きんちゃく田のコスモス
彼岸も過ぎたころ、『今年ももう秋になったね。そうだ、高麗の曼珠沙華(彼岸花)が満開らしいよ。』
ということで、数年前から見てみたいと思っていた『きんちゃく田』へ行ってみることにしました。
駅を降りるとそこは人の波! 全員が一斉にきんちゃく田へと向かっています。
『ひょえ~。きんちゃく田って観光名所だったんだ!
高麗神社
巾着袋のような形にうねった高麗川の水はすばらしく澄んでいます。その中のコスモス畑の向こうに見えてきた林の足元は真っ赤に火のように燃えていました。曼珠沙華です。早咲きのものはおわり、遅咲きのものが満開です。(TOP写真)
燃え盛る曼珠沙華と人の波を後にし、向かった先は高麗神社。キンモクセイが香る入口の奥になかなか立派な社があり、ジオポタ安全祈願。
カントリーロード
宿谷の滝へ向かう道に入ると、ぼちぼち上りがやってきます。宿谷の滝は水量が多い時期にはなかなか良いようですが、今回は黒山三滝があるのでパスしました。
最初の上りはなんとかこなしたメンバーです。
『この坂はまだ初級だよ~、今日は中級の坂が待っているからね!』 とフェイントを掛けるサイダーです。
秋の野花が咲き競うカントリーロードをのんびり進みます。
小さな田んぼ
『うわぁ~、また坂だ~』 と嘆くのは新人ペタッチ。
しかしこのあたりはまだ4~5%の勾配とあって、みんな元気です。徐々に辺りに山の気配が漂い出します。山あいの小さな田んぼの稲は収穫されたばかりで、逆さに干されています。
小川
道沿いに小川が現れました。どれどれと覗き込むメンバー。
『あれはハヤかな。』 『いやいやあれは…だよ。』
のんびりとした景色なのですが、道はこのあともずっと上りっ放し。
ゴルフ場脇の激坂を上り、豪快に下るとせせらぎの音。大谷木に出ました。静かでいい雰囲気です。
ここから一旦、毛呂へ下って桂木の集落を目指します。
激坂!
再び緩い上りになり、のんびりとした田園風景が山の雰囲気に変わると、ついにやってきました、激坂!
5%、8%、そしてついに12%!
ヘロヘロヘロ、ヨロヨロヨロとがんばってきたメンバーもここで力尽きた。ついに押しが入ります。
山の風景
なんとか上り切ると、辺りはのんびりとした山の風景。一旦緩くなった坂道で気力回復、再たび乗車して先に進むメンバーなのですが…
しかし人生はそんなに甘いものじゃあない! 再び襲ってきた激坂の最大勾配はなんと15%! 乗るより押した方が早いね!(笑)
押しでも辛く、休憩を重ねてやっと頂上の桂木観音に到着です。
杉林の中を行く
観音様で鐘を『ご~~ん』と突き、しばし休憩。
そして、さ~て出発。と思ったら、
『あれ~、道が無いよ~~』 どこを見回しても道はありません。あるのはやっと人が通れるくらいの畑のあぜ道。
『ここ、いっちゃお~!』 と、いつもいい加減なサイダーです。他のメンバーは、『こんなところ、本当に行けるの~??』 とかなり懐疑的。そんな声には耳も貸さずにどんどん進むサイダー。しかし畑の畦はすぐになくなり… ついにはこんなことになってしまうのでした!
女滝
山道突破でなんとか車道に復帰はしたものの、サイダーには非難の嵐が。
『き、今日は山岳コースだから…』 汗!
車道を快調に下ると大満です。お蕎麦で腹ごしらえしたあと、越辺川(おっぺがわ)沿いを進むと黒山三滝。
今日は快晴で暑い暑い。しかしここばかりはひんやりしていてとっても気持ちがいい。枝道をどんどん上ると一番上に男滝と女滝が。少し下の天狗滝では高い位置から落ちる滝とともに、森の中に天井から降り注ぐ陽の光がまるで滝のようです。
押しに入るメンバー
すばらしい黒山三滝で身も心もリフレッシュした私たちを次に待っていたのは、中級山岳コース第2部でした!
三滝から龍穏寺へは越生長沢線を辿ればほんの少しの上りなのですが、我らがサイダーの採ったコースは山越えの道でした。
目の前に現われた激坂を目にしただけで即押しに入るメンバーです。おいおい、ここはまだ平坦だぞ~
ダート
押して、押して、押し上げて、ようやく頂上だと思ったらなんとそこにはダートが待っていました。
『キャー、こんなところ本当に行くの…』 とはダートに激弱なマリー。
『俺のタイヤじゃあ無理だよ!』 とは極細タイヤのルビオ。
『これぞジオポタじゃ~、わっはっはっは~』 とはなんだかよく分からないサイダーでした。
龍穏寺
とにかくなんとかダートの下りをこなし、ほんのちょっと車道を行くと、山の中に佇む山門がすばらしい龍穏寺に到着です。
『やっと着いたぁ~』 と山門前で記念撮影です。
『これでもう、上りもダートも終わりだよね~』 とは上りもダートもだいっ嫌いなレナール。
壁を前にして
しかしジオポタはそんなに甘いもんじゃあないのです。ぐるっとお寺を一回りしたあとは、中級山岳コース第3部のはじまりはじまり!
