今年の夏休みは灼熱の東京を逃れ、北海道はニセコ町で2週間のコテージ滞在です。初日はフェリーと新幹線での移動日。2・3日目は空模様が怪しいため、農産物や海産物の買い物と飲食三昧で過ごします。
新幹線のサリーナ
猛暑の東京から避難! この夏の避暑地は北海道のニセコ、参加者はレイナとレイ、サリーナ、サイダーの4人。
レイナとレイはフェリーに車を乗せて前夜に大洗港を出発しています。サリーナとサイダーは当日の新幹線。重い荷物をレイナとレイの車に積んでもらったので移動は楽チンです。
しかし、新幹線には問題ないものの北海道南部は大雨のためJRが運休しているという情報をネットで見つけ、ちょっと不安な旅の始まりです。『いざとなったら函館泊かなあ』『それとも長万部?』
陸奥湾の眺め
あっという間に青森。いえ、4時間くらいはかかっていますが、もうすぐ青森と北海道を結ぶ青函トンネルです。
青函トンネルは全長53.9km、海底下100mの地中を通ります。1987年に開通し、2016年には北海道新幹線の新青森ー新函館北斗が運行開始。
青函トンネルを通過中
青函トンネルを通るのが初めてのサリーナとサイダーはワクワク。
カメラを構えて待ちますが、窓の外の青函トンネルは暗闇だった(笑)。『魚でも泳いでいるかと思ったのに~』とサイダーが言ったとか言わないとか。海底下100mを通っていると考えるとちょっとドキドキします。
遠景に函館の街
無事、北海道に上陸。しばらくすると右手に函館の街が見えてきます。私たちは新幹線の終着駅『新函館北斗』駅で在来線に乗り換えます。JRの運行状況によっては函館1泊も考えたのですが、幸い特急はほぼ遅れなく運行しているとのこと。
『新函館北斗』駅の名称が決まるまでは、駅が所在する北斗市と函館市の間ですったもんだがあったそうな。よくある話ですね。
在来線ホーム
新函館北斗駅で新幹線を降り、在来線ホームで特急『北斗』を待ちます。
戸惑ったのは、ホーム車両位置が番号ではなくアルファベットで表示されていること。私たちの乗る4号車は『K』で待つようにとアナウンスがあります。いろいろな車両構成があるからでしょうが、かなりわかりにくいですね。
森駅
特急北斗は大沼を抜け、北海道駒ヶ岳の麓を通り、森駅からは内浦湾の海沿いをひた走ります。写真は森駅。1両の列車がとまっているその向こうはすぐ海で、防波堤にはたくさんのカモメが休んでいました。
内浦湾は三方を陸地に囲まれた丸い湾で、別名『噴火湾』。カルデラに海水が進入してできたと考えられているそうです。
特急デッキの荷物置き場
1時間ほどで長万部駅に到着。私たちはここでまた乗り換えて内陸のニセコへ。北海道に上陸してからも結構時間がかかります。さすが北海道は広いね~
狭い車両の通路をゴロゴロ運んで最後部座席の後ろに自転車を置きましたが、降りる時になってデッキ部分に大きな荷物置き場があるのに気がつきました。これもさすが北海道かな。
田んぼの景色
長万部駅で2両編成のローカル線に乗り換え。すぐに周囲は丘に挟まれた景色となり、平地には田んぼが広がっています。
ゴトゴトとのんびり列車に揺られること1時間少々。
小樽行きのローカル列車
ようやく目的地のニセコ駅に到着しました。着いた時には雨も上がり、いいタイミングです。
この列車はここからさらに北上し、小樽まで向かいます。
ニセコ駅
フェリーで苫小牧港、そこから車でやってきたレイナとレイは先にコテージに到着し、チェックインと買い物を済ませて駅に迎えに来てくれました。4人が無事合流です。
ニセコ駅の駅舎は“山小屋風”。1988年のリニューアルだそうです。1904年の駅開業時は『真狩』駅、1906年に『狩太』駅と改称し、1968年には現在の『ニセコ』駅となりました。国鉄駅で最初のカタカナ駅名だったそうです。
厨房に立つレイ
時刻はもう18時。今日はコテージに引き上げて夕食にしましょう。コテージは2階建のテラスハウス。1階が寝室、2階がLDKになっており、2階のテラスでも食事が楽しめます。
初日に腕を振るったのはレイ。学生の頃は『焼きそば』で名を馳せたらしい。慣れた手つきでキャベツを炒め始めます。
焼きそば完成
焼きそばが完成しました。美味しそう!
コテージで最初の晩餐
というわけで、最初の晩餐が始まりました。カンパ~イ!
