昨年末にルビオが、ピザ窯を買ったからこんどピザ・パーティーをやろう、と言い出しました。それはいいねぇ、ということで、まだ寒い2月に、白鳥を見てから我らがシャトー・ペタマンチに集まってピザを焼くことにしたのですが、これはある事情で中止となりました。その中止となった原因が取り除かれたので、リベンジです。
文京区小石川の播磨坂を出発するのはサリーナとサイダー。あとの面々とは適当なところでランデヴーします。
この季節はすでに白鳥はシベリアへ帰ってしまっているので、白鳥池はまたの機会ということにし、今回はいくつかの川を辿って守谷のシャトー・ペタマンチに向かいます。
まずは新緑がきれいな不忍池を廻り、
やってきたのは上野公園。桜の季節が過ぎたここの木々は、すでに新緑から青葉若葉に移り変わろうとしています。
大噴水の前にやってきたのはタキスキーとコンタ。
コンタはなんと2年ぶりの登場。
この御仁は職業上、コロナウイルスに感染するとかなり問題となる可能性が大なので、2年間も私たちのイベントに参加しなかったのですが、最近状況に少し変化があったらしく、ボチボチ活動再開のようです。
上野公園を出て東上野に下ると、正面に東京スカイツリーが見えてきます。
その東京スカイツリーを目掛けて進めば、浅草に入ります。
浅草といえば都内最古のお寺で、雷門に仲見世、そして三社祭で有名な浅草寺です。
コンタはなんと娘さんがこの近くに引っ越したので、最近はしばしばここにお参りに来るようになったそうです。
浅草寺を出るとその東を流れるのは隅田川。隅田川沿いの隅田公園を北上して行くと、そこに架かるは隅田川で唯一の歩行者専用橋の桜橋です。
この橋は優雅なX字形をしており、台東区と墨田区とにある隅田公園どうしを繋いでいます。桜橋から北の台東区側は土手上の道がなくなってしまうので、桜橋を渡って対岸の墨田区に入り、隅田川に沿って走る首都高速の横の墨堤を北上します。
そして桜橋の一つ上流に架かる白鬚橋を渡って、再び隅田川の右岸に出ます。
白鬚橋より北の右岸は荒川区で、そこには気持ちのよい遊歩道が設けられています。
うしろに東京スカイツリーを見ながら、土手上の道を快調に進むタキスキー。
このタキスキーは先週2年ぶりに登場したのですが、その時はかなりひどく痛めつけられたといい、今日はそのリベンジマッチだそう。
千住汐入大橋で隅田川を渡るとその先に流れるのは荒川。これを堀切橋で渡ると葛飾区に入ります。
ここでユッキーが合流し、いっしょに荒川のすぐ横を流れる綾瀬川を渡ります。
葛飾区は自転車ではあまり走りやすいところではありませんが、週末は道路が比較的空いているので、大通りをどーんと行きます。
中川に出たらこれを斜張橋の高砂橋で渡ります。
高砂橋から北の中川の左岸には、短い距離ですが土手上に道があります。
これを500mほど行くとなんと工事中。もうちょっと行きたかったですが、仕方ありません。下の道に下り江戸川へ向かいます。
金町浄水場の横を通って江戸川の土手を上ると、そこにはとんがり帽子と丸い帽子の取水塔があります。
ここでレイナが待っていました。
レイナは先週の企画に登場する予定でしたが、入手したばかりの電動アシスト車のアシストが効かなくなるというトラブルに見舞われ、ドタキャンせざるをえなかったので、今日はそのリベンジです。
金町浄水場取水塔のすぐ北にはR6水戸街道の新葛飾橋と常磐線の線路橋があり、ここは土手上を通れないので、江戸川の河川敷に下ります。
遥々遠方からやってきたコンタは、
『久しぶりなので自転車の乗り方、忘れました〜 今日はみんなについて行けるかどうか、ちょっと不安〜』とのこと。
葛西橋をくぐり抜けたところ、水元公園付近で土手上に復帰します。
ここでレイナが最近入手した電動アシスト・バイクを紹介しましょう。一見ブロンプトンのようですが、これが違うんですね。ハリークインと言うそうです。でも折りたたみ方もブロンプトンとほとんど同じです。
バッテリーはメインフレーム内に納められており、見た目がすっきりしています。低アシストモードであれば、バッテリーは80kmも持つそうです。重量は公称約14.6kgで、電動バイクとしてはかなり軽量です。
レイナによればシングルギアなので、高速走行や下り坂の時は足が空回りしてしまうそうです。しかし私たちの巡航速度の20km/h程度であれば問題なさそうでした。上り坂や向かい風にはさすがに強く、そうした場面では先頭を牽くサイダーを捲ります。(笑)
三郷市鷹野から見るおだやかにうねった江戸川は水量たっぷりでなかなか良い姿をしています。
サイダーに替わってレイナが先頭を牽きだすと、後続の面々はちょっと苦しくなってきます。
電動アシスト・バイク、恐るべし!
