土浦駅を出発
5月も下旬になりました。そろそろ青い田んぼと新緑の見納めと、やってきたのは土浦駅。
このところ気温の変化が激しく、今朝の気温は15度と結構寒い。『これから日が差すといいんだけど…』と降り立ったのは、右から久しぶりのジーコマリア、そしてコテッチャン、サリーナ、カメラのサイダー。
ジーコマリアは最近手に入れたダホンのボードウォークを相棒に登場です。いつもはランドナーをガシガシ漕ぐジーコマリア、小径折り畳み自転車で大丈夫かな?
桜川沿いを走る
駅からすぐに桜川の土手に入ります。
桜川は、桜川市の鍬柄山を水源とする川で、土浦市で霞ヶ浦に注いでいます。
桜川を走るジーコマリア
自転車乗りにお馴染みのサイクリングロード『つくばりんりんロード』は土浦駅の北側の新川沿いを走るのですが、私たちはしばらく桜川沿いを通ります。
『いつもはりんりんロードだけど、土浦の繁華街を通って桜川、楽しいいい道ですね~』とジーコマリア。
田んぼが広がる
そして、程なく川沿いを離れて田んぼの中の道を行きます。
水を張った田んぼには青々とした稲が水面から15cmくらい顔を出しています。
田んぼを走るコテッチャン
『この時期の青い田んぼ、大好きなんだよね』とコテッチャンが嬉しそうに走ります。
黄金色の穂の畑
そんな中、田んぼじゃなくて黄金色の穂が見えました。これは何だろう。自転車を停めて観察してみましょう。
空では、ヒバリがホバリングしながらピーチクパーチク囀っています。
六条大麦
どうやらこれは、六条大麦。麦茶や大麦ご飯になります。ビールになるのは二条大麦の方ですね。
『あと、小麦の穂は歯並びが悪いんだよ』と、自転車で走り回っているうちに詳しくなったコテッチャンが教えてくれます。
右手に宝筐山
再び田んぼの中を走っていきます。
右手に見えるのは宝筐山。ジオポタでも行ったことがある461mの山で、初心者でも楽しく登れるところでした。
りんりんロードに入る
続いて田んぼの中の道を離れ、りんりんロードに入ります。
桜並木が続くりんりんロードは、今は緑の葉が茂って木陰をつくってくれています。
小田城跡
そして小田城跡に着き、トイレ休憩です。ここは鎌倉時代から戦国時代にかけての小田氏の居城で、国の史跡に指定されています。
記念にジャンプ! あら、いつものようにバラバラ…
プラットホームの名残
りんりんロードに戻り、桜並木の下を走り続けます。
りんりんロードは旧筑波鉄道の廃線敷を通っているので、時々プラットホームが残っていたりして面白い。
瓦屋根の塀とツツジ
そして、こちらには瓦屋根の塀がめぐらされ、ツツジも満開です。
日差しも出て快適で、気持ちのいい風景を駆け抜けていきます。
田んぼと宝筐山
このあたりでりんりんロードを離脱し、再び田んぼの中へ。
右手の田んぼの真正面にはちょうど宝筐山が見え、その姿を田んぼの水面に映しています。
正面に筑波山
私たちの進行方向正面には、筑波山の2つの峰が見えています。
右手は田んぼで左手は麦畑。
コテッチャンが引く
『この麦畑は、歯並びが悪いから小麦~』とコテッチャン。
そして、田んぼエリアが終わると、
北条大池に到着
北条大池に到着。ここは大池公園として整備され、筑波山を望む桜の名所です。今は緑一色。
北条大池は大池と小池の2つの池がある溜池で、今も農業用水として使われているそうです。
平沢官衙遺跡
北条大池をぐるっと回った北側には、平沢官衙遺跡があります。
平沢官衙遺跡は、奈良~平安時代の常陸国筑波郡の郡役所跡と想定される遺跡で、3棟の高床倉庫が復元整備されています。
お寺へ向かう
今日のコースはこれから不動峠に上るのですが、その前に、コテッチャンが発見したお寺があるというので行ってみることにしました。
コテッチャンに引かれて北西方向へと進みます。
普門寺に到着
郵便局を右斜めに折れると、そのすぐ先に普門寺の参道がありました。結構大きなお寺のようです。
途中のスペースに自転車を置いて、参道を上っていきます。
2つ目の門
立派な木々に覆われた参道を上り、2つの門をくぐります。写真の『赤門』は江戸時代中期につくられたもの。
