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ラス・アレーナス〜ポテス

緑のスペイン 10

開催日 2015年08月10日(月)晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度
走行距離 56km

ピコス・デ・エウロパを眺めつつ尾根道を行く
ピコス・デ・エウロパを眺めつつ尾根道を行く

コース紹介

ピコス・デ・エウロパ眺望ルート第二部。尾根道からピコス・デ・エウロパを眺め、両側に断崖が迫る渓谷を抜けて小さな村々を巡ります。レベーニャの小さな古い教会に立ち寄った後、ピコス・デ・エウロパ散策の拠点となるポテスまで。

動画(05'00" 音声:BGMのみ)

Googleマップでルートを表示ルートデータ(gpxファイル)
総合データ(GARMIN Connect:ルート、高度、速度など)

発着地 累積距離 発着時刻 備考
Las Arenas
145m
START 発08:30 泊:Hotel Rural Los Angeles(朝食込)
Río Cares
Arangas
360m
4km 着09:15
発09:20
Rozagás
330m
8km 着09:35
発09:40
Ruenes
300m
12km 着09:50
発09:55
Allés
270m
17km 着10:20
発10:50
Ermita Nuestra Senora del Rosario
Barで休憩
Niserias
60m
21km 着11:00
発11:00
ここから再び Río Cares沿いに
Robriguero
100m
27km 着11:40
発11:45
この先N621はカンタブリアとアストゥリアスの境界
Río Devaに
La Hermida
100m
40km 着12:40
発13:50
Barが数軒、温泉
昼食:Posada Campo
Lebeña
210m
48km 着14:30
発16:10
Igresia de Santa Maria
Ojedo (Potes)
280m
56km 着16:45 Potesまで1km
夕食:Restaurante El Refugio 、泊:Hotel Toscana 49€

ラス・アレーナスの朝ラス・アレーナスの朝

今日は、いよいよピコス・デ・エウロパのハイキングや周辺散策の拠点となるポテスまでの移動で、まずは東に向かいます。朝食をホテルで済ませ、8時半に出発。

朝の気温は14度。スペインのこの時間帯はまだ『早朝』、ようやく青くなってきた空にそびえる山々には朝もやがかかっています。

尾根道までの上り尾根道までの上り

東に行くには幹線道路をまっすぐ走るルートもありますが、小さな村を巡りつつ見晴らしのよさそうな尾根道を通ってみよう、といういつものサイダーの提案で最初から上りです。

山が見えてきた山が見えてきた

早朝から上り。。とへたれそうになるサリーナですが、しばらくすると霧が晴れてきてピコス・デ・エウロパの山々の景色が見え始めました。上れば上るほど景色が良くなっていきます。おお〜すばらしい!というわけで気分も上々、ルンルンと上ります。

セーリャ川河口へカンタブリア山脈の景色

約200mの上りでほぼ尾根道の頂上に到着。ここからは、緩いアップダウンを繰り返しながら大西洋との間を隔てる山塊や南に広がるピコス・デ・エウロパの景色を楽しむことができます。

南にはピコス・デ・エウロパ南にはピコス・デ・エウロパ

ピコス・デ・エウロパは『ヨーロッパの頂』という意味で、大航海時代、アメリカ大陸から帰ってくる船が初めて目にするヨーロッパの光景だったことに由来するそうです。

アランガスアランガス

尾根道の最初の村アランガスを走り抜けるサイダー。赤い瓦屋根の家々が30軒ほど並んでいるここには民宿もあり、このルートの中では大きめの村です。

牧草地を走る牧草地を走る

少し開けたところに出てきました。両側は牧草地になっていて、カウベルの音だけが響く中、太陽に向かって東へ走っていきます。

小さな集落と教会小さな集落と教会

そんなところにも小さな集落があります。そして、ほんとうに小さな教会も。

尖った山が連なる尖った山が連なる

前方をみると、尖った山の頂が何重にも連なっています。こんな山の景色はあまり見たことがありません。氷河がつくった地形でしょうか。

車はほとんど通らない車はほとんど通らない

すばらしい景観を堪能しつつ、この道を走るのは我々2人だけ。何とも贅沢なルートです。

点在する村とサイダー点在する村とサイダー

尾根道の回りには小さな村が点在しています。昨日訪れたアシエゴのように、牧畜で暮らす人々の村なのでしょう。

道沿いの集落道沿いの集落

周辺の村は、この尾根道からさらに急傾斜のダートを上ったり下りたりしてたどりつくところがほとんど。よって、村の景色を眺めるだけでどんどん先へ進みます。

アジェスの入口アジェスの入口

尖った山々を背にして教会の尖塔が見えました。アジェス(Alles)という村に到着です。少し大きめの村なので、ちょっと立ち寄ってみることにしました。

アジェスアジェス

教会に至る道はきれいに整備され、おなじみになったアストゥリアスとスペインの旗が飾られています。

エルミータエルミータ

尖塔のある教会は、エルミータ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デル・ロサリオです。エルミータという名称ですが、立派な教会でした。

