1517-2

上越の棚田巡り

東頸城 2

開催日 2015年09月21日(月)曇り時々晴れ
参加者 シロスキー/サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 53km
累積高度 1,450m
地域 甲信越

小黒谷を背後に
小黒谷を背後に

コース紹介

東頸城は上越市の山中を。ここは山ばかりで平地はまったくなし。複雑に絡み合った山ひだをいくつも越えて、その中にひっそりと作られた棚田を巡り、坊ヶ池から穏やかな稜線の米山と頸城三山の妙高山、そして碧い日本海を眺めます。

動画(05'15" 音声:BGMのみ)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻 ルート 備考
朴の木
385m
START 発07:50 R405など 田舎屋
高谷
235m
5km 着08:10
発08:10
カントリーロード
高尾
415m
11km 着09:20
発09:35
r278,r301
宇津俣
340m
14km 着09:45
発09:45
カントリーロード
府殿
310m
16km 着10:00
発10:00
カントリーロード
peak
495m
19km 着10:40
発10:50
カントリーロード
梨平
245m
24km 着11:10
発11:10
r198など
坊ヶ池
480m
28km 着12:15
発13:10
カントリーロード 昼食:フォークハウス湖畔/025-528-4100
米山への眺望
棚田
190m
35km 着13:40
発13:40
r198など
小さなpeak
290m
36km 着13:55
発14:00
カントリーロード
下昆子
170m
38km 着14:15
発14:15
r301
柳島
145m
40km 着14:20
発14:20
R405
小さなpeak
315m
44km 着15:05
発15:05
R405
高谷
190m
48km 着15:20
発15:20
R405など
朴の木
385m
53km 着16:10
泊:田舎屋/6,675円/025-592-2300
日の入り17:47/十日町市観光協会上越市観光大地の芸術祭の里まつだい棚田マップ

朴の木の宿朴の木の宿

東頸城の二日目は、新潟県上越市安塚区の朴の木の宿を起点に、その周辺を廻ります。

このあたりにはこれといった特別な見どころはないのですが、昨日に引き続き、たくさんの棚田と緑の山々が楽しめるでしょう。

朴の木朴の木

宿でおしいしい朝ご飯をいただいたあと、まずは昨日やってきた道を下の国道まで下ります。

宿までのアプローチ路はループになっていて、昨日は距離が短かく激坂がある側を使いました。そこでこの朝は、距離は少し長くなるものの、勾配が穏やかな側を行ってみることにしました。

サルビアの咲く花壇サルビアの咲く花壇

国道は宿の北側にあるのですが、まず南に少し進んで朴の木川を渡り、そこからUターンして北へ向かいます。この道の勾配は、確かに昨日通った激坂よりずっと穏やかです。

朴の木へのアプローチはこちらが順当なのか、村の名が書かれた看板とサルビアやベゴニアが咲くきれいな花壇が整備されているところに出ました。この右手が朴の木川の谷で、出発した宿が対岸に見えます。

北の山々を眺めながら行くサリーナ北の山々を眺めながら行くサリーナ

ループの合流点から先は、右手の谷の眺めがいい、昨日通ってきた見覚えのある道となります。

ほどなく『安塚八景 小黒谷』という標識が立っているところに出ます。(TOP写真)

小黒谷小黒谷

ここは昨日も通ったのですが、その時はバテバテだったのと、空がどんよりした雲に覆われていたのとで、さして気にも止めずに通り過ぎたのですが、この朝は空も明るく、遠く北の山まで眺められてなかなかの景色です。

谷の向こうには、なだらかな米山(992m)が見えています。今日一日、あの山が風景の中心となります。

高谷からの上り高谷からの上り

R405まで下ってさらにそれを西へ向かえば、道は結構な勢いで下っています。今日はこの道で宿まで戻らなければならないので、ここで帰りが辛いのがわかってしまいました。

