水元公園
水辺を行く今日のコースの最初の水辺は水元公園です。
金町駅から北に2kmほど行くと、中川と江戸川の間にのたうったような小合溜(こあいだめ)があります。小合溜は江戸時代は徳川吉宗のころ、灌漑用水の調整池として造られたものだそうです。その畔の東京側にあるのが水元公園です。
水元大橋へ
小合溜を右手に見ながら進むと水色の水元大橋を渡ります。
このあたりは空が広く、小合溜の先には千葉県側の三里公園が臨める、眺めのいいところです。
バードウォッチング
『こっち、こっち!』 と、ここで合流したルビオはメインルートを外れて、あらぬ方向へとみんなを導きます。
その先では大きな望遠レンズを付けたたくさんのカメラが森の中を向いています。カッコウの仲間のツツドリという鳥がいるのだそうです。私たちが駆けつけた時には残念ながらそのツツドリはどこかに飛び去ったあとでしたが、撮影に成功した一人の方が写真を見せてくれました。ツツドリはお腹が黄色っぽくて黒い縞模様がある、ハトくらいの大きさの鳥でした。
カワセミ
『ツツドリ、さっきまでいたんだけれど残念だったね。それじゃあ、カワセミでも見に行こう。』 とルビオの案内で水元公園をぐるりと廻ります。
公園の北西の出口付近にある池に辿り着くと、そこにもバードウォッチャーがたくさん。カメラの先をよ~く見ると、いたいた、綺麗な色のカワセミ。カワセミって、じっとしていて動かないんだね。
大場川沿いを行く
たっぷりカワセミくんを眺めたあとは水元公園を出て、小合溜から続く大場川沿いを進みます。
この川にはモーターボートやヨットなどが係留されているマリーナがありました。
中川沿いを行く
大場川はすぐに中川にぶつかります。
ここからしばらくは、この中川に沿って北上します。
潮止橋から中川下流を臨む
さきほどのマリーナから出てくるのか、このあたりにはジェットスキーを楽しんでいる人々が大勢います。
中川遊歩道を行く
潮止橋で右岸に渡り、大瀬運動公園の北の角から中川遊歩道に入ります。
この遊歩道は小さな堤防の上を走り、民家の軒先をかすめ、畑の脇をうねうねと進みます。ここは安全で安心して走れるいい道です。
大きな堤防の上を行く
2kmほど続いた中川遊歩道がおしまいになると、今度は大きな堤防が現れます。堤防の内側を走ったり、上を走ったりしてなんとか進んで行きます。
『ここは自転車道なんですかね、断続的でちょっと纏まりに欠けますね~』 とは、はるばる栃木からやってきた白服のタカちゃん。
ここで、空の彼方からゴロゴロッという音が。雷さんがやってくる?
続・自転車道?
土手が終わって次は一般道、その次はこんなところ。ここも気持ちいい道ですが、これまたすぐに終わってしまうのがちょっと残念。
『きっとこのあたりの土手は整備中なんだね。』 とバードウォッチャーのルビオが解説を加えつつ先頭を引きます。
中川通りを行く
外環自動車道をくぐり八条橋の先になると、道はうねうねと小さなカーブをいくつもこしらえて進みます。
この中川沿いの道は標識に『中川通り』とあります。古くからある道がそのまま残ったような感じで雰囲気は悪くありませんが、道幅が狭い割に交通量が少しあります。
元荒川に入る
吉川橋を過ぎると中川に元荒川が流れ込みます。
ここからは中川を離れ、元荒川沿いを行きます。ここまでの中川沿いはあまり川の流れが見えませんでしたが、元荒川沿いは川のすぐ側を道が通るので川面が良く見え、その上その道は自転車道なのでとても快適です。
元荒川を快走
先に展望塔のようなものがある大きな立派な建物(写真左端)が見えてきます。
何かな~と思ったら、越谷のゴミ焼却施設だそうです。越谷は大変裕福な市のようです。
ここはルンルンとサリーナが先導します。
しらこばと橋
越谷の中心部が近づくと、先に斜張橋が現れます。しらこばと橋です。
この手前で中州に入り、しらこばと橋の下をくぐり抜けます。
先に越谷中心部
穏やかな弧を描いて流れる元荒川の先に、越谷の中心部の建物が現れます。
このすぐ先の橋が越谷駅に向かう通りで、駅近くでお昼にしました。
元荒川右岸を行く
午後の部は越谷駅近くから一旦中州に戻り、自転車道が終わったところで元荒川の右岸に渡ります。
『ここは静かでいい道ですね~』 と先頭でヒコちゃんが行く。
桜並木の土手を行く
東武東上線の踏切りを越えると、桜並木の土手を行くようになります。
午前中は曇りだったのに、ここに来てお日様が顔を出してきたので、木陰のあるこんな道はとてもうれしいです。
宮内庁埼玉鴨場脇を行く
文教大学のところで右岸に渡り、しばらく行くと桜並木が途切れます。