『すごく立派なお寺だね』『よく見つけたね~』と称賛を浴びるコテッチャン。さすがは、ジオポタ仏像探検隊長です。
本堂と手前の池
普門寺は鎌倉時代末の創建という歴史あるお寺です。
正面奥が本堂で、その前には池、そして右奥には滝が設けられています。
本堂から鐘楼を見る
さらに、その滝の奥には、写真ではほとんど木々に隠れていますが鐘楼があります。ツツジなどの花も鮮やかで、とてもいい雰囲気。
『まだまだ、見どころはこれからですよ』とコテッチャンが本堂の裏へ。
本堂裏の羅漢さんたち
コテッチャンに導かれて本堂の裏手に回ると、あらびっくり。崖地にたくさんの羅漢さんが並んでいます。
よく見ると、それぞれが思いおもいの表情とポーズです。
ちょっと強面の像
こちらはちょっと強面。眉毛と髭の間の眼力が鋭くて、心の底まで見透かされそう。
穏やかに微笑む像
こちらはツツジの花の横で穏やかに微笑んでいますね。ホッとする羅漢さん。
他にも表情豊かで、楽器とかいろいろな持ち物があったりして面白い。
たくさんの小さな像
こんな可愛い小さな仏様もたくさんいらっしゃいましたよ。
看板犬
本堂裏をぐるっと巡ったら、その横の客殿の入口に看板犬がいました。
随分のんびりした看板犬で、この後グターっと横になります。
不動峠入口
普門寺を堪能したら、平沢官衙遺跡を経由して不動峠の入口へ。
ここが峠のスタート地点で、看板には『北条大池不動チャレンジ』とあります。平均勾配は7.1%、カーブ数は52。気合を入れて、いざ行かん!
木漏れ日の中を上る
道はすぐに木々に覆われた上り坂となり、木漏れ日の中を上っていきます。
ジーコマリアとコテッチャンはおしゃべりしながら軽快に上り、すぐに見えなくなってしまいました。サリーナとサイダーはゆっくりゆっくりマイペース。
視界が開ける
時々、右手の視界が開け、見えているのは北条大池のあたりでしょうか。
景色が見渡せて結構上った気分でしたが、全3.8kmのうちまだ1.4km。まだまだ楽しめますよ~
20番目のカーブ
このチャレンジルートには52のカーブごとに表示があり、現在位置がわかりやすい。
写真は20番目のカーブ。1.8km地点ということで、もう少しで半分です。黙々、ヨロヨロと上るサリーナとサイダー。
10%勾配の標識
ゆっくりでも足を回していれば上っていくもの。ついに50番目のカーブを過ぎて、10%勾配の標識までやってきました。
20年以上前、最初にここを上った時には、この標識を見て気持ちが切れて押しに入ったサリーナでしたが、今はもうすぐ頂上だとわかっているのでヘロヘロと上り続けます。当時は52カーブの看板はなかったんですよね。
不動峠
ジーコマリアとコテッチャンは、峠でベテランサイクリストとおしゃべりしながら待っていました。お待たせしました。
この峠、見晴らしは特になく、しかも上を表筑波スカイラインの高架道路が通っていて味気ないのですが、『不動峠』という石碑があるのでここで記念撮影。
峠からの下り
ロードレーサーたちは、ここからさらに表筑波スカイラインを筑波山方面まで上ったりするのでしょうが、私たちは石岡市側へと下ります。
峠で持参のおむすびを食べて、元気回復のサリーナが引く。
林の中を下る
下りは速い。この下りは自転車乗りもほとんどおらず、路面はやや荒れています。
ワイルドな雰囲気の林の中をどんどん進みます。
人里に出た
そして平地の人里に出てきました。『これで今日のアップダウンは終わりだね』と嬉しそうなサリーナ。
『こっちこっち』とサイダーに引かれて進む3人。
上るコテッチャン
その道ですが、何だか上っていませんか? 気のせいかな?と思いつつ上るコテッチャン。
黄菖蒲の咲く道を行く
道沿いには、時々立派な民家が現れます。
鮮やかな黄色の菖蒲を眺めながら走るジーコマリアとサイダー。
立派な民家の横を通る
『こんな道なら楽しいね~』とルンルン走るサリーナ。
手入れされた庭木や草花が美しい民家の横を通っていきます。
ルートを外れた