これを聞いたカビロは急に用事を思い出したらしく、『じゃあ僕はここで…』 とどこかへ消えてゆくのでした。(笑)
お寺を出るといきなり目の前に白っぽいものが… 上を見上げたジオポタ暦半年のマーコン、
『ぎゃっ、か、かべだ~~!』
そうです。壁、そこにはまさにコンクリートの『壁』が立ちはだかっていたのです。上り出す前から戦意喪失のメンバーでした。ここの最大勾配は15%を超えています。そして上った先がまたまたダート! ここで全員、… と沈黙。ようやく下り切ったときにはみんなへろへろ、ヨレヨレ状態でした。
これを見たサイダーは、さすがに第4部に突入するのは無理だと判断したようで(笑)、このあとは越辺川を快調に越生まで下り、お風呂で一日の汗を流すことにしたのです。
『上りは、もうたくさん!』
『ダートも、もうたくさん!!』
『マウンテンバイクで山道サイクリングやってんじゃあないんだからね!!!』
しかしこうした鬱憤も、ゆったり露天風呂に浸かって一日の汗とともに流しておしまい!
◆感想 by マーコン
漫珠沙華ポタに参加して
空気は秋なれど、照り返しの強い暑い高麗駅でした。
何かの催し物会場?
駅前には缶ジュースやおにぎり販売のテントが大賑わいで、駅員さんも拡声器を持って人波の整理に大童でした。
しばらく雑踏と車、車をかき分け、小川のせせらぎをたどると、一面燃える赤! それはまるで木々の足元に敷かれた火毛氈のようでした。
感激、、、、、。
実は今回、中級のポタリングと言う事で、漫珠沙華を見たら帰ってもいいかな~~と内心、恐れておりました。
結果から申し上げますと、確かに中級でありまして、大変な所も多々ありました。けれどもとってもバラエティーに富んだコース企画であり、十二分に楽しむことが出来ました。
峠の上り坂では、上を見ないでひたすら地面をみてペダルをこぐ事、歩く事に専念しましたし、ダートな下り坂では、これは小石にタイヤを取られないように細心の注意が必要でした。
また山の中の細道は根っこや石に注意しました。ーーーさすが、これには閉口していた人もいましたが、私は少々、イェ、少なからずスリルを楽しんでいました。
山懐の空気は何かエネルギーを補給してくれるようでしたし、喘ぎながら登りつめた後、風を切って下る爽快さは最高でしたもの。
透明な越辺川、三滝、自然と同化した龍穏寺と石畳。揺れるコスモス、カンナ、光るススキ、そしていっぱい実った栗林に梅林。失敬した青いみかんの味と共に里山の秋を満喫したポタリングとなりました。
もちろん、蕎麦。気のあった仲間がいるからこその楽しさです。
初めてお会いしたユニークなカビロ、皆様、本当に有難うございました。
サリーナやサイダーのように激坂にも負けない足になればいいのですが、、、
◆感想 by 企て人サイダー
きんちゃく田の曼珠沙華は何年も前から一度訪れてみたいと思っていました。週末ならなんとか間に合いそうだということで緊急企画の発動です。近くには黒山三滝という名勝があるのでそれを取り込み、さらにその近くの龍穏寺が良さそうだとのことで前半のおおよそのルートが出来ました。このあと越生に行ったのでは短かすぎると思い、少々山越えをして東武東上線の小川町駅まで行くコース設定にしてみました。それでも全部で50kmほどです。そこで前半のコースにもちょっとした上りとダートを加えてみることにしました。これでジオポタ・バージョン、中級山岳コースの出来上がり!
きんちゃく田の曼珠沙華は見事でした。しかし人の波もすごかったけれどね。
そのあとの桂木での山道突入のハプニングはちょっとしたものでした。あとで詳しい地図を見ると、観音様まで上るとダメで、少し手前で左折しなければならなかったようです。せっかく激坂を上ったのにね~ でもこれもジオポタ的悦楽の一つ?
黒山三滝もなかなか良かったです。ぽっかり開いた木々の間の天空から日の光りが降り注ぎ、清流に反射していた天狗滝は幻想的でした。まあ、こんな具合に名所巡りはまずまずといったところでしょう。
しかしそのあとの山越えの上りは予想より勾配がきつく、登り切れなかったのは残念ですが、押しても問題のない距離だったので一先ずよしとしましょう。山岳第4部に突入するかどうかはちょっと迷いました。ショートカットの小さな峠越えなら時間的にも問題なさそうですし、時には物凄く苦しい経験をすることが有意義なこともあります。しかし初級者が多かった今回はもう充分でしょう。もっと心の準備が出来たときに、またいつか。