1711-4

豊根村〜天竜二俣

天竜川 4日目

開催日 2017年05月05日(木)快晴
参加者 ジーク/シロスキー
サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 75km
累積高度 950m
地域 甲信越

深いV字谷の天竜川中流域
深いV字谷の天竜川中流域

コース紹介

山奥のひっそりとした豊根村から、細く蛇行する天竜川に沿い、トンネルをたくさんくぐり抜けて行くと、佐久間ダムにより徐々に川幅が広がります。さらに2つのダムを越えると、狭かった視界が扇状地となる天竜二俣で一気に開きます。

動画(04'55" 音声:BGMのみ)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
豊根村
265m
START 発08:00 r1 とみやま来富館、大嵐駅から左岸に細山道あり
列車:大嵐10:17(08:54)→10:42(09:18)中部天竜
一本杉トンネル
390m
8km 着08:45
発08:45
r1 猿ケ鼻
新豊根発電所
300m
16km 着09:25
発09:40
r1
佐久間ダム
265m
21km 着10:00
発10:05
r1 愛知・静岡県境、以降静岡県
佐久間
150m
26km 着10:25
発10:35
R473 昼食:江戸芝寿司/いどばた植山食堂
大学堂(たこ焼き)
大井橋
125m
31km 着11:20
発11:20
R152 秋葉街道合流点、水窪川
大輪橋
125m
34km 着11:30
発11:35
r285
瀬尻橋
115m
39km 着11:55
発11:55
r285 右岸に集落、商店
吊橋
125m
41km 着12:00
発12:10
r285
龍山
105m
44km 着12:25
発12:25
r285 やすらぎの湯/800円/食堂なし
秋葉ダム
110m
45km 着12:35
発12:40
r285 吊橋、千本桜
雲名橋
75m
49km 着13:00
発14:10
r285 昼食:山あいの里うんな
気田川橋
70m
51km 着14:15
発14:20
r285 気田川
横山橋
60m
54km 着14:30
発14:35
r360 秋葉街道に一瞬合流
伊砂橋
80m
62km 着15:15
発15:20
r360
船明ダム
60m
63km 着15:30
発15:45
r360
本田宗一郎ものづくり伝承館
50m
71km 着16:15
発16:45
r360
浜北区根堅
150m
75km 着17:30
泊:森の家/8,900円/053-583-0090
日の入り18:36/自転車道上流自転車道下流

朝8時に集合朝8時に集合

天竜川4日目、今日は朝から快晴です。

昨日はへとへとのジオポタでしたが、とみやま来富館の前で気分一新、『行くぞ!』と気合を入れるは、左からシロスキー、サリーナ、サイダー、ジークの4人。

宿の前の天竜川宿の前の天竜川

昨夜は真っ暗であたりがどんなところか全くわかりませんでしたが、道路を隔ててすぐの少し深い位置に天竜川が流れ、それを若葉眩しい木々が覆っています。

宿をスタート宿をスタート

朝日を浴びながら、そんな宿の前をスタート。

今日は70kmを超える距離になりそうで、大丈夫かなあとやや不安げなサリーナであります。

木漏れ日の道木漏れ日の道

しかし、蛇行する川沿いの道は車もほとんどなく、若葉の木々の木漏れ日を浴びてそれは快適です。

天竜川の波紋天竜川の波紋

左手には深い渓谷の間を静かに流れる天竜川。

一艘の小舟が波紋を描きながら進むのが見えました。

走るサリーナ走るサリーナ

すばらしい景色に盛り上がるサリーナ。『列車移動にしなくてよかった〜』

昨日の疲れは吹き飛んだようです。

走るサイダーとシロスキー走るサイダーとシロスキー

『よかったでしょう〜』、と満足そうなサイダーとシロスキー。

シロスキーシロスキー

『ここは前に走ってすごくよかったから、列車でパスはもったいないよ』とシロスキー。

渓谷の奥の川は朝日を反射して輝いています。

追うジーク追うジーク

『ほんまに快適やなあ〜』と鼻歌、いやオペラが聞こえてきそうなジーク。

一本杉トンネル一本杉トンネル

そして最初のトンネル「一本杉トンネル」に来ました。天竜川に突き出ている猿が鼻の根本を突っ切るトンネルです。

ここまでは緩い上りが続くのですが、すばらしい景色に全く気になりませんでした。

杉林を通る杉林を通る

トンネルを過ぎると今度は緩い下り基調の道です。

道のまわりは時に杉林になり、涼し気な林の中を進みます。

視界が開ける視界が開ける

あら、少々上り返しです。

そこで天竜川の視界が開けてきました。

天竜川に浮かぶ小島天竜川に浮かぶ小島

深いV字谷に満々と水を蓄えた天竜川。そこに小さな島が一つ。新緑とあいまってのすばらしい景色にご機嫌なジオポタです。(TOP写真)

