのが本日の参加メンバーの正直な感想です。ここまで来てまったく泳ぐ姿が見られないということもありうるのでね。

ジャンボこいのぼりは午前中と午後とそれぞれ一回づつ揚げられるのですが、今日は午後の方が風がある予報なので、午後の部は今より長い時間泳ぐ姿が見られるかもしれません。

代掻き代掻き

ジャンボこいのぼりの利根川河川敷緑地公園をあとにして、やってきた利根川自転車道を引き返します。

今朝見た田んぼに赤い耕耘機が入り、代掻きをしていました。田植えは私が子供の頃から見てきたものなので、やはりこういった景色を見るとうれしくなります。

筑波山筑波山

北東に朝は気が付かなかった筑波山が見えてきました。

流れているのは手前側が利根川、向こう側が渡良瀬川。ここはこれら二つの川の合流点です。

うしろに利根川橋うしろに利根川橋

栗橋駅の近くまで戻って昼食にしましたが、ここで大幅に時間超過。予定では南流山駅まで走るつもりにしていましたが、これはかなり厳しくなりました。

さて、午後の部は利根川を離れ、権現堂川から中川沿いに入ります。

権現堂川(行幸湖)権現堂川(行幸湖)

権現堂川は江戸時代以前は渡良瀬川の河道でしたが、江戸時代の利根川東遷事業の結果、利根川の本流となりました。

かつての権現堂川は水量が多く、江戸や東京を守るために権現堂堤が設けられましたが、その後も利根川流域の洪水に悩まされたため昭和時代の初期に北側の利根川接続部が締め切られてその後川が廃止され、中川の洪水を調節する調整池の行幸湖(みゆきこ、権現堂調整池)となりました。

中川中川

行幸湖の名は、この地に明治天皇が1876年(明治9年)の東北巡幸の際に立寄ったことから、権現堂堤を行幸堤とも呼ぶようになったため、そこから来ているのでしょう。

幸手市に入り権現堂川の南端に達すると、その先には中川が流れています。

中川に架かる外野橋と権現堂堤中川に架かる外野橋と権現堂堤

その中川の南西に横たわる権現堂堤と行幸湖とを結ぶのが、歩行者と自転車用の吊橋である外野橋(そとのはし)です。

中川と行幸給排水機場中川と行幸給排水機場

外野橋から中川上流を見ると、右に行幸湖の水の出し入れをする行幸給排水機場が見えます。

権現堂堤権現堂堤

外野橋を渡って権現堂堤に入ります。

権現堂堤は桜の名所として知られるところで、堤は桜の木で覆われています。

権現堂堤内部権現堂堤内部

当然ながらこの時期は桜の花はなく、葉が青々と茂っています。

木々はすでに新緑も終えた感があり、夏の力強い深い緑色に変わりつつあります。

サクサンボサクサンボ

桜の木に実が生っています。サクランボですね。しかしこのソメイヨシノのような花を鑑賞する桜の木の実は大きくなりません。通常食用にされるサクランボはミザクラというものだそうです。

この実、ちょっと食べてみました。ぎゃ〜、す、すっぱい〜!

権現堂堤を行く権現堂堤を行く

黒っぽい実を食べたレイナによると、それなりに甘いですよ〜とのことですが、やっぱりあまり美味しくなさそうですね。

サクランボの味を試してみたら、権現堂堤の中を抜けて東へ向かいます。

田んぼと中川の堤田んぼと中川の堤

権現堂堤からも中川の土手は続いています。その下は田んぼで、ここはつい最近田植えが終わったところ。鏡のような水面に写る景色がなんとも良いです。

中川の堤の中の緑道中川の堤の中の緑道

この付近の堤は広く、道路や工業団地が含まれますが、南の道路の横の植樹帯の中に遊歩道が造られていて、ここはのんびり気分良く走れます。

宇和田公園宇和田公園

中川が大きく南に進路を変えるところにあるのが宇和田公園です。

ここでトイレ休憩をして、このあとは中川沿いに入ります。

下宇和田の中川下宇和田の中川

中川は埼玉県羽生市に源を発し、東京都の葛飾区などを流れて東京湾に注いでいます。

下流域の葛飾区あたりの流れとこのあたりのそれとでは大分様子が違うので、これが本当に同じ川なのかと思ってしまいます。もちろんこのあたりも人の手が加えられた流れには違いないのですが、穏やかなカーブや草の生えた土手がいい感じです。

