海藤花の煮付け
マダコの卵巣
マダコの内臓(一番下が卵巣)
蛸壺の中の海藤花/出典:一般社団法人 明石観光協会
材料
- 海藤花(マダコの卵巣) 好きなだけ
- 醤油 1
- みりん 1
- 酒 1
- タコの茹で汁 3 水でもOK
- 生姜 皮付きの薄切り 少々
作り方
- 鍋に醤油、みりん、酒、タコの茹で汁、生姜を入れて煮立てる
- 海藤花を覆っている薄い膜をつまんでハサミで一箇所に切れ目を入れる
- 切れ目を下にし、その反対側をつまんでゆっくり鍋に浸けていく →熱で膜が捲れてくる
- つまんでいる指先まで薄い膜が捲れてきたら指を離し、膜を鍋の中に落とす
- 再沸騰したら弱火にし、アルミホイルで落し蓋をし、海藤花の中心に火が入るまで煮る →煮る時間は海藤花の大きさによる
- 火が入るにしたがい表面の粒々が際立ってくるので、触って崩さないように注意を
- 頃合いを見計らってお玉などでそっと引き上げ、器に盛り、煮汁を掛けて、完成!
備考
- 『海藤花』はマダコの卵を指し、江戸時代に明石藩の儒学者で漢詩人だった者によって名付けられた。タコ壺や岩場に産み付けられたそれが糸を引いて垂れ下がる姿が藤の花に似ていることからとされる。実物は一番下の写真にあるが、『海藤花』とはまさに漢詩人ならではの命名だと思う
- 現地ではこの卵巣またはそれを解いたものは、おすまし、三杯酢、煮付けなどで食べられているようだが一般的ではなく、ほとんど流通していない
- 素干し、または塩漬けにした商品がごくわずかに存在し、現在では『海藤花』と言えばそれらを指すことが多い
- タコの卵を食すものとしては北海道のヤナギダコの卵『たこまんま』が比較的有名だが、これは米粒よりやや大きく、長径5mm、短径3mmほどある。マダコのそれはケシ粒ほどの大きさでヤナギダコのものよりずっと小さい
- この卵が集まった卵巣は魚のそれと同様に薄い膜で覆われている。この膜は意外と丈夫で指では千切れないほど。卵巣の大きさは体重1kgのもので鶏の卵の黄身ほどで、色は白に近い薄いクリーム色。産卵によりこの膜が解け、ケシ粒ほどの大きさの一つ一つの卵が糸状に連なる