前方の空に妙なものを発見。よく見るとそれは飛行船でした。
なんだかとっても優雅な乗り物に見える飛行船は、一時期はかなり飛んでいましたが最近はまったくと言って良いほど見掛けなくなりました。これには何か訳があるのでしょうね。
ちなみに飛行船は英語では "flyingship" ではなく "airship" です。空気舟?(笑)
つくばエクスプレスの線路橋をくぐり抜けるとほどなく、先に武蔵野線の線路橋が見えてきます。
そのすぐ南の土手上の江戸川自転車道には三郷風広場があります。ここにはトイレとベンチが設けられており、週末は大抵サイクリストでいっぱいです。
三郷風広場を出ると吉川市に入ります。
このあたりはかつては田んぼばかりでしたが、だいぶ住宅が立ってきました。日本の多くの地域で都市計画はかなり曖昧というか、無方針というか、なんだかな〜、都市計画なんでなくてもいいじゃん、って思うことが多いですよね。
田んぼが纏まってあり、その向こうに住宅地が集まるとこんなふうになるけど・・・
ここのところ仕事もプライベートも忙しく、神戸だ、九州の桜島だと巡っていたユッキーが、久しぶりに参加。
『今日もちょっと忙しいので守谷までは行かずに運河で失礼します〜』とのこと。あれ、ユッキー、なんで今日は小径車じゃないの?
r326川藤野田線の玉葉橋まで来たら、これで江戸川を渡ります。
玉葉橋から江戸川の下流を見ます。
昨日少し雨が降ったので水は少し濁っていますが、このあたりはほとんど流れていないようにも見えます。
江戸川の左岸に渡ったら、江戸川に沿って下ります。
ここは土手上に道があったはずなのですが、うっかり河川敷に下ってしまいました。まあいいでしょう。
するとほどなく利根運河と交わります。運河を渡ったところで土手上に上って、運河河口公園で小休憩。
ここまで来れば、昼食に予定している東武野田線の運河駅までは一漕ぎです。
利根川と江戸川を結ぶこの利根運河は、明治時代に開削されたもので全長は8.5kmあります。
当時、東北地方から江戸へ至る貨物運搬ルートは二つあり、これらはいずれも船で、一つは房総半島を回るもの、もう一つは銚子から利根川を遡行し、関宿を経由して江戸川を下るものでした。後者のルートはその一部に浅瀬があって大型船が通航できなかったこと、距離が長かったことなどの理由から、この運河が開削されたのです。
利根運河は、江戸川との接続部から南側の土手上の自転車道を行きましたが、この路面は細かい砂利を固めたような舗装で、その砂利が剥がれたのか、ほとんど砂利道のようになっていてちょっと走りずらかったです。
対する北岸は一般道ですがこれはあまり車は通らないので、ここは北岸の方が走りやすいかもしれません。
先に茶色の鉄塔とアーチ橋が見えてくると、そこには東武野田線が通っています。
その下は運河水辺公園で、この時は運河の上にたくさんこいのぼりが泳いでいました。
東武野田線に並走する流山街道の運河橋に上って運河を見下ろすと、現在の水域に対して土手がかなり高いのがわかります。
この運河はずい分前にその本来の機能を失い、貨物運搬船が往来できるだけの水かさが必要でなくなったので、最低限の水が流されるだけになり、その周辺が公園化されたのでしょう。
流山街道に出たところでお昼です。運河駅近くのイタリアンにするつもりでいましたが、参加人数が増えたのと、ルビオのおいしいピザが待っているので、東京理科大学の裏あたりの中華料理店に変更しました。この中華料理店はサービスが早いため、大人数の時は便利です。盛りも良く、みんなでシェアしていただきました。
昼食のあとはコンタとユッキーが離脱し、レイナ、タキスキー、サリーナ、サイダーの4人で運河を東へ向かいます。
流山街道から東の運河は両岸とも自転車道になっていますが、北岸にいたので北岸の自転車道に入りました。
この自転車道はごく普通のアスファルト舗装で、快調に進みます。
先に水色の運河水門が見えてきました。あの先で運河は利根川に接続します。
