ニセコ滞在も残すところあと3日となりました。今日はニセコ周辺で紹介されているハイキングコースの一つ、『鏡沼ハイキング』に行くこととし、コース入口までは自転車で往復することにしました。
午後の散策から復活するというレイナに見送られ、お弁当を持ってサイダー、サリーナ、レイの3人がコテージを出発。
まずはr343を北東方面へ。
今日は少し青空も見えますが基本は曇り。『自転車の間は曇り、でもハイキングは晴れで。。』とお願いしながら走ります。
途中、枝道の一般道を抜けていきます。
『ローカル道は良いわね~』とサリーナが引く。
道路脇に黄色い花を咲かせているのは、ご存知キクイモ。
この時期、この辺りで最もよく見かける花ですね。
他に花といえば、畑の蕎麦の花。この写真左側が蕎麦畑ですが、そろそろ終わりかな。
ジオポタ独占道を悠々と走るレイとサイダー。
r343に戻れば車交通もそれなりにあります。気をつけて走りましょう。
出発して4kmほどでニセコ東急グラン・ヒラフスキー場のエリアに入ります。
リゾートホテルが建ち並んでいますが、今はシーズンオフで静か。
アウトドアショップや高級そうなレストランが並ぶ交差点を横切って進みます。
ところで『比羅夫』という名前は、飛鳥時代の7世紀、蝦夷征伐にやってきた阿倍比羅夫が羊蹄山(後方羊蹄〔しりべし〕山)に政所を置いた、という伝説から来ているそうです。長い歴史がありますね。
ヒラフのリゾートエリアから少し下り、コンビニの角を左折してr343を北上します。
右手に見える景色は羊蹄山の麓の森。このまま道なりに進めば倶知安市街地の南端あたりに出ます。
私たちは倶知安の手前で左折し、HANAZONOリゾートエリアへの道に入ります。
ここからは4.6kmで185mの上り、平均勾配は4.4%。最初はほぼ真っ直ぐな道。
わっせわっせと上るサリーナとレイ。
背景には羊蹄山の山裾の景色が広がってきましたが、後ろには全く目もくれず上り続ける2人です。
前に見えるのは、左が雲に隠れたニセコアンヌプリ、右がワイスホルンでしょうか。
矢羽根の下を黙々と上るサイダー。
道の左手に畑が現れました。
広い畑の斜め後ろには羊蹄山がバーン。。頂上が見えたら絶景、ですね。
『気持ちいい上りですね~』と絶好調のレイは余裕の走り。
ハヒハヒはサリーナ。何とかかんとか足を回しています。
後ろを守りつつ、やっぱり大好きな枝豆畑を眺めるレイ。
ここはHANAZONOリゾートへのアプローチ路になっており、通過する車はほとんどありません。
上りながら道を回り込み、リゾート開発がどんどん進む大規模な工事中エリアの脇を通り、パークハイアットホテルの手前を右折。
すると、右手に芝生が見えました。ここはHANAZONOゴルフ。しばらく進むとゴルフ場の入口があります。
鏡沼ハイキングコースの入口は、ゴルフ場入口の少し先にありました。
さて、ここまでは実はイントロ、ここからが今日のメインイベント『鏡沼ハイキング』です。自転車を置いて、ハイキングの準備を済ませます。
しかし、その入口には『熊、出没します!』と書かれた看板が。慌てて鈴を取り出すサリーナ。
誰もいないと思ったら、小さい子どもを連れた家族が現れてあっという間に見えなくなりました。
『すごい、速いね~』と言いつつ、テケテケと歩き出すジオポタ。最初のあたりは勾配も緩やかで歩きやすい。
しばらく進むと丸太で作られた橋がありました。
山に入ってさらに元気ハツラツのレイ、カメラを構えて『おっとっと~』と危なっかしいサイダー。
この小さな清流は『ジャコ川』で、これからしばらくは川の流れる音と共にこの川沿いを歩きます。
その時、先ほどの家族連れが引き返してくるのに出会いました。『この先は扉が閉まって通れなさそうで、子どももいるし引き返します』とのこと。えっ?
私たちはとりあえず先に進んでみると、柵に囲まれた何かの施設がありました。水道関係か?