そして、どんどん引いて上っていくサイダーですが、『あれ、ルートを外れているよ』とサリーナが気がつきました。
『あ、ほんとだ』とサイダー。途中で南西に行く脇道があり、ここかなと戻ったものの何だかおかしい。けれど地図を見ると予定のコース上ではあるので、その脇道を進んでいきます。
山道を上る
『おかしいよー、ずっと上っているよ』と、ハヒハヒ山道を上るサリーナ。でも、他の人々はどんどん上っていってしまいます。『今日はもう上りは終わりじゃなかったの!?』
後で分かったことですが、実はここは不動峠からの下りで通る予定の道でした。先ほどの下りで間違ってまっすぐ東へ進んでしまったのです。
再び平地に下りた
というわけで、高度差200mほどを不動峠の方向へ上り、先ほど通った下りの道に合流して、もう一度同じ道を下りてきました。その後は県道を東へ進みます。
『でも立派な民家も見たし、いい道でしたよね~』とフォローするジーコマリア。
長屋門
時々県道を外れて集落の中を通ってみると、立派な長屋門があったりして楽しい。
木の塀の続く小道
そして、木の塀の続く集落の中の小道を通ってみれば、
坂入家住宅
本日最初の茅葺民家、坂入家住宅に到着。広がりのある寄棟の茅葺屋根に見惚れます。
明治時代に建てられた平屋建のこの住宅は、国の登録有形文化財に指定されています。
手打蕎麦まいえ
さて、予定の時間よりちょっと遅れていて、もうすぐ1時です。お昼処へと向かいましょう。
ここは手打ちそばのお店『まいえ』。林の道を少し上った高台にあります。
天もりそば
みんな揃って『天もり』を注文。
色とりどりの野菜と海老の天ぷら、そして冷たいお蕎麦に蕎麦豆腐もついています。美味しくいただきました。
駐車場からの筑波山の眺め
この駐車場からは筑波山の2つの峰も見えて、なかなかの眺め。『いいところだね~』などと話しながら出発しようとしたら、『ありゃ、パンク』とサイダー。後輪のタイヤの縁にいくつか小さな切れ目も見つかりました。
チューブを替えて、タイヤを補強して10分ほどで修理完了。『さすが、手際がいいねえ』と感心する面々です。
田園道を走る
では、改めて出発。
コテッチャンを先頭に、カーブを描きながら田んぼの中を通る田園道を、爽快に走っていきます。
弓弦の茅葺民家
そして、ここは弓弦(ゆづり)。本日2番目の茅葺民家に着きました。『あの後ろの木は大トトロみたいに見えるでしょ?』と、ここはコテッチャンのお気に入りの場所です。家の入口部分に下屋を作っているようでしたが、茅葺きの家は健在です。
しかし、ここでまたもサイダーが『タイヤからチューブがはみ出てきた』。補強材がうまくタイヤにくっついていないようで、ここで調整修理します。
山道に入る
弓弦から田んぼを横切り山道に入って、次の茅葺き民家を目指します。しかし、ここでサイダー『なんか空気が抜けているみたい』。またか~、これで三回目。
『フランス語の諺に“3のない2はない”というのがあるんだよね』とコテッチャンが言えば、『二度あることは三度あるってことかな』とサリーナ。ここは『三度目の正直』にしてほしいと思う面々です。
パンク修理のサイダー
サイダーが道の脇で修理に入ります。
先ほど替えたチューブは怪しいので、サイズがちょっと大きいけどサリーナのチューブを入れてみることに。そして、タイヤの補強材を入念にガムテープで留めてみたりと色々やって、ポンプで空気を入れようとするも、ちゃんと入りません。なぜだ~
下青柳バス停
結局うまくいかず、サイダーはここでギブアップ。近くのバス停から先に石岡駅に戻ることにしました。時刻表を調べると、運の良いことに20分後に石岡駅行きのバスがあります。
緩いタイヤで慎重に走り、下青柳バス停に到着。『石岡駅で待ってるね』と言い残してバスに乗るサイダーを見送り、あとの3人は茅葺き民家ツアーを続けます。
ツツジに囲まれた民家
ここからは、コテッチャンの案内で茅葺き民家巡りです。バス停を出発し、いばらきフラワーパークの横の地道を通って計画ルートに無事合流。