高谷の集落が見えたところで国道を離れ、南へ向かいます。

急坂を上るサイダー急坂を上るサイダー

この道はしょっぱなから激坂。わっせわっせと低速で上っていくと、棚田があり、その横では稲が稲架掛け(はさかけ)で天日干しされています。

広がる棚田広がる棚田

さらに上っていくと、そこにはかなり広い面積で開墾された棚田団地のようなものが広がっています。

ここの棚田は一枚一枚がきれいな長方形で、それが整然と並んでいるのです。こうした広い面積の棚田、整然とした棚田というのは、東頸城ではちょっと珍しいように思います。

棚田の中のまっすぐな道棚田の中のまっすぐな道

その棚田の中を通る道もまたまっすぐです。

長方形の棚田の中を行くサイダーとシロスキー長方形の棚田の中を行くサイダーとシロスキー

道はアスファルトからコンクリート、そして砂利敷きへと変化していきます。

次の棚田へ向かうサリーナとシロスキー次の棚田へ向かうサリーナとシロスキー

整然とした区画の端っこまでくると、そこは他の区画の棚田との境目で、ここからは狭い普通の棚田が現れるようになります。

ここにも『はさかけ』があり、稲がきれいに並んで吊るされています。

棚田を繋ぐ山道棚田を繋ぐ山道

こうしたはさかけと棚田を横目に進んで行くと、道は突然山道に。

一応路面はコンクリートで舗装されていますが、その上はぶ厚い緑の苔で覆われています。

山の中の棚田山の中の棚田

この山道のさらに先にも棚田が出てくるから、びっくり。この道は車が入って来られるのでしょうか。

山道のピーク山道のピーク

へこへこと自転車を押し上げ、引き上げして進み、なんとか頂上らしきところに出ました。

日本海日本海

『あ、海が見える~』 サリーナが指差す方角を見ると、うっすらとですが確かに海が見えています。あれは直江津あたりでしょうか。

東頸城には高い山はありませんが、しかし山ばかりなので、ちょっと小高い山に上っても海は見えないと思っていましたから、ちょっとびっくりです。そういえばここのすぐ西は、直江津に流れ込む関川周辺にできた高田平野ですから、視線が二つか三つの山を乗り越えさえすれば、日本海が見えるのです。

足元に咲く花足元に咲く花

このあたりには、足元にこんな花がたくさん咲いています。洋風にも和風にも見える花です。

こじんまりした棚田こじんまりした棚田

このピークを過ぎると道は地道に。

そして下り始めた道の横には、ここにも棚田が。

高尾への下り高尾への下り

勾配がきつくなると路面はコンクリートに変わり、高尾へ下って行きます。

道は高尾の集落でr425に合流し、さらに下って行きます。そしてすぐにr278に入るのですが、この曲がり角は上からだと分かりにくく、少し下りすぎてしまいました。戻ってやり直し。

高尾の二階に掃き出し窓がある民家高尾の二階に掃き出し窓がある民家

r278に入ると、とたんに道は上りに。東頸城は山ばかり、坂ばかりで、坂も下りはあっという間だから、上りばかりが目に付きます。

この地方は大層雪深く、平年でも4~5m、多い時には6mも積もるそうです。そんなわけで、冬、民家は二階からも出入りできるように、二階部分に掃き出し窓を持ったものも多いようです。

うねうね道と段々棚田うねうね道と段々棚田

この道を上って行くと、小さな谷の向こう側の山にうねうねと上って行く道が見え、その周りに段々と棚田が並んでいるのが見えます。

そういえば、畑は段々畑ですが、どうして田んぼは段々たんぼでなくて棚田と呼ぶのでしょう。

山ひだを超える山ひだを超える

ここには高い山はありません。しかし、小さな山が重なり合い、複雑に山ひだを絡み合わせているので、どこに行くにもその山ひだを越えなくてはなりません。

ということで、上ったり下ったり、上ったり下ったりを繰り返すことになるのです。

棚田の脇を行くサリーナ棚田の脇を行くサリーナ

道の斜度が緩むと、整列した段々田んぼが現れました。このあたりには少し穏やかな広めの土地がいくらかあるようです。

しかしそうした土地も端っこの方には、やっぱり乱れた形の棚田が作られています。

棚田と蕎の花棚田と蕎の花

低い山を先に見ていた道が急に向きを変えると、谷が変わり、そこに見事な黄金色の棚田が現れました。

田んぼの一枚一枚はひどく複雑な形状をしていて、一区画だけ白い花が咲いています。蕎の花です。このあたりは蕎麦でもちょっと有名なようです。

棚田を背景に記念撮影棚田を背景に記念撮影

ここはうしろの緑の山も、刈り取りを待つばかりの棚田もきれい。この棚田の横でしばし休憩して、宇津俣に下ります。

その下りの途中、『はさかけ祭り』の幟が立ち、小さな広場でまさに今、その祭りが始まろうとしているところがありました。このあたりでは、稲を天日で干す『はさかけ』を守り、引き継いでいこうという活動が行われているのです。

