小川町駅前
春はお花見。ジオポタでは都心の花見、茨城の花見に続いて、恒例の埼玉の山間の花見に出かけます。昨日の土曜は何と気温30度近くの予報だったので、一日ずらして日曜日の小川町駅に集まったのは4人。
左からオレンジのミッチー、ブルーのコムラン、イエローのサリーナ。カメラはいつも真っ黒のサイダー。今日は春らしいいい陽気です。
長屋門の前を通る
小川町は江戸時代から和紙や絹織物で栄え、今も歴史的な家並みが所々に見られます。
立派な長屋門のあるお宅の前を通っていきます。
こんもりした山が連なる
県道273に入り、目の前には緑のこんもりした山が連なる景色になりました。
道端にはピンクの花が咲いていて、春ですね~ このまま進むのかと思ったら、『桃源郷に立ち寄ってみようか』と、先頭を引くサイダー。
細いダートの上り
県道から外れ、いきなり細いダートの山道に分け入ります。
『桃源郷とは一体。。』と呟きつつ上っていく面々。
桃の花はすでに終わり
このあたりが桃源郷らしい。桃はどこだ~
桃は目の前です。花を愛でるにはちょっと遅かったようで、すでに花は散って桃の木は緑の新芽に覆われていました。残念。でも山里の雰囲気を味わえる気持ちの良いところです。
桃源郷から引き返す
『じゃあ、引き返そうか』と言って後ろを振り向くと、何やらゴソゴソしているミッチー。
どうやらタイヤの空気が抜けているようです。空気を入れようとしたら英式バルブ、なに~。みんな持っているポンプを総動員したが、うまく入らない。
ポンプをお借りする
県道に出て近くの民家を訪ねると、『小さいタイヤで大変ですね~』と、快くポンプを貸してくださいました。
充分な空気を入れて、『これで何とか走れそう』とほっとするミッチー。ありがとうございました。
サイダーとミッチー
サイダーに引かれ、改めて出発。タイヤに空気を入れて、『おお、快適だ~』とミッチー。
さてここからは次第に上り坂になり、峠に入ります。
杉林に囲まれた山道
道の両側に杉林が迫ってくると、いよいよ本格的な上り。
勾配7~8%ほどの坂道を黙々と上ります。
松郷峠
標高差100mほど上ったら、そこは松郷峠。本日最初の峠です。
そしてここは、小川町とときがわ町の町境。これからときがわ町に入ります。
タラの芽
開墾記念碑が立つほかは、特に眺望などもない峠です。
しかし、こんなものがありましたよ。『タラの芽発見!』と叫ぶ面々。黄緑の艶々した新芽です。春ですね~
赤木慈光林道入口
松郷峠からダーっと爽快に下るのはほんの1kmほど。そこから右へ折れ、赤木慈光林道に入ります。
林道といえば厳しい道と相場が決まっています。分岐点に立つコムランから見える坂道は、どう見ても険しいの一言。
林道を上るコムラン
ここは気合いで上るぞーっとコムランが先頭で突っ走り、あっという間に見えなくなります。
勾配は険しいですが、周囲の民家の庭にはユキヤナギや桃など、白やピンクの花が咲いて春爛漫。
ムラサキハナナとサリーナ
コムラン除く残り3人は、花を愛でながらのんびり上ります。足元には紫のムラサキハナナが咲き乱れ、笑顔のサリーナ。
ムラサキハナナは別名オオアラセイトウ、あるいはショカツサイとも言います。ショカツサイの言われは、諸葛孔明が食料として用いたからとか、何とか。
上るミッチー
ギア3速は厳しい。。と呟きつつミッチーが黙々と上ります。
さらに勾配がキツくなってきました。
勾配は15%
そして、ついに勾配は15%!
もう乗ってらんねえよ~、とコムランも押し。みんなでヘロヘロと自転車を押しながら進みます。
ニリンソウの群生
そんな道端にもまた春。ニリンソウの群生を見つけました。
ニリンソウはジオポタの花。何と言っても『二輪草』ですからね!