この写真の左下に写っているのは近代土木遺産になっている煉瓦造の野田樋門(のだひもん)です。野田樋門は江川(江戸川ではない)が利根川に注ぎ込む旧江川堤を貫くもので、煉瓦に埋込まれた石の銘板に『明治四拾壹歳五月築樋』とあることから、1908年に造られたことがわかります。その用途は主に農業用水の排水で、洪水時には利根川から江川への逆流を防止するためにも使われたようです。
ちなみに樋門とは堤を通過する暗渠のことで樋管とも言いますが、門の場合はその名の通りにゲートが設けられます。この写真ではわかりませんが堤の反対側の天端には石が埋込まれており、その間に角落としが設けられていたと推測されます。
野田樋門を眺めたら運河水門の手前にある東屋で一休み、と思ったらそこには先客がいたので、すぐ近くの利根運河ー里塚第四緑地で一服。
運河水門からは利根川の土手に出て、あけぼの山農業公園へ向かうつもりでした。
しかしこの利根川の土手はこの時期コバエがとても多いと、このあと合流するコテッチャンが教えてくれたので、彼がアドバイスしてくれたルートに変更。
そのコースは住宅地と利根川沿いの田んぼの境界を行くもので、なかなか良い道です。
最初の方はちょっとした畑の中を行きます。ポピーが咲き、夏の作物のために耕されてきれいになった畑が見られます。
こんもりした林の前にはお狐様。
こんなのどかな風景が一転。常磐自動車道をくぐり抜けるとそこは新しいピカピカの住宅団地でびっくり。『柏たなか』というところのようです。
そしてさらにびっくりしたのは、その先にものすごい高架橋が続いており、そこを銀色の列車が通過して行ったこと。
え〜、あれ今の一体なに? それは『つくばエクスプレス線』だったのですが、えー、つくばエクスプレスってこんなとこ通っていたのか〜 とびっくり。なんだかこののんびりした景色とつくばエクスプレスが結びつきません。はるか昔、少年時代に見た近未来の想像画を見ているようでした。
進行左手は利根川に沿って続く田んぼ、右手にはその排水路が流れています。
その境には延々と菜の花の黄色い帯が続いています。
利根川沿いの広大な田んぼの中をちょっと走って、土手に上りました。
するとそこには91.5kmの表示が。これはおそらくここから海までの距離でしょう。
先週走った荒川で川幅日本一のところを通りましたが、この利根川もとても広いですね。
ところでここは利根川の土手と言って良いと思いますが、それは二重になっており、川のすぐ側に最初の土手があり、これはその外側に築かれた田んぼのさらに外側にあるものです。ですから利根川の幅という時はこの土手からの距離なのか、それとも内側のそれからなのかは良くわかりません。
ちなみにこの田んぼは、治水上は利根川の対岸とともに、調整池という扱いです。このような調整池を造る土地があるなら、ダムは不要になりますね。
利根川の幅を感じつつ走る土手上の道はアスファルト舗装で快適。
しかしこの土手は途切れ途切れで残念ながら長くは続いていません。
土手から下って、あけぼの山農業公園へ向かいます。
すると前方にこんもりした木立が見えてきました。あれは布施弁天です。あの弁天様にはあとで立ち寄ることにして、ここはまずあけぼの山農業公園へ。
弁天様を廻り込むようにして進むと、あけぼの山農業公園に到着。ここは春のチューリップと風車で有名ですが、そのチューリップは残念ながら終わっていました。
しかし足下に植えられたビオラはまだきれいに咲いていました。
あけぼの山公園一帯はかつては布施弁天の境内でした。
布施弁天は807年(大同2年)に空海が嵯峨天皇の勅願により創建したと伝わり、寛永寺弁天堂(上野の不忍池)、江島神社(江の島)とともに関東三弁天のひとつに数えられるとのこと。江戸時代には利根川の水運により多くの参拝者があったそうですが、現在は比較的ひっそりとしています。
布施弁天にお参りしたら新大利根橋で利根川を渡ります。
利根川は言わずと知れた大河で、日本では信濃川に次ぐ長さを誇り、流域面積は日本最大です。この写真では比較するものがほとんどないのでその幅は分かり難いですが、およそ200mほどあります。広〜い!
