今日と明日は、ニセコアウトドアセンターの提供する体験・アクティブティのプログラムに参加します。まず本日はガイド付きの神仙沼ハイキング。
コテージから3kmほどのニセコアウトドアセンターに車で出かけて受付を済ませると、ネイチャーガイドの方の車に乗り換えて神仙沼入口まで。『r66の一部が通行止めなので、遠回りになります』ということで、r268に入ります。
r268が途中から一車線の山道になるのは私たちも8月10日(5日目)のドライブで経験済み。くねくね道を上り紅葉の滝入口を通り過ぎ、新見峠を越えるとニセコパノラマライン(r66)にぶつかります。
ここからは、時々左手に広がる景色を楽しみながら神仙沼の入口まで快適ドライブ。
レストハウス前の駐車場でハイキングの準備を整え、ガイドさんに導かれていざ神仙沼へ出発!
駐車場から道路を渡ったところがハイキングコースの入口です。
ハイキングと言っても歩きやすい木道を全2kmほどということなので、ゆるりと参りましょう。
まずは入口の看板の前で記念撮影におさまるのは、左からレイ、レイナ、サリーナ、サイダー。撮影はガイドさんです。
ガイドさんを先頭に、木道を進んでいきます。
道の周囲にはササ、そして周りにはダケカンバが茂っています。
時々、まわりの植物の前でガイドさんが説明してくれます。『これはエゾヤマザクラです。特徴は…』花はピンクが濃いそうです。今はもちろん咲いていませんが。
なお、この日は色々な草木や花を解説してもらいましたが、名前を忘れて後からこちらで調べたものもあります。なので、記述には間違いがあるかもしれませんがご容赦を。
この季節、あたりに花はほとんどありませんが、白い花を発見。『アジサイですか?』とレイナ。
これはアジサイ科ですが、ウツギです。花は終わりかけですね。
今日は風が結構強く吹いています。
ザーッと音を立てながら風になびくササ群の間を行くサイダー。
木道をどんどん進む。ササと低木に囲まれたこのあたりは、空が広く感じられていい気持ち。
花の季節でもなく紅葉の季節でもないせいか、ほとんど人に出会いません。
しばらくすると、高木が現れてきました。
これはトドマツだったか。。幹に大きな亀裂が入っていましたが、大きく枝が四方八方に伸びて存在感があります。
木道の横の大きな葉っぱはミズバショウ。花はもう終わっています。
これはチシマザクラ。背が低く、根本から枝分かれするのが特徴だそう。
大きな葉っぱのカエデがありました。ハウチワカエデというらしい。
すでに、少し赤く紅葉している葉っぱも見られます。
こちらはダケカンバ。
シラカバ(白樺)より標高の高い山岳に生えることから、ダケカンバ(岳樺)と名付けられているとのこと。
ねじれた枝々が四方に伸びて、結構迫力があります。『道路沿いではまっすぐに伸びて高木の林になっていたようですが?』と質問。
『積雪や風の影響を受けるところでは、こんなふうにねじ曲がります』とガイドさん。まっすぐ伸びたシラカバとダケカンバはかなり似ているので、見分け方を教えてもらいましたが、微妙なのでちょっと難しそう。
長沼方面と神仙沼方面の分岐点を越えました。
そろそろ『神仙沼高層湿原』と呼ばれる湿原に入ります。
湿原に入ったあたりで、草の間に白くかわいいウメバチソウの花を発見。
『ついに高山植物の花に出会った~』と喜ぶ面々。8~9月、湿原の中で最後まで咲く花だそうです。
神仙沼高層湿原の入口には説明看板とベンチがありました。湿原に入る前にガイドさんの説明を聞きます。
『高層湿原』とは、分解された泥炭が多量に蓄積されて、周囲よりも高くなったために地下水では涵養されず、雨水のみで維持されている湿原だそう。神仙沼高層湿原の広さは4.18ha。所々に池塘(泥炭層にできる池沼)がみられます。
