1206-1

プラハ

チェコ 1

開催日 2012.06.18(月)-06.19(火)
2012.07.05(木)-07.06(金)
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度

火薬門と市民会館
火薬門と市民会館

コース紹介

チェコ・サイクリングの始まりと終わりは首都プラハ。 ヴルタヴァ川が流れるこの美しい古都はカレル橋や王宮を始めとし、みどころがいっぱい。 プラハは、14世紀に神聖ローマ帝国の首都となって現在みられる街の基礎が築かれ、深い歴史と多様な建築が溢れる美しい都市です。 1992年には歴史地区がユネスコ世界遺産に登録されました。

世界中から観光客が集まって大変な賑わいですが、さすがに見応えは充分。 私たちは数日間さらっと観光しただけですが、さまざまな時代の建築や美しい街並み、そしてちょっとだけ音楽も楽しみました。 旧市街の石畳の舗装はちょっと走りにくいのですが、自転車で廻るのにぴったりのスケールです。

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火薬門火薬門

プラハ観光の初日、まずは基本中の基本『王の道』を歩きます。 これは、13世紀から4世紀にわたって、歴代の王が戴冠パレードを行った道で、旧市街の火薬門からカレル橋を渡り、プラハ城に至ります。

出発点の火薬門(火薬塔)。 1475年に建設が始まったこの塔は、かつての城壁の門であり、18世紀に火薬倉庫として使われたことから『火薬門』と呼ばれています。

黒い聖母の家黒い聖母の家

火薬門から200mほど西に進むと、二手に分かれる通りの角に『黒い聖母の家』があります。 この建物はヨゼフ・ゴチャール設計によるチェコ・キュービズムの代表作で、1912年の建築。 内部はチェコ・キュービズム博物館となっています。

旧市街の通り旧市街の通り

さらに旧市街広場へと進みます。 このあたりは、細い路地を挟んで並ぶ歴史ある建物の街並みにカフェや土産物店が連なっていて楽しい。

旧市街広場旧市街広場

そして、ゴシック、ルネサンス、バロックなど様々な様式の建物に囲まれた壮麗な旧市街広場が開けます。 2本の塔がそびえる建物はティーン教会(正式名称は『ティーンの前の聖母マリア教会』)です。

旧市庁舎旧市庁舎

ティーン教会の向かいにあるのは旧市庁舎。 塔のある建物に隣接して、壁面がピンク、赤、スグラフィット装飾された建物と続きますが、これらはすべて旧市庁舎。 増改築や隣接する家の買取りなどで、さまざまな様式の建物が庁舎を構成するようになったそうです。

天文時計天文時計

旧市庁舎の塔の南面には有名な天文時計があります。 9時から21時までの毎正時には時計の上の窓から12使徒が顔を覗かせ、その上の窓の鶏が鳴く。 この仕掛けを見ようと大勢の観光客が集まってきますが、あっという間に終わってしまいます。

旧市街広場から南西を見る旧市街広場から南西を見る

旧市庁舎の塔に上れば、プラハの街の美しい景色が眼下に広がります。 南西を見れば、旧市街からヴルタヴァ川対岸のマラー・ストラナ地区までを見渡すことができます。

聖ミクラーシュ教会聖ミクラーシュ教会

北には、1730年代に建てられたバロック様式の聖ミクラーシュ教会が、ヴルタヴァ川対岸のレトナー公園の緑を背景に白く美しい姿を見せています。

カフェで小休止カフェで小休止

旧市街から対岸へ渡る前に小休止。 路地に面したカフェで、この旅の初ビールを楽しむことにしました。 う〜ん、やっぱりチェコのビールはウマイ!