柵の前をそのまま進んでいくと、小道が続いています。先ほどの人たちはここを通れないと思ったのでしょう。
すると、『鏡沼→』という看板がありました。
GPSを見ながら進んでいましたが、やっぱり道しるべを見つけるとホッとします。
ジャコ川に沿って歩き続け、また丸太の橋で川を渡り、シラカバまたはダケカンバの林を進みます。
そして川から離れると、次第に上り坂の勾配がきつくなってきました。
今日のハイキングは標高差220mほどを上らなければいけませんが、ここまで上ったのはまだ100mほど。
ヨッコラよっこらと坂道を上るサイダー。後ろを守るレイ。
『まだか~』はサイダー。『この先はもっとキツい。。』はGPSをチェックするサリーナ。『私は平気』と胸の内で呟くレイ。
そんな時、木々の間からゴーという音がしてきました。見上げると、スキーリフト降り場のようです。
これはHANAZONOスキー場のリフトの一つでした。設備のメンテナンスをしている音なのでしょう。『リフトで上まで連れてって~』とはサリーナですが、このリフト、そもそもここが頂上(笑)
リフト降り場を過ぎて、さらにキツくなってきた坂をヨロヨロと上るサイダー。
『ちょ、ちょっと水を飲む』と、ヘナヘナと座り込んだサリーナの目の前にあったのは真っ赤なきのこ。いかにも毒々しい見た目ですが。どうなのかな。試してはいけません。
気を取り直してもうひと登りすると、分かれ道に出ました。
右へ折れると下りになります。鏡沼はこちら。
そして、所々の足元の泥溜まりを避けながら歩いていくと、木々の間からいきなり視界が広がりました。
ついに鏡沼の湿原に到着です。
木道を進み、湿原の広々とした空間にホーッと深呼吸するサリーナとレイ。
写真を撮り、遅れて湿原に現れるサイダー。
正面にニセコアンヌプリ。上の方は雲に隠れています。
木道は、最初はまっすぐとニセコアンヌプリへ向かっています。
そして、その先を右に曲がっていくと、黒い水面が見えます。
あれが鏡沼です。
鏡沼はその名の通り、鏡のように静かに周りの景色を映し出していました。
鏡沼との感動の対面をするレイとサリーナ。(TOP写真)
水面の左側に映るのはニセコアンヌプリ。
頂上付近は雲の中です。
空は雲に覆われ、水面にも雲が広がっています。
ここには風に乗って移動する浮島があるそうですが、風がないので漂っていないようです。
沼の縁にはサワギキョウ。神仙沼でも見かけました。
こちらはモウセンゴケ。
小さい葉っぱを目一杯伸ばしています。
鏡沼の東縁の木道はここまで。景色を十分楽しんだら、途中のベンチでお昼にしましょう。
早速ベンチでサンドイッチを広げ、お弁当タイム。
山道を上ってきたのでお腹も空きました。『美味しいね~』とサンドイッチにかぶりつくサイダーとレイ。
食事が終わったら、鏡沼と3人で記念撮影。
立ち去る前に、最後の鏡沼全景。
曇り空ですが、静かな水面が美しかった。そして、あたりにはトンボがたくさん飛んでいます。
帰路につく前に、沼の縁に沿って木道をもう少し西へ進んでみましょう。
鏡沼には、北西側のr58から至るハイキングルートもあります。
南側から鏡沼を見たところ。
沼の北側は下り斜面になっていて、沼を囲む木々の後ろは広い空が見えています。
すると、足元に大きなトンボが。
神仙沼に続いて、ここにもいました、日本最大級のヤンマ『オオルリボシヤンマ』。
湿原を後に、森の中の来た道を戻ります。
帰りは220mの下り。楽々。。というわけではありませんが、転がるように下っていきます。
シラカバの林の中を抜け、
丸太の橋でジャコ川を渡り、
さらにジャコ川を渡ったら、林を抜けてハイキングコースの出口はもうすぐです。
ハイキングの出発地点に到着。行きは1時間かかりましたが、帰りは40分。
自転車の準備を整えて出発。まずゴルフ場入口を通過します。
すると、ちょうど道路の正面に羊蹄山がデン、と構えているのが見えました。
『おお~頂上が見える!』と喜ぶサリーナ。
HANAZONOリゾートを過ぎ、道路の直線区間に入りました。
羊蹄山の頂上はまだ何とか見えています。『行きは雲の中だったから、見えてよかったね~』
右折してr343に入り、ここからはこのルートを辿ってコテージへと向かいます。
往復同じ道なのはちょっと残念ですが、自転車と鏡沼ハイキング、なかなか充実した内容でした。
さて、コテージに帰って一休みしたら、車でニセコ駅方面へ出発。今度はレイナ、レイ、サイダーの3人で、サリーナは休養です。
3人が向かったのは、ニセコ駅から東へ3kmほどの有島記念館です。有島記念館では、大正期の作家・有島武郎の人と作品、武郎が所有した農場の足跡を紹介しています。
展示の中にはこんなものも。これらは函館本線の山線区間(長万部・小樽間)で、列車の横に付けられた『行先票』。
液晶表示などに切り替わり、2020年3月で姿を消したこの区間の行先票のうち、26点がここに展示されています。意外に鉄道好きのレイナは興味津々。
さらに鉄道関係。『ニセコエクスプレス』は、JR北海道が団体・臨時列車用として運行したリゾート列車で、新千歳空港駅とニセコ駅を結ぶスキー列車として1988年から2017年まで運用されました。
また『SLニセコ号』は、1988年から1995年まで函館本線を走っていたC62ニセコ号の後を引き継いで、小型のC11形で2000年から2014年まで運用されていたもの。
有島記念館に併設されたブックカフェの大きな窓からは、緑の芝生の庭とその背後の羊蹄山がよく見えます。
ゆったりと過ごせそうなこのカフェでは、時々コンサートも開かれるそうです。
記念館の周囲は有島記念公園として整備されています。芝生広場にはテラスカフェ、そして童話に出てきそうな展望塔。
そして、いつの間にかまた雲が高くなり、羊蹄山が全貌を見せてくれました。
一旦コテージに帰ったら、今度は4人揃って車で温泉へ。今日は、ニセコ五色温泉です。写真は、いかにも山の温泉といった雰囲気の五色温泉入口で、温泉への期待が高まるレイ、レイナ、サイダー。
開放感のある露天風呂からは、ニセコアンヌプリが目の前に。実は雲に隠れていましたが(笑)
自転車、ハイキング、温泉を満喫して13日目終了。明日は、ついにニセコの実質最終日です。どこに行こうかな~?