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香港+マカオ

香港+広州+マカオ 2

開催日 1995.12.31(日)- 1996.01.05(金)

文武(マンモウ)廟の天井からぶら下がる線香
文武(マンモウ)廟の天井からぶら下がる線香

旅の紹介

◆ 香港では麻雀が行われる結婚パーティーに驚き、西貢でベイ・クルーズして海鮮料理を堪能したら、夜はあやしいマーケットを徘徊。マカオでは庶民の賭博船でサイコロ賭博の『大小』に盛り上がり、ポルトガル料理に舌鼓を打ちます。

地図:Googleマップ

ビクトリアピークからビクトリアピークから

2006年の元旦、昨日広州から香港に戻ってきたサイダーとサリーナにチコとユーリンが合流し、この日は4人で香港のショート・トリップです。まずはお決まりのビクトリア・ピークへ。

ここからの眺めはいつでもだいたい同じですが、来るたびにいくつか超高層の建物が増えています。中国に返還されるまであと1年半となった香港ですが、返還後、この眺めはどう変わるのでしょう。

超高層マンションの壁超高層マンションの壁

香港の高層マンションはすごい! 日本のそれらはたいていポツポツと間隔を空けて建てられますが、ここのはご覧の通りびっしり隙間なくという感じです。

こんなマンションやビル群をスレスレに飛行して、街中にある啓徳(カイタック)空港に着陸するパイロット泣かせで恐ろしい『香港アプローチ』も、中国返還に合わせて新しい空港が造られているとのことなので、そろそろ経験できなくなりますね。

超高層マンションのバルコニー超高層マンションのバルコニー

もの凄い数の超高層マンションが立つ香港ですが、やっぱりここはアジア。

バルコニーを見れば、洗濯物がずら〜り。

昔から変わらない建物昔から変わらない建物

香港はセントラルの超モダンなビルディングやニョキニョキのマンションばかりかと思えばそうでもなく、こんな大通りにも古ぼけたビルが立ち並んでいます。

そうそう、今日は元旦ですがここ香港は旧正月なので、街はほとんど普段と変わらない感じです。

結婚パーティーは麻雀から結婚パーティーは麻雀から

さて、夜は今回香港に来た最大の目的であるケンちゃんとジャネの結婚パーティーです。

聘珍楼の会場に入ると、唖然。なんとそこはマージャン会場だった! いえいえ、ここは立派なお二人のパーティー会場なのです。香港では宴会が始まるまで、そこでお客は麻雀をして楽しむのだそうです。

それにしてもみんなの真剣な眼差しに、またまたびっくり。

ジャラジャラ遊びジャラジャラ遊び

どれどれ私たちも、と始めたのは牌を使った神経衰弱です。

チビッコ・ユーリンがいるからね。やや、ユーリンは積み木遊びしてる!

宴会宴会

1時間ほど麻雀を楽しんだあとはいよいよ宴会のはじまりはじまり。こちらの宴会の雰囲気は日本のそれとはずいぶん違います。

日本の宴会は主賓のあいさつだのなんだのとちょっと堅苦しいですが、こちらは最初から和気あいあい、にぎやか。主役のお二人も飲んで食べて笑ってと、かなり豪快!

ヨットハーバーに変貌したアバディーンヨットハーバーに変貌したアバディーン

パーティーで楽しく過ごした翌日は、オーシャンパークからアバディーン(香港仔)に行ってみました。

かつてのアバディーンは水上生活者のサンパン(木造の小舟)がグチャ〜と集まったところで、良く香港映画のロケに使われるところでした。今回、何年ぶりかで訪れたアバディーンはまったくそれとは別物に変貌していてビックリ。

サンパンとクルーザーサンパンとクルーザー

高台から湾を望むと、そこにはあの茶色のサンパンではなく白い船がびっしり。なんとここはヨットハーバーになっていたのです。

アバディーンからコーズウェイ・ベイ(銅鑼湾)に通じるアバディーン・トンネルも出来ていて、すごく便利になり、時代の移り変わりを感じます。そんな中にも昔ながらのサンパンがごく僅かですが浮かんでいました。

