006 J.S.バッハ/イギリス組曲/グールド

アルバムの写真グレン・グールドとの出会いは衝撃でした。

前に書いたように、僕はあまりピアノが好きではない。 しかしグールドだけは別でした。 最初の出会いはモーツァルト。 当時僕はモーツァルトが良くわからなかった。 いくつかの演奏が、僕にモーツァルトを教えてくれたが、彼の演奏がその一つでした。 こちらは機会があれば。

グールドの演奏というのはあんまりピアノらしくない。 流麗で豊満、情熱的で歌い上げるような演奏が現代ピアノの表現の代表だとすれば、グールドのはそれらとはずいぶん違う。 スタッカートの多用で流麗というより乾いた響き。、歌うというより語るような演奏。 時にものすごいスピードで駆け抜けたかと思うと、常識外のスローなテンポへ。 そんな反ピアノ的な演奏だからなのか、僕は彼のバッハとモーツァルトが大好きです。

バッハ(1685-1750)のクラヴィア曲ではオルガンと共に外せないのがチェンバロ用の曲。 そのすべてが名曲だからどれを取り上げても良かったのですが、グールドがいたからこれにしてみました。 彼のピアノで弾くバッハはどれも素晴らしいと思いますが、なぜかこれを聴くことが多いものだから。 チェンバロでの演奏はいずれ何がしかを紹介します。

このレコードについて

イギリス組曲の全曲を納めたものです。 僕にはどれが一番いいのかはわからないけれど、2番を押す人が多いようです。

演奏者のグールドはカナダ人。 放送作家でもあり批評家でもあったようです。 31歳でステージ演奏を止めてしまったので、その後はレコーディングされたものによってしか彼の演奏は聴けなくなってしまいました。 僕がどうしても実演を聴きたかった人の一人。

彼の愛用するピアノは古いスタインウェイだそうですが、このレコードではなにが使用されているのかは記載がありません。

前半のコメントで誤解を招くといけないので、補足します。 彼の演奏はドライなのではありません。 そのまったくの反対。 非常に叙情的といっても良いものでしょう。

レーベル:CBS


本の写真グールドの著作集を紹介しておきます。 彼の音楽が少し近づくかも知れない。 日本語版はみすず書房から。

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uploaded:2004