アオリイカの刺身
イカの中でも甘みが強くもっとも美味とされるアオリイカを三種類の異なる切り方の刺身でいただきます。切り方の違いによる味の変化を楽しんでください。
上から右回りに、鳴門巻き、糸造り、湯霜造り
アオリイカ
材料
- アオリイカ 1杯
- 焼き海苔 1枚
- つま、けん 適宜
下処理
- アオリイカはよく洗い水気を拭き取る
- エンペラ(耳)を下にして置き、胴の中心線に包丁を入れ、胴を開くようにして軟甲を取り出す
- 胴を開き、内臓の下に指を入れて胴から引き剥がすようにし、反対の手で頭を掴んで、胴から内臓と足を引き剥がす →墨袋を破らないように注意
- 再度全体を水洗いし、ぬめりや汚れを取り覗き、水気を拭き取る
- エンペラを取る:胴身の先端部を持ち、エンペラと胴身の間に親指を入れて滑らすように動かして、それぞれを分けるようにする
- 裏返して胴身の先端部からエンペラと胴身を引き剥がす →この時、外皮もいっしょに剥がすようにする
- 胴身の下側(頭の側)に二箇所ある少し出っ張った軟骨と両側のえりとを取り除く
- 薄皮を乾いた布巾で擦り取る
- 胴身の先端を持ち、縦三枚に柵取りする
- 柵取りした身のそれぞれに、裾(頭が付いていた側)5mmのところに薄皮を残して切れ目を入れる
- 裏返して切れ目部分を手がかりに薄皮を剝ぐ
糸造りの作り方
- 柵を薄い削ぎ切りにする →できるだけ大きい方があとの仕事がしやすくなる
- 削ぎ切りにした身を少し重ねて並べ、5mm幅ほどに切る
鳴門巻きの作り方
- 表身の表面に身厚の3分の1程度まで幅5mmの切れ込みを入れる
- ひっくり返して表身を下にし、身の大きさの焼き海苔を載せる
- 端から巻いてラップに包み、冷蔵庫で冷やす 10分
- 幅1~1.5cmの小口切りにする
湯霜造り作り方
- 表身の表面に格子状の飾り包丁を刻む →刃を少し傾けて刻み幅5mm
- 鍋に湯を沸かし、その中にさっと身をくぐらせ、表面が白くなる程度に湯引きする
- 冷水にとって冷やし、水気を拭き取る
- 好みの形に切る →短冊切り、薄切り、正方形の色紙切りなど
備考
- 『アオリイカ』は漢字では『障泥烏賊』
- 刺身にする場合のコツは、食感の悪い外皮と薄皮をきれい剥がすこと
- 糸造りは三種類の中でもっとも簡単な作り方で、薄く細く切ることで軽い食感が得られ、醤油との絡みもよくなる
- 鳴門巻きは海苔の風味が加わり、切れ目を多く入れることで食べやすくなり、見た目も美しい
- 格子状に切れ目を入れた湯霜造りは、その切り込みが独特の食感をもたらす。熱が入ることで薄皮が食べやすくなるため、下処理段階で表身の薄皮は落とさなくても良い
- 湯霜造りの湯引きをせずハンドトーチバーナーで炙ると焼霜造りになる。これには独特の香ばしさがあり、湯霜造りとはまた別の味わいが楽しめる
GEO POTTERING
uploaded:2023-12-03