ここ数日は気温が下がり、ようやく少し秋めいてきました。週末土曜日の天気予報は雨から雲りに、そして晴れに。日曜日からはまた雨らしいので、二週連続ではありますが、走りに出かけます。
しかし気温はぶり返して32°Cまで上がり、熱中症注意マークが点滅しているので、涼しいところへ。
しばらく裏ヤビツ周辺を走っていないので、宮ヶ瀬湖付近にある林道をいくつか巡ってみることにします。
中央本線の藤野駅から日連大橋(ひづれおおはし)に下り、
相模川を渡ります。
すると、r76山北藤野線は上りに。
山北藤野線から川上川の筋に入ると、道志の山々が見えてきます。宮ヶ瀬湖はあのさらに向こう側でしょう。
狭くなった道でまずは鉢岡山へと上ります。今日のコースは山勝ちでアップダウンの連続です。
のっけから結構な勾配で、すでにアヘアヘモードのマージコ。
『今日は最初からきっついですねぇ。』
なんとか鉢岡山のピークを越え、篠原に下ってr518藤野津久井線に入ります。r518藤野津久井線は二車線の広い道で、これは牧馬峠(まきめとうげ)に続いています。
『牧馬峠の手前は、丸い印が付いたコンクリート舗装のきっつい上りが続きますよ〜』 と、シュンシュン。
『エ〜ッ! それ、どんなの? ○○のようなところ? それとも△△のようなもん?』 と、想像を巡らすマージコでした。
篠原の民家がなくなると、どうやらシュンシュンの言ったところにやってきたようです。
道は12%勾配で、ノンスリップ加工が施されたコンクリート舗装です。
12%に耐え、黙々と上って行きますが、このコンクリート舗装区間は意外と長く、ハヒハヒ。
ここは確かにシュンシュンが言うように結構きついです。
なんとか牧馬峠に到着です。しかしここには見晴らしはなく、上りから下りへの切り返しもはっきりしないので、あまり峠らしい峠ではありません。
道端に『ギフチョウとその生息地』という案内板が立っています。このあたりにはアゲハチョウの仲間のギフチョウがいるようなのですが、それは春にしか見られないそうで、この時は残念。
牧馬峠の先には車の幅を規制するポールが立っています。これはこの先は道幅が狭いということですね。
このポールを通過するとそこは想像の通りで、山道の雰囲気。
その後はどどーっと道志川の青馬橋まで下ります。
この橋の上から見る道志川は深い緑色。
道志みちに出てr64伊勢原津久井線に入り、一山越えて宮之前まで下ります。
西門からカントリーロードに入れば、右手に、宮ヶ瀬湖の北西にある山々が見えてきます。
このあたりは彼岸花はそろそろおしまいで、コスモスが満開。
『鳥居原ふれあいの館』の正面に出ました。ここでひと休みしましょう。ふれあいの館の前は鳥居原園地で、ここからは宮ヶ瀬湖と大山などの山々が良く見えます。
さて、宮ヶ瀬湖を眺めたら、林道巡りの開始です。今日は全部で5つの林道を巡る予定ですが、まずは荒井林道です。
荒井林道は宮ヶ瀬湖に流れ込む早戸川の北岸の道で、これは林道とは言っても普通の車が通ることができ、先にはマス釣場のリヴァポット早戸があります。
荒井林道の序盤には『虹の大橋』がよく見えるポイントがあるのですが、ここは一気に通り過ぎてしまったのでその写真はなし。まず道は針葉樹の中を抜けていきますが、これはそのうち広葉樹に変わり、いい気分。
水沢川のすぐ手前で八丁林道の分岐が現れると、荒井林道はここでおしまい。この先は早戸川林道になります。
分岐のすぐ先の水沢川を渡る橋までやってくると、下に古い橋が見えます。よく見るとこの橋はもう使われておらず、宮ヶ瀬ダムが造られる前にあった道に架かっていたものでした。
上の橋からこの古い橋の反対側を見ると、水沢川が小さな滝になっています。
暑いこの日はこうした流れが耳に心地良い。
水沢川からさらに奥へ進むとすぐに青いアーチ橋が見えてきます。早戸川橋です。
