県道241嬬恋応桑線を行く
暑い都心を離れ万座鹿沢口駅にやってきたのは4人。テントを積んだフル装備のフロッグのケロ号に乗るケロガメ、サリーナ、テント購入予定のムカエルと続き、カメラは『なんちゃってキャンプ』派のサイダーです。
さてさて、キャンプとはどんなものなのか。それより前に、このあたりのコースはどんなものなのでしょう?
道端にはひまわり
ただただ都心の熱風から解放されたいと、急遽3日ほど前に発案されたこの企画は、運良くキャンプサイトに空きが見つかった場所、鹿沢高原の休暇村を目指すことになったのです。そんな偶然からコースが決まったので下調べはほとんどなしで適当に走ることになりました。
なんとなくイメージしていたコースは万座鹿沢口から真南に南下しパノラマラインに入るというものですが、先頭サイダーは足の向くまま気の向くまま南東へと向かい出しました。そしたらこの道、最初からかなりの勾配の上りで即アヘアヘモードに。
道端にはひまわりが咲き、なんとコスモスも一緒に咲いていました。いや~、夏と秋が一緒ですね~
浅間山と高原野菜
視界が開けると浅間山でしょうか、残念ながら頂部は雲の中ですがそれらしい山が現れました。畑はきれいに管理され、緑の葉っぱの野菜がビニールの間から芽を出していました。雲が出ていて快晴でないことが幸いしてか、かなり快適な気温です。ここまでやってきた甲斐がありました。
嬬恋応桑線r241がR146と交わる応桑の交差点でコンビニ休憩です。このコース上では北軽井沢を除くとお店がほとんどないので、軽い食事をしました。
ところにより森
交差点を超えると町道になり道幅がやや狭くなりました。道はどおやら森の中に入ったようです。風は涼しく気分は最高なのですが、10%越えの激坂があちこちに現れます。何十mも上ったかと思えば、今度はその上っただけの高度を一気に放出、激坂下りは楽しい! ぐわ~~と下って上った狩宿からは狩宿北軽線に入ります。
浅間隠山の麓を行く
森を抜けると左手に山が現れました。方角からすると浅間隠山のようです。しかしここも上り! えっちらえっちらムカエルが行き、こっちらこっちらとケロガメが続き、おっちらおっちらとサリーナが付いて行きます。
北軽井沢の別荘地
ちょっとヨロヨロしてきたころ、周囲の様子ががらっと変わりました。どうやら北軽井沢の別荘地に入ったようです。きれいに区画された敷地にログハウスなどが建っていました。その間をどんどこどんどこ進み大きなカーブを下ると熊川沿いに出ました。
滝へ向かう?
ホテルの脇をかすめ、またまたアップダウンを繰り返すとようやく 長野原倉渕線に出ました。浅間大滝まで500mの地点です。ここで先頭のサイダー、何を血迷ったか来た道を逆走し、あらぬ方角へと向かって行ったのです。
『サイダー、どこ行くの~』 との問いには答えずただただ突き進むサイダーです。
その森の中のダートの道は徐々に細くなり、アップダウンを繰り返し、そしてついにこんなことになってしまうのでした。もう道とは呼べません。みんなヘロヘロです。ついにサイダーも諦め、来た道を戻って正統なルートで滝へ向かいました。
魚止めの滝
通りから50mほど入ると駐車場があり、そのすぐそばにこの『魚止めの滝』がありました。涼し気でいい感じ。名前のとおりに魚が上れないくらい段々になっていて、そこを糸を引くように流れる水の模様がきれいな滝です。
浅間大滝
魚止めの滝から奥に数分進むと今度は『浅間大滝』。このあたりでは一番大きな滝で落差は15mほどあるそうです。道から近いのに静かで、真っ黒なごつごつした岩肌と逆光の緑の対比が美しい、ひっそりとした滝です。
滝壺にザブンはお決まりサイダーでした。このあとはケロガメもムカエルもサリーナも足だけジャボッ! ひやっとして気持ちいい。
浅間山を背景に
滝でマイナスイオンをたっぷり浴び、ついでに冷たい水も浴びた私たちは気分爽快。青空も見えてきてますますいい気分です。北軽井沢で昼食を済ませた後は一路キャンプ場へと向かいます。
北軽井沢から大笹までのr235はちょっと車が多いので注意が必要です。パノラマラインに入ると車はいなくなりますが、かなりのアップダウンが。しかしバ~ンと浅間山が目の前です。
草津白根山方面
北を見れば遠くに草津白根山、足下には名産の高原キャベツの畑です。アヘアヘ激坂に疲れた私たちはキャベツ畑の前で一休み。
どこまでも続くキャベツ畑
気温は30度くらいでしょうか。直射日光を浴びればやっぱり暑いけれど、木陰に入ればすっきりサッパリという感じ。いや~、都心を脱出してやってきた甲斐がありました。
夏っぽい雲の下に広がるキャベツ畑はどこまでも続いています。まるで海のよう。
最後の上り
草原っぽい雰囲気のパノラマラインは最後に大きなダウンヒルで終わりました。あ~ぁ、高度がもったいない! そして今度は登り一直線の東部嬬恋線に入りました。白樺林となり『山』になっってきた感じです。平均斜度8%位でしょうか、かなりきついです。最後のほうは10%を越え、ついにケロガメに押しが。。
キャンプの準備
最後はへろへろ~、と全員倒れ込むようにして休暇村に到着です。いつもなら速攻でお風呂、ビールをガビッーと浴びて… というパターンですが、今回はそうもいきません。まず宿泊準備です。『なんちゃって』派は寝袋と毛布をもらってきて終わりですが、本格テントのケロガメはテントを引っ張り出し、テント物色中のムカエルが手伝って設営開始です。
テントの出来具合は?
