寸又峡温泉の朝は、早起きしてまず寸又峡の自転車散歩です。眠い目をこすって6時に全員集合し、夢の吊橋に向かって進みます。朝日のあたる新緑がまぶしい。
大間ダムにせきとめられてできたチンダル湖は、白みがかったブルーの神秘的な色をしています。
その湖の上、大間川と寸又川の合流点にかけられた夢の吊橋は、長さ90m高さ8m(TOP 写真)。一度に10人までしか渡れません。おお、踏み板2枚(一部3枚)で結構揺れる~
吊り橋の周辺は新緑が覆いかぶさり、森林浴しながらのハイキングにぴったり。1時間半くらいのハイキング「寸又峡プロムナードコース」も設定されていますが、上りの山道を見て、誰も行こうとは言わないジオポタでした。
というわけで、夢の吊橋を再び渡り自転車の所に戻ります。飛龍橋から展望台まで、こちらの道はほぼ平坦なので快走。飛龍橋からは重なる山々のはるか下に川を臨めます。
橋を渡ってしばらくのところにある尾崎坂展望台には、かつてここを走っていた千頭森林鉄道のトロッコ列車の機関車が置いてあります。このルート、実はトロッコ列車の軌道だったんだそうです。このトロッコ、元はダム建設やその維持管理、伐採林の運搬のためのものでしたが、晩年は寸又峡温泉に宿泊客を乗せていたそうです。
展望台から来た道を宿に戻る途中、別の吊り橋が見えました。猿並橋です。宿の近くから川の方におりていく小道があって、15分ほど歩くと到着します。
長さ96m、高さ11mの猿並橋も細くて結構こわい~ ここを渡ると朝日岳への登山ルートになっています。我らはまた橋を渡り戻って宿へ。朝の自転車散歩は、ちょっとビビリつつ楽しい吊り橋体験でした。
お腹をすかせて宿の求夢荘に戻ると、シャキシャキの野菜や豆、煮物、そして麦のおかゆなど、ヘルシーでとてもおいしい朝食が待っていました。満足・満腹で、改めて本日の自転車スタートです。
寸又峡温泉を出てしばらくは快適な下り。朝日を浴びて爽快に進みます。
そして当然、上りが待っていた。昨日下ってきた道ですからね… わっせわっせと大井川方面の分岐点まで上っていきます。
分岐を過ぎると下り区間です。奥泉を過ぎ、赤い鉄橋を渡る。
すると、次の吊り橋スポットに着きました。小山の吊橋、長さ84m高さ14mです。今日は吊り橋を渡りまくる企画らしい。
あれを自転車で渡るの~ とおののく声が聞こえますが、企て人サイダーは全く聞こえないフリ。
小山の吊橋を渡りました、自転車で。みんなで渡れば怖くない!
そして、さっきの写真を撮ってくれたジークが疾走してきました。この吊り橋は意外にしっかりして揺れも少ないものでした。
小山の吊橋をあとに、大井川鐵道とは川を隔てて反対側の道を走ります。車もほとんど通らない楽しい田舎道です。
ということろに、また吊橋が。両国吊橋です。ゆらゆら揺れるし、柵もワイヤで頼りなげ。「前だけ見る、前だけ見る」とつぶやきながら渡る人、もうだめ~、と押す人。「だんだん難易度が高まるからね!」とサイダー。いや、もういいです。。
吊り橋を渡ったあとは、茶畑の広がる丘を走ります。「揺れない地面はいいなあ~」と快調に走るペタッチ。
青空に新緑が映え、道路脇には桐の花も満開でした。
千頭駅を過ぎたところに道の駅「音戯の郷」があり、一休み。ここは「音」で遊ぶ体験ミュージアムとしてシアターや工房などもあります。
道の駅を出てしばらくすると、何やら太鼓の音が。子どもたちが和太鼓の練習をしていました。ばちを持ってかっこよくポーズを決めています。
この道は、多少のアップダウンはあるものの概ね下り。新緑の木々の下を軽快に飛ばすのはシロスキー。
実はこの近くにもう一つ、青部の吊橋もあったのですが、お昼の時間が迫っていたためパス。
少し開けて大井川が見渡せるところに出てきました。斜面には茶畑が広がり、機械でお茶摘みしていました。
下ってきてかなり広くなった大井川を渡ると、そこは川根本町の中心部です。
その集落の真ん中あたりにある食堂「あけぼの」。自然薯のとろろそばやとろろ汁、川根茶のしゅうまいなど、地元の食材の料理が楽しめました。
昼食を終え、大井川の雄大な河川敷を眺めながら踏み出します。
それもつかの間、すぐに上りが始まりました。ハナヅラ峠です。短いものですが峠は峠。へろへろと上る面々をちぎるレイ。
よろよろと上り終えたところは茶畑が広がり、畑の中には子どもから大人までたくさんの人たちがいます。お茶摘みです。
今でも人の手でお茶摘みしているんですね、と声をかけると「まだぬるいからね~」。『ぬるい』ってどういう意味でしょうね? 暖かいことじゃなさそうだし…
あとで地元の人に聞いてみたら『早い』ってことだそうです。
茶畑を抜けて、また大井川に戻ってきました。すると、いよいよ吊り橋のメインイベント「久野脇橋」が見えます。大井川に架かる最も長い吊り橋です。写真で架かっているのがわかりますか?