この静かな流れと豊かな水の天竜川は、実はもう少し下流にある佐久間ダムによってつくられた「佐久間湖」でもあります。

新豊根発電所前の佐久間ダム湖新豊根発電所前の佐久間ダム湖

その後2つのトンネルを抜けると砂利や砂を採取している場所に出て、その先に新豊根発電所がありました。

この発電所は、もう少し西にある大入川(おおにゅうがわ)に建設された新豊根ダムによる新豊根ダム湖と、佐久間ダム湖とで水を往来させて発電する揚水発電所なのだとか。

佐久間ダム佐久間ダム

新豊根発電所からもトンネルがいくつも続き、トンネルを抜けては入りを繰り返します。

そして発電所から5kmほど走ったところでついに、佐久間ダムが現れました。でっかいダムの上を走るシロスキー。

佐久間湖とジーク佐久間湖とジーク

佐久間ダムは愛知県と静岡県の県境にあり、1956年に完成した高さ155.1mのコンクリートによる巨大ダムです。

ダム湖の佐久間湖を眺めながら走るジーク。

ダムの下流側ダムの下流側

ダムの下流側を覗いてみれば、天竜川の水量はずいぶん少なくなってV字谷の奥の方を流れています。

半場の集落半場の集落

ここからは、ついに静岡県に入ります。何と浜松市です。平成の大合併で佐久間町が浜松市に編入されたそうで、浜松市は広いですね。

再びいくつかトンネルを抜けると、飯田線中部天竜駅に通じる赤い橋とそのまわりの半場の集落が見えました。

たこ焼き屋さんたこ焼き屋さん

時刻は10時過ぎ。昼食にはまだ早いのですが、佐久間を過ぎると今日のコース沿いにはなかなか食事のできるところがありません。

でも、食事って感じじゃないよな〜 と言っていたところにグッドタイミングでたこ焼き、たい焼きや五平餅を売っている「大学堂」というお店が出現。というわけで、たこ焼きとよもぎ餅をゲット。

榎橋榎橋

佐久間の先の「豆こぼしトンネル」を抜けた先の旧道に入って休憩し、たこ焼きをいただきます。かわいい名前のトンネルですが、どういう謂れがあるのでしょうか?