桜の木陰で休憩
その先に少し開けた場所があり、大きな桜が1本木陰をつくっていました。桜の花はもう終わりかけでしたが、木陰でちょっと一息。
ここから少し勾配は緩くなり、自転車にまたがって走り始めます。
再び押すサリーナ
しかし、またしても激坂になり、再び押し始めるサリーナ。
まあ足元には可憐な花々、そして頭上は新緑と気持ちいいので、ゆっくり行きましょう。ぜいぜい。。
石段を上る
さて、ようやく慈光寺に着いたようです。
慈光寺は、奈良時代創建の由緒あるお寺です。山のあちこちにお堂が配置されており、私たちは林道の脇に自転車を置いて、まずはヤマブキやシャガの咲く石段を上って観音堂を目指します。
観音堂
石段を上ると観音堂が現れました。
ここは坂東三十三観音礼場第九番札所で、建物は1810年の再建とのこと。
観音堂の正面
この観音堂のご本尊は十一面千手千眼観世音菩薩で、毎年4月の第2日曜日と4月17日のみご開帳が行われます。今日はその4月の第2日曜日。
写真は観音堂正面の外陣で、この右手奥に内陣入口があり、読経の声の中、2mを超える高さの黒光りの迫力ある十一面千手千眼観世音菩薩像を拝観することができました。
宝物殿前の桃
上ってきた石段を下りて、さらに階段を下ると、濃いピンクの桃の花の向かいには宝物殿があります。仏像好きのサリーナとサイダーが入ります。
宝物殿の奥には、宝冠阿弥陀如来坐像と両脇に観音菩薩坐像、勢至菩薩坐像がありました。宝冠阿弥陀如来坐像は慈光寺旧浄土院のご本尊だそうで、高さは56cm。13世紀鎌倉時代の慶派仏師の制作とのこと。優しい、いいお顔です。
観音堂の南の階段
仏像も花も良かったね~、と自転車に戻って下り始めると、すぐに観音堂の南の階段下に差し掛かりました。『坂東九番霊場』の石碑が立っています。
新緑に覆われたこの階段、かなりの急勾配で踊り場もなく、足を滑らせると下まで転げ落ちそうです。東の階段から上って良かった~
霊山院に到着
自転車でさらに下っていくと、色とりどりの花々と手入れされた庭木に囲まれた霊山院に着きました。
霊山院は東国最古の禅寺といわれ、1197年に慈光寺の塔頭(たっちゅう)として創建されたそうです。塔頭とは、禅寺の敷地内にある子院(分院)のこと。
霊山院
霊山院の入口には可愛い一休さんの像(写真左手前)などもありますが、ここの見所は鎌倉時代に作られた鉄製の阿弥陀如来坐像。
仏像の拝観には事前予約が必要らしく、残念ながら拝観はできませんでしたが、美しい庭に囲まれた建物の風景を楽しみました。
コムランが下る
慈光寺の見学は終了。次は山を下りてお昼ご飯だ~、とくねくねとした山道を下っていきます。
先導サイダーに続いて快調に下っていくコムラン。
宇賀弁財天
途中から慈光寺川に沿ってどんどん下っていきます。しばらく走ると石像があったので、サイダー停止。
これは宇賀弁財天。弁天様の頭上に鳥居と宇賀神が乗っかり、しかも8本の腕があります。『何だか珍しい石像だねえ』とサイダーが後ろを振り返ると、誰も来ていません。
女人堂
すぐ近くにお堂があったので、そこで後続を待つことにしたサイダー。ここは女人堂。慈光寺は女人禁制だったため、観音堂に参拝できなかった女性のために建立されたそうです。
その頃、200mほど手前ではパンクしたコムランがチューブ交換中で、ミッチーがお手伝い。サリーナはサイダーに連絡し、お昼処で合流することになりました。
やすらぎの家
パンク修理を終えて宿まで下り、集合したお昼処はこちら『やすらぎの家』。
100年以上前の古民家を移築した手打ちうどんのお店で、12時前ですがすでにお客さんで賑わっています。
天ぷらつけうどん
頼んだのは、天ぷらつけうどん。コシの強いうどんと、季節野菜の天ぷらの盛り合わせが美味しい。天ぷらの中に、大根の煮物のような天ぷらがあったのにはちょっと驚きました。
『うどん』は地元の代表的な味覚。ここは、ときがわ町の指定管理者が運営する農山村体験交流施設で、予約すればうどん打ち体験ができるそうです。
大トトロ
この『やすらぎの家』で忘れてはならないのが、この方です。建物の裏手に佇む丸いお腹、『隣のトトロ』の大トトロさん。
青空の下、桜の花に囲まれて気持ちよさそう。
南へ走る
美味しいうどんでお腹を満たしたら、南へと走り出します。
西平の萩日吉神社には大きな児持杉があるのですが、これはまたの機会にして先を急ぎます。
お天気最高、気温も快適、足元も頭上も花々に囲まれていい気持ち~
馬生線林道入口
そんなのどかな気分はお昼処から1.5kmほどで終了。右折して馬生(ばしょう)線林道に入ります。
林道だから、やっぱり見るからにキツそうな上り。林道入口には『全長禅寺登り口』と書かれた石碑が立っています。
上るミッチー
やはり予想通りの激坂。平均勾配は8~9%ですが、10%超えが続くところもあります。
またしてもコムランは先行し、ミッチー、サリーナ、サイダーはゆっくりゆっくり上っていきます。
上るサリーナ
全長寺の入口を通過し、さらに上っていきます。『キツい~』と歩くような速度でヨロヨロと上っていくサリーナ。