このあたりにも立派な長屋門や庭木を持つ民家が点在しています。こちらのお宅は敷地の回りのツツジが見事です。
南の木崎家の門
そして、程なく上青柳の南にある木崎家に到着です。
門がまえの奥に茅葺き屋根が見えます。今年も無事、会うことができました。
南の木崎家の茅葺き民家
門から中を覗いてみると、茅葺き屋根の真ん中にブルーシートが見えます。足場があるので修繕の途中なんでしょうか。
茅葺きのお堂
南の木崎家の片隅には小さな茅葺きの建物が建っています。これは虚空蔵さまをお祀りするお堂だそうです。
こちらも健在を確認して、次へと向かいます。
北の木崎家
続いて北の木崎家。漆喰の龍の細工が見事な立派な門があります。
残念ながら、その奥の茅葺き屋根の主屋は建て替えられていました。けれど、以前の平屋の佇まいを踏襲した感じのいい住まいに見えます。
一般個人が茅葺き民家を維持していくことはとても難しいことだと想像しますが、かつての雰囲気を大切にしているのは素晴らしいと思いました。
羽生家棟門
上青柳でもう一箇所。茅葺き民家ではありませんが、ここは羽生家棟門です。
この羽生家棟門の奥にあった羽生家の主屋と隠居所(書院)は国の重要文化財でしたが、残念ながら1993年に火災で消失したそうで、現在は蔵付きの羽生家棟門が残っています。
畑の間の小道
茅葺き民家巡りを続けましょう。少し北の小幡へと移動します。
畑の間の小道を通り抜け、
板塀の道
板塀の道を北へと進んでいくと、
小幡の茅葺き民家その1
小幡の宿の街道に出ました。そして、すぐ正面に茅葺き屋根の民家が現れます。
こちらもこれまで見てきた民家と同様、平屋の寄棟ですが、茅葺き屋根の下に瓦葺きの下屋が張り出しています。茅葺き屋根は少し傷んでいる様子が見受けられます。
小幡の茅葺き民家その2
街道を少し西へ進むと、もう1軒茅葺き民家があります。入口には門かぶり松が伸びています。
続いて少し北東へ移動し、吉生へと向かいます。
吉生に入る
田んぼを横切り、川を渡って吉生に入ると、
吉生の茅葺き長屋門その1
とても立派な茅葺きの長屋門が現れました。
道路から門にかけて緑の低木のアプローチ路があり、長屋門の美しさを引き立てているようです。
長屋門の近景
近づいてみると、本当に立派な長屋門です。白い漆喰が美しく、窓の形も面白い。丁寧に維持されていることがわかります。
『大きくてすごいですね~』と感嘆の声を上げるジーコマリア。
吉生の茅葺き長屋門その2
そのすぐ隣にもう1軒、やはり茅葺き屋根の長屋門がありました。
やや傷みが見えますが、ともかく残っていることに感謝です。
晴明稲荷大明神横の林を抜ける
さて、これにて八郷の茅葺き民家巡りは終了。あとは石岡駅に向かうだけ。
でも『残りの距離はまだまだあるんだよね』とコテッチャンがつぶやく。なんと、石岡駅まではまだ20km近くあるらしい。晴明稲荷大明神横の林を抜け、東へ方向を変えて走ります。
田んぼの横を東へ走る
しばらくは田んぼの横を東へ東へと走ります。
時刻は17時を過ぎて、少しずつ気温も下がってきたようです。
レース鳩の鳩舎
ようやく恋瀬川に到着。ここからは川沿いのサイクリングロードを南へひた走ります。
ところで、途中に珍しいものがありました。ここは、レース鳩の鳩舎です。『この前、ここの鳩を飛ばして訓練しているところを見たよ』とコテッチャン。
恋瀬川サイクリングロード
恋瀬川サイクリングロードは道幅が狭くて荒れているところもあるけれど、人は少なく自然の中を走る気分を満喫できますね。
途中、高倉休憩所(ショコロンファーム)でトイレ休憩をとり、真っ直ぐ石岡駅に向かいます。
石岡駅前で打ち上げ
『お待たせ~』と石岡駅に着いたのは18時15分頃。駅で無事サイダーと合流し、みんなで本日の打ち上げです。カンパーイ!
今日は道に迷ったり、サイダーがパンクでリタイアしたりと色々あり、結局70kmも走ったけれど、青々とした水田や新緑を愛で、いくつもの茅葺き民家に出会うことができた楽しいサイクリングでした。願わくば、次の訪問時にも多くの茅葺き民家に出会えますように。