上環のナイトマーケット上環のナイトマーケット

アバディーンからの帰りは香港島のションワン(上環)に寄り道です。

やっぱり、ぐちゃ〜、がちゃ〜という雰囲気が香港! ここにもナイトマーケットがあります。

上環のはんこ屋上環のはんこ屋

次の日は上環ではんこ屋さんを物色。ここにははんこ横丁があり、たくさんはんこ屋さんが並んでいるのです。

この中の一軒でサリーナは印鑑をオーダー。朱肉も買いました。

変わらぬ香港変わらぬ香港

香港島のションワン(上環)には1860年頃に埋め立てが完成して以降栄える古い街区が広がっています。

永楽街(ウィンロック・ストリート)や文咸街には『南北行』の店が並んでいます。『南北行』とは南の産物や北の産物を集めて商う仲介者の呼び名だそうで、漢方薬や中華材料の乾物を中心に、さまざまな品物が売られています。

ポンコツ屋ポンコツ屋

上環を少し山側に上ったところには骨董品街があります。

『アンティーク』と書いてあるお店が軒を連ねていますが、骨董と呼ぶほどのものではなく、ただちょっと古いものが並んでいるお店もたくさん。写真の左手前に重ねて並んでいるのは、中国式の5つ玉のそろばん。扇風機はともかく、タイプライターってのもそろそろ需要がないよね。

路上の店路上の店

これぞ本当のストリート・マーケット。

これらも『アンティーク』っていう看板を出しているから笑えます。商品はなんでもござれ。使い古した靴一足から、水道管の切れ端のようなものまで、ここではなんでも商品になるのだ!

立派な商品立派な商品

道端に落ちているゴミ。いえいえ、これも立派な『アンティーク』商品ですぞ。

文武廟文武廟

骨董品街のさらに山側には、文武(マンモウ)廟があります。

線香がぶら下がる文武廟内部線香がぶら下がる文武廟内部

文武廟は、文を司る神様文昌帝と武を司る神様関帝を祀ったところで、ここは香港で最も重要な道教寺院の一つだそうです。

釣鐘状の線香が天井からぶら下がり、願い事を書いたお札がその真ん中で揺れています。

最も古い界隈最も古い界隈

文武廟をさらに山側に上った太平山街あたりは香港で最も古い界隈の一つだそうで、そこに観音堂がありました。

おじいさん、おばあさんが腰掛け、ジュース売りの屋台が並び、いかにも昔ながらの庶民の地元観光地という感じです。

線香とビルの建設現場線香とビルの建設現場

そしてさらに行くと、道ばたの赤い建物2階に渦巻き線香が。

ここは『百姓廟』で、隣で建設中の超高層ビルとの対比が何とも面白い。『百姓』とは農民のことではなく、百の姓、つまり幅広い庶民の廟ということだそうです。

スター・フェリースター・フェリー

香港に来たら真っ先にここに来たいと思わせるところ。それは九龍半島のチムシャツィ(尖沙咀)と香港島のセントラル(中環)を結ぶスターフェリー乗り場、天星碼頭です。

この白と緑に塗り分けられたスターフェリーに揺られて渡る、数分間のビクトリア・ハーバーのショート・ショート・トリップはなににも代え難い雰囲気があります。

マカオの友誼大橋マカオの友誼大橋

さて、結婚パーティーを終えたケンちゃんとジャネとはその後、マカオでおいしい物でも食べよう、ということになっていて、この日の午後にマカオにフェリーで向かいました。

議事亭前地(セナド広場)議事亭前地(セナド広場)

マカオの観光はサンマアロ(新馬路)からセナド広場へ。

正面にマカオ市政庁正面にマカオ市政庁

この広場はポルトガル統治時代のマカオ市政庁の前にあり、周囲をパステルカラーの建物に囲まれています。

中央には天球儀を据えた噴水があり、大胆な波模様の石畳がちょっと面白い。

聖ドミンゴ教会聖ドミンゴ教会

メキシコのアカプルコからやって来たスペイン人の3人の修道士によって16世紀後半に木造で建てられ、その後19世紀に再建された聖ドミンゴ教会は石造りのバロック様式で、クリーム色の壁に繊細な白漆喰の装飾が施されたファサードがかわいらしい。