ともかくたこ焼きを食べ終えてさらに進めば西渡の集落に着き、赤い榎橋が見えます。

緑の鉄橋は自転車・歩行者道緑の鉄橋は自転車・歩行者道

このあたりから、天竜川にかかる橋を眺めたり渡ったりと楽しみます。

次の橋は西渡の集落南端で、天竜川に注ぐ水窪川にかかる大井橋。緑の鉄橋は自転車・歩行者道です。

水窪川水窪川

水窪川は気持ちのよさそうなせせらぎで、その向こうまで山が折り重なっています。

大井橋大井橋

そして車道の本線にかかるのは真っ赤な大井橋。

そのすぐ先で水窪川が天竜川と合流しています。

大輪橋大輪橋

橋を渡ると国道152号となります。ここは秋葉街道の合流地点でもあり道幅も広くなっています。

3kmほど進めば国道152号は大輪橋で天竜川を渡り、対岸側を通っています。

薄緑色の天竜川薄緑色の天竜川

しかし、私たちのルートは橋を渡らずそのまままっすぐ県道285号に入ります。

天竜川は川幅を広げて薄緑色の水の流れとなり、周囲の山々の斜度も心なしか緩やかになってきたようです。

r285を行くr285を行く

県道285号に入ると道幅は細くなりますが、車も少なく快適です。

川沿いをどんどん南へ向かいます。

ジークが引くジークが引く

『これはええ道やな〜』とジークが引き、サイダーが追う。

瀬尻橋とサイダー瀬尻橋とサイダー

そして次の橋は瀬尻橋。

川を渡った瀬尻の集落には段々茶畑もあるようで、静岡県に入った感がありますね。

r285をさらに進むr285をさらに進む

対岸の集落を眺めながら、さらにどんどこ進みます。

吊り橋が見えた吊り橋が見えた

すると、川の前方に細〜い橋が見えました。どうやら吊り橋のようです。

吊り橋上のサイダー吊り橋上のサイダー

橋の名前は「みねのさわはし」。『おお、結構揺れる〜』とサイダー。「はねたりしてはいけません」と注意書きがあります。

『ねたらいかんって、誰が橋の上で寝るんや〜』とは、おとぼけジーク。

広々とした天竜川広々とした天竜川

吊り橋の真ん中からは、広々とした川とそれを囲む山並みが見渡せます。

吊り橋とジーク吊り橋とジーク

吊り橋をあとに、さらに南下を続けます。

このあたりはかなり川幅が広くなっているのですが、これも実は秋葉湖というダム湖なのです。

やすらぎの湯やすらぎの湯

しばらく行くと龍山という地域に入り、「やすらぎの湯」という温泉施設がありました。

『温泉だあ』、と温泉好きなサリーナがつぶやきますが、今日の行程はまだ半分を過ぎたばかり。ここで温泉に入ってもなあ。。ということで通過です。

秋葉湖の横を走る秋葉湖の横を走る

秋葉湖の湖面を横に眺めつつ走る面々。

沿道は桜並木となっていて、春は特にステキな眺めでしょうね。

秋葉ダム秋葉ダム

そしてほどなく秋葉ダムに到着しました。ここは佐久間ダムに続き、1958年に完成しています。

このダムは水力発電用というだけでなく、上流の佐久間ダムの放流水を調整して天竜川下流域の水量を安定させる逆調整池の役割を果たしているそうです。

蛇行する天竜川蛇行する天竜川

秋葉ダムを過ぎると、天竜川は大きく蛇行しています。

後ろの山の斜面に集落後ろの山の斜面に集落

ふと振り返れば、ぐるりと回り込んで走ってきた側の山の斜面にジグザグと上る道、そして家や畑も見えました。

うわ〜、家まで上るのは大変そう。。あ、自転車じゃないのか。

杉林を行くサリーナ杉林を行くサリーナ

この県道285号は車が少なく、ローカルないい雰囲気です。

時には天竜川の眺望が開け、時には杉林に覆われます。

茶畑と雲名橋茶畑と雲名橋

そして道のまわりが開けたと思ったら、そこは一面の茶畑でした。

東雲名(ひがしうんな)という集落に着き、前方には天竜川を渡る真っ赤な雲名橋が見えます。

山あいの里 うんな山あいの里 うんな

時刻はちょうど1時。たこ焼きでねばって走ってきましたが、さすがにそろそろお腹がすいてきました。

ちょうどいいところに山あいの里「うんな」があり、ここでゆっくりお昼にしました。

お茶摘み作業の方たちお茶摘み作業の方たち

私たちが出発する頃、かごを手に引き上げてきたのはお茶摘み作業を終えた方たちでしょうか。

そうそう、ここ東雲名は秋葉神社の参道の入り口にあたり、参道を示す石碑もありました。

天竜川と雲名橋天竜川と雲名橋

さて、午後の部出発。走るのは引き続きローカルな雰囲気の県道285号です。

振り返れば、蛇行する天竜川の緑白色の水の奥に雲名橋の赤が映えます。

気田川橋を渡るシロスキー気田川橋を渡るシロスキー

その先、今度は天竜川に注ぐ気田川に架かる気田川橋を渡ります。

橋の幅は車1台分くらい。爽快に駆け抜けるシロスキー。

横山橋を渡るサリーナ横山橋を渡るサリーナ

気田川橋から3kmほど走ったところで県道285号は終わり。楽しい道でした。

そこから右に折れて、天竜川にかかる横山橋を渡ります。ここは国道で車も結構通るのですが、自転車歩行者用の橋が横に付けられていて嬉しい。

対岸から横山橋を見る対岸から横山橋を見る

橋を渡り終えるとまたローカルな県道に入ります。

天竜川をぐるっと回り込んだ道からは、先ほど渡った天竜川にかかる横山橋が見えます。

白滝不動尊白滝不動尊

県道360号に入ると、ちょっとだけ上りがあります。久しぶりの上りは足にくる。。

その途中、道の脇にあったのは白滝不動尊。滝の前の小さな赤い橋でポーズするジーク、シロスキー、サイダー。

橋には上れましたが右手のお堂には続いておらず、お堂にはどうやって入るのでしょう。

ボートボート

上りはほどなく終わり、再び下り基調になって天竜川沿いを走っていきます。

すると、蛇行して川幅が広がっている水面には何艘ものボートが見えました。

ボートの練習ボートの練習

大学のボート部でしょうか。1人、2人、4人などいろいろなボートが川面を滑るように走っていきます。横のボートで1人じっと見ているのは鬼コーチか。

ここは天竜ボート場で、川べりにはボートの船着き場や観覧席、艇庫などもありました。あとで調べてみたら、ここは東海地方の漕艇競技のメッカであり、ボートの甲子園、全国高等学校選抜ボート大会なども行われているそうです。