旧市街側の橋塔旧市街側の橋塔

さて、いよいよカレル橋。 橋の入口には橋塔が建っています。 これは1400年に完成したもので、通行料の徴収や橋を守るためのものだったとか。 今は通行料はなし。

カレル橋カレル橋

カレル橋は全長520mの橋で、カレル4世の命を受けた建築家ペトル・パルレーシュの設計により1400年頃に完成しました。 橋の欄干には17〜19世紀に聖人の彫像が30体加えられています。

音楽家のおじさんとお猿さん音楽家のおじさんとお猿さん

橋は第二次大戦以降は歩行者専用となっており、大勢の観光客と、おみやげ売り、似顔絵描き、ストリートパフォーマーなどが溢れています。

下に流れるのはヴルタヴァ川。 チェコの代表的な作曲家スメタナの交響詩『わが祖国』の中でも特に有名な第二曲の『ヴルタヴァ』(日本ではモルダウとして知られる)はこの川のことです。 『わが祖国』はプラハの春音楽祭の幕開けの曲でもありますが、その会場、ネオ・ルネサンス様式のルドルフィヌムはここの隣のマーネス橋の袂に建っています。

モステツカー通りモステツカー通り

橋を渡り終えると、マラー・ストラナ地区。 この地区は城の下町として発展し、また18世紀には貴族の宮殿が多く建てられたそうです。 カレル橋から続く通りとして賑わうモステツカー通りの正面奥には、マラー・ストラナ広場に面した聖ミクラーシュ教会の塔が見えます。

3つのフィドルの家3つのフィドルの家

マラー・ストラナ広場の北を通るネルドヴァ通りには、ルネサンスの建物にバロックの装飾が施された楽しい建物が並んでいます。 昔、“住所”がなかった時代に目印のためにファサードには彫刻やレリーフが飾られたそうで、この通りには多く見られます。 写真は3世代に渡るバイオリン職人の家を飾る3つのフィドル。

ネルドヴァ通りネルドヴァ通り

ネルドヴァ通りにはお店やカフェ、レストランが並び、緩やかに上っていきます。

人形のおみやげ人形のおみやげ

マリオネットを専門に売っているおみやげやさんも見かけます。 チェコでは人形劇がとても盛んなのだそうです。

プラハ城正門

そうしているうちに、北側のお城方面に向かって道はググっときつい上りになりました。 セグウェイの集団に抜かれつつ、わっせわっせと上っていけばプラハ城前のフラッチャニ広場に到着。 正門の両側には直立不動の衛兵が2人。

聖ヴィート教会聖ヴィート教会

プラハ城の正門を入り、噴水の中庭を通り抜けたところでゴシックの壮大なファサードを見せるのが、聖ヴィート教会です。 930年頃に建てられたロマネスクの教会を改築する形で14世紀から工事が開始され、最終的な完成は20世紀に入ってからだそうです。 チェコでは最も大きな教会です。

聖ヴィート教会内部聖ヴィート教会内部

大聖堂は奥行き124m、幅60m。 身廊を飾る美しいステンドグラス、そして奥にはゴシック様式の祭壇とそれを囲む小礼拝堂、銀でつくられたお墓などがあります。

ムハのステンドグラスムハのステンドグラス

鮮やかな美しいステンドグラスは必見。 聖堂内の左3番目のステンドグラスはムハ(ミュシャ)の作品で、ステンドグラスはどれも19世紀末から20世紀初頭につくられたものだそうです。

聖イジー教会のファサード聖イジー教会のファサード

聖ヴィート教会の東に位置する聖イジー教会は、城内最古の教会です。 10世紀に創建され、火災の後12世紀に再建されたロマネスク様式に、17世紀の初期バロック様式のファサードが加えられています。

聖イジー教会内部聖イジー教会内部

内部は石壁にロマネスク様式の窓が穿たれ、素朴で静謐な空間を構成しています。 そして奥の内陣につながる階段は壮麗なバロック様式。

黄金小路黄金小路

さらに城内を東へ進むと、カラフルな小さい家が建ち並んだ『黄金小路』があります。 お城の中になぜ?というような小路ですが、もともとは城の兵隊の住まいだったとかで、『黄金』の由来はルドルフ2世が錬金術師を住まわせたことによると言われています。 おみやげ屋さんや、小さな博物館などになっており、城内の教会などの壮大な空間から一転して、こぢんまりくつろげる雰囲気があります。

2階の博物館2階の博物館

黄金小路の建物2階は内部でつながり、中世の甲冑や盾などがずらりと展示されています。 フムフム、と中世騎士の兜に見入るサイダー。

プラハ城からの眺めプラハ城からの眺め

王の道をたどり、プラハ城の見学を一通り終え、丘の上のお城からブドウ畑を下って旧市街方面へ戻ります。 さあ、今日はどこのビアホールに行こうかな!?