内部も同じようにクリーム色で、教会というよりどこか宮殿のような感じです。正面の祭壇には『バラの聖母』呼ばれるマリア像が祀られていて、中国語では『バラの教会』と呼ばれているそうです。

高台から聖ポール天主堂を望む高台から聖ポール天主堂を望む

マカオの顔、聖ポール天主堂。イタリア人修道士スピノラの設計で17世紀に建てられたこのキリスト教会は過去3回の大火に見舞われ、現在はファサードのみが残ります。

石造りのファザードには細かい彫刻が施されており、完成当時は『ローマ以東でもっとも傑出した教会』と言われていたというその言葉のほんの一部を感じることができます。がしかし、やはりファサードだけではあまり実感が湧かないというのが正直なところです。そして周辺の開発が乱雑で、ちょっと魅力半減という感じですね。

聖ポール天主堂跡聖ポール天主堂跡

その彫刻をよく観察すれば、3階部分には『対聯』や、『念死者無為罪』、『鬼是誘人為惡』という文字が刻まれています。

キリスト教会のファサードに漢字というのが珍しい上、ここまで直接的な表現というのはあまり見かけないように思います。

聖ポール天主堂のファサード聖ポール天主堂のファサード

他に変わったものと言えば菊の花が多くの彫られており、これはその昔、キリシタンへの迫害から逃れてこの地にやってきた日本人が彫ったのではないか、と考えられているようです。

粥粉麺飯粥粉麺飯

まちをぶらぶら歩くと、地中海っぽい雰囲気の街並みに中国が混在していて面白い。

写真はちょっとクラッシックな感じですが、新装開店かな。花輪の形や大きさ、色使いが日本のものとは大分違います。粥粉麺飯とあるのでレストランですね。

カジノ・パラス・マカオカジノ・パラス・マカオ

マカオとくればカジノ。マカオにカジノはたくさんあります。外国人専用の高級カジノから、地元のおじさんおばさんも行く庶民的なカジノまで幅広くあり、同じカジノでもずいぶん違います。私たちは庶民的なカジノに行ってみることにしました。カジノ・マカオ・パラス(澳門皇宮)は中国式楼閣のカジノ船で、マカオのカジノの中で最も長い歴史を持つものの一つで、1962年の開業。有名なリスボアが1970年開業なのでそれより古い。かつて香港の人々はここを『賊船』(泥棒船・海賊船)と呼んで親しんでいたとか。ここに入ったら丸裸にされてしまう、っていう意味ですね。きをつけよ〜

ここはさすがに庶民のカジノだけあり、入口にある『皇宮娯楽場 CASINO MACAO PALACE』という看板は相当年季が入っていて、その下にぶら下がる中国式の赤い提灯も色褪せています。この中国式の門をくぐると、バラックのようなプラスチックの波板屋根の下を通り(仮設だったのか?)、小さな橋を渡ってカジノ船の入口にたどり着きました。入口を入るとドラがジャ〜ンと鳴って客の到来を告げます。ドラってとこが気に入った。

カジノって入ったことがないので、どんなところだろう? とワクワク。ボディーチェックを受けて中に入れば、内部は撮影禁止なので写真はありませんが、内装も少々年季が入っていて、60~70年代にタイムスリップしたような気分。入口付近にはスロットマシーンがずらりと並び、その奥にポピュラーなブラックジャックやポーカーといったカードゲーム、ルーレットなどのテーブルが並んでいます。映画で見るような正装した男女が賭けに興じて… という雰囲気とは全く異なり、普段着のズックがけみたいな人がほとんどで拍子抜け。実は私たちもそうだけどね。(笑)

中のいくつかのテーブルでは見たことのない風景が。3つのサイコロがガラスケースの中でポンポンと飛び跳ねています。アジアならではの『大小』というサイコロゲームで、これは相当盛り上がります。賭け方はいくつかありますが、簡単なのは、サイコロの目の合計の大小を当てるもので、小は4〜10、大は11~17でレートは1:1。111や222などのゾロ目は大にも小にも属さず、『ゾロ目』というところに賭けなければディーラーの総取りとなります。このゾロ目があることでカジノが儲かる仕組みになっています。

