B&Bの朝食風景
ここはアメリカ合衆国の最南端に近いところにあるB&B。 アメリカの最南端はここハワイ島にあるのです。 砕けた珊瑚から成る緑の砂浜があるというその最南端に行くには、メインロードを17kmほど下らなければならないので、私たちは止むなく断念。
気持ちのよいテラスでマカダミア・ナッツの畑を眺めながらの朝食は、楽しい。 B&Bの良さは、オーナーから色々な話が聞けたり、同宿の人々とのちょっとしたふれあいでしょう。 そうそう、多くのB&Bの朝食は豪華です。
ワイオヒヌを出発
すばらしい朝食を頂いた後、ハワイ島一周サイクリングの後半戦の最大の見どころ、キラウェア火山に向けて出発します。
このあたりはマカダミア・ナッツの産地で、周辺は緑で覆われています。 道は狭いものの、交通量は少ないので問題なし。
海へ下る
お隣のナアレフの村を過ぎると道は下りになり、ヤシの木の向こうに朝日に輝く海が見え始めました。 その海にどんどん落ちて行きます。
気持ちのいい下り
あっと言う間に風景は一変、周囲には木一本見当たらなくなり、ただちらほらと草の生える大地の向こうに海が広がるばかりとなります。
この下りは最高~
見晴し台のサイダー
あんまり早く下るのはもったいない! とちょっとした見晴し台のようなところで停止し、眺めを楽しみます。 見晴し台とは言ってもハワイのそれは、こんなふうに、ちょっと道路の脇が広くなっただけのものですが。
荒野と順光の海
振り返れば、順光の美しいウルトラマリンの海と、何もない荒野が広がっています。
どんどん下るサリーナ
『きゃー、すてきー、ハワイってさいこ~~』 とサリーナがどんどん下ります。
下にWhittington Beach Park
海岸線が見え出すと、それはとても複雑に出入りを繰り返しています。 海に落ち込む大地の色は真っ黒。 どうやらここは溶岩で出来ているようです。
陸地に一番入り込んだ海の中に桟橋のようなものが見えます。 どうやらあそこがウィッティントン・ビーチのようです。
先にキラウェア火山
手前の丘の向こうに高い山が見えてきました。 今日はちょうど見えている稜線の左端あたりにあるキラウェア・カルデラまで上ります。 運が良ければ火山から立ち上る白煙が見えるそうですが、この日ははっきりしませんでした。
Whittington Beach Parkにて
メインロードを離れ、ウィッティントン・ビーチ・パークに入りました。 ここはビーチとは言っても砂浜はなく、ゴツゴツとした岩場に荒い波が押し寄せるところで、泳ぐのは難しそうなところです。
対岸で海に落ち込む大地の溶岩、わかりますか?
桟橋の跡の前で
ここは1930年代まで、砂糖や大麻の積み出しの港だったそうで、その桟橋の跡が残っていました。 時折この沖合にはホヌ(ウミガメ)が泳いでいるそうですが、この日は残念ながら見掛けませんでした。
溶岩の中を行く
ウィッティントン・ビーチ・パークを出ると、道脇も溶岩だらけになりました。 年代の古い溶岩は上を草木に覆われて見えなくなりますが、ここのはまだ新しいもののようで、茶色のごつごつした岩のように見えます。
火口か?
左手の斜面をずっと上って行くとマウナ・ロア山頂に着きます。 しかし道から山頂は見えず、手前にいろいろな形の出っ張りが見えます。 台形のように上部が平らなもの、お椀を伏せたようなものと様々ですが、こららは多分小さな火口だろうと思います。
ヤシと南国の花を背景に進む
Black Sands Beach → の看板を入ると、オレンジの花をたくさん咲かせた木々の脇を通り、海岸へ向かいます。
Punalu'u Beach Park
道は大きな弧を描きつつ下り、プルナウ・ビーチ・パークに到着です。 真っ黒な砂をジャリジャリと踏みしめながら進むと、小さな潮溜まりでは家族連れが水浴びしつつ潮干狩り。 その先ではすごく高い白い波が、岩を洗っています。
植物で覆われた浜
振り返れば、内陸側は肉厚の葉の地を這う植物に覆われています。
流れがはっきりわかる溶岩の跡
真っ黒な岩場は溶岩で出来ています。 ところどころにこんな風にはっきりとそれと分かる流れの跡がありました。
しかしBlack Sands Beachと言うほどの砂浜は、ここにはありません。
Black Sands Beach
小さな湾を北へ進んだところに、そのビーチはありました。 ここはホヌ(ウミガメ)がやってきて卵を生むところとして知られており、あちこちに亀に近づかないでという看板が建っています。 しかし残念ながら、
『今日はカメさん、お休みみたいね~』
いざキラウェアへ
プルナウ・ビーチ・パークで標高0mまで落っこちた私たちですが、いよいよここからは上り一本。 標高1,300mのキラウェア火山まで上り詰めなければなりません。 標高差もそれなりにありますが、なんと上りの距離は50km近くになります。 この距離、足に来そ~
『いざ、キラウェアへ~』 とサイダーが気合いを入れて出発。
穏やかな上りを行くサリーナ
この上りは穏やかで、せいぜい4~5%といったところなので問題なく進みます。 しかし強い日射しでさすがに暑い!
