お正月のイベントが一段落しちょっと暇になったころ、突然レナールがB級グルメツアーをやろうと誘って来た。B級グルメにはあまり縁がないので、いったいどんなことになるのかまったく想像できなかったけれど、初詣と下街巡りを兼ねると言う。
当日は大塚あたりに集まったと思う。コースについては事前案内なしで、気の向くまま、思うがままの現地決定ということに。まずは大塚駅近くの子安天満宮にお詣り。
子安天満宮からやってきたのは巣鴨の地蔵通り商店街。
ここは下街の匂いがぷんぷんする商店街だ。
この商店街は巷では『おばあちゃんの原宿』と言われているようだが、まあ確かにここには若者の姿はなく、高齢者が多い。
巣鴨と言えばこの地蔵通り商店街と『とげぬき地蔵』だ。とげぬき地蔵は通称で、お寺の名は高岩寺と言う。
その高岩寺にお参りを済ませると、あれれ、外に行列が。その行列の先には真っ黒な姿の観音様。これは通称『洗い観音』と呼ばれるもので、自分の身体の悪いところと同じ観音様の部分をゴシゴシこすると、悪いところが直ると言われている。さっそくあちこちをゴシゴシするムカエルとママエル。
ちなみに高岩寺のとげぬき地蔵尊は秘仏とされていて見ることが出来ないため、その姿を元に作られた『御影』というものがいただける。これを悪いところに貼ると直るそうだから、頭に貼ったらいいよ、ムカエル。あっ、もう遅いか?(笑)
このあとおそらく昼食は、近くの台湾小菜料理『台湾』で角煮定食と鉄玉子を喰ったのだろう。角煮はドーンとでかくて旨く、鉄玉子は忘れられない味だ。デザートには愛玉子(オーギョーチ)を。
巣鴨からは王子方面へ。
まずは七社神社にお詣りを。真っ白な幕がなんだか初々しい。
そのあと飛鳥山に上ってD51と対面。
真っ黒な機関車はやっぱりどこかエネルギッシュな風格があるか。
飛鳥山から下ったら王子稲荷神社へ。
王子稲荷神社は東国三十三国稲荷総司という、いわば関東以北のお稲荷さんの総元締のようなところで、拝殿はなかなか立派で歌川広重の名所江戸百景にも描かれている。大晦日の夜にここに諸国の狐が集まるとの言い伝えがある。
王子稲荷神社のすぐ北にある『名主の滝公園』。江戸時代の末期の安政年間(1854年〜1860年)に王子村の名主が開いた庭が元だという。
王子付近にはかつて王子七滝と呼ばれる七つの滝が落ちていたそうだ。その中で現存するのは『名主の滝』だけで、ここには男滝(おだき)、女滝(めだき)、独鈷の滝(どっこのたき)、湧玉の滝(ゆうぎょくのたき)の4つの滝が落ちている。
これは確か『独鈷の滝』だったか。
独鈷とは主に密教で使う仏具の一種、金属でできた両端が尖った短い棒で、煩悩を打ち砕く悟りの智慧の象徴だそうだ。
四つの滝の中でももっとも立派なのが、落差8mの男滝。正直言って、正月のこの時はさすがに滝の鑑賞は寒い。
B級グルメツアーと言いながら、ここまでグルメな写真が一枚もない。実施日からこのペイジを作るまでかなり長い時間が経ってしまったので、実は何を食したのか良く覚えていないので、写真があるものだけを紹介するに留まるが、おそらくこれらの他にもいろんなものが口に入っているはずだ。
王子からは『あらかわ遊地』に行ったようだ。たこ焼き『ふく扇』は『あらかわ遊地』の入口あたりの住宅地の中にある。隣には『酒処ふく扇』の看板が出ているので、夜は呑み屋をやっているのだろう。
たこ焼き14個入り400円也。えびせんの間にたこ焼き二個が入った『たこせん』は100円也。我らは伝統的なたこ焼きを。
チンチン電車に沿って三ノ輪橋までやってきた。
ここには今はなつかしい全天候形アーケード商店街がある。その中のこの店はチェーン店の豚まんとコロッケの店。しかしこの店はそれに留まらず、焼きとりまで売っている。
アーケード商店街の入口にあるのは下街らしい佃煮と蒲焼きの安井屋で、甘ったるいいい匂いがぷんぷん。(TOP写真)
こうしたところでは思わず一串買ってしまうレナールだった。
ぐるっと廻って根津。丁子屋は染め物と洗張(あらいはり)の店で、店頭には注染(ちゅうせん)の手ぬぐいが並んでいる。洗張を知らない方も多いと思うが、これは和服の洗濯だ。注染は伝統的な型染めの一種。
ここで自転車柄の手ぬぐいを見つけたムカエルは迷わず即GET.
この時期に根津と聞けば根津神社に寄らないわけにはいかない。
現在の社殿は宝永3年(1706年)の創建で艶やか。権現造の傑作とされている。
千本鳥居といえば京都の伏見稲荷だが、ここにもある。圧巻の千本鳥居くぐりを。
このあたりには甘味処の芋甚(いもじん)や根津のたいやきがあるので、このあと芋アイスとたいやきを喰ったに違いない。