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袋田の滝・竜神峡

茨城の三つの紅葉地巡り その2

開催日 2010年11月21日(日) 晴れ
参加者 ムカエル/サリーナ/サイダー/ペタッチ/マーコン
総合評価 ★★☆
難易度 ▲▲
走行距離 66km
累積高度 1,400m
地域 関東

竜神峡渓谷
竜神峡渓谷

コース紹介

紅葉企画。茨城県は奥久慈の袋田の滝と竜神峡渓谷の二つの紅葉の名所を巡ります。

袋田の滝は日本三名瀑の一つに数えられ、『四度の滝』の別名の通り、四段になった壮大な滝です。紅葉に囲まれたこの時期の滝は必見。袋田の滝からはちょっときついアップダウンのある武生(たきゅう)林道を行きます。この道は山の中のいい雰囲気が味わえ、途中にいくつかある展望台からは富士山も見えるとか。竜神峡渓谷には自転車が通れる遊歩道が亀ヶ淵まで続いています。周囲の山は大変美しい紅葉に彩られ、終点の亀ヶ淵付近にはひっそりとした神秘があります。

二つの観光地以外のところも山がたいへんきれいで、田舎道が楽しいところです。全般にかなりアップダウンがありますが、赤や黄に染まった紅葉が足を軽くしてくれるでしょう。

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
袋田
110m
START 発08:00 一般道 泊:北條館別館/0295-72-3511/12,000円
袋田の滝
110m
2km 着08:15
発09:00
R461 トンネル冬期09:00〜/300円
/紅葉時期は08:00からのよう/生瀬の滝までハイク
入合
280m
12km 着10:00
発10:05
一般道 舗装路
安寺
430m
15km 着10:25
発10:35
武生林道 舗装路
奥久慈見晴らし台
490m
18km 着11:05
発11:25
武生林道 ここから道路工事で通行止め
入合
280m 昼食
24km 着11:55
発12:35
R461
r33
昼食:なかざわ★/ 0295-76-1011
竜神ダム
170m
33km 着13:15
発13:15
遊歩道 竜神峡の遊歩道起点、WC、そば屋
亀ヶ淵
165m
37km 着13:40
発14:00
遊歩道 竜神峡の遊歩道終点、ベンチ、WC
竜神ダム
170m
41km 着14:25
発14:30
r33など 竜神峡の遊歩道起点、WC、そば屋
西染
70m
52km 着15:20
発15:20
r36 ここから一山越え、ピーク210m
大和田
70m
58km 着16:00
発16:00
r29 小さなピーク140m
山方宿駅
45m
66km 着16:35
そば処富助0295-57-4188
JR水郡線:山方宿19:30→20:41水戸20:52特急
→22:04上野
日の入り16:27 大子町観光協会 大子町

袋田の滝へ向かう袋田の滝へ向かう

袋田から滝川に沿って袋田の滝へ向かいます。朝はちょっともやっていて、山が少し霞んで見えます。間近に流れる川の音が清々しい朝の気分をより一層強くしているようです。

滝の入口となるトンネルは進行方向川の左側にあり、その手前には土産物屋がずらっと並びます。私たちはその手前で川の右側へ渡り、滝へ渡る吊り橋の近くの茶店まで進みました。川の両岸に岩山が迫り、下には渓流。ひっそりとした山奥という雰囲気ですが、ここにはすでに観光客が大勢やってきていました。

滝と吊り橋滝と吊り橋

茶店の奥に駐輪して歩き出すとすぐ、吊り橋と袋田の滝が見え出します。その周囲には赤や黄に色付いた木々が。

人が多いにもかかわらず、印象としては静かでしっとりとしたいい感じの空間が広がっています。

吊り橋付近からの滝吊り橋付近からの滝

ごく一般的なアプローチだと土産物屋の先でトンネルに入り、その出口の真正面に滝が現れますが、これは便利ではあるけれど、渓谷もまったく見えず味気ないものです。かつてトンネルが出来る前は、沢の際の人一人がようやく通れるくらいの狭い岩場を上ってアプローチしたのですが、その道はもう使われなくなっているようです。吊り橋でアプローチすると渓流も見えるので、少しそれに近い感じがします。私はトンネルよりも吊り橋からのアプローチの方が好きです。

