いい季節がやってきましたが、今年は雨が多いですね。この企画は先週に予定していたのですが、金曜日が大雨で一週間延期したのです。昨日は小雨で開催日の今日は曇りの予報。昨日、都心はほんのパラパラ降っただけなので、少しルートを変更して開催することにしました。
拝島駅から西を見れば、丹沢から秩父まで連なる山々が横たわっています。今日はその裾にある梅野木峠に上ります。
しかし峠企画はジオポタでは人気がありません。ポタリングなのになんで峠があるんだ! と。(笑)
そんなわけで今日のメンバーはタキスキーとサイダーの2名。それにビジターで初参加のミッちゃん。
多摩川の河岸段丘を下ると、住宅地と崖の堺にせせらぎ通りが伸びています。
ここから多摩川の土手に出ました。
多摩川の土手には自転車道があるのでこれをどんどこ。
ビジターのミッちゃんは自転車を何台も所有し、月1,000kmも走るというつわもの! タキスキーは部下の欠員で仕事が忙しくここのところ参加できませんでしたが、ようやく補充されたとのことで、土曜日でも出てこられるようになりました。
福生駅から西へ伸びるr165の永田橋が近づくと自転車道の様子が変わり、細いうねうね道に。
今日はメインの梅野木峠の前に小さな3つの峠越えがあります。まずはR411の満地峠(まんじとうげ)です。
本当は満地峠は通らず多摩川沿いを羽村まで行き、そこで対岸に渡り大荷田川に出るつもりでしたが、このルートは途中に橋がない小川渡りがあるので、今日は無理と判断して満地峠経由にしたのです。
永田橋を渡り草花通りを行きます。
すると前方に小山が見えてきました。今回の峠はあのような低い山の中にあります。
しかし道はまだ極僅かに上っているだけ。
R411滝山街道に合流すると交通量が多くなり少し勾配が上昇しますが、峠まではすぐなのでそのまま滝山街道を行きます。
するとほどなく満地峠に到着です。ここまではどうということはなかったね、とまずは最初の峠をクリアーして微笑み合うミッちゃんとタキスキー。
国道には満地トンネルが口を開けていますがこれは車とモーターバイク用なので、私たちは旧トンネルへ向かいます。
このあたりは明け方に雨が降ったのか、あるいはどこかから水が染み出しているのか、路面が濡れていて滑りそう。
少し尖ったアーチで煉瓦のファサードを持つ旧満地トンネルは、なかなかいい雰囲気です。
滝山街道を下ったら大荷田川沿いの道に入ります。
この道は大荷田川橋の手前にちょっと打ち捨てられたようなところがありますが、橋を渡ると鄙びたいい道になります。ほとんど山道のような雰囲気ですが、林の中に開かれた小さな畑もあります。
しばらく薄暗い針葉樹林の中を行きます。道は穏やかながらもずっと上りです。
空間が開くと細い大荷田川の流れが現れ、その先に小さな小屋が立っているのが見えます。この小屋は大荷田組膳椀倉というもので、村のイベントで使う食器が収められていると案内板に書いてありました。
オレンジ色の実が生る柿の木がある民家もあります。
この鄙びた道はr35秋川街道にぶつかって終わります。
前回はここから青梅に下ったので、今回は秋川街道をちょと上って二ッ塚峠を越えることにしました。
秋川街道は勾配が少しきついのですが、ここも距離が短いのでエイヤーッと上ります。
二ッ塚峠はコンクリートで固められた切り通し峠で、見晴らしはなく交通量もそこそこあるので、停止せずにスルーします。
上ったら下る!