教会前のバルで休憩教会前のバルで休憩

教会は閉まっていて残念ながら入れず、すぐ前のバルで休憩です。爽やかな気候と雄大な景色を愛でながら休んでいると、通りでは人々が朝の散歩をしながら挨拶を交わしています。

アジェスからの下りアジェスからの下り

気持ちのよい尾根道はそろそろ終わり、アジェスからは下りです。

教会の尖塔と山並み教会の尖塔と山並み

振り返ると、エルミータの尖塔と尖った山並みが連なっていました。

AS-114を東へ進むAS-114を東へ進む

アジェスからは2kmほどで幹線のAS-114に合流します。ここからは、再びカレス川に沿って東進です。

吊り橋吊り橋

途中、小さな吊り橋が架かっていたのでちょっと寄り道。正面には石灰岩の大きな岩山がそそり立っています。

カレス川と幹線カレス川と幹線

そして、その下を流れるのはカレス川。川に沿って幹線のAS-114が走っています。

幹線を走るサリーナ幹線を走るサリーナ

カンタブリア山脈とピコス・デ・エウロパに囲まれて、このあたりの道路は谷間の川沿いにつくられています。そこを離れると、ほとんどは激坂の山道になってしまいます。

幹線を走るサイダー幹線を走るサイダー

11時近くなり、次第に暑くなってきました。幹線はほぼフラットですがそれなりに車が通り、木陰もありません。

カレス川を渡るカレス川を渡る

5kmほど走ったところで幹線を離れ、カレス川を渡り脇道へ。幹線を通れば、さらに4kmほど先のPanesまで走ってからポテスへ南下するN-621に入ることになりますが、ここで脇道に入ればN-621への近道となるはずです。

上りダート上りダート

という脇道はやっぱり激坂で、しかも砂利道ダート。へこへこと自転車を押します。

ロブリゲーロの教会ロブリゲーロの教会

少し上ると舗装路になり、小さな教会の脇を抜ければ丘の上のロブリゲーロの村に入ります。

トベスの集落トベスの集落

舗装路になっても上りは続きますが、周辺の山々も見渡せて気分は爽快。

N-621に入るN-621に入る

ショートカットの丘を下り、川を渡ります。これはデバ川で、この川に沿ってここからは幹線のN-621を南下します。

デバ川の並木道デバ川の並木道

このN-621は幹線といっても対向車がすれ違うのがやっとの細い道で、『急峻な谷間の道』という意味の『デスフィラデーロ』と呼ばれています。しばらく行くと、デバ川沿いの並木道に入りました。

並木道を行く並木道を行く

木漏れ日の中を渓流の音を聞きながら進みます。このあたりは、この道路がアストゥリアス地方とカンタブリア地方の境界となっています。

岩山の隙間を走る道岩山の隙間を走る道

道の両側を見上げれば、岩山が屏風のようにそそり立っています。そのわずかな谷間を通る道は驚くほどフラット。天から山脈にくさびを打ち込んだような、こんな谷がどうやってできたのでしょうか。

岩山の先端岩山の先端

石灰岩の岩山は削られたような荒々しい岩肌をみせ、空洞になっているところも。今にも崩れ落ちるんじゃないかといった様相です。

谷間の道を行く谷間の道を行く

しばらく進むと、道路はカンタブリア地方に入ります。奇岩を眺めつつ走る道はほぼ平坦なものの、時刻は正午、真上からの強烈な日差しを浴びて焼けこげそうです。

ラ・エルミーダに到着ラ・エルミーダに到着

正午を過ぎたところで、この道沿いの唯一の町ラ・エルミーダに到着しました。岩山を背景に道沿いに続く小さな町ですが、カフェテラスを見つけてとにかく日陰に滑り込む。

ちっちゃいイワシがウマイ!ちっちゃいイワシがウマイ!