山間の畑の中を行く山間の畑の中を行く

宇津俣で飯田川を渡り、その川沿いの谷を府殿に上って行きます。

ここには珍しく、田んぼではなく畑が作られています。

府殿の田んぼ府殿の田んぼ

しかしそうしたものはごく僅かで、圧倒的に優勢なのは、やはり田んぼなのです。

府殿の集落府殿の集落

いつしか下りに転じた道の先に、府殿の集落が見えてきました。

このあたりの集落はみな小さく、そこに建つ民家も数えられるくらいです。

上牧からの林道を行くサイダー上牧からの林道を行くサイダー

府殿から牧・猿俣川を渡り、上牧の集落に上りました。通りに出たところで休んでいると、近所の方が声を掛けてきました。

こんな山奥からいったいどこへ行くんだというので、坊ヶ池と答えると、そこには1mを超える大物の鯉がいて、かつては春になにかの盛大がお祭りが行われていたといいます。話が弾んで、ちょっとお茶でも飲んでいかんかい、と誘われたのですが、坊ヶ池で昼食の予定の私たちは、所定の時刻までにそこに辿り着かないと昼食をとり逸れてしまうので、やむなくこれは辞退。

林道の棚田林道の棚田

この方が、坊ヶ池に行くには梨平まで下ってもいいけれど、この先の林道でも抜けられると教えてくださったので、私たちは林道を選択。

林道横の蕎畑林道横の蕎畑

上牧の通りを少し上ると、すぐに林道の入口が見つかりました。

この林道はまず棚田の中を行き、蕎畑の横を通って山に入っていきます。

林道のピークから北の山々を見る林道のピークから北の山々を見る

えっさ、えっさと上り詰めて、なんとか林道のピークに到達。

するとそこからは北に、あの米山をはじめとする山々がよく見えています。これを見てもわかるようにこのあたりは、山に続く山、というより、山の固まりなのです。

日本海ときれいに並んだ棚田日本海ときれいに並んだ棚田

視線を西に移していくと、下には区画整理されたように整然と並ぶ段々田んぼ、その先にはかすかに日本海が見えます。

棚田の中を下る棚田の中を下る

ここから梨平までは下り一直線。豪快に棚田の中を下って行きます。

小川の畔の田んぼ小川の畔の田んぼ

区画整理田んぼを過ぎると、今度は左手の谷を流れる小さな川沿いに棚田が現れます。

やっぱり区画整理したような田んぼより、こうした狭い領域に作られた自然の地形に近い田んぼの方が風情を感じます。

梨平からの上り梨平からの上り

梨平からはまた上りが始まります。昼飯処の坊ヶ池は標高500m近くで、ほぼ本日の最高標高地点でもあるのです。

ここからはいくつかのルートがありますが、梨平から坊ヶ池に直接上って行く道はうねうねで勾配がきつそうなので、r198を南下し、京ケ岳を廻って行くことにします。

実った稲穂実った稲穂

とはいえ、もちろんこの県道も上りです。

道脇には豊かに実り、頭を垂れた稲穂がきれいに並び、その上を赤トンボが忙しなく泳いでいていい感じなのですが、私たちの足は売り切れ寸前で、ちっとも前に進みません。

上るシロスキー上るシロスキー

ゆっくりペダルを回しながらr198を上り詰めて行くと、右坊ヶ池の標識が現れました。想定したルートではもう少し先を入るのですが、もう上りは飽きたのでこの道を入ることに。

ところがこの道、少し行くと突然下り出し、川まで下りて上り返すことになってしまうのでした。ということで、その川からまたへこへこと上って行きます。

坊ヶ池坊ヶ池

えっこらよっこらと上り詰めて、ようやく坊ヶ池の畔に辿り着きました。そこには釣り糸を垂れている人が何人かいましたが、この池は想像していたよりひっそりとした、小さなものでした。

この池の畔にはキャンプ場とちょっとした宿があり、その宿の隣にはこのあたりでただ一軒のレストランがあります。へとへとな私たちは、池を充分に眺めることもせず、このレストランに飛び込みました。

坊ヶ池より北の米山方面を見る坊ヶ池より北の米山方面を見る

そこは池からさらに一段上がったところで、北側には米山方面の眺望が広がっていました。なだらかな稜線が印象的な米山は、この日あちこちから見えていたのですが、周囲に山がないためかなり高く見えます。しかしその標高は、実は1,000mもありません。