ぐわ〜んと下って行くと、
小さな谷合いに集落が見えます。日の出町の玉の内のようです。
坂本まで下ったらr251青梅日の出線に入り、三番目の峠、梅ヶ谷峠を目指します。
この道は名前からもわかるように青梅の和田と日の出を結ぶもので、多摩川を経由せず近道となるため、それなりに交通量があるので要注意です。
梅ヶ谷峠までは2.7kmで100mちょっとの上り、平均勾配3.9%。
梅ヶ谷峠までの2/3ほどを上ったところに広いバス停があり、その奥で大きなたぬきが私たちを出迎えてくれたので、ここでちょっと休憩。
大たぬきに別れを告げたら、これより本格的な上りが始まります。
ちょっと踏ん張ってハヒハヒしつつ梅ヶ谷峠に到着です。
この峠も二ッ塚峠同様にコンクリートで固められた切り通し峠で、面白いものは何もないのでスルー。
青梅の和田に下り、すぐに小川を渡って梅郷に入りました。
入った道は吉野街道に並行して走る観梅通りで、自然にできた道の形状が現在まで残っているようで、穏やかなカーブを描いて伸びています。
通りの割に人が多いなと思っているとそのうち法被姿の人が現れ、その先に2台の山車が出されていました。提灯には上郷と中郷の文字が見えます。そうするときっと下郷もあるのでしょうね。これから秋祭りが始まるのでしょう。
柚木町に入ると周辺にちょっと紅葉している木々が現れ出しました。都心の紅葉はまだまだ先なのでちょっと驚きましたが、やっぱり奥多摩の紅葉は早いです。
快適な裏道が終わり吉野街道に出て西へ少し行くと沢井で、今日のメインイベントである梅野木峠の入口に出ますが、その先の澤乃井園で上りの準備をすることにしました。
澤乃井園は多摩川縁にあるので川まで下ります。
すると現れたのは楓橋という吊り橋です。
ここの木々も紅葉を始めていました。
楓橋から川面を覗くとゴムボートがやってきました。ここはたまたま流れが穏やかなところですが、ラフティングのようです。
ここでタキスキーが『この川は何て言う川ですか。』と聞くのでちょっとびっくり。これは多摩川ですよ〜 でも河口付近の多摩川しか知らないと、これが多摩川とは思えないのも無理はありませんね。それ位河口とこのあたりでは景色がまったく違います。
橋を渡ると澤乃井園です。澤乃井園は清酒の澤乃井で知られる小澤酒造が持つ庭園で、売店や東屋があって休憩ができます。
澤乃井園で一休みしたら、梅野木峠の入口へ向かいます。吉野街道から入るこの入口には長い石垣が続き、ちょっとした雰囲気があります。
この入口を入って少し上ると林道大入線のゲートがあります。
このゲートから梅野木峠までは距離4.1km、高度差380m、平均勾配9.2%。ちょっときついですね。
赤シャツのタキスキーは今日は上りだからと細いタイヤのGIANT MR-4でやってきました。一方、白シャツのミッちゃんは上りだからと、軽いギアがあるマウンテンバイクを選択したそうです。さてこの選択はどうだったでしょう。
平均勾配が9%を超えるコースなので、序盤からかなりきついです。
サイダーは元々足がないので最初からノロノロ。タキスキーのMR-4はスピード重視なので軽いギアはなく、こちらもノロノロ。ミッちゃんのマウンテンバイクはカーボンフレームでかなり軽量な上、軽いギアもあるのでどんどん先へ行きます。
周囲は針葉樹林。
スタートしてほどなく道の勾配は10%を越え、タキスキーは押しに。この勾配だと乗っても押しても大して速度は変わらないので、力がない場合は潔く押すのが正解かも。無理をして足を痛めたりすると楽しいサイクリングでなくなりますからね。
このコースは眺望はまったくと言って良いほどなく、あまり変化がないのですが、小さなポイントとしては半分をちょっと過ぎたあたりにこんな切り通しがあります。
その先でちょっとだけ空間が開きました。
すると勾配が少し穏やかになり、タキスキーも自転車に乗って進むようになります。
このあたりはちょっと休める勾配で、5〜6%程度でしょうか。
タキスキー復活!