蛇行する道蛇行する道

このあたりの川幅は200mくらいはありそうで、それがS字型に蛇行しています。

蛇行する道の小さな上りをこなすシロスキーとサイダー。

伊砂橋伊砂橋

そして伊砂橋に着きました。

ボート場もここも、満々とした豊かな水だなあと思ったら、ここは再びダム湖なのでした。

船明ダム船明ダム

それがこちら、1977年に完成した船明(ふなぎら)ダムです。天竜川の最下流にあるダムで、河口からは30kmほど。

並んでいるのは巨大なローラーゲートで、世界最大級だとか。そんなゲートの横を走っていきます。

飛ばすサリーナ飛ばすサリーナ

船明ダムを過ぎれば、今日の目的地の二俣はもうすぐ。

もう走行距離は60kmを超えていますが、今日はほとんど下り基調で快調、『予定より早めに着きそうでよかったね〜』と飛ばすサリーナ。

飛ばすジークとシロスキー飛ばすジークとシロスキー

そして、車の本線と分かれてより川に近い土手の道を行きます。

ますます爽快、と飛ばすジーク、シロスキー。

鹿島橋から天竜浜名湖線の鉄橋を見る鹿島橋から天竜浜名湖線の鉄橋を見る

さて、予定ではこの先を右に折れて宿に向かうことになっていましたが、『まだ時間が早いから、二俣のまちなかまで行ってみよう』とサイダーが引きます。

というわけで、宿への分岐点を越えて天竜川にかかる鹿島橋を渡っていきます。

本田宗一郎ものづくり伝承館本田宗一郎ものづくり伝承館

そしてまちなかに入り、向かったのは「本田宗一郎ものづくり伝承館」です。

この建物は昭和11年建築の旧二俣町役場を改修したものだそうです。

ものづくり伝承館内部ものづくり伝承館内部

建物に入ると、1階にはたくさんのかわいいモーターバイクが並んでいます。

ホンダカブF型ホンダカブF型

面白いもの発見! 実用自転車にしか見えないこれは、補助エンジン付き自転車「ホンダカブF型」です。

1952年、白いタンクと赤いエンジンカバーがかわいく大ヒットしたそうな。

森林公園内の上り森林公園内の上り

ものづくり伝承館を出て、まちなかから再び鹿島橋を渡って宿に向かいます。本日の宿は静岡県立森林公園の中にある「森の家」。

しかし県道2号から左へ折れたとたん、なかなかの上りが始まりました。そして森林公園に入ってからも、木々に覆われた道はますます上り勾配を増しています。『ぎゃー、最後にこれ!?』と切れそうなサリーナ。

森の家に到着森の家に到着

上って曲がって上って。。やっと「森の家」の看板が見えたときの嬉しさよ。

そして到着してみれば、木の香りが匂い立つような建物が迎えてくれました。

窓からの景色窓からの景色

ここは宿泊・研修施設だそうで、宿泊棟のほか、レストラン棟、研修棟、多目的ホールなどの施設があり、どれも木材がふんだんに使われています。

部屋もお風呂も木の香りで落ち着いて快適。そして窓からは何と、松林の向こうに海まで至る広大な市街地の景観が広がっています。がんばって上った甲斐があったというものです。

レストラン棟で夕食レストラン棟で夕食

ゆっくりお風呂に入ったら、レストラン棟で夜景を見ながら夕食。カンパ〜イ!

最後はあえぎましたが75kmを快適に走り終え、天竜川はついに平野部まで出てきました。さあ、明日はいよいよ最終日、太平洋に流れ込みます。

◆ひとこと by サリーナ

今年のGW企画・天竜川には初日の昼過ぎから参加。午前中にすばらしい北アルプス・中央アルプスの眺めを満喫したと聞いて残念に思いましたが、そこからも楽しい道と絶景のオンパレードでした。

絶景の中の絶景といえば、やはり2日目の陣馬形山。へろへろになり押しながらも上りきったあとの360度パノラマには大感動でした。

そして問題の3日目。私の20年ほどの自転車旅歴の中でも最長の押し、最困難旅トップに躍り出ようという行程でしたが、宿に着いたときのビールは最高! 困難の先にはいいこともありますね〜

翌日の4日目は、終日本当に本物の快晴に恵まれ、快適に走りながら、深い谷間の流れから幅広いダム湖の連続へと、緑の中で姿を変えていく天竜川の景色を満喫することができました。

川の源流から河口まで走るというのは、物語があっていいですね。そしてサイドストーリーもいっぱいの楽しい旅でした。

< 前日へ 天竜川 TOP 翌日へ >
日本自転車コースリスト GEO POTTERING home