ペタッチとマーコンはここでみんなといったん別れ、橋を渡って塩郷駅から大井川鐵道に乗ろうと思っていたのですが、「あんな橋を自転車で渡るのお…」とおののくマーコン。
ご安心あれ。その少し上流に塩郷ダムがあり、ダムの上を通って対岸に渡れるようになっています。
ホっとしたところで、自転車を置いて久野脇橋を徒歩で渡ります。この橋は別名「恋金橋」。長さ220mで、川の風を受けて結構ゆらゆらします。対岸からも人が渡ってきて、細い板の上ですれ違うのはスリル満点。
ペタッチ、マーコンは塩郷駅から大井川鐵道に乗り、笹間渡駅でSLに乗り換えることにしました。80km近い今日のコース、エスケープを迷っていたレイナですが、快晴の空と雄大な大井川に背中を押され、全コース走ることを決意!
大井川と周辺の緑の景色に、休憩を挟みながらしばし見とれる面々。
大井川はゆったりとした蛇行を繰り返し、それに沿って道も緩やかなカーブを描きます。
大井川鐵道の家山駅に到着。ここはSLが停まる駅なので、SLに乗ろうという人たちが大勢待っていました。ペタッチとマーコンは無事SLに乗れたかな?
もうすぐSLが来る時間になったので、眺めのよい高台に移動して待つことにしました。
そして待つこと10分ほど、シュポーっという音とともに黒い車体の蒸気機関車が姿を現しました。ワッシュワッシュと音をたてて通り過ぎる車両の窓の一つに、黄色いタオルをちぎれんばかりに降り続ける人影が。おお、ペタッチとマーコン!
迫力あったね~と言いながら走る我々の前に、本日最後の峠が立ちはだかる。地蔵峠です。このあたりは車の交通量も増えてきて、慎重に上っていきます。わっせわっせと大集団が上るのを待ち受けるのはカメラマン・ジークでした。
峠から1kmほど下ったところに小さな龍門の滝があります。
さらに下っていくと、茶畑の下にますます広がった大井川の河川敷が見渡せ、その向こうには島田の市街が見えてきました。もう少しだね~、とシロスキーとヨンチェス。
交通量の多い道路からわかれ、脇の土手に入りました。夕陽を背に疾走します。
疾走して疾走して、あれ、行き過ぎた~ 夕陽に向かって戻るサイダー。ここで土手を降ります。
島田市の中心部をめざし、大井川を渡ります。この橋の部分は国道1号、東海道でした。渡り終えたら住宅地を抜け、4kmほどで島田駅近くのホテルに到着。本日合計78kmの道のりでした。
ホテルで汗を流ししばらく休憩したあと、夕食にいざ出陣。最近整備されたエリア「おび通り」にあるフランス料理「ル シャン」で、ワイン片手にカンパ~イ! 宴会コースはオードブルに魚、肉、ワインとデザートまで堪能し、驚きのコストパフォーマンスでした。
◆ひとこと by ぺタッチ
寸又峡 大井川鉄道は学生時代に行き残した秘境、多少のアップダウンはあろうとも行きたい気持ちが先に立ち、休みの関係で2日目3日目だけの 良い所どり参加 でもいいかとサイダーに相談。
大井川鉄道の起点となる駅まで車で行けると聞いて、輪行嫌いのペタッチ&マーコンの参加決定。サイクリングは1年ぶりくらい・・・ なんとかなるさ
結果、新緑、吊り橋、新緑、吊り橋、新緑、吊り橋、中流域も広大な大井川、1万円で豪華な食事をさせて頂いた宿、フランス宴会、懐かしい顔ぶれ、スマホや、グーグルプラス等、最新の(こちらが遅れているだけ)IT使い方指南もあり、いやあ、得るものが多い行事でした
帰路、日頃の運動不足でへたったペタッチ&マーコンだけ、途中から離脱 ちゃっかりSLに乗らせて頂きましたが、我がままの効くところもさすがGEO POTTERING 反省して もう少しポタに参加するようにしようかな・・・