置いていかれる〜
このあと再びきつい区間が登場しますが、これはそう長くはなく、終盤に入ります。
ビジターのミッちゃんは相変わらずガシガシ上って行きます。
『今日は予想とはだいぶ違ったコースでした。マウンテンバイクにしてよかったです!』 とのこと。
標高が600mを越えると周囲がぐっと明るくなります。峠が近づいたのです。
先ほどからカーンカーンという人工的な音が響いていたのですが、先の山の針葉樹が伐採され、切り出されていました。音はこの切り出す作業をしている重機のものでした。
このハゲ小山を廻るようにして進むと、一瞬だけ南の視界が開きました。やはり奥多摩、それなりに山が深いです。
再び針葉樹を切り出しているところがありましたが、ここを過ぎると梅野木峠はもうすぐです。
タキスキーもなんとか踏ん張って上ってきました。この先にゲートがあり、その先が梅野木峠です。
梅野木峠到着! ここには峠の標識などはありませんが、小さな杭に『梅野木峠 標高635m』とありました。
うしろがやってきた道。右手に見えるゲートは林道梅の木線の入口で、今日は足元が悪くて行けませんが、これを行くとごく緩い下りのダートが日の出町大久野の萱窪まで続いています。
左は少し行くと登山道となり、高峰山から日の出山を経て御岳山に続いています。
この峠にはかつては僅かながら南の眺望があったのですが、現在は木々が大きくなり、ほとんど何も見えなくなってしまいました。(TOP写真)
梅の木林道に入って少し行けばもう少し開けた眺望があったと記憶していますが、わざわざ引き返して確認するほどでもないかなと思い、この日は行きませんでした。
峠でしばらくおしゃべりを楽しんで休憩したら、日の出町のつるつる温泉に向かいます。路面が濡れているところがあるので慎重にね、と言って下り出します。
下り出すと一瞬だけ梅野木峠から続く尾根が見えました。
このあと、こちらからは上りたくないな〜と思わせる超逆坂が出てきます。
慎重に慎重に下ってもうすぐつるつる温泉というところでタキスキーが転倒。MR-4の細いタイヤがグレーチングにはまってしまったのです。グレーチングは滑るし、タイヤが細いとタキスキーのようにはまってしまうことがあるのでやっかいです。
幸いにして大怪我には至らなかったのですが、ちょっと痛い目に合いましたよ。タキスキーの回復を待ち、パンクしたタイヤを修理して再出発。
つるつる温泉のすぐ上にはゲートがあります。このゲートは閉まっていましたが施錠されておらず、手動で開閉できるようになっていました。
つるつる温泉まで下ってきました。だいぶ遅くなってしまったのでここの食堂で昼食を。食堂の利用は1時間以内なら入館料が不要です。
つるつる温泉を出たら武蔵五日市へ下るのですが、温泉を出てすぐ、タキスキーがパンク! タキスキー、今日は踏んだり蹴ったりでついていません。先ほどの転倒で打撲もあるので、タキスキーはここからバス輪行ということに。
ということで、ここからはサイダーとミッちゃんで行きます。
武蔵五日市までは平井川沿いの穏やかな下りで、快調に行きます。
武蔵五日市駅付近からは東へ向かい、あきる野市の横沢にある大悲願寺に立ち寄ります。
その大悲願寺の手前の激坂からは西へ伸びる秋川の谷のいい景色が見られます。
大悲願寺の山門は道路際にドーンと立っています。
その奥にある観音堂は1794年(寛政6年)の建立。道路から一歩入っただけなのに、ここの空間はとてもひっそりしています。
奥にある池では子供たちが、いえ、よく見ればおばちゃんたちが(笑)ザリガニ釣りをしていました。このお寺はザリガニではなく萩の花で有名ですが、その時期は7月頃から9月いっぱいのようで、この時は実をつけ始めていました。
大悲願寺の前の通りから横に入ったところが横沢入です。
ここは谷戸で、かつてあった環境を保全するために東京都により指定されたところで、地域の人々により田んぼが作られています。
この時はすっかり稲刈りが終わっていて、刈り取られた稲が稲架に架けられ天日干しされていました。
横沢入の田んぼを眺めたら秋川に下ります。
武蔵増戸駅を過ぎると道は畑の中を行くようになります。ここはのんびりしたいいところです。
秋川に出ました。
秋川はこれより少し上流の檜原村では渓谷の様相ですが、ここはとても穏やかな流れです。
秋川沿いには引田橋から下流に自転車道のような道が続いています。この道は利用者が少ないので快適です。
その横にコスモスが咲いていました。今年はじっくりコスモスを眺めることがなかったのですが、そろそろおしまいでしょうか。
秋川は多摩川に合流して終わります。このあとは多摩川自転車道を下ります。
マウンテンバイクのミッちゃんは平地でも速く、どんどん行きます。今日はマウンテンバイクでまったく問題なしでしたね。
本日の終着地は多摩川自転車道から一番近い中央線の駅である立川駅。後半に少し時間を取り戻したようで、日没ちょっと過ぎに駅前に到着。
今日はトラブルがありましたが大事故にならずに済んだのが幸いでした。グレーチング、気をつけましょう。