プロローグ ヒロ散策
ヒロ湾
ダイナツから一本の電話。『ねえねえ、オスカルたちとハワイに行くんだけれど、いっしょに行かない?』 ということで、日本が梅雨入りした直後にハワイへGo!
ハワイってワイキキ・ビーチのあるオアフ島だとばかり思っていたらそうではなく、ビッグ・アイランドと呼ばれるハワイ島だって。 ハワイ島は四国の半分ほどの大きさでハワイ諸島最大の島。 ここにはすばらしいビーチはもちろん、キラウェア火山や4000m峰のマウナケアなど、見どころがたくさんあります。
このハワイ島を自転車で一周することにし、ダイナツやオスカルらとは途中で合流することにしました。
豪華客船と湾で遊ぶ子供たち
オアフ島のホノルルを経由して辿り着いたのはハワイ島のヒロです。 ヒロはホノルルに次ぎハワイで二番目、ビッグ・アイランドでは最大の町で、島の東側にありとても雨が多いところとして知られています。
ハワイで雨が多いってほんと? と思いましたが、この島は東西でまったく気候が異なり、西海岸はあの私たちがイメージするビーチリゾートそのもののカラッとしていていつも青空が広がるそれなのですが、逆に東海岸には太平洋からの湿った風が島の中央部に聳える二つの4000m峰マウナケアとマウナロアにぶつかり、多量の雨を降らせるのだそうです。
バニヤンという名の木
6月はそのヒロでもっとも降水量の少ない月です。 私たちの到着日は運良く晴れ。 とりあえずぶらぶらとダウンタウンまで散策しようと、うきうきと出かけました。
ヒロ湾に突き出たワイアケア半島の付け根にあるホテルからバニヤン・ドライブを行くと、まず小さな入り江が現れます。 子供たちは海に飛び込んだり、陸で遊んだりと忙しく動き回り、湾の先のクルーズ船のターミナルには超大型の豪華客船が停泊しています。 ちょうどこの客船は、ボ~~という汽笛を上げて出航しました。
この道の名になっているバニヤンってなにかな、と思ったら樹木の名だそうです。 枝から木の根?が生え、それが地面にくっついてどんどん増殖し、一本の木がものすごい数の幹の塊のようになってゆきます。 この道にはバニヤンが街路樹として植えられていました。
リリウオカラニ公園
バニヤン・ドライブをぐるっと廻ると、ちょっと日本的なところのある静かなリリウオカラニ公園に出ました。 リリウオカラニはハワイがアメリカに併合されたときの女王の名で、この公園には彼女の名が冠されています。
ダウンタウン付近の海
リリウオカラニ公園から湾を西へ進みベイ・フロント・ビーチ・パークを行けば、湾にはアウトリガー付きのカヤックがたくさん出ています。 どうやらレースの練習のようです。 水平線には先ほど出航した豪華客船が浮かんでいます。
ヒロの街
ヒロのダウンタウンはとても小さく、せいぜい500m四方ほどしかありません。 かつて数度の津波に襲われたここはそのたびに再建されたものの、徐々に居住地を山側に移して行き、現在の姿になったそうです。 ホノルルに次ぐハワイ第二の都市とはとても思えない、ほんとうにこじんまりしたエリアに主要な建物が、それもほとんどが二階建てで建ち並んでいます。
1920~1930年代の小規模な建物が並ぶこのエリアはレトロというか、ちょっとなつかしい感じがします。
ロコモコ
ハワイはアメリカですが、本土からは遥か離れた太平洋の中にある島で、驚くことに人口の1/4は日系人だそうです。 そんなわけでここの食文化はアメリカ本土のものとはずいぶん異なります。 かつてはタロイモが主食だったようですが、最近は米が主役になっているようです。 たいてのものの付け合わせには『ごはん』が盛られます。 これは日本から移り住んだ人々の影響が大きいのでしょう。 そしてとにかく食のすべてに日本の影響が見られるといってもいいほど、ここには私たちになじみの味があります。
さてと、アメリカのハンバーグとこれはどこにでもある目玉焼きを重ねて『ごはん』に乗せ、その上からグレイビーソースを掛けるという、学生時代にならだれでもやったことがありそうな料理がロコモコ。
もちろん味は学生時代ならOKかも、と思わせるものです。 どうしてこんなのが食堂のメニューに載るのちょっと不思議なのですが、一応現代のハワイ料理だって。
