007 Greensleeves/佐藤豊彦

アルバムの写真バッハやクープランといった大作曲家が続いたので今回は無名のものを。

リュートという楽器を御存知でしょうか。 この写真に見るように琵琶型をした胴体の、ギターに似た楽器です。 ギターと違うのは弦の数がもっと多いことと、その一部が複弦(同じ音程の弦が2本)になっていること。 楽器の大きさやコース(同じ音程の弦の数)は時代や場所により様々です。 そして実際に響く音は驚くほど小さいということ。

実はまたまたなのですが、僕はギターの響きはあまり好きではありません。 ところがこちらのリュートは好きなのです。 あとで知ったことですが、リュートの弦にはガット(羊の腸でつくったコード)が使われているそうです。 これは古楽器のヴァイオリンなどにも使われます。 そんな素材が音を決めるのでしょうか。 多分、大きく影響するのでしょう。 金属弦やナイロン弦とは違った響きがあることは確かです。 でもこのコード、温度や湿度にかなり敏感なようで、演奏会の途中にボヨヨヨヨ~ンてなっちゃうこともあるから演奏家は大変みたい。

グリーンスリーヴスは非常にポピュラーな曲なのでクラッシックやバロックといった音楽にあまり興味がない方でもどこかで耳にしているかもしれません。 作曲家は不祥ですが、いろいろな編曲がなされています。

このレコードについて

グリーンスリーヴスが2種。 最初のはフランシス・カッチン(1583-1623)による編曲で、後のには記載がありませんがおそらく佐藤豊彦によるものだろうと思います。 素朴ともいえるメロディーですが、佐藤の繊細で情緒豊かな演奏がこの曲を一層引き立てます。
他には、主にイギリスの作者不詳のものが数点とダウランドなどが納められています。

佐藤豊彦はもちろん日本人。 スイスのバーゼル・スコラ・カントルムでオイゲン・ドンボワに師事。 オランダのハーグ王立音楽院で教え、『アルバ・ムジカ・きょう』というグループを主宰しています。 現代最高のリュート奏者だと思います。

レーベル:PHILIPS

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uploaded:2004