その吊り橋を渡り滝に近づくと、まず滝を斜め下から見上げるようになります。滝が一番美しく見える角度だと思います。

袋田の滝展望台から見る袋田の滝

その先でトンネルに入ると滝のすぐ前の展望台に出ることができます。ここでは滝を真正面から見上げることになります。ここから見る滝はかなり迫力がありました。吊り橋からもこの展望台からも滝は三段しか見えません。袋田の滝は別名を『四度の滝』といい、この名は滝が四段あることから付けられたとも言われています。最上段の一段は下からでは見えないんですね。

上部から袋田の滝を見下ろす上部から袋田の滝を見下ろす

その最上段も見られるもう一つの展望台がありますが、そこへはエレベーターに乗らなければ行けません。この時エレベーターの運転は9時からとのことなので、その展望台に行くのはやめて、滝の上部へ続くハイキングコースを行ってみることにしました。その終点には生瀬の滝というもう一つの滝があるそうです。

袋田の滝の上部袋田の滝の上部

このハイキングコース、山道を行くのかと思ったら、全部鉄骨の階段でした。へいへいしながらその階段を上って行くと、袋田の滝の二段目、そして最上段が見えてきます。展望台に行くより近くに滝が見えて、こちらの方が楽しいこと間違いなし。

そして滝の一番上まで来ると、そこには黒い岩の合間を縫って流れる川がありました。

生瀬の滝生瀬の滝

その川の上流に向かって行くと、生瀬の滝が落ちています。規模は小さいものの袋田の滝に良く似た、幾段にもなった滝です。朝もやの中に落ちるこの生瀬の滝はとてもきれいです。

袋田の滝近くで袋田の滝近くで

この周囲は切り立った岩山で広葉樹が多く、落葉した木々もありますが、紅葉の盛りのものも多く、きれいです。

マイナスイオンをたっぷり浴びながら二つの滝を堪能して、いざ出発です。

R461R461

生瀬の滝へのハイキングで上った月居山(つきおれさん)をぐるっと廻るようにしてR461を行きます。ここには雰囲気の良い細い旧道もありますが、そちらは昨日通ったし、袋田側からは厳しい上りとなるので、国道を通ることにしたのです。観光日和の日中は大変混雑するというこの道も、まだこの時間帯はそれほどの交通量ではありません。

入合から安寺へ向かう入合から安寺へ向かう

入合からは国道を離れ安寺方面へ向かいます。火の見やぐらがまだ残っている感じのいい道が山奥へと続いています。

ペタッチ、サリーナ、マーコンペタッチ、サリーナ、マーコン

周囲の山は針葉樹と広葉樹が半分づつくらいで、広葉樹はほぼ紅葉のピークです。始めの方には民家が建ち、その脇に小さな田畑が広がっています。

『え~ところじゃの~、こんくらいの坂ならなんとか上って行けるわい。』 と久しぶりに登場のペタッチは、この先とんでもない展開になろうとは予想もせず、ルンルンと行きます。

いよいよ上りいよいよ上り

穏やかだった上り勾配がややきつくなってくると、周囲の山も深くなってきます。

安寺の集落付近安寺の集落付近

7~8%から10%を超えるような坂が現れるようになり、あへあへもがきつつ上ると安寺の集落です。赤いケヤキに黄色からオレンジの山、下には茶畑と、いかにも山間の集落といった趣です。

近くに石碑があり、そこには『電気導入記念 安寺部落 昭和三十年十一月十六日』とあります。この集落に電気が来たのは昭和三十年のことだったのですね。

武生林道の下り武生林道の下り

安寺の集落はちょっとしたピークで、そこからしばらくは下りです。ほどなく持方の集落と武生神社(たきうじんじゃ)を結ぶ道にぶつかりました。この道が武生林道(たきゅうりんどう)のようです。

