今朝は快晴。ニセコに来て6日目にして初めて、羊蹄山の頂上までくっきりと見えています。
こんな天気のいい日は眺めのいい場所に向かおうと、今日はニセコアンヌプリに登ることにしました。
車で山に向かう途中、羊蹄山の西に対峙するニセコアンヌプリも雲一つなく、その全貌を見せてくれました。
ニセコアンヌプリは標高1,308m。名前はアイヌ語の『ニセイ・コ・アン・ヌプリ("nisey-ko-an"-nupuri)』からきており、『ニセコアンベツ(絶壁に向っている)川の山』という意味だそうです。
登山といっても、途中の標高1000mまではゴンドラで上ることができます。
駐車場に車を置いて、ゴンドラ乗り場へ。
ゴンドラ往復チケットを購入し、すぐにゴンドラに乗り込みました。
ゴンドラ山頂駅からは標高差300mほどでニセコアンヌプリ山頂なので、問題なく辿り着けるはず。。とこの時は思ったのですが。
ゴンドラ発進。南の空は雲一つない快晴です。
『やっぱり今日は登山がベストですね~』と満足そうなレイ、レイナ。
しかし、東を見ると羊蹄山の山頂付近には少し雲が湧き始めていました。
『羊蹄山の雲、もう少し待っておくれ~』と祈りつつ、ゴンドラは上っていきます。
ゴンドラはどんどん上り、随分標高が高くなってきました。
南には、緑に囲まれた田畑の景色が広がっています。
10分ほどでゴンドラ山頂駅に到着。ここは標高約1000mです。山頂駅の東側に『1000m台地展望広場』があり、ニセコ駅から昆布駅あたりにかけての美しい景観が楽しめます。
正面中央のとんがった山頂は昆布岳(1045m)。
さらに右の方を眺めると、右の山は幌内山(842m)
その間のずっと奥に内浦湾(噴火湾)が見えるはずですが、今日は霞んでいます。
左の方を見るとニセコ駅と町の中心部、そして奥にかすかに見えるのは、洞爺湖に面した有珠山のようです。
さて、ここからが本当の山登りの始まりです。上に見えるのがニセコアンヌプリの頂上。『あそこまで上るのね~』と気合いを入れるのは、左からレイナ、レイ、サリーナ。カメラはサイダー。
最初は階段になっていて歩きやすい。
すぐに山道になり、レイを先頭に土や岩を踏み締めながら上っていきます。
道の両側は背の高い笹に囲まれ、景色はほとんど見えません。
勾配がどんどんキツくなってきました。そして周囲の笹の背丈が低くなり、私たちにギラギラと否応なく日差しが照りつけます。
振り返れば美しい景色が広がっていますが、『きつい~、暑い~』と足取りはかなり重い。
さらに笹は低くなり、日陰がないので休むに休めず、とにかく前に上に進むしかありません。
一歩一歩、のろのろと足を上げるも『もうだめじゃあ~』とサイダーがうめく。
頂上はまだまだ先です。そんな時、先頭のサリーナがリフト小屋(降り場)を見つけました。『あそこに日陰があって休めるんじゃない?』
『いや、リフトは動いていないし、登山道からは行けないんじゃない?』と、疲れて疑り深いサイダー。まだ
登り始めて30分ほどですが、もうヘトヘトです。
リフト降り場が視界に入ってからもなかなか近づかず、ぜいぜいしながら歩くこと15分、ようやく辿り着きました。ゴンドラ山頂駅からは約45分。
リフトは網で覆われていましたが、とりあえず日陰になっているのでここで休憩。ホッ。下を見ればいい景色で『上ってきたね~』
しかし、実は距離にして600m、標高差にして180mほどしか上っていません。頂上までまだ半分近くあります。
休憩中にあたりの植物観察を。これはヤマハハコ。エーデルワイス(ウスユキソウ)にちょっと似ていますが別種だそうです。
こちらはオトギリソウ。プチプチと伸びたおしべがかわいい。
オトギリソウは薬草としても知られており、また園芸種のキンシバイは庭木によく見られます。
真っ青な空に緑の野草とピンクの花が映えます。そして、ここにはトンボがたくさん。
サリーナ、サイダー、レイナの3人は、この花に包まれた日陰のパラダイスでかなり満足しており、全く動こうとしません。
仕方ないので山男レイは、ここから一人で山頂に向かうことにしました。
脇目も振らず黙々と登るレイ。約30分後、四方に視界が開け、ついに山頂に着きました。
ニセコアンヌプリ山頂(1308m)アタック成功!