4人で過ごすニセコの2週間、どんな夏休みになるのか楽しみです。
テラスのレイ
朝は雨。テラスに出ると、気温は20°C少々と涼しい。北海道まで来た甲斐があったというものです。
テラスからレイの背後の方向に本来なら『蝦夷富士』と呼ばれる羊蹄山が見えるはずですが、どんよりした雲に隠れて全く姿は見えません。
オオイタドリ
雨が小止みになったので、コテージ周辺の散策に出かけます。
ところで、我がコテージの背後や道の周辺を埋め尽くすこの大きな植物は何かわかりますか? これは『オオイタドリ』。タデ科の多年草で、日本全土で見られる『イタドリ』と似ていますが、高さ2~4mにもなる『オオイタドリ』は北海道や本州北部に生息。道端にボサボサと生えていますが、漢方薬などにも使われるそうです。
Yotei Townhouse
今日はずっと曇り空か小雨のようなので、隣町の倶知安へ車で買い出しに出かけることにしました。
写真は私たちの泊まっているコテージ “Yotei Townhouse”。4つの独立した住戸が連なっているテラスハウスです。
二世古酒造
倶知安までは11kmほど。倶知安駅にある観光案内所で観光情報を仕入れたら、まずは駅のすぐ近くの二世古酒造へ。
大正5年創業というこの酒蔵、大きな切妻屋根の建物の真ん中が入口です。入ると右側は事務所、左の棚には酒瓶がずらりと並んでいます。
試飲するサイダーとサリーナ
『試飲しますか?』とおかみさんが声をかけてくれたので『ハイ!』と答えると、猪口を出してくれて『この冷蔵庫からどれでも好きなのを出して飲んでいいですから』と。なんと自由な。。ありがとうございます。
いろいろ試させていただき、『二世古 純米吟醸』の一升瓶を購入。運転手のレイくん、スマン。
スーパーで買い物
続いてスーパーマーケットへ。野菜や肉、魚、調味料など基本食材を購入。でも、どれもお値段はちょっと高めですね。北海道価格ということか?
ともかくいろいろ購入し、今日のお昼用には海鮮BBQの材料を買い揃えます。
テラスでBBQ!
コテージに戻り、早速テラスで海鮮BBQ!
レイナとレイが車に積んできてくれたホットプレートが大活躍です。いっただっきま~す。
動画(00'05)
ホタテ
先ずは大きなホタテ。北海道に来た~、という気分が盛り上がりますね。
柔らかくて旨味たっぷり!
赤エビ
次は赤い大きなエビ。さらにバイ貝や野菜もバンバン焼いて、涼しいテラスでBBQを堪能しました。
ニセコ中央倉庫群
満腹でしばし休憩した後の夕方、向かったのはニセコ駅の近くにある『ニセコ中央倉庫群』です。
大正から昭和にかけて、ニセコ駅周辺には羊蹄山麓の農産物の集積場として石造倉庫やでんぷん工場などが立ち並んでいたとか。近年まで残っていた倉庫群は農協が使っていましたが、2009年頃に倉庫の新築・移転計画が持ち上がり、ニセコ町では住民の意見を聞きながらこれらの貴重な産業遺構の活用方法を検討したそうです。
そして、民間事業者から再利用の希望があった建物は活用してもらい、他の利用可能な建物については町が歴史的な建物の雰囲気を残しつつ改修し、2016年に“産業遺産を活用した交流空間”としてオープン。昭和6年に建てられた石造の倉庫はイベントスペースに、昭和32年に建てられた旧でんぷん工場は無料で使えるコミュニティスペースになっています。
旧でんぷん工場
訪れたのは旧でんぷん工場。広い空間に机とイス、そしてキッズスペースもあります。
ここに来たのは、ニセコ町がこの7~9月の間募集している『ニセコ町おためしワーケーション』にエントリーするためです。ニセコ町で実際にワーケーションを行い、その後アンケートに答えるというもので、ここで内容の説明を受けます。参加の特典として温泉チケット『湯めぐりパス』や体験クーポンなどをいただきました。
綺羅乃湯
それではさっそく、と『湯めぐりパス』を使って駅前にある温泉施設『綺羅乃湯(きらのゆ)』へ。
ちょっとぬるっとした弱アルカリ性の温泉で汗を流してさっぱり。
夕食の始まり
そして、晩ごはんの時間がやってきた。
最近料理にハマっているサイダーがシェフ担当。まずホットプレートでズッキーニを焼く。実はコテージ備え付けのIH調理器は使ったことがないので、『こっちがいいや~』
タコのカルパッチョ
続いて、薄切りにしたタコをカルパッチョ風に。
『バジルやバルサミコも欲しかったなあ。。』と次の買い物プランを思い描くサイダーでした。
パスタ
最後はパスタ。イカとアスパラガスをフレッシュトマトで。
どれも美味しかったです。ごちそうさま!
