成田を出発した飛行機は7時間ほどのフライトの後、16時過ぎにバンコクに到着。そこからバスに乗ったり歩いたり右往左往しつつ、バンコク中心部の東、プラトゥーナムにあるゲストハウスに到着したのは2時間後の18時過ぎでした。
今回はヨッちゃん、ハッちゃんとの女子3人、初めての東南アジアのバックパック旅です。宿に荷物を置いたら、早速晩ごはんへと繰り出します。周辺にはたくさんの屋台が並び、美味しそうな匂いが漂っています。たまらず『ここにしよう!』と屋台の前へ。
注文システムは、『これとこれ』と材料を指差して『パッ』といえば炒め物にしてくれます。肉野菜炒め、スープ、ご飯、シンハビールで『美味しいね~』と笑いあっていたら『あれ?』。突然辛くて辛くて、口の中が大火事! 緑色で小さくて見つけにくい激辛唐辛子『プリック』の洗礼を受けながら、初日の夜は更けていきます。
翌日はゲストハウスのツアーに乗って、バンコク郊外の見どころを巡ります。
水上マーケットは朝が楽しいということで、早起きして朝6時半出発。ミニバスはバンコクからまず南西のサムットサーコーンへ。その海に近い場所には塩田が広がっています。
さらに西へ進みます。到着したのは、ヤシの木の生い茂る場所。その下を運河が流れ、小舟が行き交います。
運河は道路のように縦横に交差して網の目のように続いており、水運が地域の主要な交通手段の一つとなっているようです。
ここは『ココナッツシュガー工場』なのだそうです。
男性が黙々とナタを振るい、ヤシの殻を割って中心部を取り出していました。ここからココナッツジュースを取り出して煮詰めていきます。
周囲にはトタン屋根の家が並んでいますが、こんな建物も。豪邸なのか、あるいはお寺でしょうか。
この建物も含めて1階部分はピロティの高床になっているものがほとんどです。雨の多い時などは運河の水が溢れてくるのかも。
ココナッツシュガー工場の見学を終えたら、すぐ近くのボート乗り場からボートに乗り込みます。いよいよダムナン・サドワックの水上マーケットへと向かいます。
私たちの乗ったボートはプラスチック製の黄色いボートでしたが、地元の人たちが乗っているのはガッチリした感じの木製です。
ボートが進む運河沿いには住宅が並んでいます。
1階部分には籠や甕などが置かれ物置のように使われ、高床の上の2階部分が居室です。家族がくつろいでいる姿も見えます。
運河は生活の中に溶け込んでいて、洗い物をしたり水浴びしたりする人たちもいます。
さて、しばらくすると小舟が集まり賑やかな場所に出てきました。どうやら水上マーケットに到着したようです。
ここダムナン・サドゥワックは、バンコク中心地部にある水上マーケットの観光化が進んでしまい、機能しなくなりつつあるため、文化保存と観光用として新たに開発された水上マーケットなのだそう。麦わら帽子の女性たちが野菜や果物を積んだボートを操っています。
運河自体はラーマ4世の時代(1800年代半ば頃)に造られたのだそうです。
岸につけてあるボートには、葉物野菜、キュウリかゴーヤのような野菜、フキみたいな長い茎の野菜、卵、パイナップルなど、色々なものが積まれています。
その横を観光客を乗せたボートが通り過ぎます。
横の細い水路にも小舟がたくさん行き交っています。
ちょうどその角には、地元の人たち御用達のお菓子や飲み物などを売るお店がありました。
ボートを降りて建物の2階に上がってみると、運河の先の方まで見渡せて楽しい。
ヤシの実を積んだ小舟の先に見えるのは、観光客用の屋根付きボートです。
岸に小舟を泊めて陸の小売人とやりとりする人、ゆったりと小舟を漕ぎながら買い手を探す人。。
この小舟は卵がたくさん、それにザルには魚も乗っています。その横は鶏の丸焼きやエビ、奥のは野菜や果物。
食材だけでなく、調理して販売しているキッチン小舟もあります。
この小舟では、ひき肉や野菜を炒めて入れた卵焼きを岸の食堂に提供していました。ヤシの葉っぱに包んでお持ち帰りもOK。
お腹が空いたので、私たちも小舟から何かを買って朝食にすることにしました。
橋の上から眺めていると、次々と色々なものを積んだ小舟がやってきて飽きることがありません。
荷物をたくさん積んだ大きめの舟が停泊し、小さめの舟がその横につけたのを見ると、小回りのきく小さめの舟が商品を移して運河を売り回っているのかな。
こちらは野菜や魚、調味料などを積んで、調理する舟のようです。お惣菜が美味しそう。
そんな小舟をずっと見つめているのは私たちだけではありませんでした。
陸上にずらりと並んで座っているのは地元の人たちのようですが、何をしているのでしょうか。時々小舟とやりとりをしているので、水上マーケットでの買い物の物色中かな。
ダムナン・サドゥワックの水上マーケットを後に、次にやってきたのはバンコクから西55kmほどのところにある町ナコン・パトム。
この町の歴史は古く、インドシナ半島で最初に仏教が伝来したところだそうで、最初は3世紀に建てられたと言われる巨大な黄金の仏塔プラ・パトム・チェディがあります。町は、7~11世紀にはタイの先住民族モーン族の首都として栄えたそうです。