暑さで汗まみれですが、登頂の達成感に浸るレイ。ジオポタメンバーは誰もいないので、登山の方に記念写真を撮ってもらいます。
このニセコアンヌプリ山頂には、西の五色温泉からも登山ルートがあります。写真がそのルート。その奥に岩肌を見せている山は、昨日登山口に立ち寄ったイワオヌプリです。
この登山ルートは尾根道を下って約1時間15分で五色温泉に着き、またその途中で南に下る『見返り坂コース』を行けば、頂上から2時間半ほどでゴンドラ山麓駅まで歩けるらしい。
イワオヌプリの右奥に見えるのはワイスホルン(1045m)。
ワイスホルンの名前の由来はいくつかの説があるそうで、その1つはあるドイツ人が本家スイスのワイスホルン(Weisshorn)に似ていると言ったとか、もう1つはワイスホルンが標高約4500m、こちらは1045m(45+1000)だからとか(?)
そのはるか先には岩内、そして日本海と積丹半島がうっすらと見えます。
東を見れば、比羅夫の街の向こうに雄大な羊蹄山。。ですが、頂上は黒い雲に覆われていました。残念。
ところで、山頂にあったこの碑は『ニセコ観測所跡』。
実は、第二次大戦中にここでゼロ戦の機体への着氷防止実験が行われていたのだそうです。
自力で下りる『見返り坂コース』にも惹かれるレイでしたが、ここはやっぱりみんなと合流することにして、往復約1時間でリフト降り場まで戻ってきました。
単独登頂、お疲れさまでした。
山登りで元気モリモリのレイと、1時間の休憩で元気を回復したレイナ、サイダー、サリーナの全員でリフト降り場を出発。
この高さからの羊蹄山は見納め。円錐形の裾野が広がる優美な姿を目に焼き付けて、下山を開始します。
今度はレイナが先頭です。
もともと下りは大得意なレイナ。他の3人をちぎって飛ぶように下ります。
レイナを追うも、足が絡まり何度も転がりそうになるサイダー、サリーナ、レイでしたが、ようやく階段のところまで下りてきました。
先行のレイナが下る面々を下から激写。
ここは、もう標高約1000mの山頂駅の近くです。麓の景色も少し近く見えています。
そして、山頂駅から下りのゴンドラに乗り込みました。
ゴンドラの途中の傾斜地では、パラグライダーを楽しむ人々を発見。
ゴンドラが山麓駅に着いたのは12時過ぎ。山歩きを堪能し、景色も十分満喫したということで、今日はこれであがり(笑)。ここから車で比羅夫に行き、昼食と温泉ということにしました。
比羅夫への途中、r343から見えるのはニセコアンヌプリの東山スキー場あたり。レイとレイナは昔ここでバリバリ滑っていたらしい。
昼食はピザレストラン。ランチはピザ窯で焼いた本格ピザとパスタです。
食事の後は、レストランの隣にあるホテル『ひらふ亭』の日帰り温泉へ。まだ14時前ということもあり、誰もいない広い温泉をゆっくり楽しみました。
さて、昨日に続き今日もかなり暑かったけど、山の上からはニセコ周辺の雄大な景色を楽しむことができました。そして、天気予報では明日も暑いらしい。明日も車かな~?