左手武生神社方面の道は拡幅済みできれいに舗装されているものの、右手持方方面は道路拡幅の工事中です。ちょうどそこへやってきた工事のおじさん、

『この道は奥久慈グリーンラインに繋げる工事をしているんだ。あと7~8年かかるよ。あっちでも工事しているけど、自転車なら通れるのかな?』

へばりぎみのマーコンへばりぎみのマーコン

下にあった看板にはこれから行くルート上のあるところに通行止めとありましたが、その下に『解除中』の文字が確かにありました。この時はこの先の工事は一時中断しているのだろうと思って先へと進みます。

下り切ってからの上り返しはものすごくきつかった。10%超えの激坂が続いています。

『え~、いったいどこまで上るの~』 とふらつき気味のマーコン。

奥久慈見晴らし台近くから西を望む奥久慈見晴らし台近くから西を望む

この激坂は1kmほど続いたでしょうか。ようやく西の展望が開け、ほぼ山の頂上に到達したようです。ここで小休止をと、きれいな山を背景にパチリ。

『もうすぐ頂上でしょう。少ししたら下りになるからもう安心だね。』 とここではのんきなことを言い合っていたのですが、、、

かつての奥久慈見晴らし台から東を望むかつての奥久慈見晴らし台から東を望む

ところがである、このすぐ先の奥久慈見晴らし台のところには『全面通行止め』の看板が。

『あれ~、通行止めは解除じゃあなかったの?』 と先の様子を見に行くと、

『ぎゃ~、み、道がない~~っ!』 

武生林道を引き返す武生林道を引き返す

かつて奥久慈見晴し台があった場所には砂利が堆く積まれ、その脇の山の斜面は削り取られ荒々しい地肌をむき出しにしている。さらにその先ではショベルカーがガリガリと山の斜面を剥ぎ取り、かつて道だったところは山の斜面の一部と化している。

完全に通行不可能!

迂回ルートはない。唯一の可能性はかつての山道を行くことだが、これは現在はまったく使われておらず獣道のようになっている。ここで武生林道を断念。

 R461で竜神峡へ向かう R461で竜神峡へ向かう

止むなく武生林道を引き返します。行きはかなり時間が掛かったけれど、下り基調の戻りはスイスイ。ちょっと気が抜けたので入合のラーメン屋で昼食。偶然入ったこの店、かなりgoodでした。

入合からはR461で竜神峡へ向かいます。

武生神社入口武生神社入口

R461は少々車の通りが多いのですが、周囲の山がきれいです。R461がr33に変わると道幅はぐっと狭くなり、観光の車が多くなります。

そこに現れたのは武生神社の入口、つまり私たちが通ろうとした武生林道の出口です。かなり時間をロスしましたが、なんとかここまでやってきました。

竜神ダムと竜神大吊橋竜神ダムと竜神大吊橋

r33からちょっとした坂を上ると竜神ダムに到着。その上には歩行者用としては国内有数の長さの竜神大吊橋が架かっています。

竜神大吊橋を見上げる竜神大吊橋を見上げる

竜神ダムの先には亀ヶ淵まで4kmほどの遊歩道が続いているので、これを行きます。竜神大吊橋の下に来ると、これはさすがに巨大で高さもあり、ぐっと見上げざるを得ません。

竜神峡のダム湖竜神峡のダム湖

ダムができる以前のここは、山奥のまさに渓谷でした。ダムができ、水が蓄えられて渓流は川のようになりましたが、山々の美しさだけは変わりがないようです。

渓流と山の紅葉を楽しみながら進む渓流と山の紅葉を楽しみながら進む

この時期、遊歩道を歩く人の数はダム付近にはそれなりにいますが、奥に進むにつれどんどん少なくなります。下に渓流を見、山の紅葉を楽しみながらゆっくり進みます。

途中、『竜神ふるさと村』へ抜ける鉄骨の階段がありました。武生林道から竜神峡へアクセスできるルートの一つですが、急峻な階段で歩いて上るのも大変なほどで、自転車ではとても無理です。