その仏塔の正面にあるひときわ大きな黄金の立位仏像の台座には、ラーマ6世の遺骨の一部が納められているそうです。
敷地内の一角に人だかりがあったので覗いてみると、きらびやかな衣装の踊り手さんと楽隊が。
そして伝統的な楽器の演奏と共に、踊り手さんのダンスが始まりました。手先や足先の独特の動きが目を引きます。子どもたちも熱心に見つめています。
さて、この世界一大きいと言われる仏塔プラ・パトム・チェディ。大き過ぎて全体像の写真が撮れませんでしたが、この周囲の仏像を横から見た写真でその大きさが少しはイメージできるでしょうか。この曲線が、大きな仏塔の円形の一部。
ところでタイでは仏様のお供えに金箔を貼るので、どの仏像もキラキラと輝いています。こんなに貼ると仏像の元の姿が見えづらいんじゃないかと気になりますが、金箔を貼ると晴れ晴れとした気持ちになるのだそうで、これも伝統風習なんですね。
郊外のツアーを終えて、ミニバスはバンコク中心部へ戻ってきました。
宿に到着したのは午後5時。ここにはバス停があって、たくさんのバスと乗客、さらにキヨスクのような屋台が並んで歩道は溢れかえっていました。
食べ物の屋台の店も、そろそろ夕食の準備を始めています。飲料商品の看板には馴染みのあるものもありますが、タイ語表記は難しい。日本での日本語表記も外国人にとって難しいんでしょうね。
しばらく宿で休んだ後、夜はチャイナタウンへ出かけて豚肉、野菜炒め、鶏スープなど美味しい食事を堪能した私たちでした。
翌日。朝ご飯の後、ゲストハウスをチェックアウトしてバスでタイ・ホテルへ。そこで帰りの飛行機のリコンファームを済ませたら、チャイナタウンの周辺を歩き回ってみることにしました。トゥクトゥクで出発!
どの通りにも、歩道にはパラソルを広げた屋台が溢れています。
飲み物や軽食屋、雑貨屋など小売店が並ぶ歩道にもテーブルとイスが置かれ、お店を冷やかしながら狭い歩道を通り抜けていきます。
ともかく暑いので、街路樹の下は特等席。
まち歩きは楽しいものの、暑い暑い!とたまらず冷房のきいたコーヒーショップに入って昼食です。ご飯と麺の上に、エビや魚などが入ったルーをかけます。うまい!
散策を再開すると、水路に出てきました。水路に沿った通りはテーブルやイスとパラソルで埋め尽くされ、屋台村状態になっています。ワイワイと楽しそう。
しかし、その水路は淀んだドブ川。
水路沿いには簡単な小屋が建てられ、住まいや小さなお店となっています。
そこに板敷でつくられた通路は生活空間そのもの。幼児が遊び、若者がおしゃべり。
そして、家の前では子どもたちがタライで水浴びです。暑いからね、気持ち良さそう~
表通りに戻ってきました。
左のお店は床屋さん、サインポールでわかりますね。この床屋のサインは世界共通なのだそうです。ただし、これは青ではなく緑になっていますが。
さてタイは仏教国、お寺がたくさんあります。私たちは次に、バンコクで最も歴史が古いと言われている『ワット・ポー』を訪ねてみることにしました。
ワット・ポーはチャオプラヤー川の近く、王宮の南にあります。以前からあった寺をラーマ1世が1788年に再建したものだそう。ここには『リクライニング・ブッダ』と呼ばれる巨大な涅槃仏があります。
涅槃仏の写真はありませんが、長さ46mという金色の巨大な涅槃仏には驚かされます。そして、その足の裏、仏足跡が見事です。
広大な敷地にはたくさんの仏塔が建っています。涅槃仏のお堂の横に建つ4つの大きな仏塔には、それぞれラーマ1世から4世までの遺骨が納められているそうです。
敷地内をぐるっと回ってみましょう。
塀で細かく区画され門が設けられていますが、門の両側に門番的な像が立っています。この像は、なぜかシルクハットの西洋人。門の形も洋風ですね。
寺院の建物は伝統的な様式です。傾斜の急な屋根は二重、三重になっているように見え、赤い瓦を黄色と緑の瓦が縁取っていて豪華。
切妻の壁や破風は彩色した木彫りの板で飾られています。
こちらの門の破風は、ひときわ華やかな装飾です。
門の両側を守るのは、伝統的な獅子の像。
そして、周囲には小さめの仏塔がたくさん並んでいます。これらの仏塔には、寄付をすれば誰でも遺骨を納められるのだとか。
そんな仏塔の間を、柿色の僧衣に身を包んだ小さな僧が通り過ぎていきました。
ワット・ポーの敷地の道路を挟んだ南側には、僧たちが暮らす僧坊があります。
ところで、寺院の敷地内を歩いていると色々な石像に出会います。これ、虎ですよね。
そうこうしているうちに、バンコクを離れる時間が近づいてきました。今日はこれから夜行列車でハジャイへと向かいます。
バスでホアラムポーン駅へと急ぎ、列車は16時に発車。バンコク中心部の北側でチャオプラヤー川を渡ります。川に張り出した建物が並び、その多くは崩れ落ちそうに見えますが、住んでいる人はいるのでしょうか。
バンコクを出ると、すぐにヤシの木が茂る田園風景が広がります。田舎道を自転車がのんびり走っています。
喧騒のバンコクを駆け足で巡った私たち。17時間後の明日の朝にはマレー半島中央部にあるハジャイに到着の予定です。