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ツール・ド・ピレネー 3

大西洋から地中海へ

第3ステージ Garaioa ~ Isaba
開催日 2008.08.02(土)曇りのち晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 47km

たなびく雲と走る
たなびく雲と走る

コース紹介

スペインの小さな村ガライオアから2つの峠を越えてイサバまで。 峠は両方とも高度差が小さく、勾配もきつくないので難易度はあまり高くありません。 運が良ければ私たちと同じように雲海とともに走ることが出来るでしょう。 彼方にはピレネーの山々が連なり、いよいよツール・ド・ピレネー開始! といった気分になります。


第3ステージ:ガライオア(780m) ~ イサバ(790m) 47km

 峠:レメンディア峠(1,040m)、ラザ峠(3級 1,129m)

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サン・ジャン・ピエ・ド・ポー朝霧のガライオア

朝7時半、気温は部屋の中で15°Cとちょっと肌寒い。 外はうっすらと霞がかかったような天気です。 宿の朝食は大抵9時からなので、となりのバルを覗いてみるがまだ始まりそうな気配はない。 バルの中には早朝から深夜まで営業するところがありますが、ここはどうやらそうではないらしい。 しかたがないので朝食は途中どこかの街でとることにして、ガライオアを出ました。

穏やかに上り始める穏やかに上り始める

今日は大きな道を行くので昨日のように迷子になる心配はありませんが、小さな峠を2つ超えます。 まず最初のレメンディア峠(1,040m)へと向かいます。 走り出すとすぐに上りです。 勾配は7~8%。

雲海雲海

徐々に高度が上がり、明るくなってきて、ついにお日様が顔を出しました。 横を見れば森の向こうにガライオアの街を覆っていた雲が日の光を浴びています。

雲と走るサイダー雲と走るサイダー

森を抜け辺りが草原になると、その向こうの谷を覆うように雲が現れます。 昨日も同じような状況がありましたが、今日は晴れているのでまったく違った印象です。 雲といっしょに走るって気持ちいい!

ピレネーの山々ピレネーの山々

『お~、見えた~、ピレネー!』

正面にはこれから何日もかけて走り抜けるピレネーの山々が現れてきました。 いくつかの山はとても険しく見えます。 あの山々を本当に越えることが出来るでしょうか?

レメンディア峠への上りレメンディア峠への上り

晴れた午前中の気温は20°Cちょっとくらいで、暑すぎず寒すぎず、とても快適に走れます。 道はレメンディア峠への上りですが、斜度はそんなにきつくありません。

レメンディア峠レメンディア峠

すこしえっこらえっこらしましたが、ピレネー最初の峠レメンディア峠に到着です。 空は真っ青で素晴らしくいい気分ですが、この峠、実は見晴らしはさほどなく、道路際にこの看板があるだけであまりパッとしません。 ちょっと休憩して『じゃあ、次行こう!』と今朝は元気いっぱいのサリーナ。

ハウリエッタハウリエッタ

峠から100mほど下るとハウリエッタに到着。 ちょうど9時でバルもそろそろ開く時刻です。 ということで街角にあったバルに入り、カフェ・コン・レチェ(スペイン語のカフェ・オ・レ)とトーストの軽い朝食にありつきました。 このあたりの村々は赤茶の瓦屋根に白い壁、扉は赤い塗装が施されたバスクの伝統的なスタイルです。

下るサリーナ下るサリーナ

ハウリエッタからも下りが続きます。 いくつかヘアピンカーブを通り越してエスカロスまで豪快に下りました。 エスカロスも赤い屋根と白い壁の家並みがかわいい街です。

オチャガビアオチャガビア

エスカロスから2kmほど北上すると、今日のルート上では一番大きな町オチャガビアに到着しました。 道路に沿ってサラザール川が流れ、その両岸にやはり赤い屋根と白い壁の家々が建ち並びます。 通りに観光案内所があったので立ち寄ってみました。 山歩きや川遊びなどアウトドアスポーツの資料がたくさんあります。 ここはどうやらそういったものの拠点の町になっているようです。 お茶をしようと思いましたが、たぶんこの町ただ一軒と思われるバルは、残念ながら休みでした。

ラザ峠に向かうラザ峠に向かう

オチャガビアからまた上りが始まります。 標高900mまで上ると分かれ道があります。 ここを右へ折れると勾配が少しきつくなりました。 いよいよラザ峠への最後の上りです。 私たちの横を一台のロードレーサーがス~っと追い越して行きました。 これまであまり自転車の人とは出会いませんでしたが、ここに来てようやく何人かと出会いました。

路面にはバスクの自転車チームであるエウスカルテルやその選手スベルディアの名がペイントされていて、おのずとムードが盛り上がってくるのです。 そう、この峠、ヴエルタ・ア・エスパーニャでは3級の峠とされています。 『これがグラン・ツール3級の峠ね~』と順調に走ります。 この最後の区間は3.5kmで130mほどの上りですから平均斜度4%弱で、私たちでも問題なく上れるものでした。

ラザ峠からラザ峠から

正午過ぎにそのラザ峠に到着です。 ちょっとした見晴し台が設えられていて、そこからちょうどこれから向かう南東方面に、少しだけ眺望があります。 休憩していると、3級といえどもヴエルタ・ア・エスパーニャのコースになった峠だけあり、レーサーたちが何人もやってきました。 モーターバイク(超大型1000CCクラス)のおじさん軍団もいました。 折り畳み小径車のような、なんちゃって軍団は約2名のサリーナとサイダーだけ(笑)