サイミン
ラーメンはたいての日本人が好きな食べ物だと思います。 サイミンはてっとり早く言えばそのラーメンですが、スープが海鮮だし系和風味、醤油系の薄めの味付けで砂糖の味なのかほんのり甘い。 ここのには具にトーフが入っているのが日本のそれとはずいぶん違う。 全体にぬるい感じで、ラーメンとはだいぶ感覚が違う。 関西のそばつゆに昔風のあまり歯ごたえのない中華そばの麺を入れたみたいかな。
サシミとスシ
ハワイは魚が豊富です。 そこに日本文化が混じったので、刺身と寿司は必然だったのでしょう。
赤いのはアヒ(キハダマグロ)でサーモンピンクはそのサーモン。 寿司は日本とまったく同じ江戸前のにぎりと巻き寿司がありますが、ノリを内側、酢飯を外側にした逆巻きにはアボガドやマカダミアナッツといった、ご当地のものを使ったオリジナルが多いようです。 ガリとワサビは日本のそれらとまったく同じでした。 このほか、魚料理では日本のヅケ(漬け)のようなポキがおいしい。
たいていの料理はアメリカ本土の影響でかボリュームたっぷりなのですが、サシミとスシは日本のものとほぼ同量。 アメリカ人なら二人前食べてもまだ足りないかも。
夜ホテルに帰るころ、闇の中から虫の声とも鳥の声ともつかぬ妙な鳴き声が。 ウッピイー、ウッピー、ウッピーととてもやかましい。 日本の田舎のカエルの大合唱のごときだ。 どうやら緑色のイモリ、ゲッコーの鳴き声らしい。
第1ステージ Hilo~Honokaa
池の鯉
一夜明け、ヒロからホノカアへ向けて出発の朝、空は雲で覆われているものの所々から薄日が射しています。 どうやら雨は免れたよう。
ホテルの窓からヒロ湾を眺め、真下にある池を見下ろせばそこには錦鯉が泳いでいます。 日本趣味は食ばかりではなく、こんなところにもありました。
ヒロ湾を行く
私たちのホテルはワイアケア半島の東の付け根にありますが、まずそこから半島の反対側、西の付け根にあるSUISANという名のフィッシュ・マーケットに向かいました。
フィッシュ・マーケットのマグロ
SUISANは水産のことだと思います。 おそらく島に渡ってきた日本人が始めたものでしょう。 湾に面したところに思ったよりずっと小さな建物がありました。
道路に面して魚介の小売りの店があり、屋根だけのオープン・エアのゾーンが荷揚げやセリをするところのようです。 まだ時間が早いのかセリはやっていませんでしたが、大きなマグロがちょうどトラックから下ろされたところでした。
ヒロの街とマウナケア
SUISANをしばらく眺めたあと、ヒロのダウンタウンへ向かいました。
ハワイ島には4000m超えの二つの山、マウナケアとマウナロアがあります。 島はこの二つの山から出来ているといってもいいほどで、たいていのところからこれらの山が見えます。 ヒロの街の背後に見えるのはハワイの最高峰マウナケアで、山頂には日本のすばる望遠鏡を始めとし、世界の名だたる望遠鏡が並んでいます。
マウナケアをうっとり眺めている間もなく、いきなりサイダーがパンク。 ここの路肩にはガラス片をはじめ、ありとあらゆるものが落ちているのです。 こりゃあ注意しなくっちゃ。
ファーマーズ・マーケット
ヒロのダウンタウンの東の端には、水曜日と土曜日に大規模なファーマーズ・マーケットが開かれる一画があります。 この日は運良くその水曜日。
マーケットは露天なのかと思っていたらそうではなく、仮設的ながらも大きなテントの下で行われていました。 道を隔てて二つのゾーンに別れ、海側から見て左手には彫刻や織物といった主に土産物用の店が、右手には生花や果物、その他の食品などの店が並んでいます。
ファーマーズ・マーケットの看板とサリーナ
右手のゾーンの入口にはかわいらしいマーケットの看板が出ていました。 このマーケット、大規模なのは水曜日と土曜日ですが、それ以外の日にも規模は小さいもののやられているようです。
花屋さん
入口を飾るのは華やかな花屋さん。 並んでいるのはトロピカルな見たことのない真っ赤な花。
レモネードとお弁当やさん
こちらはお弁当やさんで、焼そばや炒め物などがパックに入れられて売られています。 フレッシュ・レモネードとあったのでそれを一杯。 ん~、ほんのり甘く酸っぱくておいしい!