高平橋高平橋

そんな景色をさらに魅力的にするのがちょっと古めかしいコンクリート造の橋です。欄干が低く、木造時代の意匠を継承しているように見えます。

このあたりの中川は昭和時代の初期に開削されたもので、この橋も当時のものかと思いましたが、竣工は1959年だそうです。どうやらその前は上部工が木造だったようです。さすがに還暦を越えた運用で補修の必要が出てきたようで、今年この橋は修繕が予定されています。

高須賀新田の田んぼ高須賀新田の田んぼ

この田んぼでも耕耘機で代掻きがされています。

高須賀新田の中川とその周辺高須賀新田の中川とその周辺

いつの間にか空にはスカイブルーが戻っていました。

そこにたなびくのはすじ雲。まるで秋空のようですね。

玉子橋玉子橋

先ほどの高平橋と良く似た玉子橋が見えてきました。この橋も高平橋と同じく1959年竣工。

玉子橋を渡るサリーナ玉子橋を渡るサリーナ

せっかくだから渡ってみましょう。このあたりの橋の制限は総重量2.5tですから、全員が一遍に渡っても問題ありませんね。

玉子橋その2玉子橋その2

空の半分に雲がかかってちょっとシュールな絵になりました。

玉子橋から中川下流を見る玉子橋から中川下流を見る

中川の向こうに巨大な木が立っています。

このあたりの農家にはあのような巨木を持つ家があちこちにあってびっくりします。

一ツ谷一ツ谷

この土手道は自転車道というわけではなく一般の車も通れるようですが、幅員が狭いためにまずそれは通りません。歩いている人もおらず、こここもジオポタ専用道路です。

再び巨木再び巨木

また巨木が登場。

大麦大麦

この季節は麦がそろそろ黄金色になる時期です。あと一月もすると収穫され、二毛作の場合はそのあと田植えが行なわれます。

この麦は大麦のようなので、おそらくビールの原料になるのでしょう。

古川古川

中川の土手はかなり良く連続しておりその上を走ることができますが、一部の区間、川を離れなければならないところもあります。

ここはそんなところの一つで、道の両側にポツポツと農家が立っています。そのいずれもが高い生垣で囲まれ、大きな木が数本屋敷内に生えています、

田んぼの中を行く田んぼの中を行く

水が張られたばかりの田んぼの中をどんどこ。

上柳上柳

再び中川の土手に戻ると、道幅がかなり狭くてちょっとワイルド。

柳島柳島

先に埼葛広域農道の庄内橋に平行して架かる水道橋が見えてきました。

そろそろ春日部のまちに入ります。時は17時ちょっと前なので、ここで終着地を春日部駅に変更です。

倉松川倉松川

r321西金野井春日部線に入り、倉松川の新幸松橋を渡ります。そのすぐ近くに倉松川の上を渡る古い水路を発見。下水が渡っているとは考えにくいので、上水の部類だと思うのですが、これはいったい何でしょうか。

八幡橋より大落古利根川下流を望む八幡橋より大落古利根川下流を望む

大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)の八幡橋を渡り、春日部駅へ。

この川はその名から想像できるように江戸時代以前は利根川の本流で、東京湾へ注いでいました。今日の大落古利根川はこのすぐ下流の松伏町下赤岩で中川に注いで終わります。

春日部駅付近の居酒屋春日部駅付近の居酒屋

春日部の駅前に到着です。今日は予定よりだいぶ手前で終わってしまいました。最近、こういうことが良くあります。若干名は少し走り足りないということで、ここからさらに中川や江戸川を南下して行ったようですが、残りのメンバーは、まあそれもジオポタらしくていいじゃない、ということで、さっそくここで反省会(笑)に突入です。

加須のジャンボこいのぼりは一見の価値があると思います。タイミングが合ったら是非ご覧になってください。利根川と中川を繋いだこのコースは平坦で初級者でも問題なく走れます。雄大な利根川の流れとそこから見えるたくさんの山々、細くて古い橋が架かる鄙びた中川との対比も楽しいです。ただし日影が少ないので夏はきついかもしれません。

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