民家のお庭にはピンクのツツジが満開です。ちょうど出てきた方にお聞きすると、『ムラサキツツジですよ』と教えてくれました。そう言われると、ちょっと紫がかっていますね。
花いっぱいの民家を通過
『この上りはいつまで続くんだー』など呟きながら山道をえっこらえっこら上ってきたら、玉垣の上に民家が現れ、左手に視界が広がりました。ここは日向根の集落です。
民家の庭ではツツジやモモの花、菜の花など、赤やピンクや黄色が鮮やかな競演。
コムランとミッチーがダッシュ
集落に入って上りはいったん終わり、コムランとミッチーがダッシュします。曲がり角には一際大きく鮮やかな花桃が。
サイダーとサリーナは、相変わらずゆっくり進みます。
くぬぎむら体験交流館が見えた
そして、ヘアピンカーブをぐわーっと曲がったら、道の上に赤い屋根の建物が見えてきました。『くぬぎむら体験交流館』です。
そして右手の斜面には真っ赤な花桃が。『おおー、すごい!』
花桃の斜面
その斜面の花桃がこちら。緑の斜面に濃いピンクや真っ赤な花桃が咲き誇っています。
白い花桃はちょっと盛りを過ぎたようで葉っぱも出ていますが、どうやら見頃に間に合ったようです。
花桃と山並み
湾曲した道路の向こう側、はるか先には緑の山並みに囲まれて、真っ赤な桃の花が鮮やか。
上りはキツいけど、今年も来た甲斐がありました。ここは私たちが大好きな場所なのです。
花桃を愛でる3人
『やっぱりここはいいねえ~』『また来て良かったね』とサイダーとミッチー。
『すごくいいところですね!』とは、初めて来たコムラン。みんな笑顔で満足そう。
くぬぎむら体験交流館
そこから坂道を少し上っていくと、『くぬぎむら体験交流館』です。
ここの名物は『ひもかわうどん』ですが、食事は11~14時まで。すでに昼食も済ませているので、とりあえず自転車を置いて花を愛でに出かけます。
神社への石段
体験交流館の南西の斜面地には花の名所『くぬぎの七曲』があります。斜面の上に『越沢稲荷(こえざわいなり)』という稲荷神社があり、そこに続く畦道に全7種の花が植えられ、月替わりで開花するというのです。
体験交流館のすぐ先の石段の上に赤い鳥居があり、『ここから上るのかな~』とサイダーが上り始めますが、この石段のキツいこと、まるで岩登り。『ロッククライミングといえばコムランだろ!』と呼ばれてコムランも上るも、すぐにロックアウト、いえノックアウト。
細い畦道を上る
すぐ先に、もう少し穏やかな細い畦道がありました。『おお、ここだ~』と全員上り始めます。
『くぬぎの七曲』に植えられている7種の花とは、ロウバイ、スイセン、花桃、河津桜、菜の花、ミツバツツジ、アジサイです。今は何かというと、
ミツバツツジの中を進む
花桃に、ピンクのミツバツツジ。ミツバツツジをかき分けながら上るミッチーとサイダーです。
結構きつい山道ですが、たくさんの花に囲まれていい気分。
ミツバツツジ
ミツバツツジはちょうど見頃の満開です。
この名前は、花が終わると枝先に3枚の葉が出てくることから付けられています。
山桜を見ながら休憩
畦道を上ったところにベンチがあったので、ちょっと休憩。
上っている時には気づかなかったのですが、ツツジや桃の上に、それは大きな山桜が薄いピンクの花を咲かせていました。
越沢稲荷神社
そこからさらに進むと赤い鳥居があり、越沢稲荷神社がありました。
大スギ
神社の横には大きな杉の木があります。
この『大スギ』は推定樹齢400年。太い木の枝がいくつも地面の近くまで垂れ下がり、年月の重みを感じさせてくれます。
稲荷前バス停
そして、こんなところに猫バスのバス停が。
時刻表らしきものもありますが、大人にはなかなか読めないですね。
ゆずスカッシュ
『くぬぎの七曲』の散策を終えて、『くぬぎむら体験交流館』で休憩することにしました。
食事の時間はもう終了ですが、飲み物はいただけます。ゆずスカッシュは、爽やかな酸味でとても美味しい。上り疲れた体に染み渡ります。
杉の山道を下る
休憩を終えて最後にもう一度日向根の花桃の写真を撮ったら(TOP写真)、さらに南へと進みます。
このあたりはしばらく下り。杉に囲まれた山道をどんどん下りていきます。
山の上はパッチワーク
杉林の合間の小さな集落からは、近づいてきた山並みが見渡せました。
山の上の方は、桜や新緑でピンクや黄緑のパッチワークです。
ヘアピンカーブを折り返す
そして尾根道をどんどこ進むと、腰巻というところでヘアピンカーブを折り返します。
ここからは泉川線林道。『林道=キツい』の法則は生きていますが、今回は下り(笑)。ダーっと気持ちよく下っていきます。
大木戸
大木戸まで下ってきました。氷川を見下ろすここには椚平の集落の絵地図があります。
そして、その横の建物は『癒しの隠れ湯鎌倉山荘』。私たちが着いた時には人はいないようでしたが、宿泊できる施設で温泉もあるそうです。しかしあとで確認してみるとここは、どうやら廃業したようでした。
氷川沿いを下る
氷川と共に、さらにどんどん下っていきます。
気持ちよく飛ばしていたら、
西河原から上り
西河原というところで右折して、またも上りが始まります。
最初の1.3kmは平均10%を超える上り!