果物やさん
トロピカルな果物もたくさん売られています。 なんとパパイヤは6個で1$。 6個も食べられないので少しにしてと言ったら3個50セントで分けてくれました。
ムスビ
今朝は朝食抜きで出かけてきたのでここで朝食をと思い、目に付いたのがこちら、手前に写っているムスビというやつ。 まあ日本のおむすびなのですが、でかい! 日本のやつの倍くらいの大きさで四角っぽく、中にスパムという豚肉を加工したハワイの大人気商品が入っていたり、上に照り焼きチキンが乗っていたり。 それをノリで包んでいます。
ハワイ・ベルト・ロードを行く
ムスビで朝食を済ませ、昼食用のサンドイッチを仕入れてヒロの街を出ます。 ヒロからホノカアまでの間にはホノムを除いて街がなく、昼食はお弁当にしたのです。
ホノカアまではハワイ・ベルト・ロード一本で行けます。 この道は幹線で二車線だけしかありませんが、路肩が広くそこそこ安心して走れます。
南国の花々が咲き乱れる
ヒロを出ると右手に太平洋、左手は山、正面に道。 これ以外はまったくなくなります。 ほんの時々民家がポツポツと現れるだけです。 そんな道端には南国特有の花、ブーゲンビリアや名のわからない花々が咲き乱れています。
小さな入り江
島の東側は雨が多く、川がたくさん流れています。 その川が太平洋に注ぐところは大抵小さな入り江になっていて、付近は公園になっていたり人々の遊び場になっていたりします。
橋を渡る
川に橋が架かっているのは当たり前です。 この橋は海の近く、道路をまっすぐ行ったところに架かっています。 当たり前です。 ところが、ここハワイ島ではこれが当たり前でないことがもうすぐわかるのです。
4マイル・シーニック・ドライブに入る
ハワイ・ベルト・ロードはそう不快な道ではないものの、幹線だけあり大型トレーラーが脇をビューッとすり抜けて行くこともあります。 できるなら脇道を行きたいな、と思う頃、ヒロから10kmほどのところで『SCENIC ROUTE →』のサインがあったのでその脇道を行くことにしました。
この道に入ったとたんに周囲の風景は一転。 ここはジャングルだ!
4マイル・シーニック・ドライブを行く
ハワイ・ベルト・ロードの道端にもトロピカルな花が咲き、それなりに南国の気分を味わえたのですが、この道はそれとはまるで違います。 明るく開放的なハワイ・ベルト・ロードに対し、こちらは道の両側に鬱蒼とした木々が生え、時に道に陽の光が届かないほど薄暗くなります。
まさにジャングルの中を進んでいる気分です。 すばらしい!!
オノメア・トレイルの入口付近
そんなジャングルを抜け、空が明るくなると海岸に出たようです。 右手には素晴らしい景色が広がります。(TOP写真参照)
すぐ先に小さな標識がありオノメア・トレイルとあります。 海岸まで続く短いトレイルがあるようなので行ってみることにしました。
オノメア・トレイルを行く
一間ほどのこのトレイルは舗装されており、歩くのにはまったく問題ありません。 ゆっくり下る道を進むと、再びジャングルに。 道の脇にはフェンスが張られ、Hawaii Tropical Botanical Gardenの表示があります。 どうやらこのトレイルに接して植物園があるようです。
オノメア・トレイル終点
数分ジャングルの中を進むと静かな川に出ました。 誰もいないここは本当に幻想的な風景です。 川の先にはとんがった小島が二つ浮かぶ海が、熱帯樹の向こうに見えます。
スムージーを試す
トレイルを戻り、シーニック・ドライブを先へと進みます。 ジャングルジャングルしているのはオノメア・トレイルあたりまでで、その先は視界が開け気分のいいカントリーロードが続きます。
道端に突然現れた店に入りました。 今日のコース上にはほとんど店がないので、ここでちょっと休憩です。 テラスだけのこの店の売りはスムージーというものだそうで、それを試してみました。
スムージーはマックシェイクのようなものですが、様々な味付けがあり、頼んだのはグァバ、バナナ、パパイヤ、ストロベリー、アップルジュースの入ったもの。 冷たくて複雑な味。 おいしい!
