Birdyをスーツケースに入れる
Birdyってスーツケースに入る?海外の航空会社の場合、自転車の預託手荷物は有料のことがある。 そこでBirdyをスーツケースに入れ、追加料金なしで運ぼうという計画。
by GEO POTTERING
スーツケースに入ったBirdy
ANAやJALは自転車を無料で運んでくれるが、海外の航空会社の場合は有料のことがあり、片道18,000円、150ユーロ、$200などとかなり高額だ。 ANAやJALでもコードシェア便の場合は運行航空会社の規定が適用されるので、必ずしも無料といえないこともある。
そこで自転車をスーツケースに入れ、追加料金なしで運ぼうという計画。 入れる自転車は1998年製のBD-1で、セキサイダー(リアキャリア)付き。
航空会社の受託手荷物の規定
無料で預けられる手荷物のサイズや重量は航空会社や路線により異なるが、代表的なのは以下の2タイプだと思っていい。
マイナー路線の場合は重量20kg以内であることがある。
BD-1のダンボール箱
手荷物として預けたBirdyを入れた前回使用したダンボール箱は、
- BD-1用 800x630x320(mm) 2.5kg
Bike Fridayのスーツケース
スーツケースに自転車を入れて運ぶシステムを構築しているのはBike Friday。 このケースにBirdyを入れた話は耳にしたことがあるのでたぶん入るのだろう。
オットマッターのBike Fridayのケース
スイスにオットマッターが入れてきたのがこれ。 デルタ航空では無料だったという。
- Samsonite F'Lite GT 31" 787x559x305(mm) 7.1kg
こちらがBike Fridayの現行モデルのよう。 IKDで31,605円。
- Samsonite F'Lite GT Upright 30 762x533x318(mm) 5.56kg
以上の寸法が何を指すのかは不明。
スーツケースに納められそうなサイズ(内法)の検討
BD-1用のダンボール箱を使って、スーツケースに納められそうなサイズを検討する。 できるだけ簡便な方法からより複雑な方法へと順を追う。
■セキサイダー付(ペダルを外す。ハンドルを外しシートポストを抜く)
・710x650x330(mm)
正方形に近く厚みがある。
■上記+前輪を外す
・680x650x300(mm)
より正方形に近づき、厚みはやや減少。
■上記+フォークとハンドルポストを抜く
・680x560x270(mm)
短辺が大幅に縮小し、厚みはさらに減少。
■上記+セキサイダーを外す
・740x530x270(mm)
短辺がさらに縮小し、長辺が拡大。
■フォークとハンドルポストを付けたままに
・740x550x270(mm)
セキサイダーを取り外すならせめてフォークとハンドルポストは抜かないでおきたい。 そこでそれをシュミレーション。 フォークとハンドルポストは抜かないでもなんとかなりそうなサイズになってきた。
市販のスーツケースの選択
・条件1 上記寸法のいずれかに当てはまる
・条件2 7kg以下(厳しい航空会社規定20kg-自転車重量13kg)
・条件3 3辺合計157cm以内
・条件4 安価
条件1にマッチするものは意外に少ないことがわかった。 かろうじて合致しそうなのは前項の最後の2パターン。
条件3はキャスターなどの凸部を含む全体外寸だとかなりむずかしい。 セキサイダーを入れなければ可能性はあるかもしれないが、ケースを分けるのは避けたい。 オットマッターのスイスの例を解釈し、とりあえず箱体で157cm以内を目指すことにする。
これらに合致しそうなものがサムソナイト・ジャパン扱いのアメリカンツーリスターの中にいくつか発見できた。 これらはカタログ落ちの旧製品のようで、TSAロックなし、キャスターのロック機構なし。 以下のサイズはハンドルやキャスターなどの凸部を含む外寸(公表値)で箱体の外寸ではない。
A [エフライト] スピナー82cm
820x570x310(mm) 6.7kg 定価19,800円 →7,350円+送料735円 111L
B [エスティーム ジッパー] スピナー79cm
820x590x320(mm) 5.3kg 定価19,950円→7,350円+送料735円 118L
C [エスティーム フレーム] スピナー83cm
830x610x350(mm) 7.2kg 定価23,100円→10,500円+送料735円 118L
Aはオットマッターが入れていたものに近いと思う。
Bは重量が魅力だがジッパーの耐久性が?