一時間ほど走り、パハラでお昼にすることにしました。 パハラはナアレフとボルケーノの間にある唯一の村で、ここ以外に補給できるところはありません。 ベルト・ロードから入った道は10%超えでキツ~。
へこへこ~、と辿り着いたパハラ唯一のレストランはなんと休業中。 少々焦るも隣に食品店があり、なんとかお昼にありつくことができました。
霧の中を行く
青かった空に急に雲が出てきて、いつの間にか辺りは霧に。 そして僅かにパラパラと雨が降ります。 キラウェア火山があるボルケーノ一帯は、実は雨が多いところだそうです。 上りなのでカンカン照りではよりきついでしょうから、ちょうど良かった。
植生が変わり、パハラあたりにあった綺麗な針葉樹林帯は影も形もなくなります
石ころだらけ荒野を行く
霧が晴れHawaii Volcanos National Parkの看板を過ぎると、見えるのはただ石ころだけ。 この石ころはもちろん噴石や溶岩の成れの果てです。 左手の斜面はあのマウナ・ロア山頂へと続くのですが、どうやらその山頂は見えないようです。
何もない道端の景色
こんなふうに、なんにもない世界がずっとずっと続きます。 あ、飽きるぅ~
そんなとき、妙な匂いが鼻を刺激し、石の平原の向こうにうっすらと立ち上る白い煙。 おっ、もしかしてあれは…
晴れたところが頂上
空に明るさが戻り空が見え始めると、さっきまで何もなかった道端には木が生え、道は平坦になります。 どうやら最高点に近づいたようです。
Crater Rim Dr に入る
ハワイ・ベルト・ロードからクレーター・リム・ドライブに入ります。 この道はその名のとおり、キラウェア・カルデラの周囲をぐるっと一周しているのです。 ここに入ればすぐにカルデラが見えるのだろうと思っていたのですが、期待はあっさり裏切られました。 道の周囲はバサバサした木々で覆われており、まったく何も見えません。
ハレマウマウ・クレーター
クレーター・リム・ドライブを西へ向かい、樹木が途絶えると、ついにあの白煙が見えだします。 ジャガー・ミュジアムの前に出ると、キラウェア・カルデラの中に、まん丸のハレマウマウ・クレーターがぽっかりと開いています。 その底からもくもくと立ち上る白い煙。
『お~、これがかのキラウェア火山か~』 と感嘆の呻きを上げつつ、しばし見とれます。
スチーム・ベント
ハレマウマウ・クレーターをたっぷり眺めたあとは、クレーター・リム・トレイルを使いビジター・センター方面へ向かおうと思いましたが、入口が判らず断念。 それにここまでの上りでもうヘロヘロだったのです。
ビジター・センターの近くには水蒸気が吹き出す小さな孔がいくつか見られます。 日本ならこんなところに温泉を作るのにな~、と思いを巡らしつつ、そんな孔のいくつかを覗きます。
ボルケーノ・ビレッジへ向かう
歴史あるロッジ風のホテル、ボルケーノ・ハウスを覗くとそこは閉鎖されていました。 ここから15kmほど東にあるプウオウ火口の活動が活発で、風下になるこのあたりの施設やトレイルの一部は閉鎖されているのです。
ビジター・センターでハイキング・マップをもらったあと、宿泊施設の多いボルケーノ・ビレッジへ向かいました。
ボルケーノ・ビレッジの植物
ビレッジに入るとまたまた植生が変化、大きな杉やシダ類が鬱蒼と生えるようになります。 ハワイ島って本当に面白い!
明日は再びキラウェア・カルデラに戻り、キラウェア・イキ・クレーターに下ります。 どんな世界が待っているのか、とても楽しみです。