再びベルト・ロード
スムージーで体を冷やしたあとは、ハワイ・ベルト・ロードに戻ります。 空には青空が見え出し、行く手には少しくすんだ色の太平洋が現れます。 気分爽快でドンドコ。
そのうち左ホノムの標識が現れます。 ホノムの山側4kmほどのところにはこのあたりの最大の見どころ、アカカ滝があるのですが、行けば往復10kmはともかく、かなりの上りをこなさなければならないので、やむなく断念。 ハワイ島は海からすぐにマウナケアやマウナロアの山頂に向かって、急激な斜面が続くのです。 アカカ滝は標高450mほどのところにあるのです。
ハカラウ付近の谷の景色
いくつかの川を越えて行き、とある川の流れる谷の上に差し掛かりました。 谷の斜面はびっしりと南国の樹木で覆われ、谷底には赤い花付けた木がたくさん。 このあたりにはこんな谷がいくつもあります。
World Botanical Gardensの前を行くサリーナ
この谷を過ぎると『←World Botanical Gardens、Umauma Falls』の標識。 まあちょっと覗いて見ようとベルト・ロードを離れ内陸へと進みます。 植物園はひっそりとしていて入ればそれなりに面白かったかもしれませんが、今一つ乗り気がせず、パス。
この下にウマウマ滝がある?
道の先に滝があるのだろうと川まで進むも、見えたのはこんな小さな流れだけ。 おかしいな~、とガイドブックを見ると、滝を間近で見るには植物園に入るしかなさそう。 戻るのも面倒なので、ウマウマ滝もパスしてしまいましたが、この滝は三段になったきれいな滝だそうです。
どうやら今日は滝に縁がなさそう。。
Old Mamalahoa Hwyからの景色
川の先にも道は続いていたので、このままこの道を進むことにしました。 オールド・ママラホア・ハイウェイというのがこの道の名ですが、この名はどういう訳かそこいら中にあります。 先ほど通った4マイル・シーニック・ドライブにも同じ名が付いています。 こちらは4マイル・シーニック・ドライブのような鬱蒼としたジャングルはほんの一部だけで、明るいのどかなカントリー・ロードといった雰囲気。
オールド・ママラホア・ハイウェイという名の道はハワイ・ベルト・ロードが出来る前に使われた主要道か、鉄道の廃線跡といったところでしょうか。
さとうきび畑の中を行く
ハワイ島は先に述べたように山に向かって急斜面となっているので、内陸側の道ほど高いところを通り、眺めが良くなります。
右手遠方に太平洋を望みながら進むと、ボサボサとした薮のようなものの間を通るようになります。 どうやらこれはさとうきびのようです。 かつてこのハマクア・コーストはさとうきびの産地として有名だったので、その名残りでしょう。
写真の左から右に上がる地面の角度がわかるでしょうか? この角度が海からマウナケア山頂へ向かう勾配です。
Waikaumalo Park?
お昼少し前に『Waikaumalo Park』の看板が掛かる小さな橋にやってきました。 公園っていったいどこが公園なのかな? と見回すと、山側にオープンエアの建物が建っています。 近づいてみるとBBQの炉があり、テーブルとベンチがあります。 お弁当を食べるのにちょうどよかったのでここでお昼です。
鬱蒼とした森の手前に小川が流れ、時々赤いカーディナルと呼ばれる鳥がやってきます。 この鳥は1900年代の始め頃、アメリカ本土から連れてこられたものだそうです。
ところで公園はどこ? と探すも、この小屋で奥は行き止まり。 どこにも公園に入る入口らしきものは見当たりません。 どうやら公園はこの先の道から少し入ったところだったようです。
橋の架からない河口
公園が見つからなかったので、昼食後すぐにBBQ小屋を出発。 再びハワイ・ベルト・ロードに戻りどんどこ行きます。 道は海岸沿いをまっすぐ行きますが、時折大きくカーブして内陸に向かうことがあります。 そしてこの内陸に向かう時は必ず下りになります。 そこにはいつでも川があるのです。
道を作った当時のこの地の土木技術では、大きな河口に橋が架けられなかったので、内陸の川幅が狭いところまで道路を迂回させ、そこに短い橋を架けたのだろうと思います。 ということで、ちょっとした川が現れるたびにこちらはエンヤコラ~、と上らなければなりません。 地図で道路がUの字を描いているところがそうですよ。
Train Museum 道路から一段上がったところはプラットフォーム
ハワイ・ベルト・ロードには相変わらずお店はなく、休憩できそうなところは見当たりません。 薄曇りとはいえ、日の光の下はやはり暑く、木陰を求めるもそれさえありません。
ラウパホエホエに入ると列車博物館というのが道端に現れました。 民家ほどの小さな建物ですが、飲み物くらいあるだろうと寄ってみました。 入口を入るなり案内の女性が、
『あら、あなたたち自転車? 喉乾いたでしょう、お水あげる?』と、とても親切です。 お水より冷たい飲み物ありませんかと聞くと、ジュースがあるというのでそれを頂きました。
ハマクア・コーストの民家と海岸
Train Museumの外にはずいぶん古そうな列車が展示されています。 しかし列車博物館って、この島に列車は走っていないよな、と思いつつ館内を巡ります。 展示物とビデオ、そして係の人の説明で分かったののは、まだ車が発達していなかったその昔、このあたりにはサトウキビ運搬用の鉄道があったということです。 どこをどう走っていたのかはわかりませんが、断崖絶壁にまるで余部鉄橋がごとき高い鉄橋が架けられているのにはびっくり。
薮かサトウキビか?
