田園風景の中を行く
房総の林道を走りに行きましょう、とジーコマリアの誘いに反応したのはムカエル、サリーナ、サイダーの3人です。東京から特急で2時間もかかるところに行くのに半日しか走らないのは効率が悪い、ということで前日から乗り込み2日間林道を楽しむことにしました。
下車した君津駅前は閑散としていて、コンビニもないようなところでした。駅前の通りを南下した交差点にあったコンビニで補給食を仕入れて、本日の林道三昧コースに出発です。
小糸川を渡るとすぐに街はなくなり田園になります。田畑に作物はなく、刈り取られた稲の根っこのところが地表に顔を出している田んぼの中を進みます。
切り通し
小さなダム湖までちょっと上って、一旦下った後はマザー牧場まで4~5%の上りが8kmほど続きます。小さな切り通しを通り、館山自動車道を超えると本格的な登りが始まりました。
はやダウンのサイダー
この登りが始まるや否や、へろへろ~と道端に停車するサイダー。持病と化した膝痛が発生したようです。今日は林道でアップダウンもダートもあるコース。サイダーの完走はあるのか?
鹿野山林道に向かう
ムカエルとサリーナは快調にマザー牧場まで上るもサイダーは早くも押し、へろへろ~と押し上ります。
鹿野山林道の入口はマザー牧場の東側500mほどのところとマザー牧場の駐車場のところと2カ所ありますが、後者のほうが分かりやすそうなのでそこまで行ってみました。ところがその入口は工事中で閉鎖されていたので、東側の入口まで戻りました。
この林道へのアプローチ道は木々に覆われていて雰囲気があります。が、ここはまだ林道ではないようです。
鹿野山林道のトンネル(出口側)
下りのうねったアプローチ道を行くとトンネルに出ました。ここからが鹿野山林道のようです。
この道は林道とはいっても舗装されていて、道幅は適度に広く走りやすい道です。いざ、林道三昧コースのスタート!
鹿野山林道
車がまったく通らない道を落ち葉を踏みながらのんびり進むのは最高の気分。今日は最高気温11度と気温は低めですが、風はなく日向は暖かくて最高のサイクリング日和です。
房総の丘陵を眺める
木々の合間から見える房総の丘陵もなかなかいい雰囲気です。道端の日だまりでこんな丘陵を眺めながらお弁当を広げるのもまた楽し。
快適な下り基調の鹿野山林道は4kmほどで終わりR465に出ます。1kmほどR465を進んだところで地方道に入り、さらに『植畑上郷バス停』から分岐する高宕林道のアプローチ道に入ります。
高宕林道に向かう
このアプローチ道の入口には『関東ふれあいの道・石射太郎(いしいたろう)』の標識があり、その後もしばしばその案内標識が現れます。『関東ふれあいの道』は高宕山へのハイキング道で、石射太郎は高宕山の近くにある小高い石射太郎山のことのようです。
山深くなってきた上り基調の道をどんどん行きます。
関東ふれあいの道の入口
分岐点から3kmほどで『関東ふれあいの道』、石射太郎への登り口に到着しました。登り口の立て札には『天然記念物 高宕山の日本サル生息地』とあります。こんなところにお猿さんがいるんですかね? いました、2匹(笑)。
高宕第一トンネル
関東ふれあいの道の登り口の脇にはトンネルがあります。ここからが高宕林道です。舗装路もここまでで、トンネル付近の足元は昨日の雨でぬかるんでいます。さてさて、この先どんなことになるやら。いざ高宕林道に突入!
高宕林道
トンネルを抜けるとそこはさらに山深くなった感じで、道もご覧の通りとても狭くなり砂利道となります。
素掘りのトンネル
しばらく進むと素掘りのトンネルがありました。トンネルの中もダートで、すごくワイルドな感じです。膝痛サイダーがヨロヨロと進みます。
渓流とどろんこダート
道に沿って渓流が流れています。静かでとても雰囲気のいい道ですが、下はぬかるんでいて、あちこちに水たまりがあります。
『ここはもう自転車に乗っては進めない~』 とムカエル。自転車から下りて押してなんとか進みます。
こんなダートは3kmほど続きます。しかも上りだからけっこう大変!
『舗装路はまだぁ~、下りはまだぁ~』 とダートが苦手なサリーナが叫ぶ。
続くトンネル
ようやくダートが終わり舗装路になると同時に上りも終わったようです。すると今度はいくつもトンネルが現れました。ここも素掘りで雰囲気満点。
すばらしいトンネルを抜け、快調に下るムカエルとサリーナ。
三島湖
ススーと下って民家が現れるとそこは怒田沢の集落で、林道の終点です。さらにススーと下り三島湖に到着。
三島湖は小糸川を堰き止めてできた農業用のダム湖だそうですが、いかにもダム湖という感じはなく、湖面近くに民家があり道路が通っていて、いい雰囲気です。
三島湖からは渕ケ沢奥米林道が始まりますが、その前にちょっと腹ごしらえと国民宿舎清和に立ち寄りました。ランチは14時までで、私たちが到着した時はちょうどレストランを閉めたところだったようですが、受付でお願いすると開けてくれました。感謝。
鴨川有料道路からの田舎道
国民宿舎で遅い昼食をとったあとは渕ケ沢奥米林道から香木原林道を抜け鴨川有料道路に出ます。ここは全面舗装路で比較的道幅が広く少し車も通りますが、いい雰囲気の道です。たくさんトンネルがあり上り基調。日が傾いて薄暗かったので、写真は紹介できませんが。
終盤の1.5kmは鴨川有料道路まで下ります。鴨川有料道路は自転車は20円也。ここから鴨川までは豪快な下りが楽しめます。しかし私たちの宿は海岸から内陸に5kmほど入ったところなので、鴨川有料道路の途中から内陸に向かいました。
最後の山
このカントリーロードの先には小高い山が見えます。私たちの宿はあの山の向こう側。鴨川の街まで下り迂回して行く変わりに、あの山を越えることにしたのです。すばらしいカントリーロードを山に向かって進みます。
超激坂を登る
山を上り始めると道端には林道の標識が。名前は書いてないけれどここも林道のようです。しかしこの林道、勾配はどんどん増しついに15%! ドヒャー。へろへろ~、と押し上げます。
夕闇が迫り、ちょっと不安になるころようやく山頂に到着。なんとここは2kmで200m上りました。平均斜度10%の激坂でした。うねうねとした道を下ると高鶴山の麓の宿まではあっという間。なんとか残照があるうちに宿に到着することができました。
私たちの宿、高鶴山荘は本館のほかいくつかのコテージがあり、私たちは一棟貸し切りのコテージに。ログハウス調の小さなコテージは屋根裏がある広々としたものでなかなか快適です。温泉にゆっくり浸かって一日の疲れを癒しました。
本日の林道三昧コース、カントリーロードを含めて、とてものどかですばらしいコースでした。お勧めです。