早戸川林道はこの橋の向こう側を通り、宮ヶ瀬湖方面に延びています。
これまでやってきた早戸川北岸の道はまだこの先も続くのですが、ここで私たちは早戸川橋を渡り、引き続き早戸川林道を行きます。
この写真に白いガードレールが写っていますが、あれが早戸川南岸を行く早戸川林道です。
さっそく早戸川を渡り南岸の早戸川林道に入ります。
こちら側の道は車は通れないので、たまに歩く人がいるくらいで、落ち葉や枯れ枝が散乱しており、かなり荒れています。しかし落石や小石はないようなので、スリップだけ注意すればそう問題なく進めます。
いつの間にかあの白いガードレールのところまでやってきたようで、先ほど渡った早戸川橋が下に見えます。
さらに進んでいくと立派な茶色のトラス橋が現れました。金沢橋です。ここはほとんど流れのない川面に陽の光が反射してキラキラときれいです。
金沢橋は早戸川に流れ込む金沢川に架かっており、その金沢川沿いには金沢林道があるのですが、今回これはパスします。
金沢橋付近にはバートウッチャーなのか、大きな望遠レンズを付けたカメラを持った人々が何人かいました。
この日の宮ヶ瀬湖の貯水量は100%とのことなので、早戸川にはまったく流れがないのでしょう。水位がかなり高く、このあたりでは立ち枯れた木があちこちに見られます。
汁垂隧道(しるたれずいどう)をくぐり抜けると、おっと、見えた! 荒井林道では撮り逃した『虹の大橋』が現れました。
この虹の大橋が見えると、早戸川林道の宮ヶ瀬湖側の出入口まではすぐです。
先にゲートが見えると、そこは宮ヶ瀬湖畔園地の駐車場の横です。
時は11時前。この先食事ができるところはないので、まだ少し早いのですがこのあたりで昼食にします。宮ヶ瀬湖畔園地には食堂が数軒ありますが、その中の一軒『びんずる』が、もう食事の用意ができると言うので、ここに決定。
ここは清川村。壁に清川村特産『清川恵水(めぐみ)ポーク』とあるので、その肉を使ったスタミナ丼と、この食堂の名物だと言う豆腐ステーキを。豆腐ステーキは豆腐だけかと思いましたが、お肉が入っていました。どちらもおいしかったです。
昼食のあとは宮ヶ瀬湖を出て、ヤビツ峠方面へ向かいます。ヤビツ峠はロードバイカーには人気の峠なので、大勢のバイカーが行き来しています。
宮ヶ瀬湖の上流は中津川で、対岸に大棚沢橋が架かっているのが見えます。
この先はr70秦野清川線の一本道。
この道は序盤は二車線で広いのですがそのうち写真程度の幅員になります。この先は木立に覆われていて涼しく、穏やかな上りが続いていきます。
左手の木立がなくなると視界が開き、谷の底を流れる中津川が見えます。
この川の流れる音がずっと響くのも、この道のいいところ。
中津川は所によりその表情を変え、こんな狭い流れだったり、
人工の滝が落ちる広い流れだったり。
道を取り巻く木々も、針葉樹だったり広葉樹だったり。
ここは渓流の趣。
一瞬、新緑? と勘違いするような緑が現れました。
これは萌黄色と言うのでしょうか。
本谷川の塩水橋(しおみずばし)を渡り、大洞トンネル(おおぼらとんねる)をくぐり抜け、さらに小さな大洞橋を渡ると、左手の木々の合間に赤い橋が見えます。あの橋が唐沢林道の布川橋でしょう。
そして『かながわの景勝50選 丹沢札掛のモミの原生林』と掘られた石碑が出てくると、そろそろ唐沢林道の入口です。
唐沢林道の入口はヤビツ峠に向かう道に平行して、宮ヶ瀬湖方面に戻るようにして付いています。
この入口を入ると急な下りで、左にカーブして行きます。
すると、すぐにゲートが現れます。
このゲートは横の隙間も鉄パイプで塞がれていますが、かろうじて人一人が抜けられるようになっています。
ゲートの先の布川橋から布川を見ると、この川は意外と立派な流れ。