この鉄橋の技術があるのなら河口にも橋が架けられるだろうに、と思いつつ列車博物館の先でも例の川のところでアヘアを二度繰り返します。 この二度目の川を超えたところからはちょっとした上りが続くようになります。
高度が上がって、海はよく見えるようになりますが…
お疲れサリーナが行く
平均では4~5%だと思いますが、時折7~8%となりのろのろ。 この坂は6kmほど続き、アヒアヒ。 暑く苦しい。
『疲れた~、休憩しよ~』 とサリーナが叫ぶ。
『もうすぐドライブインがあるみたいだからそこまで行ってみよう!』 とサイダー。
しかし、行けども行けどもそのドライブインは現れませんでした。 もうこのままホノカアまで行くしかないかと諦めかけた頃、ようやく一軒の雑貨屋が現れました。 冷たい飲物を買い、喉を潤します。
なにもない風景が続く
一息付いたのでちょっと元気回復です。 しかし先に見えるのは雲、水平線、太平洋、そして牧草なのかただの草なのかわからない緑だけです。 あとはただ自分が走っているアスファルトの道だけ。
ホノカアまであと5kmのところでまたまた上りです。 えっさ、えっさと上り、カーブを曲がると、その先には勾配を増し上へと続く道がありました。 ここで、も~ダメ~。。
しばし道端にころがり最後の休憩です。
ホノカア
いざ激坂上ってホノカアへ、とペダルを漕ぎ始めるとすぐに、『右ホノカア』の標識。
ありゃ、ホノカアは激坂の方じゃあなかった。 こうしてハワイ・ベルト・ロードからワイピオ・ロードに入ると間もなく建物が二つ三つと現れました。 ホノカア到着です。
ホノカア・ピープルズ・シアター
ホノカアは人口2000人ほどの小さな村。 村でただ一軒の宿、とてもフレンドリーなスタッフのいるホノカア・クラブに荷を解いたあと、街の散歩です。
中心部はせいぜい500mほどしかなく、建物もびっしりではなくスカスカに建っています。 その中に銀行、スーパー、そして劇場まであるからちょっとびっくり。
シンプレックス社の映写機
建物はいずれもちょっとレトロで、1900年代前半のものが多いようです。 現役の劇場ホノカア・ピープルズ・シアターは1930年創業だそうで、ロビーにはニュー・シネマ・パラダイスに出てきたシンプレックス社の映写機が展示されています。
ホノカア・クラブのアニェルさんに聞くまで知りませんでしたが、ホノカアとこの劇場は吉田玲雄著『ホノカアボーイ』で日本では知られているそうです。
ポップコーン・マシンのあるロビー
劇場が開く少し前に外から中を覗いていると、受付の方が入って見ていいよ、というので入らせてもらいました。 劇場の中もどうぞというのでそちらも。 劇場内部は外見から想像するよりずっと大きく500席くらいありそうです。 座席はなんと創業当時のものだそうで、いい感じ。
ロビーのカフェコーナーにはなんとポップコーン・マシン!
1950年にはここで当時13歳だった美空ひばりのコンサートがあったという!!
ホノカアの夕暮れ
カフェ・イル・モンドに夕食に入りサラダとピザを注文、そして飲物を注文しようとすると、アルコールは置いていないので買ったものを持ち込んでもいいという。 今回の旅ではこういうケースが何度かありました。 ハワイの人々はあまりお酒を飲まない?
夕暮れの通りの向こうにあるのがカネシロ・スーパーで、ここがほぼ街の外れ。 ビールにワイン、なんでも揃っています。
ヒロからホノカアまでのハワイのこの第1ステージは、暑いことは暑いけれどカンカン照りではなかったので、なんとか走り切ることができました。
明日は日の沈んだあたりにあるワイピオ渓谷へ向かいます。 楽しみ~