上るミッチー
『今日はいつまで上るの~』と、小さいタイヤでハヒハヒ上っていくミッチー。
やっぱりコムランは先行し、他の面々は赤い大きなツバキやピンクの桜を楽しむ余裕もなく上っていきます。
ゴルフ場を通過
ようやく上りが終わって尾根道に入ると、そこにはゴルフ場がありました。
そのゴルフ場に建つ不思議なガラスのピラミッド? これは磯崎新氏設計のクラブハウスで、内部は杉の柱に支えられた巨大な吹き抜けになっているそうです。
下るコムラン
そこからは下り。今日はアップダウンの繰り返しです。
快適な舗装路をどんどん下っていきます。
小さな上り
そして気持ちよく下っていったら『あ、間違えた~』。
左折のポイントを見逃していて、慌てて逆戻り。ここからほぼ直線の小さな上りです。
ときがわ町温泉スタンド
その上りの途中にあったのは『ときがわ町温泉スタンド』。しかし現在は閉鎖されています。
容器を持っていけばセルフで温泉水を購入できる施設でしたが、源泉ポンプが故障してしまったとのこと。残念ですね。
都幾川を渡る
小さな丘を下ると都幾川を渡る別所橋に差し掛かります。
橋を渡ったところには『都幾川四季彩館』という温浴施設があり、川遊びやバーベキューもできます。
またしても上り
そろそろ温泉にでも浸かってフィニッシュしたい気分ですが、私たちは雲河原林道に入ります。というわけで、またしても上り!
『ギャー』『またか~』などと叫びながら、林の中をのろのろと上っていく面々。
左手に眺望
途中、左手に眺望がひらけているところがありました。
方角は南東。ぼんやりと霞んでいますが、遠くに白い建物群が見えています。川越あたりか、さいたま市か?
雲河原
上りは続くよどこまでも。。
ここは雲河原。左から山道が合流しています。前には桜、左手には都幾川の谷が望めるポイントですが、あまり景色を楽しむ余裕はありません。
四幡神社
そんな杉林の道端に、小さな神社がありました。『四幡(しばた)神社』です。ここでちょっと一息入れます。
『この先、雀川上雲林道に入るんだけど、通れるかな』とサイダーが呟く。え、さらに林道?と顔が引き攣るコムラン、ミッチー、サリーナ。
雀川上雲林道の入口
上り終えて平坦になった先に雀川上雲林道の入口がありました。しかし『通行止め』の看板が。
『自転車では行けるかも』というサイダーですが、『いや、通行止めですよ』と残り3人は全員却下。だって、この道上っているでしょう?
豪快に下る
というわけで、西のルートを選択して松郷峠まで下っていきます。
嬉々として豪快に下るコムラン、追うサリーナ。
槻川
松郷峠からは、今朝通った道の逆コース。r273をどんどん下る。そして、途中から小川町駅までは今朝とは違うルート、槻川の北側を通ることにします。
槻川は都幾川の支流で、小川町ではこの川の清流を活かして小川和紙の生産が行われていました。
槻川沿いの道
槻川に沿って進もうとするも、すぐに道が途切れ、住宅地の中を彷徨いながら無事小川町駅まで戻りました。
今日はアップダウンの厳しさに悲鳴を上げつつも、花桃やツツジなどたくさんの花を楽しみました。そして、慈光寺のご開帳にも巡り会えて充実した一日でした。