先ほどまで走っていたヤビツ峠に向かうr70秦野清川線はこの川に沿って延びています。中津川はいつのまにか布川になっていたのです。
唐沢林道は約12kmの全舗装路で、火打澤隧道と物見隧道との二カ所のピークがあります。この二つのピークの間には小唐沢橋があるので、大きく4区間に分けて考えて走ることが出来ます。
閉鎖林道なので、落ち葉、枯れ枝、そして小石の散乱が見られ、一部崩落の危険性のあるところがあります。
布川橋から火打澤隧道までは1.2kmで平均斜度7.8%。アップダウンがあるので体感的勾配は12%ほどと見てよく、結構きついです。
まあゆっくり行きましょう、と、えっこらよっこら上り出すマージコ。
この序盤は斜度はきつめですが距離が短いので、火打澤隧道にはすぐに辿り着きます。
穏やかな小さなカーブの先に見えてきた火打澤隧道は最初は出口が見えないので不気味ですが、近づくと意外と短いことがわかります。おおおそ70mと言ったところでしょうか。
この隧道の内部は安定していて、路面状況も問題なし。不安なく通過できます。
火打澤隧道を抜けると空が見えます。この林道には視界が開けるところはほとんどありませんが、ここはその内の数少ない一つ。
ただし見えるのは、只々深い山。
火打澤隧道の先は山の斜面が変わり、この道の名称になっている唐沢川の谷になります。
ここまで路面状況はすこぶるよろしく、少し清掃すれば立派に普通の道として通用しそうなほどです。閉鎖するにはそれなりの理由があるのでしょうが、ちょっともったいなくも感じます。空も適度に開けており、気分は良。
火打澤隧道から2km少々の距離を穏やかなアップダウンを繰り返しつつ下ると、小さな沢を渡ります。
この沢から折り返すようにしてさらに700mほど下ると、二つの隧道の間の最低標高地点に達します。
この最低標高地点からさらに800mほど行くと小唐沢橋です。現場に行くまではこの小唐沢橋が底だと思っていたので、ここの上りはちょっと意外でした。
小唐沢橋には『小』の字が付きますが、いくつかの地図にこの沢は唐沢川と記載があるので、これが唐沢川の本流なのかもしれません。
ここまで、周囲の木々は広葉樹が多く明るいので、これからの紅葉が楽しみと思わせるものがあります。
小唐沢橋からは黙々と上ります。距離2.5km、平均斜度6.0%で、
物見隧道に到着。ここが本日の最高標高地点です。
この隧道の横には上に登って行く遊歩道階段があり、物見峠まで300mと標識が出ています。さっそく物見峠に向かおうとするサイダーですが、マージコとシュンシュンはこれに反応せず。サイダーが負けて、これはパスすることに。ちょっともったいなかったかな。
物見隧道は長さ150mほどで、これも通過にはまったく問題なし。
物見隧道を抜けると右手の視界が開き、厚木・海老名方面が見えます。
彼方に見える超高層ビル群は横浜でしょうか。
下界の眺望を楽しんだら、あとは煤ヶ谷方面に下るだけです。この先には、巨大石が落下し、そのままにされているような恐ろしい箇所もあり、小石がそこらじゅうに散乱しているところもありますから、用心して進む必要があります。
とにかくずんずん下って行くと、煤ヶ谷から半原越(はんばらごえ)に向かう法論堂林道(おろんどりんどう)が山の中腹を上っているのが見えます。ここからあの下に見えている道路まで下るのです。
物見隧道から4.7km、平均斜度8.3%の下りで、r64伊勢原津久井線に出ました。
これにて唐沢林道は終了。この道、なかなか良い道だと思いますが、パンクの確率はかなり高そうで、特に後半がかなり荒れているのが残念です。今の状態で12kmを走るのは、ちょっと荷が重いかな。
さて、唐沢林道からr64伊勢原津久井線に出て、 法論堂林道に向かいます。