イサバまでの下りイサバまでの下り

ピレネーにあるものは山、そしてもう一つは川です。 川の数はものすごく多くてとても数えきれないほどです。 ラザ峠からの下りはその一つの川沿いで、気持ちのいいところです。 そうそう、ピレネーの水はとてもおいしく、ホテルの水道の水もこれを使っているのか、おいしいです。 そしてものすごく冷たい。

下り途中のウスタロスで昼食をと思いましたが、村一軒のレストランは改修中で、バルでは食事は出来ないとのことなので、一気にイサバまで下ります。

イサバ近くの奇岩イサバ近くの奇岩

ほとんどイサバに到着というところにこんな奇岩がありました。 ピレネーの山にもいろいろなものがありますが、このあたりにはこんな岩がごつごつしたところが多い。

イサバイサバ

13時過ぎに本日の宿泊地イサバに到着です。 イサバはこのあたりでは比較的大きな町で、宿は何軒もあり、観光案内所と博物館があります。 観光案内所のお兄さん、『どこから来たの? 日本? へえ~どうもありがとう!』だって。 ハイキングを楽しむ家族連れや本格的な山登りの人たちなど、観光客も結構いましたが、あまり外国人は見当たらないのどかな街でした。


2008.08.03(日)晴れ : 休養日

森の小径森の小径

自転車初日からへろへろ走行が3日続き、今日は休養日です。 イサバの街周辺には、初心者から本格派までのハイキングコースがいろいろあります。 私たちは観光案内所で紹介してもらった超初心者コース(45分)にチャレンジ! サイダーはハイキングシューズに履き替えて気合い十分。 街はずれにある入り口からすぐに渓流沿いの林の中の小径となり、途中、古い教会を訪ねます。

道しるべ道しるべ

ときどき『あれ、どっちかな~?』という場所もありますが、こんな道しるべが案内してくれます。 昨日のダートにもあったように、石にペイントされた色がこのルートの道であることを示しています。 それでもちょっと迷った我々でしたが、家族連れにもちょうどいい距離感のコースでした。 コース予定時間の45分をかなり超えて、1時間以上かかってイサバの街に戻ったサリーナとサイダー。

昔ながらのバル・Txiki昔ながらのバル・Txiki

時刻は12時過ぎ、お腹もすいて本来はちょうどいいタイミングのはずですが、ここはスペイン。 午後1時半から2時にならないと昼食タイムは始まらない! 仕方ないので、1軒だけ開いているバル『チキ』でビールを飲んで過ごします。 ここは昨夜も今朝もお世話になったありがたいバルでした。 写真は昨夜の混雑ぶりです。 地元の人も観光客も、立ち寄ってはワイワイやっています。

バスクの家バスクの家

午後1時過ぎ、昼食の場所を探しながら街を散策です。 バスクの家は、中心に台所・居間があり、そこは家族が暖をとるところでもあって、大きな丸い煙突が被さっているそうです。 この家にもそんな煙突が見えます。

バスクの表札バスクの表札

バスクの家々には(たぶん必ず)その家独自の屋号のようなものがあり、それは家の出入口の上に大きく書かれます。 木彫りの表札や壁に直接ペイントされたものがあり、この字体はバスク特有のちょっと変わったやつです。 特にAの上に傘がかぶさっているのが目立ちますね。

イタコ?イタコ?

服やお土産などを売っているお店。 『イタコ』って読むんですよね。 バスク語は、ヨーロッパの他の言語とは体系が全く異なり、その起源は諸説あるそうです。 言葉の音の雰囲気が似ているものがあることや、文章構成の並び順が似ていることから、日本語と同じ仲間という説もあるとか?

みんなが集まる木陰みんなが集まる木陰

すとすと歩いていると、何やら人々が集まっている木陰のスペースがありました。 んん?何かな? 特に何でもないのですが、ここは街の人たちがいつでも集まっている場所です。 ただベンチに座っていたり、顔見知りにあいさつしたり友だちとおしゃべりしたり。 喉が渇けば目の前にバルがあるというのも大きなポイントでしょうか。 サリーナとサイダーもしばらくベンチで一休み。 う~ん、何となく快適。

つまみもあるバルつまみもあるバル

木陰の広場の目の前にあるバルは、カウンターの上のガラスケースに並んだタパスと呼ばれるつまみも充実しているよう。 コロッケやボケローネス(イワシの酢漬け)などをつまみに大勢がおしゃべりしています。 つまみやビールを持って、通りの前の木陰に移動する人たちもいます。

不思議なトランプ不思議なトランプ

昼食と昼寝を終えて、夕方にもう一度このバルに来てみると、今度は年配のおじさんたちで盛り上がっています。 4~5人がトランプのゲームに興じ、まわりで指導?してうるさがられるおじさん含め、7~8人がテーブルを囲んでいます。 トランプのマークはなじみのない不思議なもの。 あれ、野菜が描いてある? でもよく見るとそれが数字になっているらしい。

ビール&サイダービール&サイダー

バルのはしごを続けます。 今度は中年女性が仕切る落ち着いた雰囲気の静かなバル。 ところが隣のおじさんは写真のような変わった容器の飲み物を注文。 バルの女性は容器の半分を何かの液体で満たした後、ビールサーバーでビールを加えた。 『あの~、ビールの前に何を入れたんですか?』と聞くと、『レモンサイダーよ』だって。 へえ~~と思わず写真を撮ると笑われました。 バルを出ると、買っていた人は店の前のベンチで友だちと飲み回しています。 『きみたちもどお?』と誘われ、チャレンジするサイダーはビールがうまく口に入らずビショ濡れとなり、みんな大笑い。 写真のお手本ように、ちょっと口から離して飲むんですね。

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