木道の伸びる湿原を進んでいきましょう。
風が吹くと湿原を覆う草がなびき、風の姿が目に見えるようです。右の方の低木はハイマツ。日本では、本州中部以北の高山帯にしか見られません。
木道を曲がったところで最初の池塘に遭遇。泥炭層の上にあるため、水は黒く見えます。
静かな水面に撒き散らしたような黄色っぽい葉の水草は、ネムロコウホネ。今は咲いていませんが、黄色く可愛いピンポン玉くらいの花が咲くそうです。
『コウホネ』は『河骨』と書き、泥の中の地下茎が白く骨のように見えるのがその名の由来とか。ちなみに『コウホネ』と『ネムロコウホネ』との違いは、コウホネの葉が空中に突き出るのに対し、ネムロコウホネは水面に浮かんでいるのだそう。
湿原の草むらの中、いくつも池塘が現れます。
アカエゾマツを背景に、ガイドさんに導かれて神仙沼へと歩を進めるレイ、サリーナ、レイナ。
次第に雲が低く垂れ込めてきました。その幻想的な風景の中、写真撮影のため遅れていた赤い帽子のサイダーが追いかけてきます。
こちらの池塘では、ミツガシワが水中から葉を伸ばしています。
アカエゾマツの切れ目から水辺が見えました。
神仙沼に到着したようです。
木々に囲まれた静かな神仙沼。
曇り空、それに風で水面が揺れており、周囲の木々が水面に映り込む『よくある写真の風景』ではありませんでしたが、しんと静まった孤高の沼の美しさが際立っていました。(TOP写真も)
『静かでいいところね~』と、水辺に佇むサリーナとサイダー。
『神仙沼』の看板近くの水辺ではミツガシワがたくさん葉を出しています。ミツガシワは神仙沼のある共和町の『町の花』だそうで、4~5月に白い花を咲かせます。
ミツガシワの手前には紫の花が見えます。
紫の花はサワギキョウ。静かな沼の縁を控えめに飾っています。
キキョウ科ですが、花の形は上下に分かれて上が2裂、下が3裂になっていて、キキョウとは随分見た目が違いますね。
その時、レイナとサリーナが水面近くで何やら発見。
『わ~、大きい!』
それは、瑠璃色のシマ模様の大きなトンボでした。このトンボ『オオルリボシヤンマ』は日本最大級のヤンマだそうで、全長8~9cm。ミツガシワに産卵しようとしているところでした。
ところで神仙沼には魚は棲んでいません。川などと繋がっておらず周囲とは隔絶された環境のためです。
神仙沼の景色を楽しみ、周りの植物や昆虫を観察したら、改めて記念撮影。
湿原や沼の風景が美しく、道路沿いの入口から片道1kmくらいと、気軽に楽しむハイキングとしてお勧めです。
では、そろそろ帰路につきましょう。
アカエゾマツの間から湿原を通り抜けます。
木道は周回コースになっており、風になびく草原の中、来た道とは違うルートを進みます。
池塘の中には、島のようなものも見えます。
これは、泥炭層の一部が剥がれ、浮島のようになっているものだとか。
そういえば、とサイダーが『ここにはモウセンゴケはありませんか?』と尋ねると、
『ありますよ!こっちです』とガイドさんがすぐに案内してくれました。
水辺のすぐそばに、赤いモウセンゴケの群生がありました。早速熱心に写真を撮るサイダーとサリーナ。食虫植物、好きなんですね~
『私もモウセンゴケが大好きで、時間を忘れて写真を撮ったりしてるんですよ』と嬉しそうに話すガイドさんでした。
さらに湿原の木道を進みます。
その先で、背の低いマツに出会いました。
ハイマツではなく、アカエゾマツでしょうか。強い風や雪にさらされる環境でこんな形になったのか。
そろそろ湿原の端に到着です。
ここからは、林の中の来た道を戻ります。
北海道の8月といえばそろそろ秋。木々は実をつけたり、冬を越し春の萌芽の準備を始めるものもあります。
このカエデは翼を持つ実をつけていました。