高萩駅亀ヶ淵

この遊歩道、川縁にあるのでフラットかと思ったら、結構なアップダウンがありました。亀ヶ淵はその終点で、ここから奥へは自転車では行けません。ここから武生神社に抜けるハイキングルートがありますが、これはあまり使われていないようで、こちらも自転車では無理そうです。

亀ヶ淵の小さな小さな滝亀ヶ淵の小さな小さな滝

亀ヶ淵とはこのあたり一帯の名なのか、それともより限定的なところの名なのかわかりませんが、この小さな滝のすぐ側に、丸っこい壷の口のような形をした岩の割れ目から水が落ちるところがあります。

亀ヶ淵から奥へ続く渓流亀ヶ淵から奥へ続く渓流

亀ヶ淵からほんの少し山を登ってみると、そこには奥へと続く渓流が流れていました。落ち葉が積もるこの沢はとても神秘的です。

亀ヶ淵からの帰路亀ヶ淵からの帰路

亀ヶ淵で少々休憩したあとは、やってきた遊歩道を引き返します。行きと帰りはまったく同じ道を通りますが、周囲を見る角度が違うので飽きることはありません。

竜神峡を行くサイダー竜神峡を行くサイダー

写真ではなかなかここの景色の全貌を捉えることができないのですが、とてもいいところです。企て人サイダーも満足げにこの遊歩道を楽しんでいます。

カントリーロードを行くカントリーロードを行く

竜神峡で本日の観光地巡りはおしまい。ここからは順当にはr33を南下すればいいのですが、そのr33は道幅が狭く観光の車で大変な混雑ぶりです。

そこでr33の東にある田舎道を行くことにしました。こちらは大変のどかな道でほとんど車は通りません。

続・カントリーロードを行く続・カントリーロードを行く

でもこの道、山の裾野にあるのでアップダウンの連続! ちょっとあへあへしつつも、あまりにものんびりした道だから、あくびがボワ~~ン。

西染付近の集落西染付近の集落

この田舎道からr33へ出たのち、西染から一山越えて山方宿へ向かいます。この道は針葉樹の林の中にうねうねとした激坂の上りが続きます。これはちょっときつかった!

久慈川久慈川

へこへこしながらもなんとか大和田に抜けることができました。しかしもう限界。大和田からは生井沢を越える山道を行くつもりでしたが日没も迫ってきたので、これはやめてr29を使うことにしました。この道も前半は上りですが勾配が緩いのでなんとかなりました。

r29の終盤はぐ~っと下って久慈川の流れに出会います。このあたりからさらに上流を奥久慈というように、この川はこの地方最大の流れです。日没をやや過ぎたころなんとか山方宿駅に到着。

通行止めのアクシデントがあったけれど、紅葉がとても楽しめた一日でした。山のアップダウンはちょっぴりきつかったけれどね。

ひとこと by マーコン

お天気に恵まれ、青空の下、色とりどりの紅葉を愛でながら一日堪能いたしました。
印象的だったのは、やはり何度見ても素晴らしい袋田の滝。展望台から見下ろした川のせせらぎが、紅葉した葉っぱの間から見えて、金糸の入った錦織のようでした。
竜神峡の亀ヶ淵のたたずまいは、日常とはかけ離れた別世界でした。

予想外の坂道の多さを、覚悟していなかった私は一人落ちこぼれてとぼとぼと自転車を押しました。久々のポタに体力のなさを痛感し情けなく意気消沈でしたが、お昼の美味しいラーメンと、居酒屋の美食に気を取り戻したのでした。

つかれたっちゃー。

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uploaded:2010-11-27