レイナとウクレレ
夕餉を彩る音楽担当はレイナ。最近習い始めたというウクレレをしみじみ聴かせてくれます。
ウクレレの調べに乗って、ニセコ2日目終了。
ニセコビュープラザ
今日も空はどんより曇っています。お日様はどこへ行ったのか? こうなったら今日も買い出し。まず、昨日『おためしワーケーション』のスタッフに聞いた情報で、道の駅『ニセコビュープラザ』の農産物直売所にやってきました。
右手のテントには野菜がわんさか積まれ、『100円』『150円』といった値札が並ぶ。建物内でも農家さんごとの棚に元気そうな野菜が所狭しと並べられています。4人で夢中になって、トマト、キュウリ、ピーマン、パプリカ、アスパラ、バジルなどを買い揃えました。
さらに、真ん中の黒い筒のようなスペースは『情報プラザ』。ここでは特産品の販売を行っており、地域の工房でつくられたパンやチーズをゲット。大収穫でした。
サイダーシェフ
いったんコテージに戻ったら、昼のシェフもサイダー。
『じゃあ、昼は肉だ!』と漬け込んでいたスペアリブをオーブンへ。いつの間に準備していたのか?
焼き野菜サラダ
前菜は、直売所で買ってきた採れたて野菜を使った焼き野菜サラダ。うまし~
スペアリブ焼き
そして、スペアリブ焼きの完成。タレに漬け込みバジルも散らしてじっくり焼いて、柔らかくてジューシイ! ワインと共に最高です。
午後も運転手のレイくん、スマン。
車で魚の買い出し
さて、その午後。ニセコ町や倶知安町の周辺は、スーパーに押されたのか魚屋がほとんど見当たりません。『やっぱり魚は海辺だよね~』と、魚を求めて海まで足を伸ばすことにしました。
レイの運転で、40kmほどの道のりを尻別川の河口へ。丘の間を流れる尻別川に沿って、林や田んぼが続く景色の中を海を目指して走ります。
永澤商店
尻別川の河口に到着。ここは、ニセコ町に隣接する蘭越町の北西端。あたりは海辺を走る国道沿いに小さな道の駅があるだけの淋しげなところですが、そこに現れたのは水色の壁に大きなイカと魚が踊る看板。ここが魚屋さん、永澤商店です。
ではさっそくお店に入ってみましょう。
貝の水槽
お目当て発見。水槽にいろいろな種類の貝がいました。ホッキ貝、ホタテ、牡蠣、つぶ貝。
初めてみる『白貝』という二枚貝は本当に真っ白。
ショーケースの魚たち
そして冷蔵ショーケースには新鮮な魚たちが並ぶ。
『これ、おっきくてうまそう~』と興奮のサイダー。
ショーケースの魚たち(大)
大型の魚はシイラ、下はブリの子どもかな? 真ん中のシイラ、これで800円ってどうです!
おでこの出た特徴のある顔のシイラは、ハワイあたりでは『マヒマヒ』と呼ばれ、よく食べられている人気の魚です。暖かい海域に生息していますが、北海道でも最近増えてきたようです。
ショーケースの魚たち(中小)
こちらは小~中型の魚。カレイはわかるけど他は何だろう?
お店の方にうかがうと、黒いのはハッカク(トクビレ)、赤いのはアカソイ(カサゴ)とのこと。ハッカクはゴツゴツした体に大きな変わったヒレがある魚ですが、ヒレはトゲトゲがあるので切ってあります。アカソイは煮付けなどで美味しそう。
白貝を取り出す
いろいろと迷った末に、貝2種とアカソイ、そしてお刺身用にシイラのサクを買うことにしました。
貝は美味しそうなのを選んでもらいます。
魚の下処理
そして、アカソイはご主人が下処理をしてくださいました。
台風が近づいていることもあって、魚介があまり入らないとお店の方はおっしゃっていましたが、ともかく大収穫!
日本海と積丹半島
ここまで来たので日本海を見なくては、と河口の先端へ。地図では岬の岩に『寝そべる龍頭』と名前が付けられていますが、道路は行き止まりになっていてそこまでは行けず。
道路から日本海の景色を眺めると、北の方に積丹半島が突き出ているのが見えます。
ツリガネニンジン
あたりには、薄紫色のツリガネニンジンがたくさん咲いていました。
花が釣鐘型、そして根や葉がチョウセンニンジンに似ていることから名前が付けられたとか。
本日の獲物
車はビューンとコテージに戻ります。これが本日の獲物だ!
左は牡蠣、右は上からシイラのサク、アカソイ、白貝。
サイダーと牡蠣
本日の海鮮晩餐の始まり。
牡蠣を開けたら、レモンを絞るだけ。レイとレイナ、サイダーはそのままジュルッ、うまい~
白貝の酒蒸し
サリーナは白貝の酒蒸し。味がしっかりして弾力のある噛み応え。初めて食べましたが、なかなか美味です。
もちろんここは地元の日本酒『二世古』がベストマッチ。
刺身を準備するサイダー
そして主役、シイラの刺身の登場。『シーラカンス?』とおっかなびっくりなレイナでしたが、『マヒマヒ』と聞いて『ハワイで食べたことある~』。
シイラの刺身
見よ、このゴージャスな厚切りシイラの刺身! 文句なくウマイ(TOP写真も)。これでまだサクの半分です。今宵は新鮮な魚介で大満足。
それにしても、うまいもの飲み食い三昧の2日間で摂取カロリー過多。明日はどうなる?