守谷側に渡ったところで土手に下り西へ向かうつもりにしていましたが、そこは調整池の工事をしているようだったのでこれは断念。ルビオに頼まれたチーズを買うためスーパーマーケットを探すと、ちょうどこの先の交差点にあることがわかったので、直進します。
ピザ用のチーズをゲットできたので、いよいよシャトー・ペタマンチに向かうのですが、その前にコテッチャンと待ち合わせたコンビニへ。
コテッチャンは今日は私たちとは別ルートのサイクリングをしていたのですが、ちょうど同じ頃合いにこのあたりを通ることがわかったので、ランデヴーすることにしたのでした。
会員制超高級ホテル&レストランのシャトー・ペタマンチに到着。
ビールをがぶっとやって一息付いたら、さっそくピザ作りを始めます。
とは言っても作るのはこの方、シャトーのシェフのルビオ。今日は一日がかりで生地を仕込み、ピザソースを作りました。ありがと、ルビオ。
さてそれではまず、ピザの生地を伸ばしましょう。そしてそれにピザソースを塗ります。その上に好きな具材とチーズをトッピング。
それを400°Cに熱したピザ窯に投入。
あとは焼き上がるのを待つだけ。
ピザが焼き上がるまでは飲んで飲んで飲みまくります。
今回初登場のコテッチャンはなかなか面白い方で、昔日本に来たばかりの頃の体験が笑わせてくれます。キャンプに行った際、弁当だと思って買ったのは実は竹輪で、そのままで食べられるものかどうかわからなかったので仕舞って持っていたといいます。その夜は生憎の台風でテントの骨が折れてしまったそうな。ふと竹輪を見るとその穴がちょうどテントの骨と同じくらいの太さなのに気付き、竹輪にテントの骨を差し込んで補強したって。あっ、正確には竹輪の穴に入っていたプラスチックのパイプに差した、そうです。(笑)
ピザ、焼けた〜! まずはプレーンから。
見た目はちょっと今一つですが、処女作だからね。(笑) しかしお味はベリーグッドマンで、みなさん大喜びです。
本日の参加メンバーは左から、今日はレイナのアッシー役のレイ、ワインがおあずけなのが悲しい。そして今日のペースならなんとか走れますのタキスキー。黄緑芋虫色シャツはシャトーの総支配人ペタッチ。ペタッチはこのあと超手抜き料理でみんなをあっと言わせます。その具材はたった3つだけ、そして調理時間はたったの5分。これが数品でてくるから驚き。作り方を言わなければかなり手間暇がかかった料理と思えるものです。新しい料理人としての顔を見せたペタッチの隣は、シャトーの自由利用権を持つサイダー。
サイダーの隣はスーパーシェフのルビオ、そして赤シャツのサリーナとコテッチャン。
ピザはこのあともどんどん焼かれて出て来るのですが、ぺろんと食べてしまって写真はなし。
ルビオのピザとペタッチの手抜き料理をいただきながら、サイクリングや時事問題の話で盛り上がり、ゆっくりと夜は更けていくのでした。
シャトーの庭には『野鳥の道』があります。木道が通るここでバード・ウォッチングしたいと言い出したのはペタッチで、バード・ウォッチャーの顔をも持つルビオに案内役をお願いしたのですが、ルビオによれば、鳥を見るなら早朝がベストで、少なくとも午前中でないとうまくないと言います。
ということでポタリングの翌日に行ける人だけ行くことにしました。シャトーに宿泊したのは総支配人のペタッチとルビオ、そしてサリーナとサイダーです。
ここにいる鳥はこんなにたくさん。
あちこちから様々なさえずりが聞こえますが、その姿はなかなか見えません。
まず見つかったのは空を飛ぶカルガモとダイサギ。
そして次は木に止まりホーホケキョとじょうずに歌うウグイス。ウグイスの姿は時々目にしますし、鳴き声も聞きますが、鳴いている姿となるとあまり記憶にありません。今回見たウグイスは身体を前後に揺すりながら、身体全体を使って鳴いているようでした。
場所を変えるとホオジロです。ホオジロは名前はよく聞きますが、ルビオ以外はサイダーが子供の頃に見たことがあるというだけで、サリーナとペタッチは実際に見たことはないと言います。ということで、これが見られたのは良かったですね。
ピザ焼きとバード・ウォッチングという楽しい企画を作ってくれたペタッチとルビオに感謝。