これはオオカメノキ(ムシカリ)か。たくさんの赤い実が目を引きます。
そして、その実の根元には小さな冬芽が出てきているのでした。
これはコナラかな。先端にはまだ小さなドングリが。
そして、足元の黄色い花はミヤマアキノキリンソウ。
今更ですが、ミヤマは『深山』。高山植物の名前には『ミヤマ』が付いているものがよくありますね。
ササに覆われたダケカンバの林の中を、ハイキングの出発地点へと戻ります。ガイド付きツアーはいろいろと教えてもらえていいですね。行程は往復全2kmですが、1時間半かけて楽しみました。
この後、車でニセコアウトドアセンターへ、そして、レイレナのマイカーに乗り換えてコテージへと戻りました。
さて、本日のおまけの行程は、黄金温泉。昨日通ってとても気になっていた温泉に突入。
手作り感満載の内風呂、露天風呂があり、露天風呂からは目の前にニセコアンヌプリが聳えます。1人用の露天風呂では特に炭酸泉が楽しめ、プチプチの泡が体にまとわりつきます。ああ、いいお湯だった~
その帰り道。車の中からニセコアンヌプリの麓あたりに見えたのは、2つの熱気球でした。
そして、晩御飯。今日は簡単にホットプレートのBBQを室内で。
またモリモリ食べて、明日に備えます。と言っても、明日は運動系ではなく燻製づくり体験でした(笑)
翌日。いいお天気です。
今日は休養日にするというレイナはコテージに残り、レイ、サイダー、サリーナの3人が車でニセコアウトドアセンターへ。そこには『たいけん工房』という建物がありました。
そこにいたスタッフの方が、『燻製づくり体験はこちらでやります』と建物横の半屋外スペースに機材や食材を運びつつ、私たちを誘導します。
半屋外のテーブルには一斗缶を加工したらしい手作り燻製器と食材、そしてスモークチップが並べられています。
『どれでも好きな香りのチップを選んでくださいね』とスタッフさん。
さくら、ヒッコリー(オニグルミ)、ナラ。レイとサリーナが香りを慎重に確かめ、ナラのチップを選択。ブレンドもできますが、初心者ですからまずは単品で。
ではまず、上の網に食材を乗せましょう。ということで、担当はサリーナ。
トングで食材を網に乗せていきます。
食材が適当に、いや整然と並べられました。
ししゃも、ゆで卵、ソーセージ、チーズの4種類。
次は、スモークチップをスコップでその下のスペースに入れていきます。担当はレイ。
ザザーっと2・3回チップを入れたら、準備完了。
スタッフさんが食材に蓋をして缶の下のバーナーに火をつけたら、あとはしばらくして1回ひっくり返します。
『あとは待つだけ、簡単じゃの~』とサイダー。羊蹄山をバックに日差しを避けながらおしゃべり。
ところが、今日は結構風が強い。
煙の様子を見たり、『火が消えそう』と風除けの囲いをしたりとスタッフさんが対応してくれます。
そろそろできたかな~
蓋を取って裏返してみると、飴色に燻されていい感じ。もうしばらく待ちましょう。
はい、できました!
4種類のししゃも、ゆで卵、ソーセージ、チーズの燻製の完成です。
建物に入って、待ちに待った試食です。もったいないので小さく切ってちょっとずつ味見。
『うん、美味しくできてるね~』とサイダー。『ビールのつまみにピッタリですね』とレイ。
このたいけん工房では他にもそば打ち、いももち&バターづくりなどの食べ物や、ガラスリッツェン、木の葉アートなどのクラフト体験ができます。アウトドアはカヌーやフィッシング、トレッキングなどのプログラムがあり、私たちの奥にはカヌーに使うジャケットが置いてありました。
燻製の成果品、美味しいね~と試食しているとすぐになくなりそう。『レイナに持って帰らなくちゃ』と慌てて袋に詰め込むサリーナ。プチ体験のお土産を手に車でコテージに戻り、本日のイベント終了!