西には僅かながら日本海も見えます。そしてぐっと首を回して南西を見れば、そこには頸城三山の妙高山が見えるといいますが、この時は雲に隠れていたようです。

高田平野と西頸城の山々高田平野と西頸城の山々

坊ヶ池で少しまったりしたあとは、その名も棚田というところに下ります。この下りは快適で、前半の上りの苦しさを忘れさせてくれるものでした。

途中には、高田平野と西頸城の山々が見渡せるところも。そう、このあたりは平野部と山岳地帯の境界付近なのです。

北野の棚田北野の棚田

小さな櫛池川を渡って棚田の集落に到着。

楽しい下りは残念ながらここまでで、r198を少し上って、北野の集落からはまた一尾根越えることになります。

下湯谷への下り下湯谷への下り

北野からは、ゆっくり、へこへこと上っていきます。ここは大した高度差ではないのに、すぐに足は売り切れ、ピークに達した時には全員、よろよろでした。

しかしこのピークからは、なかなか快適な下りを楽しむことができました。

上昆子上昆子

なんとか飯田川が流れる下湯谷に下ると、そこからはしばらく下り基調の道が続きます。

上昆子という集落に差し掛かりました。上昆子? え、なんて読むの。。道端の標識によれば『かみびりご』だそうです。これは絶対に読めない村名の一つかと。

田島田島

上があれば下もある。下昆子を通り抜け、飯田川を渡ると田島という集落です。

ここで、高齢の農民が日傘を抱え、電動カートで移動しているのを見かけました。こうしたカートで移動している農民はここ以外でも数人見かけました。みなさん、年老いて歩くのは辛くなったけれど、田畑に入ればしゃきっとする、といったところなのでしょう。

柳島付近のR405柳島付近のR405

田島からはr425に入り、高谷に抜けるつもりでした。しかしもう上りはいいよ、って意見が多数だったので、ここは無難に柳島まで下り、R405を行くことに。R405は柳島からの上り口が少しきついのですが、その後はかなり穏やかになります。 結果はどうだったかはわかりませんが、一般的に国道はもっともアップダウンが少ない道なのです。

柳島は学校や商店がある、このあたりではそれなりの規模の集落なので、道すがらお茶でもできるところがあったら寄ろうかと思いましたが、これは残念。

道端のコスモス道端のコスモス

R405は国道だけあり、特に柳島あたりは車線が広く立派です。しかしこの道の先には大した集落もないので、交通量はかなり少なく、自転車でも不安を感じることはありません。

道端の民家の庭先には、秋らしくコスモスが咲いています。

R405から南の山々を見るR405から南の山々を見る

R405はしばらく尾根近くを行くので、そこからは南の山々が見渡せます。

今日の午前中は、ここから見えるあの山の中のどこかを走っていたのです。

R405近くの棚田R405近くの棚田

思い起こせば今日もやっぱり、山と棚田の一日でした。

ここに来ても、その棚田はあちこちに点在しています。

北東の山を眺めながら進む北東の山を眺めながら進む

道が若干向きを変えると、先には北東に横たわる山々が見えてきます。

高谷の集落高谷の集落

この先でいったんピークを迎えたあと高谷川まで少し下り、当初使う予定だった高谷に下ってくる道を横目に進むと、そこからは再び上りになり高谷の集落に入ります。

高谷からの上り高谷からの上り

集落の外れにある今朝方上って行った道を過ぎると、そこからは見覚えのある景色に。ここでやっと宿までの帰り道が感覚的に掴めるようになります。

このあたりは今朝、ぐわ~んと下って帰りが大変そうだなと思ったところ。しかし上ってみると、意外に勾配は穏やかでちょっとびっくり。これまでの激坂の連発に、感覚が麻痺してしまったのでしょうか。

水が流れていない滝水が流れていない滝

それはともかく、この坂をへこへこと上っていくと、今朝方は下りの途中で通り過ぎてしまったので、帰りに立ち寄ろうと思っていた『高滝大滝』の標識の前に辿り着きました。

どこに滝があるのかと見回すも、それらしいものは見当たりません。おかしいなあ、と思って標識の奥をよく見ると、しみ出した水が、露出した岩壁を伝ってごく僅かに落ちています。なんとこれが、大滝! いくらなんでもこれが大滝とは、ちょっとねぇ。。

再び小黒谷再び小黒谷

高滝大滝に一笑いさせられたあと、R405から朴の木への道に入ります。

今朝方見た小黒谷は、受ける日差しの方向が変わり、わずかにその表情を変えています。よく見ればこの谷に、和田の集落らしいものが見えています。昨日はあそこから上ってきたんですねぇ~、と一日経って感慨に浸る私たち。

朴の木へ朴の木へ

ここからはもう、勝手知ったる我が家の庭のような気になっている道を、とことこと朴の木の宿に向かうだけです。最後はもちろん、激坂じゃあない方の道で。

この日は特に目立った観光地があるわけでもなし、ただ東頸城の山の中をほっつき廻っただけですが、ここにはとにかく山があり、人の手が入った棚田があり、それを支える集落がたくさんあります。そこで生活している人々の姿が垣間見られるのが、なんともすばらしいところです。

さて、明日は長野県との境に横たわる山の一つに上り、ちょっとだけ長野県に入ってみようかと思います。

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uploaded:2015-09-29