時刻は12時半。スペインでは昼食には相当早い時間ですが、昼食OKとのこと、ラッキー! ここには外国人観光客もよく訪れるようです。日替わり定食メヌー・デル・ディアで、焼きイワシやチーズカツレツをいただきました。

岩山に囲まれたラ・エルミーダ岩山に囲まれたラ・エルミーダ

ゆっくりまったりして出発は午後2時。岩山に囲まれたラ・エルミーダを後にします。

デバ川で水浴びする親子連れデバ川で水浴びする親子連れ

ここにはホテルも数軒あり、デバ川では親子連れが水浴びをしています。

ホテル・ラ・エルミーダホテル・ラ・エルミーダ

実は、ラ・エルミーダには温泉もあります。左前に見えるのが、温浴施設のあるホテル・ラ・エルミーダ。60度の温泉水には体によいミネラルが含まれる、と説明にありました。

谷間を走るサリーナ谷間を走るサリーナ

まだまだ岩山の谷間の道が続きます。

谷間を走るサイダー谷間を走るサイダー

ごつごつした岩山の間を進む道は、

デバ川デバ川

くねくねと蛇行しながらずっとデバ川に沿って続いています。

レベーニャへの分岐点レベーニャへの分岐点

ラ・エルミーダから7kmほど走ったところで少し脇道に入り、レベーニャに立ち寄ります。ここには、1893年に国の史跡に指定されたサンタ・マリア教会があるのです。

サンタ・マリア教会の入口サンタ・マリア教会の入口

分岐点から600mほどで、岩山を背にしたサンタ・マリア教会の塔が見えました。

サンタ・マリア教会と塔サンタ・マリア教会と塔

この教会は10世紀頃、レベーニャの貴族によって建てられたものだと言われています。その後、教会にポーチが追加され、1896年には全体の修復と併せて手前の塔が建てられました。

サンタ・マリア教会サンタ・マリア教会

教会はプレロマネスクのモサラベ様式で、イスラムの影響を受けた馬蹄形アーチと柱が特徴的とのこと。しかし扉は閉まっていて中に入れず、とにかく暑いのと昼食で満腹だったので、教会の裏の日陰でしばらく昼寝をすることにしました。

レベーニャを出て幹線に戻るレベーニャを出て幹線に戻る

1時間ほど昼寝して自転車に戻ってみると、誰かがこんなメモを残していてくれました。『やあ!教会が開くのを待っているのだったら、今日は月曜日なので休みだよ。明日は10時過ぎから開くからね』 ありがとう、でも明日は来られない。残念ながら内部を見ることは叶わず、サンタ・マリア教会を後にしました。

丘陵地の先にピコス・デ・エウロパ丘陵地の先にピコス・デ・エウロパ

しばらく走ると両側に迫っていた岩山が徐々に後退し、景色が広がりを見せ始めました。両側は丘陵地となり、その先にピコス・デ・エウロパが望めるようになります。

オヘドオヘド

道路は広くなり、両側に家が並んできました。そして、この地域の中心の町ポテスから約1km手前にあるオヘドという町に、私たちがこれから3泊するホテル・トスカーナがあります。午後5時に到着したホテルでは、気さくなおじさんが迎えてくれました。

ポテスの中心カピタン・パラシオ広場ポテスの中心カピタン・パラシオ広場

ホテルで2時間ほど休憩した後、ポテスまで散策と夕食に出かけました。

ポテスは、ピコス・デ・エウロパの観光拠点となる町だけあって、中心のカピタン・パラシオ広場は大勢の観光客で賑わっています。

激坂のローマ橋インファンタードの塔

周囲をピコス・デ・エウロパなどの山々に囲まれ、デバ川とキビエサ川が合流するポテスは、カンタブリア地方の最も西に位置するリエバナ地域の中心地です。その歴史は古く、石造りの橋や塔、貴族の館などが中世の街並みの雰囲気を漂わせています。最も目立つ建物、インファンタードの塔は15世紀に建てられたゴシック様式で、現在は展示施設とされ屋上は見晴し台になっています。

レストランの並ぶオビスポ通りレストランの並ぶオビスポ通り

さすがはリエバナ地域の中心地、ここにはレストランやバルが軒を連ねています。どこがいいかな〜と歩きつつ、次第に静かな通りへ入っていきました。

コシード・レバニエゴの具のオンパレードコシード・レバニエゴの具のオンパレード

人通りが少なくなったオビスポ通りの一角のテラス席に誘われて座ったレストランで、とりあえず生ビールのカニャを一杯。ぶどう棚のテラスでまったりするいい雰囲気で、ここで夕食をとることにしました。

そこで頼んだのは『コシード・レバニエゴ』。この地域の名物で『リエバナ地域の煮込み』という意味ですが、メニューの表現がよくわからない。『コシード・レバニエゴ』の下に、『スープ』『ガルバンゾ豆』『子牛』『チョリソ』など、いろいろ書いてある。お店のマダムが言うには2人で1つで充分、とのこと。そして出てきたのは、確かにまずスープ。そして『キャベツの煮たの』、『ガルバンゾ豆と子牛の煮たの』が続く。どうやら、全体がコシード・レバニエゴという煮物で、そのスープと具が別々に出てくるようです。う〜ん、いい味だけど激大量でおなかいっぱい!

満腹のいい気分でオヘドのホテルに戻った私たち。明日はいよいよピコス・デ・エウロパのハイキングです。

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uploaded:2015-09-27