『あれ、なんかちがうなぁ~』 とムカエル
『そのフック、逆向きだよ。それじゃあテントがねじれちゃう。』 とケロガメ。
『ほうほう。こりゃあ慣れるまでちょっとたいへんだね~』 とは完全なんちゃって派のサイダー。
それでもなんとかかんとか30分ほどで設営完了です。なかなかかっこよろしい。中に入ってみれば、一人寝るなら十分という感じの広さです。
『やっぱりボクもテントほしーぃ。』 とはムカエルでした。
こちらはなんちゃってテント
それでこちらがテント! なんちゃって。。『なんちゃって』派の今夜のお宿はここ。コンクリートの基礎に木の床が貼ってあり、その上にテントを建てたもので常設ですが、テントはテントです。5人用ってことだけれど今回は3人で使用しました。まあ3人で丁度良い広さです。床にはマットが敷かれていて、寝袋と毛布は貸してくれます。キャンプの雰囲気だけを味わう私たちにはうってつけでした。
〆はやっぱりバーベキューでしょう!
テントの設営もうまく行って、一風呂浴びた後はやっぱりこれ。キャンプと言えばバーベキューですね。わいわいガヤガヤとやるバーベキューはやっぱり楽しい。宿泊と2食付きで4,500円はとってもリーズナブル。
本格キャンプ派のケロガメはマイ火器(調理用のコンロ)を取り出しコーヒーをごちそうしてくれました。これぞキャンプ! ?
『夜は涼しくて丁度よいね~。蚊もいなくて良かった。』 そう、半袖では寒いくらいです。
『いいところだね~、今度はマイテント持ってやってきたる~』 影響されやすいムカエルです。
『ところでサイダー、滝のところで森の方に行ったのはなぜ?』 ありゃ、なんでいまごろぶりかえすの…
『あ~、あれ~ 大通りじゃあつまらなそうだし、滝を上から見たいと思ってね。それより、なんかあると記憶に残るすばらしいツーリングになるからねぇ。。記憶に残ったじゃろが。。』
『なんだ、たったそれだけ? おいおい!!』
とにかくこうしたたわいのない話が夜更けまで続くのでした。
そして、ふと空を見上げれば満天の星。もう最高、なんちゃってキャンプ!
ひとこと by サリーナ
鹿沢高原、そこは灼熱の東京とは全くの別世界でした。
さわやかな大気の中、夜は暗闇の中にともるバーベキューの炎とおいしい香り!
そして空を見上げれば、木々の間から密度の濃い満天の星!
『キャンプ』っていうのは人の本能をくすぐるものですね。
ケロガメのテント張り。大地にシートを敷いてポールを立てて、できたテントには、まさにヒトの住まいの原点を想像させるいとおしさがありました。
私たちは常設テントの“なんちゃってキャンプ”でしたがそれでも薄い布の外壁を通して小川のせせらぎや朝の陽の光、鳥の鳴き声を感じながら目覚める快感。
これはくせになるかも。。
鹿沢高原は、たどり着くまで、あるいはその後のヒルクライムなど自転車コースとしてはかなりハードでした。
でも景色やおいしい空気など、ハードさを超える楽しさを満喫しました。
軽井沢に至る1000m林道も、自転車向けのすばらしいルートです。
ダート走行をマスターして、今度は碓氷峠も含めてまた走ってみたいと思います。