旧市街を自転車で行く旧市街を自転車で行く

プラハの街は広く、見所は旧市街に限りません。 そんなときには自転車が便利ですね。 というわけでチェコの旅の最終日、今度はヴルタヴァ川沿いや新市街などを自転車で巡ってみました。

走り始めは旧市街の中。 石畳でコケないよう注意しながら走ります。

ヴルタヴァ川ヴルタヴァ川

旧市街から対岸へ渡り、ヴルタヴァ川の遊覧船発着場やチェコ橋やプラハ城を眺めます。 右手はレトナー公園です。

サイダー、パンク修理中サイダー、パンク修理中

旧市街の対岸を川沿いにルンルン走っていたら、『あちゃ〜!』 サイダーがパンクです。 大きな画鋲がばっちり刺さっている。

カレル橋でツーショットカレル橋でツーショット

パンク修理を終え、今度はマラー・ストラナ側からカレル橋を再訪。

ダンシング・ビルディングダンシング・ビルディング

さらにヴルタヴァ川を南下し、イラーセク橋を渡るとそこは新市街。 橋のたもとの人目を引く現代建築は、1996年完成の『ダンシング・ビルディング』です。 もともとの名前は『フレッドとジンジャー・ビル』で、ジンジャーのウエストのくびれは、後ろの建物からの川の眺めを妨げない配慮のためとか。

ベツレヘム礼拝堂ベツレヘム礼拝堂

北上していったん旧市街に戻り、ベツレヘム礼拝堂へ。 ここはヤン・フスがチェコ語で説教を行ったところで、プラハの中でも特に重要な教会の一つ。 18世紀後半に全壊したのですが、1950年前後に元の姿に忠実に再建されたそうです。 私たちが行った7月6日はちょうど『ヤン・フスを偲ぶ日』にあたり、行事の準備で入ることはできませんでした。

旧市街の路地旧市街の路地

旧市街と新市街の境目あたりを巡る。 テラスが設けられ、楽しい雰囲気の路地を通り抜けていきます。

新市街の街並み。正面はインドルジスカ塔新市街の街並み。正面はインドルジスカ塔

ところで『新市街』と言っても歴史は古く、14世紀に整備が始まっています。 馬市場だったというヴァーツラフ広場からトラムの線路に沿って行けば、正面には15世紀に建てられたインドルジスカ塔が現れます。 この近くにはムハ美術館があり、多くのポスターやムハの生涯を紹介するビデオを見ることができます。

旧新シナゴーグ旧新シナゴーグ

再び旧市街に戻り、訪れたのはユダヤ人地区『ヨゼホフ』。 ここはかつてユダヤ人のゲットーで、シナゴーグや墓地などがあります。 『旧新シナゴーグ』は1270年頃に建てられた初期ゴシック建築で、ヨーロッパで最も古いシナゴーグと言われています。

聖アネシュカ修道院聖アネシュカ修道院

こちらもプラハで最も古いゴシック建築の一つ、聖アネシュカ修道院。 1230年代の建築で、教会や回廊がつながった建物は静かで心休まる雰囲気を持っています。 建物の一部は国立美術館の中世部門となっています。

聖アネシュカ修道院の夜聖アネシュカ修道院の夜

実は、私たちの泊まったホテルはこの修道院の隣にあり、窓から美しいゴシック教会の姿を眺めることができました。

スメタナ・ホールスメタナ・ホール

プラハ最後の夜は少しだけ音楽を。 火薬門の隣にある市民会館は、1911年に完成したチェコのアールヌーヴォーを代表する建築です(TOP写真)。

その内部には、音楽祭『プラハの春』の会場となるスメタナ・ホールがあり、天井のステンドグラスの採光窓、壁面のアールヌーヴォーの絵画など、空間の豊かさ、豪華さを存分に味わうことができます。 この夜はモーツアルトとドボルザークの名曲集コンサートを楽しみました。

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