『午前中のゴロゴロさんはどこ行った~、お日様ピカーッであつ~~』 と、9800えんの自転車をギシギシさせつつ赤服赤ヘルのペピーノが呻く。
川の反対側はこんもりした森。これは宮内庁の鴨場だそうです。まさかこんなところで鉄砲を撃つのかと思いましたが、日本の伝統的な鴨狩りは銃ではなく網で捕らえるものだそうです。
永代橋付近
国道4号線を越え、畑の脇を抜けて、永代橋を渡ればそのすぐ先に小さな東屋があったのでここで小休止。自転車試乗大会や輪行の仕方の研究と大いに盛り上がりました。
永代橋からも桜並木が続きますが、あれれ、いつの間にか神社の境内に入っちゃった。
黄金色の田んぼの中を行く
神社の境内を失礼してなんとか土手に復帰するも、その土手の舗装はすぐにおしまいとなり、下の刈り入れを待つばかりの黄金色の田んぼの中を行きます。
畑の中を行く
田んぼの先で赤い歩道橋(写真左後方)を渡ると、今度は畑の中に。
プジョーのクロスバイクを駆る新人のなつみちゃんもここまで快調です。
岩槻公園裏門付近
畑の道が終わり川沿いのちょっと怪しげな道に入ると、スポーツセンターの脇を抜けて大通りに出ました。
ほどなく岩槻公園(岩槻城址公園)に到着です。ここは室町時代に築かれた岩槻城の跡で、現在は黒門と裏門が当時の様子をかろうじて伝えています。
菖蒲池と八つ橋
その一角には菖蒲池があり、真ん中には赤い八つ橋が架けられています。
この池の周辺は静かでのんびりしたところです。
岩槻市内
せっかく岩槻まで来たので、市内の見どころにちょっと寄り道することにします。
岩槻は人形の街として有名だそうですが、ここは前回の茅葺きの建物訪問の続きということで、茅葺きの建物を。
遷喬館
遷喬館です。
ここを案内してくださった方によれば、この建物は18世紀の末に児玉南柯(こだまなんか)という儒学者によって開かれた学校で、のちに岩槻藩の藩校となったものだそうです。廃藩置県により明治時代以降は民家として使われていたものを、近年当時の姿に修復したものだとか。
『岩槻に過ぎたるものが二つある 児玉南柯と時の鐘』
時の鐘
ということで、次は『時の鐘』に。
時の鐘といえば埼玉県では川越のものが有名ですが、こちらはそれから少し遅い17世紀後期に、城内城下の人々に時を知らせるために造られたものだそうです。
隣には銀杏の大木が。まさかこれも江戸時代からのもの?
岩槻の元荒川左岸
市内散策はこの『時の鐘』でおしまいにして、岩槻橋を渡り元荒川の左岸を遡ります。
ルンルンルン、と楽しそうなのは、
『輪行も初めて、こんなに長い距離走るのも初めてなんです~』 のムっちゃん。
慈恩寺
東武野田線の踏切りを越えたところで元荒川を離れ、北に向かいます。
その道の突き当たりにあるのがでっかいお寺、慈恩寺。このお寺は坂東三十三ヶ所観音霊場の十二番札所で、うそかまことか、ここには西遊記でおなじみの三蔵法師玄奘の遺骨が分骨、安置されているんだって。
内牧の田んぼの脇を行く
慈恩寺の裏を廻って内牧に来れば、小川が流れ、周辺には見事な田んぼが広がっています。
その縁を進めば、
内牧公園
内牧公園です。
ここは園内にも小川の水が引き込まれていて、いい感じ。
蓮池の脇を行く
ここで空からパラッと冷たいものが。今日のお天気は忙しい。この雨は降るか降らないかと迷って、結局降ることを止めたようです。
内牧公園から先もいい感じで自転車道が続きます。田んぼのお次ぎは蓮池と、この小川沿いの自転車道はどこまでも続いて行きます。
田んぼのあぜ道を行く
今日の終着地の蓮田駅はもう近い。そろそろ自転車道を離脱して駅に向かわねば、と思ってすぐ南を流れる川沿いを進もうとすると、そこはダートです。今日は初級コースなのでダートは止め、と自転車道に戻ります。小川はいつの間にか暗渠になり自転車道はその上を進んで行きます。
すぐ先に地方道65号があるのでそこで離脱と決めたら、自転車道はその下をくぐり抜けてしまいました。ありゃりゃ。
そのあとすぐにこの自転車道から離脱はできたものの、その先は、、、
田んぼのあぜ道に突入という結果に終わりました。
蓮田駅前にて
こうして結局ダートは回避できず、その後も道を間違えたりとちょっとしたトラブルありの、いつものジオポタに。
しかしなんとか蓮田駅に到着です。新人のムっちゃんとなつみちゃんも最後はガッツポーズで締めくくることができました。よかった、よかった。
P.S. 内牧公園付近から続く自転車道は、このあとずっと進めば白岡駅に出るようなので蓮田駅より白岡駅を終着地にしたほうが良さそうです。