聖ミクラーシュ教会とディイー川
朝のズノイモは気温22度と快適です。
昨日は時間外で入れなかったロトゥンダ(円形礼拝堂)の内部を見学し、ディイー川の切り立った露頭の上に建つ聖ミクラーシュ教会を眺めてから、ズノイモを後にします。
ズノイモを出る
今日のコースもプラハとウィーンを結ぶグリーンウェイの一部ですが、その本線までは四桁の自転車ルート5007を辿ります。
チェコの自転車ルートは案内がしっかりしていてほとんど迷うことはないのですが、この5007は最初の曲がり角がわからずにちょっとうろうろ。
ディイー川沿いの自転車ルート
しかしなんとかそれらしい道を見つけて進めば、そのうち案内標識が出てくるようになりました。
そしてその自転車ルートは街を抜け、いつの間にかディイー川沿いを行くようになります。
ディイー川沿いの地道
右手にディイー川を見ながら進めば、道は徐々に細くなり、地道に。
ぶどう畑
道脇は林からとうもろこし畑に、そしてぶどう畑へと変わります。
タソヴィツェ
ズノイモの隣村タソヴィツェから南に進路を変え、グリーンウェイ本線を目指します。
ディイー川
タソヴィツェのすぐ南でディイー川を越え、
ナチェラティツェ
ナチェラティツェでグリーンウェイに入りました。
ミツマニツェ
昨日までのコースは穏やかなれど上りか下りしかありませんでしたが、今日はその上り下りはまったくといっていいほどありません。
畑も麦畑は比較的少なくなり、とうもろこしやじゃがいもといったものが目に付くようになります。 チェコはドイツほどではないにしても、じゃがいもはとてもよく食べられており、大抵どんな料理にも付け合わせとして出てきます。
きれいに並んだぶどうの木
そして畑の三割りくらいはぶどう畑となります。
りんごの木と池
ときには果樹畑もあり、これはりんご。
その先には大きな池が広がりますが、これはディイー川の水を使った人工池でしょう。
ヤロスラヴィツェ
その池のある街を通過し、再びディイー川を渡って進みます。
ぶどう畑の中を行く
フラーデクからディヤーコヴィツェへの道は、ぶどう畑の中を行く地道でした。
稲畑
そしてここは稲畑。
稲穂
日本の稲はほとんど田んぼで作られますが、ここはどう見ても畑ですね。
ちなみにチェコではお米もじゃがいも同様、よくサイドディッシュとして添えられます。
ヘヴリーン付近
まわりの畑が再びとうもろこし畑になると、道はどこまでも続く長い直線に。
その直線の先にヘヴリーンの街が見えてきます。 時刻は13時と昼食にちょうど良いので、このヘヴリーンで昼食としました。
ひまわり畑
午後の部はひまわり畑から。
ヨーロッパの夏といえばこのひまわり畑を思い起こす方も多いと思います。 ここはまだ三分咲きといったところですが、そのうちきっと満開のひまわり畑に出合えるでしょう。
オーストリア国境に沿う道
プラハとウィーンを結ぶグリーンウェイのほぼ半分は、チェコとオーストリアとの国境近くを行きます。
今日のコースもその例外ではなく、道は国境に沿って走り、ここからその国境までは1kmほどしかないのです。
今日は平野
そして今日はほぼ真っ平らと言っていいコースで、見渡す限り小さな丘もありません。
モラヴィアは自転車天国
モラヴィアはボヘミアより一段と自転車に力を入れているように見えます。
ここにはグリーンウェイ以外に、モラヴィアン・ワイン・ルートが網の目のように設定されいます。 写真の一番下がグリーンウェイ、真ん中がモラヴィアン・ワイン・ルートの標識で、その上にもう一つ別のルートの標識があります。
ノヴィー・プジェロフ付近
三たびディイー川を越え、畑の中をどんどこ。
ここはオーストリアとの国境までわずかに100m。
すいか畑
この畑は、かぼちゃかな、すいかかな、と思って観察しましたがすいかです。
小さなすいかの実がいくつか付いていました。
林の中の自転車ルート
珍しくもこの道は二車線です。 こんなに巾の狭い車はないでしょうから、どうやらここは自転車専用道のようです。
ミクロフ付近
道脇にはきれいなひな菊。
ミクロフ
この自転車道の先にモラヴィア地方とオーストリアの境目にある重要な街、ミクロフが見えてきました。
山の上には巡礼の聖地、聖セバスチャン教会とその鐘楼が建ち、下の街では13世紀にロマネスク様式で始まったミクロフ城(20世紀中旬に復元)がデ〜ンと腰を据えているのが見えます。
ミクロフのメインスクエア
一日中フラットだったコースも、ミクロフの街に入ると上りとなります。
その上りの最後に辿り着くのがこの広場で、そこにはお決まりの噴水とバロック様式の柱像が建っています。
メインスクエアの柱像とディトリフシュテイン家の墓
ちょっと奥まったところにはディトリフシュテイン家の墓が建っています。
これは16世紀建造の聖アナ教会が18世紀の大火の後、街を統治していたディトリフシュテイン家の墓地として改修されたもので、見た目は教会そのもの。
聖バーツラフ教会
そしてその反対には聖バーツラフ教会の塔が聳え、
スグラフィットの家
広場の入口には見事なスグラフィット装飾の家が建っています。 スグラフィットは二色の漆喰を重ねて塗り、上の漆喰を掻き落として絵柄を作る技法ですが、ここのそれは黒白ではっきりくっきりで美しい。
チェコはかつてはユダヤ人が多く住んでいたのですが、ここミクロフもその例外ではなく、シナゴーグやユダヤ人の墓が残されています。
しかし、そういったものの見学は後日にして、今日は街中のワインショップでおいしいモラビアのワインを仕入れて、まったりすることにします。