Cは箱はBと同じものだと推測する。フレームタイプとなり構造的には安心で厚みが増したのは有利だが重量は減点。
内寸などの詳細を問い合わせた上で、Bを購入。
TSAロックは鍵を掛けないので必要なし。 ジッパーにはやや不安があるが頻繁に使うわけではないし、それより重量のメリットを取った。 キャスターのロック機構はあったほうがいいが価格に負けた。
アメリカンツーリスター[エスティーム ジッパー] スピナー79cm について
左:BD-1のダンボール箱800x630x320(mm)
右:[エスティーム ジッパー] スピナー79cm
箱体はABS樹脂製でアルミのようにハードではなく、かなりフニャフニャする。 巾、奥行きは若干末広がりになっているが、おおよその実測寸法などは以下。
- 全体外寸 810x590x320(mm) 3辺の合計 172cm
- 箱体外寸 750x560x290(mm) 3辺の合計 160cm
- 箱体内法 740x550x270(mm)
- 重量 5.2kg
商品名の79cmはキャスターを含み箱体上端まで(ハンドルを除く)の寸法のようで、これは31インチに相当するから、Bike Fridayのケースの30や31の表示もおそらくこの寸法だと推測する。
左:BD-1のダンボール箱800x630x320(mm)
右:[エスティーム ジッパー] スピナー79cm
外寸3辺の合計値はUAやデルタの許容値157cm以内を上回っているが、計りようではぎりぎりにもなりそう。 さてお目こぼしにあずかれる範囲かどうか?
寸法的に特記すべきことは、
- キャスターの付け根が箱体内に出っ張っている(4x8cm、4カ所)
- ゴロゴロするときのハンドルシャフトが箱体内に出っ張っている(2.5cm角、2本)
スーツケースにBirdyを入れる
一般的にはセキサイダー、ペダル、シートポスト、そして前輪を外せば入ることがわかった。 以下に手順を整理する。 フラットバーハンドルなら外さなくともよいが、私のはブルホーンなので外さなければ入らない。
1 分解
1-1 セキサイダーを外す
1-2 ペダルを外す(折たたみペダルなら外さなくてもよい)
1-3 ハンドルバーを外す(フラットバーハンドルなら外さなくてもよい)
1-4 シートポストを抜く
1-5 前輪を外す
2 セット(スーツケース外で作業)
2-1 後輪、フォーク、ハンドルポストを折り畳む
2-2 セキサイダーに前輪を載せる
2-3 2-1の後方に2-2を配置
2-4 セキサイダーと前輪を回転させ、シートチューブを挟み込むようにセット
2-1 後輪、フォーク、ハンドルポストを折り畳む
2-2 セキサイダーに前輪を載せる
2-3 本体とセキサイダーのセットを写真のように置く
2-4 セキサイダーと前輪を回転させ、シートチューブを挟み込むようにセット
2-4-2 2-4を上から見たところ
3 格納
3-1 2-4の状態を保持しスーツケースに載せる
3-2 3-1の状態から横にし、ケースに収める
3-3 シートポスト、ハンドルなどを適当な位置に収める
3-4 ペダル、ポンプ、工具類などを小箱等に入れ収める
3-1 2-4の状態を保持しスーツケースに載せる
3-2 3-1の状態から横にし、ケースに収める
3-3 シートポスト、ハンドルなどを適当な位置に収める
3-3 フラットバーハンドルならアシストバーの向きの調整をするだけで収まる
追記
さて、結果は? 無事無料で手荷物として預けることができました。
重量は預ける際に自動的に計られますが、19kgだったので制限内にてクリア。
肝心のサイズについてはどうか? こちらはまったくチェックされませんでした。 見向きもされない、という感じ。 廻りを見れば、これより大きなケースを持った人々がたくさん。(2011-09-18追記)