この『大小』のテーブルの後ろにはこれまで大小どちらが出たか順番に表示されていて、次の予測をしやすくしていますが、実はこれはワナなのだ。盛り上がるのは掲示板がこんなとき。小小小小小小小小 さてこの次も小か、こんどこそ大か? こうして掛け金が増え、参加者も増えてきてテーブルは熱くなります。そして次は… 333のゾロ目でディーラーの総取り。あちゃ〜! とこんな具合です。

そうそう、目的のおいしいものはポルトガル料理です。コロアネ島で、caldo verdeというスープ、アサリのトマトソース、カニチリ、タイのロースト、鳥のローストを。もう一軒は、コロニアル風ホテルのレストランの気持ちの良いベランダで、カレー、アフリカ鳥、ラムのワイン煮込、ハトのローストを。どちらもベリーグ〜〜〜!

西貢西貢

マカオでポルトガル料理を堪能した私たちはケンちゃんとジャネと別れて香港に戻ってきました。香港でも美味しいものを食べに行きます。

レイユームン(鯉魚門)は有名になりすぎたので、今回はサイクン(西貢)に行くことにしました。

西貢の湾西貢の湾

九龍のチムシャツィ(尖沙咀)から北東13kmほどのところにあるサイクンへはバスで1時間。

到着したらまず、サンパンでぐるっと湾を一廻り。ここは凹凸が激しい地形で、風光明媚なところです。

海老、蟹合戦海老、蟹合戦

陸に上がればさっそく魚屋で食材を物色します。

きれいな斑点柄の黄色っぽいウツボや得体の知れない魚、そしてお決まりの海老や蟹がわんさか。

巨大シャコ巨大シャコ

一番のお勧めちょうだい、といったらここの店主、

『じゃあこんなのはどう?』 と持ち上げたのは緑からちょっと黄色がかった色のシャコでした。お~~デカイ!

ここでアワビと海老とお勧めの魚を仕入れました。写真の巨大シャコはちょっとお値段が張ったので止めてしまいましたが、やっぱり試してみるべきだったかな。

この食材を近くのレストランに持ち込み料理してもらいました。海老は『よっぱらい海老』に。活きのいい海老を酒に漬けて酔っぱらったようなところで皮を剥いて食べます。これ、プリプリの身がなんともたまりません。アワビはジトッ〜とした煮込み、魚はあっさりとした蒸し物で絶妙な味。三重丸!

女人街女人街

西貢の海鮮料理で満足した私たちは九龍に戻って、ナイトマーケットをぶらつくことにしました。香港にはあちこちに露店が出ていて、場所によって扱う品が違います。

まずはヤウマティ(油麻地)の先にあるウーマンズ・マーケット(女人街)から。ここは写真のように男性が喜びそうなものばかり売っているところではありません。(笑) 確かに女性用の下着や身の回り品は多く、男性も楽しめますが、Tシャツやジーンズといった男物の衣類や子供用のものなどもたくさんあります。

香港は夜も満員香港は夜も満員

夜の露店はいつでもどこでも超満員。無数の品物を眺めても楽しいし、それを物色している人を眺めても楽しい。

見慣れた漢字もここでは日本のそれとはちょっと違っていて楽しい。『漢玉』ってかなりあやしいよね。こっちは『恋色表』だって。

ビニ本?ビニ本?

さて、女人街からチムシャツィ(尖沙咀)方面に向かい、天后廟を入ったところにあるジェイド・マーケット(翡翠市)で緑のきれいな翡翠を眺めたら、さらに尖沙咀方面に向かいます。するとそこはかなりあやしいゾーンになります。

テンプル・ストリート(廟街)は別名男人街と呼ばれ、男が好きなものがずら〜り。写真は、ん〜ん、なんといいましょうか、かなりクラシックな感じですねぇ。まあ、こんなものばかりを売っているという訳ではありません。本物の偽物のロレックスやら金のネックレスやら。AV関係、あっ、これは両方です、アダルト・ビデオとオーディオ・ヴィジュアルとどちらもあります。

経済飯経済飯

夜店歩きに疲れたら、街角にある屋台で一服しましょう。

経済飯ってなんでしょな?

屋台屋台

女人街、男人街の喧噪は以前来たときからあまり変わらず、ざわざわ、わいわいという雰囲気を楽しみ、何となくほっとして旅を終えたのでした。

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