法論堂林道は半原越を通り、そこからは南山林道(みなみやまりんどう)となり、中津川の筋の半原付近に抜けます。
半原越とはちょっと変わった名称ですが、これは標高488mの峠の名です。かつて煤ヶ谷は養蚕が盛んで、半原は糸の町として栄えていたそうです。煤ヶ谷の人々は繭を背負って山を越え、半原に向かったことから、この峠は半原越と呼ばれるようになったとか。
法論堂林道は現在も車が通れる道で、煤ヶ谷側の入口はごく普通の道のように見えます。
直線基調の道をリッチランドまで進み、そこからUターンし『清川しっぽ村』を過ぎると、途端に山道らしくなり、車幅規制のポールが現れます。
半原越までは伊勢原津久井線からだと、距離4.7km、標高差320m、平均斜度6.8%。結構きついです。
ここは勝手知ったるシュンシュンはダッシュで上り、マージコとサイダーはヘコヘコとなんとか上って行きます。
法論堂林道も唐沢林道同様にほとんど眺望はありません。
極僅か、数カ所でこんな景色が見られるだけです。そうそう、ススキがね、今年の中秋の名月はもうとっくに終わりましたが、お月見しなかったな。
日本の山は植林された針葉樹林が多いですが、法論堂林道は意外と広葉樹が多いです。
これはこのあたりはあまり林業が盛んではないということでしょうか。それともこの山は通常とは別の用途なのでしょうか。
半原越に到着。ここは最後の山越えとあり、きつかったです〜ぅ。。
半原越には車の車幅規制ポールが立ち、南山林道とは別に一本道があるだけで、それ以外に特別なものはありません。身支度を整えたらさっさと南山林道を下り出します。
南山林道は中津川に流れ込む南沢に沿って下って行きます。
一カ所緩い上りがあるので、疲弊した身体にはここがちょっと応えますが、まずまずいい感じです。
ぐわ〜んと下って、中津川の馬渡橋までやってきました。
ここで川を覗いてみると、若者が数人川に入っていました。今日は暑かったですからね。
馬渡橋からは三増(みませ)に向かう予定でしたが、気が変わってr54相模原愛川線を行き、その先で横須賀水道道路に入りました。
田んぼの中を行く横須賀水道道路の正面にもの凄い坂が見えます。あれは河岸段丘を上る坂です。なんだかあの坂は上りたくないな、と思い、これは回避することにしました。(笑)
そして、角田の集落の奥にある地神社の横から延びる宮坂で河岸段丘を上ることに。
しかしですよ、河岸段丘の高さは先ほどの水道道路もここもそんなに違いはありませんから、距離が短くなれば勾配はよりきつくなるのです。
ここは押してもきつい超激坂でした。挙げ句の果てに蚊に何カ所も刺された!
とにもかくにも中津川の河岸段丘を乗り越えて、高田橋までやってきました。
大河、相模川です。
高田橋からは相模川に沿って水上へ向かい、橋本を目指します。
ここはちょっとの区間ですが自転車道があります。
田名に入ると畑が広がるようになり、その中を豪快に突っ切る広い道を行きます。うしろには今日一日楽しんだ丹沢山系の山々が見えます。
予定時刻を5分過ぎた17時35分に橋本駅前に到着。橋本はすっかり変わってしまって、道がまったく分からなくなってしまいましたが、昔からやっている居酒屋が二軒見つかったので、そのうちの一軒で打ち上げに入りました。
さて、林道5つはちょっときつかったですが、木陰があり水辺も多かったので涼しく走ることが出来ました。前半の二つのそれ、荒井林道と早戸川林道は距離が短くほぼ平坦なので、誰でも楽しめると思います。中盤の唐沢林道は閉鎖林道で距離が長く、アップダウンもそれなりにあり、路面状況もあまり良くないので、慎重に計画すべきです。後半の半原越を挟む法論堂林道と南山林道では、そこそこいい感じの上りと下りが楽しめます。今日の林道コース、前半、中盤、後半と三つのグループがそれぞれに特徴があるところがいいところです。